イチョウ科  Ginkgoaceae

分類 裸子植物(Gymnosperms)-マツ目(Pinales)
分布 中国にイチョウ1種のみが自生する。日本には自生はない。化石では世界に17属と多種が確認されている。
特徴 1億4300年以上前の恐竜が繁栄していた時代の中生代ジュラ紀に最も多く、化石に見られ、現存するのはイチョウ1種のみ。落葉高木。雌雄異株。風媒花。幹は太く、高く、密に分枝する。小枝は長小枝、短小枝の2形。葉は、長小枝にはまばらに、螺旋状につき、短枝には束生する。葉柄は長い。葉身は扇形。葉脈は平行、閉じ、2分岐して開き、まれに吻合がある。葉の基部は広楔形、縁は直線、全縁、先は2裂又はノッチがある。生殖組織は短小枝の先の鱗片状の葉腋に束生し、葉の展開前に生じる。花粉錘(pollen cone)は有柄、下垂し、尾状花序状(catkinlike)。小胞子葉(microsporophyll)は多数、螺旋状にややまばらにつく。小胞子嚢(microsporangia)は2個、楕円形、花粉嚢(pollen sac)は縦に裂開する。胚珠は長い2分岐した花柄に生じ、ときに末端が3~5のフォークに分かれ、フォークの先は円盤状になり、直立した無柄の胚珠がつく。普通、1花柄に1種子だけがつき、熟す。種子は長い柄があり、下垂し、核果状。外皮(integument)は、肉質で多汁の肉質種皮(sarcotesta)、骨質の硬質種皮(sclerotesta)、膜質の内種皮(endotesta)に分化する。雌性配偶体(female gametophyte) は豊富。子葉は2(3)個。発芽は地下性。2n=24。
栽培 中国では3000年以上前から観賞用に栽培されていると考えられている。仏教で神聖視され、寺院によく植えられている。木材は家具などに使われ、葉は薬用に使用され、実のぎんなん(銀杏)が食用となり、広く栽培されている。 
イチョウ属 イチョウ Ginkgo biloba L.