キウメノキゴケ 黄梅の木木毛

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Flora of Mikawa

ウメノキゴケ Parmeliaceae キウメノキゴケ属

英 名 common greenshield lichen
学 名 Flavoparmelia caperata (L.) Hale
Parmelia caperata Ach.
キウメノキゴケ背面
キウメノキゴケ背面の粉芽
キウメノキゴケ腹面
キウメノキゴケ偽根
キウメノキゴケ髄層
キウメノキゴケ
キウメノキゴケ2
分 類 子嚢地衣類(Ascolichens)
生育形 葉状地衣
大きさ 直径 5~20㎝
生育場所 平地や山地の樹幹、岩上
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、北半球に広く分布
撮 影 豊田市   05.4.3
ウメノキゴケ属からキウメノキゴケ属に分類されるようになった。和名のキイロはウスニン酸を含むためであり、髄層は白色。
 地衣体は葉状、直径5~20㎝、背面が黄緑色~淡黄色、日陰では緑灰色になる。裂片は幅5~13㎜、先が円く、表面にしわがあある。シリアはない。粉芽がつくが、裂芽はつかない。初期には丸いソラリア(粉芽塊)が疣状であり、その後、粉芽が放散する。腹面は縁が褐色、中央部は黒色で、黒色の偽根がある。髄層は白色。子器は背面の中央部につき、稀、レカノラ型、直径8㎜まで、縁は平滑、稀に粉芽状になる。子器盤は褐色。子嚢は棍棒形、胞子が8個入る。胞子は単室、透明、長さ15~24µm、幅8~13µm。スポットテスト 上皮層:K-, C-, KC黄色, P  髄層: K-, C-, KC-, P+赤色。二次代謝物質は上皮層にウスニン酸とアトラノリン(痕跡)を含み、髄層にプロトセラール酸、カペラート酸(少量)を含む。
 コナウチキウメノキゴケ Myelochroa aurulenta は淡緑色~青色を帯びた灰色、 直径4~10㎝、裂片は幅2~4㎜。中央部では小じわがあり、粉芽がある。粉芽は粉質~顆粒状、粗いパスチュールやソラリア(粉芽塊)から出る。裂芽はない。シリアは短く、長さ0.8㎜以下、縁につき、裂片の腋に多い。子器は稀につき、直径2~5㎜。 髄層:K- C-, KC-, P-。
 ウチキウメノキゴケ Myelochroa irrugans は直径3~8㎝、裂片の幅2~5㎜。粉芽も裂芽もない。髄層が淡黄色。皮層:K+黄色, C-, KC-, P- 髄層: K+淡黄色 , C-, KC-, P-。
 コナヒメウメノキゴケ Parmelinopsis spumosa は直径2~6㎝、裂片は幅0.5~2㎜。シリアは明瞭につき、長さ約0.5㎜、ほぼ単一。背面は淡灰色~淡緑灰色、平坦、光沢があり、マキラはなく、平滑、密にパスチュールをつけ、粉芽状になる。髄層は白色、部分的に淡黄色になることがある。腹面は黒色、平滑、光沢がある。偽根は長さ0.1~0.2㎜、黒色、単一又は2叉。皮層:K+黄色 , 髄層:K- , C+紅紫色 , KC+赤色 , P-。
 ヒカゲウチキウメノキゴケMyelochroa leucotyliza は中形、直径直径3~7㎝、裂片は幅1~4㎜。背面にパスチュールがあり、粉芽化しない。
 ウメノキゴケとやトゲウメノキゴケは背面に円柱形~サンゴ形の裂芽をつける。