モジゴケ 文字木毛
Flora of Mikawa
モジゴケ Graphidaceae モジゴケ属
中国名 | 文字衣 wen zi yi |
英 名 | pencilmark lichen |
学 名 | Graphis scripta (L.) Ach. Show All |
分 類 | 子嚢地衣類(Ascolichens) |
生育形 | 痂状 |
生育場所 | 平地~山地の樹皮 |
分 布 | 在来種 本州、四国、九州、世界に広く分布する |
撮 影 | 豊田市 05.4.2 |
モジゴケGraphis scriptaは種の概念を統一する結論が出ていない。このため、世界に広く分布するか、熱帯を含むか含まないかの見解が分かれている。熱帯(フィリピン、熱帯アメリカ、オーストラリアなど)に分布するものをGraphis
furcata とする見解がある。
痂状(かじょう)の固着地衣。地衣体は連続し、ややしわがあり、白色~淡灰色~淡緑色。裸子器は埋没し、地衣体からやや盛り上がる。リレラ (lirellae=モジゴケ属の細い裸子器)は楕円形~線形、屈曲し、長さ1~3㎜、幅0.2~0.4㎜、分岐は少ない。子器盤は暗灰色~褐色、白色の粉霜がある。縁はよく発達し、子器の側部を覆う。果殻はあまり発達せず、底部で炭化しない(D型)。子嚢上層は褐色、厚さ 5~10µm。子嚢層は高さ90~100 µm。側糸は太さ1.5~2 µm。子嚢脚層は厚さ10~20 µm。子嚢は棍棒形、長さ80~90µm、幅15~20µm、胞子が8個入る。胞子は無色透明、一重壁、長さ25~45µm、幅7~9µm、7~10室、I+青紫色、各室はレンズ状。粉子は長さ2~5µm、幅約1µm、桿形。スポットテスト 皮層及び髄層: K-, C-, KC-, P-。2次代謝物質は検出せず。ミチノクモジゴケは酷似し、果殻の下部が淡褐色であり、子器の断面を観察しないと判別できない。
モジゴケ属は日本では約20種が知られており、樹皮上に着生するのが普通で、カバイロイワモミジなどが岩上に着生する。胞子は横の隔壁だけであり、成熟しても無色。
モジゴケ属の子器が突出する類似種の主なもの
<子器が地衣体から高く突出する>
ツツジノモジゴケ Graphis cognataは子器が高く突出し、長さ0.5~3㎜、幅0.3~0.4㎜、先端が円く、ほとんど分岐しない。胞子は長さ45~65µm、10~20室。K- , P-。ユガミモジゴケとされていたものがツツジモジゴケの誤認であったことがあり、ユガミモジゴケに似ることがある。
ナラビモジゴケ Graphis parallela = Xylographa parallelarはツツジノモジゴケに似ているが子器が曲がりくねらず、長さ0.4~2(2.7)㎜、幅0.2~0.3㎜、樹皮の皮目と平行につく。胞子は長さ(10)11~17µm、幅5~7.5(8.5)µm。(胞子の違いにより区別されていたがツジノモジゴケと同種と断定された。1981)
<子器が地衣体から突出する>
セスジモジゴケ Graphis proserpens は子器が長さ1~5㎜、幅0.15~0.35㎜、果殻の両唇に沿って溝がある。胞子は長さ28~38.5µmの紡錘形、8~12室。
クロモジゴケ Graphis connectansは子器が長さ2.4~4.4、幅0.25~0.3㎜。子器断面で果殻が発達し、下部まで炭化し、底部は狭くなるが、閉じない。子嚢に胞子は2~4個。胞子は長さ70~110µm、幅10~14µm、17~20室。K-
サクラモジゴケ Graphis prunicola は子器が地衣体から突出すし、太く、分岐が少なく、黒い。胞子は長さ75~120µm、9~12室。クロモジゴケに近いが、果殻の幅が狭く、盤の幅が広い。
ツブモジゴケ Graphis meridionalisは四国、九州、沖縄に分布する。子器が突出し、長さ0.6~2㎜、幅0.2~0.3㎜、全く分岐せず、太く短い。果殻が発達し、底部が閉じている。
エダマタモジゴケ Graphis desquamescens は子器が突出し、長さ0.5~3㎜、幅0.15~0.2㎜(ABRS:長さ1~3 (6)㎜、幅(0.10) 0.15~0.20㎜)、ホソモジゴケより子器の幅が広く、よく分岐する。胞子は長さ25~35µm、幅6~9µm、6~8室。K+赤色 , P+黄色。ノルスチクチン酸を含む。
ミチノクモジゴケ Graphis rikuzensis は低山に多い日本固有種。モジゴケに酷似し、分岐は少ない。果殻は上部のみ炭化し、下部は淡褐色。胞子は長さ18~25µm、6~8室。K- , P-。
