豊橋市指定天然記念物 普門寺の大スギ (昭和43年6月19日指定) 樹高 28.1m、幹周り 5.88m
石巻山多米県立自然公園内にあり、岩崎町手洗から普門寺峠を越え、普門寺までの延長:1.4㎞の豊橋自然歩道の支線である。鎌倉時代に頼朝が鎌倉から京への往来に通行したという
鎌倉街道の名残といわれる。普門寺は高野山真言宗の寺院。山号は船形山(せんぎょうさん)。奈良時代の神亀4年(727年)、僧行基によって創建され、鎌倉時代の前期に焼失し、その後、源頼朝の叔父である化積上人によって復興されたとされている。また、裏山の船形山の山頂に築かれた船形山城(ふながたさんじょう)を巡る戸田氏と今川氏の戦国時代の合戦の際にも寺院が焼失し、今川義元により再興されている。かつての普門寺は広大な面積を有し、神石山(かみいしやま)標高324.7mから船形山(ふながたさん)標高276mにかけての山腹には本堂の跡や、信仰の対象となった巨岩などが広い範囲に点在している。船形山の中腹にある元堂跡の経塚からは国指定重要文化財の銅経筒附銅鏡が出土している。現在の普門寺は江戸時代の中頃に建造されたものである。モミジが多く、毎年、紅葉が最盛期となる12月第1土・日曜日に「もみじまつり」が開催され、木造阿弥陀如来坐像、木造釈迦如来坐像、木造四天王立像(4体)の国指定重要文化財などが無料公開される。寺院の三方をスギやヒノキの山林に囲まれ、樹齢400年といわれる大スギが本堂前にあり、豊橋市指定天然記念物となっている。
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