痂状地衣。広葉樹の樹皮に着生し、稀に岩上にも着生する。地衣体は灰白色、表面に顆粒状の疣状突起があり、突起に数個の子器が入り、擬子座様になる。表面の孔口は黒色。1子嚢中に胞子は2個入る。スポットテスト　地衣体：K+黄色～血赤色。ノルスチクチン酸、ペルラトリン酸を含む。
　コブトリハダゴケPertusaria laevigandaは樹皮着生。灰白色、擬盃点がある。疣状突起に孔口が6～8個、散在し、明瞭に見える。1子嚢中に胞子が8個。髄層：K+黄色 , C- , KC- , P-。static acid、4,5-dichlorolichexanthoneを含む。
　ホソクチトリハダゴケ（仮）Pertusaria stenostoma 樹皮着生。灰白色～類白色。疣状突起は直径0.4～2㎜、高さ0.2～0.6㎜の不定形。孔口は散在する突起の割れ目の中にあり不明瞭。髄層：K+黄色→黄橙色, C-, P-。
　オリーブトリハダゴケ Pertusaria pustulata コスモポリタン種、樹皮着生。黄灰色～緑灰色、疣状突起は地衣体と同色、広がり、直立し、大きいものは直径0.3～1.4㎜。孔口は突起の中心の凹みに1個又は2～8個、平坦、埋没～パピラ状。ときに結合して中央が陥没し、偽レカノラ型の盤を形成する。盤は黒色を帯びた黄色。子嚢は2胞子。皮層：K+ 黄色, C+橙色, KC-, P+黄色～橙色, UV+橙赤色。髄層：：K+淡黄色, C-, P- , KC+黄色。スチクチン酸、チオファニン酸。
　ミナミアナトリハダゴケ（仮）Pertusaria astomoides 本州に分布する稀産種。岩上着生。岩状着生のコブトリハダゴケは少ない。灰白色～類白色。疣状突起は円錐状～半球状～平坦、ときに集合する。突起の中央付近に孔口が1個以上散在する。孔口は黒色、周囲は白色。髄層：K+黄色→赤色, C-, P+黄色→橙色