乳岩および乳岩峡 国指定史跡名勝天然記念物(昭和9年1月22日指定)
天竜奥三河国定公園内にあり、鳳来峡より更に内陸部に位置し、乳岩山(標高670m)の岩山を源流とする乳岩川にある全長4kmの峡谷。乳岩川は豊川に合流する宇連川(板敷川)の支流。付近は流紋岩質の凝灰岩からなり、河床は平坦な一枚岩で形成され、表面が滑らかである。また、近くには洞窟が多く、含まれる石灰分が溶け出して乳房状の鍾乳石を作っており、乳岩の由来となっている。最大の乳岩洞窟は胎内くぐりを楽しむことができ、奥に子安観音が祀られていて、昔は乳岩を煎じて飲むと.
母乳の出がよくなるという言い伝えがあった。周囲の森は樹種も多く、ヒカゲツツジやビロードノリウツギなどもあり、秋には紅葉も楽しめる。峡谷沿いに、コケ類、シダ類が多く、スズキイクビゴケ、イサワゴケ、ホソベリミズゴケ、ヤクシマツガゴケなどの貴重種があり、イワタバコ、ウチワダイモンジソウなどもあり、シハイスミレ、ナガバノスミレサイシン、センボンヤリ、キッコウハグマなどが見られる。宇連ダムのある鳳来湖へ抜けるしゃくなげ遊歩道では4~5月にホソバシャクナゲの花が見られる。
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