ウンヌケ
Flora of Mikawa
イネ科 Poaceae ウンヌケ属
中国名 | 金茅 jin mao |
学 名 | Eulalia speciosa (Debeaux) Kuntze |
果 期 | 9~10月 |
高 さ | 80~150㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 日当たりの良い道端、草地 |
分 布 | 在来種 日本全土 中国、朝鮮、インド、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム |
撮 影 | 豊田市 07.12.2 |
和名は尾張地方の「牛の毛」の方言に由来するといわれている。
茎は叢生し、直立する。茎が長いのが特徴。葉の基部は膨らみ、葉鞘に包まれる。基部の葉鞘にはビロード状の黄褐色の毛が密生する。基部以外の葉鞘はほとんど無毛で、上部の背面と鞘口だけに毛が生える。葉は革質で、強く、無毛。葉の両面はざらつく。花序は4~9本の枝を分け、小穂が並んでつく。小穂は披針形で、有梗と無梗のものが対になってつき、長さ約5.5㎜。小梗には長い毛がある。苞穎は革質で、長い毛がある。小穂は2小花からなり、結実しない第1小花と結実する第2小花があり、第2小花の護穎(第4穎)には長い芒がある。種子には3稜があり、稜に白毛が密生する。全国の絶滅危惧Ⅱ類、愛知県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
類似種にウンヌケモドキがある。ウンヌケモドキは茎がウンヌケほど長くなく、葉の両面に白毛がある。
多年草、まれに1年草。稈は房状になり、普通、直立し、枝分かれしない。葉身は線形~狭披針形。葉舌は短く、膜質、繊毛がある。花序は頂生、数個~多数の総状花序からなり、掌状または短軸に沿ってつく。総状花序は長く、多数の小穂の対があり、毛があり、壊れやすく、無柄と有柄の小穂の対は似ており、小花柄はしばしばわずかに狭く、両方とも稔性。花序軸の節間は線形、角(かど)に沿って縁毛がある。小花柄は節間に似ており、普通、わずかに短く、より細い。小穂は披針形~狭長円形、背側は扁平。カルスは短く、毛があり、毛は普通、小穂の長さの1/2未満。苞頴は軟骨質~革質。第1苞頴(lower glume)は平らまたはわずかに凹形、毛があり、背面は脈がないか不明瞭な脈があり、側面は下半分が丸く、先は鋭形~切形。第2苞頴(upper glume)は舟形、1竜骨が中央に下がる。下部の小花は空の透明な護頴になり、まれに無くなる。第2小花の護頴(upper lemma)は線形~長円形、たまに幅が広く、短い2歯または2中裂し、芒がある(E. manipurensisは芒が無い)。芒は膝状に曲がり、ときに弱い。内頴(palea)は小さいかまたは無い。雄しべは3個。x=9, 10。
世界に約30種あり、旧世界の熱帯および亜熱帯地域に分布する。
synonym Eulalia fulva (R.Br.) Kuntze
タイ、ベトナム、アフリカ、オーストラリア原産。
1年草。稈は傾伏、高さ10~45㎝。中間の節は無毛。側枝は単純。葉舌は繊毛のある膜質、長さ0.1mm。葉身は長さ3~7 cm、幅1~3mm。花序は掌状、枝分かれの多い枝をもつ。花序軸は節で壊れやすい。小穂は無柄および有柄、クラスター内に2つある。稔性の小穂は花が2個、下部の小穂は不稔(まれに雄性)、上部の小穂は稔性(上部)、1個の基部の不稔の小花を含み、1個の稔性の小穂を含み、小軸(rachilla)の伸長は無く、線形または披針形、背側が扁平、長さ2.5~3mm。苞頴は異なっており、稔性の護頴より堅い。第1苞頴(Lower glume)は線形または披針形または楕円形、紙質、竜骨は無または有、2竜骨があり、5脈があり、っ表面は硬化する。第2苞頴(upper glume)は線形または披針形または楕円形、3脈があり、表面は硬化し、先は芒が無い。基部の不稔の小花は1個、実を結ばず、顕著な内頴(palea)は無い。稔性の護頴は長さ0.5mm、竜骨は無く、先は分裂し、芒があり、芒は1本。中央の芒は切れ込みから出て、全体の長さは18~20 mm、捻じれた柱をもつ。内頴は無い。葯は3個。花期は1~10月(オーストラリア)。
2 Eulalia leschenaultiana (Decne.) Ohwi コウシュンウンヌケ
台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は龚氏金茅 gong shi jin mao。
3 Eulalia quadrinervis (Hack.) Kuntze ウンヌケモドキ
