コナウチキウメノキゴケ 粉内黄梅の樹木毛

mark

Flora of Mikawa

ウメノキゴケ Parmeliaceae ウチキウメノキゴケ属

英 名 Myelochroa lichen
学 名 Myelochroa aurulenta (Tuck.) Elix et Hale
コナウチキウメノキゴケの背面
コナウチキウメノキゴケ腹面
コナウチキウメノキゴケ子器とソラリア
コナウチキウメノキゴケの背面2
コナウチキウメノキゴケ
コナウチキウメノキゴケ2
分 類 子嚢地衣類(Ascolichens)
生育形 葉状
大きさ 直径 4~10㎝
生育場所 樹皮、岩上
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、北アメリカ
撮 影 豊田市(岩上)   14.3.12
葉状地衣。地衣体は多数分枝し、直径4~10㎝のロゼットとなる。裂片は幅2~4㎜。シリアは短く、長さ0.8㎜以下、縁につき、裂片の腋に多い。背面は淡緑色~青色を帯びた灰色(標本では灰白色)、光沢があり、平滑、中央部では小じわがあり、粉芽がある。粉芽は粉質~顆粒状、粗いパスチュールやソラリア(粉芽塊)から出る。裂芽はない。髄層は白色~淡黄色、ソラリアの下部では橙黄色。藻類層は連続する。腹面は黒色、周囲の幅1~5㎜は褐色、密に偽根がある。偽根は単一、2分岐又はささくれる。子器は稀につき、無柄~短柄、直径2~5㎜。胞子は長さ10~12µ、幅5~7µm。スポットテスト 皮層:K+黄色, C-, KC-, P-  髄層:K- C-, KC-, P-。二次代謝物質は上皮層にアトラノリン、クロロアトラノリン、メサコン酸Aを含み、髄層にゼオリン、leucotylin、メサコン酸Aを含む。
 コナヒメウメノキゴケ Parmelinopsis spumosa は直径2~6㎝。裂片は幅0.5~2㎜。シリアは明瞭に分散してつき、長さ約0.5㎜、ほぼ単一。背面は淡灰色~淡緑灰色、平坦、光沢があり、マキラはなく、平滑、密にパスチュール~裂芽をつけ、後に裂開するが、粉芽状にはほとんどならない。髄層は白色、部分的に淡黄色になることがある。腹面は黒色、平滑、光沢がある。偽根は長さ0.1~0.2㎜、黒色、単一又は2叉。子器は非常にまれ、直径1~3㎜、無柄。盤は凹面。胞子は長さ12~14µm、幅7~8µm。皮層:K+黄色 , 髄層:K- , C+紅紫色 , KC+赤色 , P-。アトラノリン、クロロアトラノリン、ジロホール酸、5-O-methylhiascic acid (minor) 、ウンビリカル酸 (minor)を含む。
 ヒカゲウチキウメノキゴケ Myelochroa leucotylizaは関東地方以西の低地に広く分布し、よく似ている。地衣体は直径3~7㎝、裂片は幅1~4㎜。背面にパスチュールがつくが、けっして粉芽状にならない。裂芽はない。髄層は白色~淡黄色。腹面は黒色、縁が褐色。偽根は黒色。子器は見られない。スポットテスト 皮層:K+黄色, C-, KC-, P- 髄層:K+淡黄色 C-, KC-, P-。二次代謝物質はアトラノリン、ゼオリン、leucotylin、メサコン酸Aを含む。
 ウチキウメノキゴケ Myelochroa irrugans は普通、直径3~8㎝、裂片の幅2~5㎜。粉芽も裂芽もない。髄層が淡黄色。皮層:K+黄色, C-, KC-, P- 髄層: K+淡黄色 , C-, KC-, P-。
 ヤスダウメノキゴケ Parmelia isidioclada は本州岩手県以南に分布する。直径2~5㎝、裂片は幅2~4(5)㎜、裂片の縁が捲れ上がり、樋状になり、縁に細かい裂芽を多数つけ、粉芽化することがある。髄層は白色。腹面は黒色、偽根黒色。皮層:K+黄色 髄層:K+赤色, C-, KC-, P+橙色~赤色。