愛知県自然環境保全地域(2006年3月24日指定、127.85ha)
名古屋都心から約20kmの距離にあり、名古屋近郊に残された最後の広大な里山である。2005年愛知万博開催地として、国内外からの注目を集め、保全されることになった。海上の森の最も大きな特徴は、森の中に120個所以上の小さな湿地があることで、植物種は700種以上にもおよび、周伊勢湾要素植物も多く、野鳥、昆虫の種類も多い貴重な里山である。愛知万博後は2006年に施行された「あいち海上の森条例」に基づき、あいち海上の森センターなどが整備され、愛知万博の記念の森として愛知県が管理し、活用が図られている。
北西側は地質が砂礫層で、アカマツやコシダなどが多く、点在する湿地にシデコブシ、トウカイコモウセンゴケなどが見られ、愛知県自然環境保全地域に指定されている。南東側は花崗岩地質で風化した土壌にコナラ、アベマキなどの落葉広葉樹が多く、スギ、ヒノキなど針葉樹が植林されている。また、サクラバハンノキの群落や、生育地がきわめて限られているビワコエビラフジやスミレサイシン、エンシュウムヨウランの群落がある。ウグイス、キセキレイ、コゲラ、シジュウカラ、ムクドリ、ヤマガラなどの野鳥が見られ、ギフチョウ、ホトケドジョウ、ハッチョウトンボなども生息する。
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