イヌガヤ科 Cephalotaxaceae

分類 裸子植物(Gymnosperms)-マツ目(Pinales)
イヌガヤ属の1属だけであり、以前はイチイ科に含められていた。
分布 アジア東部~ヒマラヤ(日本、朝鮮、中国、インド、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)に1属8~11種が分布する。日本にはイヌガヤと変種のハイイヌガヤが自生する。
特徴 常緑低木~小高木。芽鱗は宿存性。葉は2列、櫛状に並び、葉状の小枝は外形が楕円形~倒三角形、十字対生又は対生、無柄又はほぼ無柄、基部がやや捻じれる。葉身は線形~線状披針形~たまに披針形。中脈は裏面が緑色、両面に突き出る。葉裏の気孔帯(stomatal band)は2本、各々11~24列の気孔(stomata)からなり、普通、粉がかぶり白色、幅は中脈と同じか、普通、広い。縁の緑色の帯は中脈より狭いか同じ。樹脂溝(resin canal)は葉裏にある。雌雄異株(たまに雌雄同株)。花粉錘(pollen cone)は前年枝につき、6~8個の頭花(capitula)が集まる。頭花は腋生、単生、有柄又は無柄。花序柄は普通、数個の鱗片が螺旋状にあり、まれに欠く。花粉錘は1個の卵形~三角状卵形の苞が基部につき、小胞子葉(microsporophylls)は4~16個、各々、(2)3(4)個の花粉嚢(pollen sacs)がある。花粉は気嚢型では無い(nonsaccate)。雌の球花(seed cone)は頂部の芽鱗の腋に、芽ごとに1~-6(8)個つき、長い花序柄がある。花軸は数対の十字形の苞があり、各々2個の直立する腋生の胚珠をもつ。種子は2年で成熟し、核果状(drupelike)、多肉質の外種皮に完全に覆われ、卵形~楕円形~球形~微突形。子葉は2個。発芽は地上性。
用途 カヤに似ているが有用でないとされ、あまり利用されていない。縄文時代の遺跡からイヌガヤで作られた弓が出土している。
イヌガヤ属 イヌガヤ Cephalotaxus harringtonia (Knight ex Forbes) K.Koch var. harringtonia