ゴクラクチョウカ科 Strelitziaceae

分類 被子植物(Angiosperm)-単子葉類(Monocots) -ツユクサ類(Commelinids)- ショウガ目(Zingiberales)
東南アジアに分布するロウイア科 Lowiaceaeに近縁である。
分布 南アメリカ、南アフリカ、マダガスカルにかけて世界に3属7種あり 、日本には自生しない。
特徴  多年草、巨大(12m以下)、無茎又は吸枝を出す草本、短く、巨大な仮軸の根茎をもち、走出枝として成長し(タビビトノキモドキ属Phenakospermum)、又は球茎状の気生のシュートをもち(ゴクラクチョウカ属Strelitzia)、成熟すると半木質。葉は互生、2列生、幹の先で扇状の構造になり、舌状でなく、単葉、葉柄は長いか又は無い。葉身は大きく、全縁(ときに、風のダメージにより引き裂かれる)、無毛、中脈は太く、脈は羽状、平行なアーチ状の側脈をもち、縁の形に結合する。花序は頂生又は側生、不定、花茎があり、直立、巨大な密穂花序、多くの単出集散花序(扇状集散花序 cincinni)からなり、各々、仏炎苞状の宿存する堅い舟形の緑黄色の粘液で満ちた苞が基部につく。花は両性、左右相称、大きい(28㎝以下)。花被片は6個、2輪にゆき、外側の3個は分離し、形はほぼ等形。内側の3花被片は+/- 合着し、前側/下側の2個は合着(基部で分離)、矢じり形、後ろ側/上側の花被片より大きい。後ろ側の花被片はフードがあり、花糸と花柱を包み(ゴクラクチョウカ属)、うねのある宿存する小苞が基部につき、果時に紙質になる。雄しべは 5(~6)個、花糸は花被の筒部につく。葯室は葯に2個、葯は底着。子房は下位、心皮は3個、3室。花柱は1個、糸状、緩い。柱頭は1個、円錐状円筒形。胚珠は各室に4個~多数。中隔蜜腺(septal nectaries)があり、深く沈み込む。果実は胞背裂開、木質、緑色の蒴果、3バルブに裂開する。種子は多数、黒色、光沢があり、仮種皮があり、赤色(タビビトノキモドキ属)~橙色(ゴクラクチョウカ属)又は青色、縁飾りがあり、繊維状、糸のような毛状突起をもち、分裂は有又は無、胚乳は豊富、でんぷん質。
用途  ゴクラクチョウカが観賞用に栽培される。
ゴクラクチョウカ属  ゴクラクチョウカ Strelitzia reginae Banks ex Aiton