ゴクラクチョウカ 極楽鳥花

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Flora of Mikawa

ゴクラクチョウカ科 Strelitziaceae ゴクラクチョウカ属

別名] ストレリチア、ゴクラクチョウバナ
中国名 鹤望兰 he wang lan
英 名 crane flower , bird of paradise , orange strelitzia
学 名 Strelitzia reginae Banks ex Aiton
ゴクラクチョウカの花
ゴクラクチョウカの花弁
ゴクラクチョウカの花茎
ゴクラクチョウカ
ゴクラクチョウカ花
ゴクラクチョウカの葉2
ゴクラクチョウカの葉裏
花 期 3~4月
高 さ 長さ1.2~1.5m
生活型 多年草
生育場所 栽培種
分 布 帰化種 南アフリカ原産
撮 影 豊橋市    15.3.24
ゴクラクチョウカはゴクラクチョウカ科ゴクラクチョウカ属の観賞用の南アフリカ原産の栽培種。
 多年草、根茎があり、高さ1.2~1.5m、直径2m以下、常緑、無茎。根は肉質、手指状、直径± 25㎜。葉は二列生(対生で1平面に扇状につく)、バナナの葉に似ている。葉柄は長い。葉身は灰緑色、広卵形、長さ50㎝×幅10㎝、縁がときに赤色になる。花序柄は高さ70㎝、花が4~6個つき、仏炎苞の中にゆっくり連続的に生じる。仏炎苞は葉状、水平、緑色とピンク色、舟形、長さ±20㎝、花時に粘液物質を出す。花は鳥の頭のとさかのように見える。各花は3個の上向きの橙色の外花被片(萼片)、及び3個の高度に修正された鮮やかな青色(又は紫色)の内花被片(花弁)を備える。内花被片の2個は結合し、矢じりのような形になり、3番目の内花被片は小さく花の基部に蜜腺を形成する。雄しべは矢じり周りに長い、細い花糸をもち、帯白色の葯が矢じりの先から出る。果実は硬い革質(木質)の蒴果、多数の小さな種子を含み、夏に先から裂開する。種子は球形、黒色~褐色、仮種皮は橙色(毛の房)。花期は5~12月。果期は8~2月。

ゴクラクチョウカ属

  family Strelitziaceae - genus Strelitzia

 多年草、無茎、根茎をもち、高さ1~1.5m、又は長い茎があり高さ12m以下。葉は長楕円形、青緑色、凹面、硬く、皮革質。花序は花茎に頂生又は茎の上部の葉腋につく。苞は舟形、嘴のような鞘で仏炎苞(spathe)といわれ、茎に直立し、鳥の頭のように見える。花は数個、仏炎苞の中に開く。外花被片(萼片)は3個つき、鮮明な橙色、内花被片(花弁)は2個つき、結合し弓形、青色、直立し、先が尖る。花弁に矢形の蜜を作る腺又は蜜腺(nectary)をもつ。雄しべは5個。繁殖は種子又は株分けによる。種子繁殖は花序に多数の果実をつけ、果実に1~6個の種子をもつ。他家受粉と満足のいく種子の産出を好み、花柱が受容になる前に花粉が放出される。通常名はbird of paradiseといい、観賞用に栽培される。
 世界に5種があり、全て南アフリカに分布する。
【ゴクラクチョウカ属の種】
房状、無茎グループ
 Strelitzia reginae , Strelitzia juncea
茎の長いグループ
 Strelitzia alba , Strelitzia caudata , Strelitzia nicolai

ゴクラクチョウカ属の主な種と園芸品種

1 Strelitzia alba (L.f.) H.C.Skeels オウギバショウモドキ 扇芭蕉擬
  synonym Strelitzia angusta Thunb.
 南アフリカ原産。英名はwhite-flowered wild banana。別名はシロゴクラクチョウカ。
 分枝しない多数の茎をもち、高さ10m以下になる。古い茎は木質で、葉痕をもち、しばしば、基部に吸枝(suckers)をもつ。葉は対生、先が房状になり、長楕円形、長さ約2m×幅0.4~0.6m、革質。葉身は風や年月で引き裂かれる傾向がある。仏炎苞は1個、舟形、秋~冬に生じ、反曲し、暗色、粉白色、長さ25~30㎝、高さ6~8㎝、太さ約4.5㎝、先が細くなり、横から染み出す粘液をもち、平均5個の花を含む。萼は白色、長さ16~18㎝×幅3~3.5㎝。花弁も白色、上側の花弁は披針形、長さ長さ3.5㎝×幅1㎝。下側の花弁は舟形長さ4~4.5㎝×幅1~1.25㎝。花糸は長さ3㎝、葯は長さ5~5.5㎝。果実は硬い木質の蒴果、先から裂開する。種子は球形、黒色~褐色、黄色の仮種皮(付属体)をもつ。花期は秋~冬(5~6月)。果期は夏(11~2月)
品種) 'Variegated'

2 Strelitzia nicolai Regel et Koern. ルリゴクラクチョウカ 瑠璃極楽鳥花
 南アフリカ原産。英名はNatal wild banana , Giant White Bird of Paradise , wild banana , blue-and-white strelitzia。
 常緑、大型で高さ12m×幅4m以下になる。密に叢生し、多数の茎をもつ。茎は木質、平滑、薄灰色~暗灰色、古い葉痕がある。葉は長く太い柄があり、多数、密に重なって対生する。葉身は光沢のある灰緑色、長さ2mまでに達し、風で引き裂かれ、大きな羽根のように見える。バナナや野生のバナナのEnsete ventricosum とは関係しないが、ルリゴクラクチョウカの葉や生育特性はやや似ており、一般名にバナナが入る。花序は長さ50㎝以下。花は萼片が白色、花弁が青色。仏炎苞は5個までつき、紫青色~赤褐色の舟形。花全体は鳥の頭に似て、白色のとさかで、嘴は紫色。花序は複合。種子は黒色、大きく、突出部の上に明るい橙色の羊毛状の仮種皮の房をもつ。花期は通年、ピークは春~夏。果期はたいてい秋~冬(3~7月)。

