地衣体は直径2～9㎝、不規則からやや二又状に分裂する。裂片は幅1～5㎜、厚さ(50)80～100(150) µm、平坦、全縁、先は円形、ときに上向きに曲がる。背面は青灰色～灰色、光沢はなく、平滑～ほぼ平滑、粉芽や裂芽はない。上皮層、下皮層ともに直径5～9µmの不規則な等径細胞の単層からなる。内部は菌糸とNostocが粗に織り混ざる。 腹面は淡灰色～灰色、皺があり、トメンタを欠き、白毛の房が散在する。子器は普通あり、直径0.2～2.5㎜、単柄。盤は明るい褐色～赤褐色、凹面～平坦。縁は地衣体と同色～クリーム色。果殻は異形菌糸組織。子嚢層は下部が透明、上部は薄い褐色、高さ90～150µm。側糸は分岐せず、幅1～2µm。子嚢は8胞子、円筒状の棍棒形。胞子は無色、長さ14～26µm、幅6～9µm、長楕円形～紡錘形、横隔壁3～5、縦隔壁0～1。粉子器は見られない。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。
　＜裂芽や小裂片のない類似種＞
　ウスバアオキノリ Leptogium moluccanum var. moluccanum　は本州、四国、九州の稀産種、樹皮着生。コバノアオキノリの裂芽や小裂片をつけない基準変種。
　ハイイロキノリ Leptogium cochleatum　岩上着生～樹皮着生。暗褐色～緑青色、直径10㎝以上になる。裂片が波打ち、縦に密に詰まる。子器は直径3㎜以下。胞子は長さ20～30µm、幅12～16µm。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。
　＜裂芽や小裂片ががあるもの＞
　コナアオキノリ Leptogium pichneum 地衣体は不規則に分裂し、背面が青色を帯びた鉛灰色～暗灰色、平滑、全縁～波状縁。円筒状の黒色の裂芽がある。髄層は白色、薄い。腹面は淡色、トメンタを欠く。子器は直径0.5～1.5㎜。盤は赤褐色、平坦。縁は黒色、裂芽状。果殻は異形菌糸組織。
　コバノアオキノリ Leptogium moluccanum var. myriophyllinum は縁に裂芽をつけ、鱗片状～小裂片になる。子器は稀、直径約3㎜、盤は赤褐色。
　チヂレアオキノリ Leptogium cyanescens は世界に広く分布する。直径1～5(8) ㎝、不規則に分裂し、裂片は幅2～4㎜、厚さ35～110µm。裂芽があり、背から縁に密につき、円筒形～扁平、多くは小葉状になる。裂芽は単一又は分岐することもあり、地衣体と同色～濃色。子器は直径0.5～2㎜。盤は淡褐色～赤褐色。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。