猿投山は豊田市の西端、瀬戸市との境にあり、三河の西境にある標高629mの山である。本宮山、六所山と共に三河国三霊山といわれ、その筆頭として古くから信仰されている。猿投神社は山頂に東宮と西宮、麓に本社があり、三つをあわせて猿投三社大明神と崇拝されている。御祭神は、景行天皇の第一皇子である大碓命(オオウスノミコト)であり、西宮の山頂に大碓命の陵墓があり、宮内庁の管轄になっている。愛知高原国定公園内にあり、登山道は東海自然歩道の一部になっている。創建313年といわれる猿投神社の神域として保護されてきたため、西三河地域では最も良好な自然が残っている山であり、スギ、ツガ、ケヤキ、エノキなどの巨木がたくさんある。頂上に近い東宮付近に猿投山の南斜面中腹を一周する全長約3kmの自然観察路があり、ヤマアジサイ、ミズヒキ、ヤマジノホトトギス、アキチョウジなど種々の植物が観察できる。また、猿投山には黒雲母花崗岩があり、その結晶の球状花崗岩が菊花の花弁のように見え、別名「菊石」と呼ばれ、国の天然記念物に指定されている岩がある。
|