3 Strelitzia reginae Banks ex Aiton  ゴクラクチョウカ 極楽鳥花
 南アフリカ原産。英名はcrane flower , bird of paradise , orange strelitzia 。
 多年草、根茎があり、高さ1.2~1.5m、直径2m以下、常緑、無茎。根は肉質、掌状、直径± 25㎜。葉は二列生(対生で1平面に扇状につく)、バナナの葉に似ている。葉柄は長い。葉身は灰緑色、広卵形、長さ50㎝×幅10㎝、縁色ときに赤色になる。花序柄は高さ70㎝、花が4~6個つき、仏炎苞の中にゆっくり連続的に生じる。仏炎苞は葉状、水平、緑色とピンク色、舟形、長さ±20㎝、花時に粘液物質を出す。花は鳥の頭のとさかのように見える。各花は3個の上向きの橙色の外花被片(萼片)、及び3個の高度に修正された鮮やかな青色又は紫色の内花被片(花弁)を備える。内花被片の2個は結合し、矢じりのような形になる。3番目の内花被片は小さく花の基部に蜜腺を形成する。雄しべは矢じり周りに長い、細い花糸をもち、帯白色の葯が矢じりの先から出る。果実は硬い革質(木質)の蒴果、多数の小さな種子を含み、裂開する(8~2月)。種子は球形、黒色~褐色、仮種皮は橙色(毛の房)。花期は5~12月。果期は夏(8~2月)。
品種)'Humilis' , 'Kirstenbosch Gold' , 'Mandela's Gold'(黄花)
3-1 Strelitzia reginae Banks ex Aiton subsp. mzimvubuensis Van Jaarsv.
 南アフリカのMzimvubu Riverだけに分布する。英名はMzimvubu craneflower。葉の表面が微細に波打つ。花弁は青色。柱頭は長さ1~1.5㎝
 常緑、房状になり、無茎、基本亜種より小型なことが多く、高さ1.5mまで、幅は2mまでになる。根は肉質、直径は20㎜以下。葉は明るい緑色、ただし、直射日光の当たる場所ではわずかに灰青色になり、2列対生(distichous)し、斜上形直立し、堅く、高さ1.5mまでになり、表面が微細に波打つ。葉柄は長さ80㎝×直径1.2㎝・以下、緑色またはわずかに灰青色がかる。直射日光の当たる場所で育つ植物では、葉身は広卵形~卵状披針形、長さ17~52(~65)㎝x幅10~19㎝。花茎(季節ごとに約4本生じる)は直立し、堅く、高さ70㎝までになり、淡緑色、仏炎苞は3~4枚つき、舟形、先が水平~斜上し、長さ17~18㎝、先端が尖る。花は各苞に3~6個つき、順次開花する。花には3 外花被片(萼片)と 3内花被片(花弁)がある。外花被片3個は白色、鳥の頭のとさかのように直立し、長円状披針形、長さ8.5~11㎝x幅2~2.3㎝、凹面形、下部は竜骨状になる。3 番目(下側)の外花被片は、4日目になって初めて鞘から出て、線状披針形、竜骨があり、溝がある。内花被片3個は青色。そのうちの2個は結合して長さ4.5~5.5 ㎝x幅約2㎝の披針形になり、中央の溝または裂け目が葯と花柱を包み、基部に特徴的な耳があり、耳は円形、長さ約2㎝で、重なり合って斜上し、湾曲する。3番目(上側)の花被片は楕円形、長さ約2㎝、先は鋭く尖る。雄しべは5本の水平に伸び、2個の内花被片の間の溝に埋め込まれる。葯は線形、長さが花糸の2倍の長さで、花粉は白色で粘着性がある。子房は3室があり、仏炎苞に埋め込まれる。花柱は花糸に囲まれ、2個の内花被片の間の中央の溝に収められてる。柱頭は長さ1~1.5㎝、粘着性がある。蒴果は長さ5㎝x幅2㎝の長円状三角形、木質、胞背裂開する。種子はエンドウ豆大で、黒色、羊毛状の橙色の仮種皮がある。花期は2~6月。
3-2 Strelitzia reginae Banks ex Aiton subsp. reginae
 葉の表面は波打たず、下側の 2個の花弁は濃い紫青色。柱頭は少なくとも長さ3㎝ある。

4 Strelitzia × kewensis S.A.Skan
  Strelitzia alba と Strelitzia reginae の交配種。

参考

1) Strelitzia reginae | Plantz Africa(SANBI)
 Strelitzia reginae
http://pza.sanbi.org/strelitzia-reginae
 Strelitzia reginae Banks ex Aiton subsp. mzimvubuensis Van Jaarsv.
https://pza.sanbi.org/strelitzia-reginae-subsp-mzimvubuensis
2)Strelitzia reginae Banks | Plants of the World Online | Kew Science
 Strelitzia reginae Banks
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:798194-1
3) Plant Finder - Missouri Botanical Garden
 Strelitzia reginae
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?kempercode=b569
4) GRIN
  Strelitzia
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11638
5) (PDF) Genus: Strelitzia - ResearchGate
 Genus: Strelitzia
https://www.researchgate.net/publication/287335602_Genus_Strelitzia
6) Strelitzia genus (Strelitiaceae) - Pierre Laszlo
 Strelitzia genus
http://www.pierrelaszlo.com/science-writings/plant-of-the-month/187-strelitzia-genus-strelitiaceae