本州(東海地方以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は四脉金茅 si mai jin mao。別名はコカリヤス。日当たりのよい草地、半裸地に生える。
多年草。高さ60~100㎝。茎は叢生し、直立する。茎の断面は円形で、中実。茎の基部につく葉は赤褐色の鱗片状になり、無毛で光沢がある。葉は長さ10~30㎝、幅3~7㎜、やや柔らかく、葉の両面及び縁に白毛がある。葉鞘には白毛が密生する。花序の総はススキより少なく、2~7個、長さ10~15㎝。小穂は有梗と無梗のものが対になり、ともに長さ5~6㎜。小穂の基毛が著しい。結実しない第1小花と結実する第2小花があり、第2小花の護穎(第4穎)には長い芒がある。2n=20。花期は9~10月。
4 Eulalia speciosa (Debeaux) Kuntze ウンヌケ
synonym Eulalia tanakae (Makino) Honda
日本全土、朝鮮、中国、インド、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は金茅 jin mao。和名は尾張地方の「牛の毛」の方言に由来するといわれている。日当たりの良い道端、草地に生える。
多年草。高さ80~150㎝。茎は叢生し、直立する。茎が長いのが特徴。葉の基部は膨らみ、葉鞘に包まれる。基部の葉鞘にはビロード状の黄褐色の毛が密生する。基部以外の葉鞘はほとんど無毛で、上部の背面と鞘口だけに毛が生える。葉は革質で、強く、無毛。葉の両面はざらつく。花序は4~9本の枝を分け、小穂が並んでつく。小穂は披針形で、有梗と無梗のものが対になってつき、長さ約5.5㎜。小梗には長い毛がある。苞穎は革質で、長い毛がある。小穂は2小花からなり、結実しない第1小花と結実する第2小花があり、第2小花の護穎(第4穎)には長い芒がある。種子には3稜があり、稜に白毛が密生する。全国の絶滅危惧Ⅱ類、愛知県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。果期は9~10月。
Eulalia
Eulalia
Eulalia
Eulalia
Eulalia annua
茎は叢生し、直立する。茎が長いのが特徴。葉の基部は膨らみ、葉鞘に包まれる。基部の葉鞘にはビロード状の黄褐色の毛が密生する。基部以外の葉鞘はほとんど無毛で、上部の背面と鞘口だけに毛が生える。葉は革質で、強く、無毛。葉の両面はざらつく。花序は4~9本の枝を分け、小穂が並んでつく。小穂は披針形で、有梗と無梗のものが対になってつき、長さ約5.5㎜。小梗には長い毛がある。苞穎は革質で、長い毛がある。小穂は2小花からなり、結実しない第1小花と結実する第2小花があり、第2小花の護穎(第4穎)には長い芒がある。種子には3稜があり、稜に白毛が密生する。全国の絶滅危惧Ⅱ類、愛知県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
類似種にウンヌケモドキがある。ウンヌケモドキは茎がウンヌケほど長くなく、葉の両面に白毛がある。
ウンヌケ属
family Poaceae - genus Eulalia多年草、まれに1年草。稈は房状になり、普通、直立し、枝分かれしない。葉身は線形~狭披針形。葉舌は短く、膜質、繊毛がある。花序は頂生、数個~多数の総状花序からなり、掌状または短軸に沿ってつく。総状花序は長く、多数の小穂の対があり、毛があり、壊れやすく、無柄と有柄の小穂の対は似ており、小花柄はしばしばわずかに狭く、両方とも稔性。花序軸の節間は線形、角(かど)に沿って縁毛がある。小花柄は節間に似ており、普通、わずかに短く、より細い。小穂は披針形~狭長円形、背側は扁平。カルスは短く、毛があり、毛は普通、小穂の長さの1/2未満。苞頴は軟骨質~革質。第1苞頴(lower glume)は平らまたはわずかに凹形、毛があり、背面は脈がないか不明瞭な脈があり、側面は下半分が丸く、先は鋭形~切形。第2苞頴(upper glume)は舟形、1竜骨が中央に下がる。下部の小花は空の透明な護頴になり、まれに無くなる。第2小花の護頴(upper lemma)は線形~長円形、たまに幅が広く、短い2歯または2中裂し、芒がある(E. manipurensisは芒が無い)。芒は膝状に曲がり、ときに弱い。内頴(palea)は小さいかまたは無い。雄しべは3個。x=9, 10。
世界に約30種あり、旧世界の熱帯および亜熱帯地域に分布する。
ウンヌケ属の主な種と園芸品種
1 Eulalia aurea (Bory) Kunth ナンゴクササガヤモドキsynonym Eulalia fulva (R.Br.) Kuntze
タイ、ベトナム、アフリカ、オーストラリア原産。