ホソモジゴケ Graphis tenella は子器が初期には埋没し、長さ1~3 (4)㎜、幅0.05~0.15㎜(長さ3~10㎜、幅0.1~0.2㎜)、よく分岐する。子器断面は果殻が下部まで炭化し、底部は開く(D型)、子嚢層は厚さ 50~100 µm。胞子は長さ20~35µm、幅5~7µm。K-。モジゴケに似て子器の幅が狭いともいわれる。
痂状(かじょう)の固着地衣。地衣体は連続し、ややしわがあり、白色~淡灰色~淡緑色。裸子器は埋没し、地衣体からやや盛り上がる。リレラ (lirellae=モジゴケ属の細い裸子器)は楕円形~線形、屈曲し、長さ1~3㎜、幅0.2~0.4㎜、分岐は少ない。子器盤は暗灰色~褐色、白色の粉霜がある。縁はよく発達し、子器の側部を覆う。果殻はあまり発達せず、底部で炭化しない(D型)。子嚢上層は褐色、厚さ 5~10µm。子嚢層は高さ90~100 µm。側糸は太さ1.5~2 µm。子嚢脚層は厚さ10~20 µm。子嚢は棍棒形、長さ80~90µm、幅15~20µm、胞子が8個入る。胞子は無色透明、一重壁、長さ25~45µm、幅7~9µm、7~10室、I+青紫色、各室はレンズ状。粉子は長さ2~5µm、幅約1µm、桿形。スポットテスト 皮層及び髄層: K-, C-, KC-, P-。2次代謝物質は検出せず。ミチノクモジゴケは酷似し、果殻の下部が淡褐色であり、子器の断面を観察しないと判別できない。
モジゴケ属は日本では約20種が知られており、樹皮上に着生するのが普通で、カバイロイワモミジなどが岩上に着生する。胞子は横の隔壁だけであり、成熟しても無色。
モジゴケ属の子器が突出する類似種の主なもの
<子器が地衣体から高く突出する>
ツツジノモジゴケ Graphis cognataは子器が高く突出し、長さ0.5~3㎜、幅0.3~0.4㎜、先端が円く、ほとんど分岐しない。胞子は長さ45~65µm、10~20室。K- , P-。ユガミモジゴケとされていたものがツツジモジゴケの誤認であったことがあり、ユガミモジゴケに似ることがある。
ナラビモジゴケ Graphis parallela = Xylographa parallelarはツツジノモジゴケに似ているが子器が曲がりくねらず、長さ0.4~2(2.7)㎜、幅0.2~0.3㎜、樹皮の皮目と平行につく。胞子は長さ(10)11~17µm、幅5~7.5(8.5)µm。(胞子の違いにより区別されていたがツジノモジゴケと同種と断定された。1981)
<子器が地衣体から突出する>
セスジモジゴケ Graphis proserpens は子器が長さ1~5㎜、幅0.15~0.35㎜、果殻の両唇に沿って溝がある。胞子は長さ28~38.5µmの紡錘形、8~12室。
クロモジゴケ Graphis connectansは子器が長さ2.4~4.4、幅0.25~0.3㎜。子器断面で果殻が発達し、下部まで炭化し、底部は狭くなるが、閉じない。子嚢に胞子は2~4個。胞子は長さ70~110µm、幅10~14µm、17~20室。K-
サクラモジゴケ Graphis prunicola は子器が地衣体から突出すし、太く、分岐が少なく、黒い。胞子は長さ75~120µm、9~12室。クロモジゴケに近いが、果殻の幅が狭く、盤の幅が広い。
ツブモジゴケ Graphis meridionalisは四国、九州、沖縄に分布する。子器が突出し、長さ0.6~2㎜、幅0.2~0.3㎜、全く分岐せず、太く短い。果殻が発達し、底部が閉じている。
エダマタモジゴケ Graphis desquamescens は子器が突出し、長さ0.5~3㎜、幅0.15~0.2㎜(ABRS:長さ1~3 (6)㎜、幅(0.10) 0.15~0.20㎜)、ホソモジゴケより子器の幅が広く、よく分岐する。胞子は長さ25~35µm、幅6~9µm、6~8室。K+赤色 , P+黄色。ノルスチクチン酸を含む。
ミチノクモジゴケ Graphis rikuzensis は低山に多い日本固有種。モジゴケに酷似し、分岐は少ない。果殻は上部のみ炭化し、下部は淡褐色。胞子は長さ18~25µm、6~8室。K- , P-。
ホソモジゴケ Graphis tenella は子器が初期には埋没し、長さ1~3 (4)㎜、幅0.05~0.15㎜(長さ3~10㎜、幅0.1~0.2㎜)、よく分岐する。子器断面は果殻が下部まで炭化し、底部は開く(D型)、子嚢層は厚さ 50~100 µm。胞子は長さ20~35µm、幅5~7µm。K-。モジゴケに似て子器の幅が狭いともいわれる。