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 三河とは
 「三河」と呼ばれるのは愛知県の東部地域を指す。これに対し、愛知県の西部地域を「尾張」と呼ぶ。「三河の国」からこう呼ばれるようになったものと考えられている。昔は東三河地域が「穂の国」と呼ばれ、西三河地域が「三河の国」と呼ばれていた。現在では西三河、東三河を合わせて三河と呼んでいる。最近の市町村合併により西三河、東三河の市町村の区別が難しくなってきた。
●西三河:
 安城市、岡崎市、刈谷市、高浜市、碧南市、知立市、豊田市、西尾市、みよし市、額田郡(幸田町)
●東三河:
 蒲郡市、新城市、田原市、豊川市、豊橋市、豊田市(合併前の稲武町)、北設楽郡(豊根村、東栄町、設楽町)

 三河の地理
 三河南部の豊橋市から渥美町にかけての渥美半島東側は太平洋に接して砂浜が広がり、豊橋市から碧南市までは穏やかな三河湾に接している。三河湾はあさりの漁獲量が日本一の産地であり、平均水深が約9mと浅く、かつては沿岸には広大な干潟が広がっていた。今では沿岸に工業団地などの埋め立て造成が進み、汐川干潟などの一部が残されるだけとなり、塩湿地もわずかに点在するだけである。大河川としては西三河には矢作川、東三河には豊川が奥三河山間部を源流として南側沿海部まで流下している。北側の山間部を除き、標高500m以上の高い山はなく、中部沿岸地方の典型的な温暖な地域にあたる。また1000mを超える山が連なる奥三河山間部では中部地方以北に分布するといわれている植物も見られる。

 三河の湿地と植物
 葦毛湿原に代表され、黒河湿地、矢並湿地など三河の多くの湿地は、湧水のある斜面にできる湧水湿地であり、泥炭の発達しない、土壌の推積が少ない、低pH、貧栄養の湿地である。同様の湿地が三重県の一部、岐阜県の一部、愛知県全域、静岡県西部の丘陵地から山地にかけて点在している。これらの湿地周辺には、世界中でこの地域にしか生育していない貴重な植物がたくさん見られ、その分布域から、周伊勢湾要素植物と呼ばれている。また、生育地が東海の丘陵地帯に限られることから、東海丘陵要素植物とも呼ばれる。分布が限られ、湿地が開発により数少なくなってきているため、絶滅危惧種に指定されているものがほとんどで、湿地の消滅を防ぐために、湿地自体が保護されているところが多くなってきている。この中にミカワの名がつく植物もいくつか存在する。ミカワバイケイソウ、ミカワシオガマなどは、その代表的な植物である。
 また、これらの湿地周辺では標高が低いのにもかかわらず、標高が1500mを超える寒冷地の湿地に多い植物も見られる。これらは地球が現在より寒かった時代の生き残りであるため、遺存種と呼ばれる。イワショウブ、サワギキョウ、ミズギクなどがその例である。
 かっては新城市(旧作手村)を中心に、泥炭の堆積する「中間湿原」もたくさん存在したが、開発によりほとんど姿を消し、長ノ山湿原、清岳向山湿原、田之士里湿原など数箇所が保護地として残されているだけとなっている。

 代表的な周伊勢湾要素植物
 ウンヌケ、カザグルマ、シデコブシ、シラタマホシクサ、トウカイコモウセンゴケ、ナガボナツハゼ、ナガバノイシモチソウ、ハナノキ、ヒトツバタゴ、ヒメミミカキグサ、ヘビノボラズ、マメナシ、ミカワシオガマ、ミカワバイケイソウ、ミズギボウシ、モンゴリナラ、 ヤチヤナギ

 三河の名が付く植物
 ミカワイヌノヒゲ、ミカワシオガマ、ミカワショウマ、ミカワシンジュガヤ、ミカワタヌキモ、ミカワチャルメルソウ、ミカワバイケイソウ、ミカワツツジ、ミカワコケシノブ、ミカワノキシノブ、ミカワマツムシソウ

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