1年草。稈は傾伏、高さ10~45㎝。中間の節は無毛。側枝は単純。葉舌は繊毛のある膜質、長さ0.1mm。葉身は長さ3~7 cm、幅1~3mm。花序は掌状、枝分かれの多い枝をもつ。花序軸は節で壊れやすい。小穂は無柄および有柄、クラスター内に2つある。稔性の小穂は花が2個、下部の小穂は不稔(まれに雄性)、上部の小穂は稔性(上部)、1個の基部の不稔の小花を含み、1個の稔性の小穂を含み、小軸(rachilla)の伸長は無く、線形または披針形、背側が扁平、長さ2.5~3mm。苞頴は異なっており、稔性の護頴より堅い。第1苞頴(Lower glume)は線形または披針形または楕円形、紙質、竜骨は無または有、2竜骨があり、5脈があり、っ表面は硬化する。第2苞頴(upper glume)は線形または披針形または楕円形、3脈があり、表面は硬化し、先は芒が無い。基部の不稔の小花は1個、実を結ばず、顕著な内頴(palea)は無い。稔性の護頴は長さ0.5mm、竜骨は無く、先は分裂し、芒があり、芒は1本。中央の芒は切れ込みから出て、全体の長さは18~20 mm、捻じれた柱をもつ。内頴は無い。葯は3個。花期は1~10月(オーストラリア)。
2 Eulalia leschenaultiana (Decne.) Ohwi コウシュンウンヌケ
台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は龚氏金茅 gong shi jin mao。
3 Eulalia quadrinervis (Hack.) Kuntze ウンヌケモドキ
本州(東海地方以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は四脉金茅 si mai jin mao。別名はコカリヤス。日当たりのよい草地、半裸地に生える。
多年草。高さ60~100㎝。茎は叢生し、直立する。茎の断面は円形で、中実。茎の基部につく葉は赤褐色の鱗片状になり、無毛で光沢がある。葉は長さ10~30㎝、幅3~7㎜、やや柔らかく、葉の両面及び縁に白毛がある。葉鞘には白毛が密生する。花序の総はススキより少なく、2~7個、長さ10~15㎝。小穂は有梗と無梗のものが対になり、ともに長さ5~6㎜。小穂の基毛が著しい。結実しない第1小花と結実する第2小花があり、第2小花の護穎(第4穎)には長い芒がある。2n=20。花期は9~10月。
4 Eulalia speciosa (Debeaux) Kuntze ウンヌケ
synonym Eulalia tanakae (Makino) Honda
日本全土、朝鮮、中国、インド、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は金茅 jin mao。和名は尾張地方の「牛の毛」の方言に由来するといわれている。日当たりの良い道端、草地に生える。
多年草。高さ80~150㎝。茎は叢生し、直立する。茎が長いのが特徴。葉の基部は膨らみ、葉鞘に包まれる。基部の葉鞘にはビロード状の黄褐色の毛が密生する。基部以外の葉鞘はほとんど無毛で、上部の背面と鞘口だけに毛が生える。葉は革質で、強く、無毛。葉の両面はざらつく。花序は4~9本の枝を分け、小穂が並んでつく。小穂は披針形で、有梗と無梗のものが対になってつき、長さ約5.5㎜。小梗には長い毛がある。苞穎は革質で、長い毛がある。小穂は2小花からなり、結実しない第1小花と結実する第2小花があり、第2小花の護穎(第4穎)には長い芒がある。種子には3稜があり、稜に白毛が密生する。全国の絶滅危惧Ⅱ類、愛知県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。果期は9~10月。
参考
1) Flora of ChinaEulalia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=112317
2) Plants of the World Online| KewscienceEulalia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:328404-2
3) World Flora OnlineEulalia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000014169;jsessionid=2C6DB69A299A94A324048CEEA80DEBC1
4) World Checklist of Vascular PlantsEulalia
https://wcvp.science.kew.org/
5) Grasses of AustraliaEulalia annua
https://ausgrass2.myspecies.info/content/eulalia-annua