ツルリンドウ 蔓竜胆

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Flora of Mikawa

リンドウ科 Gentianaceae ツルリンドウ属

学 名 Tripterospermum trinervium (Thunb.) H.Ohashi & H.Nakai
 synonym Tripterospermum japonicum (Sieb. et Zucc.) Maxim.
ツルリンドウの花
ツルリンドウの花横
ツルリンドウの果実
ツルリンドウの裂開した果実
ツルリンドウの葉
ツルリンドウ
ツルリンドウ2
ツルリンドウ種子
花 期 8~10月
高 さ つる性
生活型 多年草
生育場所 山地の木陰
分 布 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮
撮 影 設楽町 12.10.10
山地では普通に見られる。
 蔓は長さ40~80㎝になり、紫色を帯び、他の木などに巻きつく。葉は長さ3~5㎝の卵状披針形、先が尖る。葉腋に淡紫色の花をつける。花冠の長さ約3㎝、花冠は5裂し、副片がある。果実は長さ約12㎜の楕円形の液果、紅色に熟す。初めは残存する花冠に埋もれたまま果実が赤くなり、後に、突き出る。種子は長さ約2㎜、狭い翼がある。果実が裂開したように見えるものがあった。2n=46
 テングノコヅチ var. involubile は北海道、 本州(中部以北)の亜高山帯に生える。蔓が巻きつかず、花が茎の先だけにつき、腋生しない。花や果実が小型。
 タイワンツルリンドウ Tripterospermum taiwanense(=Tripterospermum luzonense ) は台湾、インドネシア、フィリピンに分布する。葉の縁に細かい鋸歯があり、縁が細かく波打つ。
 コバノツルリンドウ Tripterospermum microphyllum は台湾に自生し、葉が長さ1~2(3)㎝と小さい。
 ホソバノツルリンドウ Pterygocalyx volubilis、は日本、朝鮮、中国に分布する。茎が細く、葉幅も狭い。花も細長い。

ツルリンドウ属

  family Gentianaceae - genus Tripterospermum

 多年草。茎は長く、絡み付く又は平伏して這い、まれに個々に直立する。葉は対生。花序は腋生と頂生。花は単生又は集散花序につく。花は5数性。萼筒は普通、5本の竜骨状のうねがある。花冠は筒状又は広い筒状、副片(plicae:花冠裂片の間にある小さい裂片)がある。雄しべは花冠筒部の基部につき、不等長、先が曲がる。蜜腺は著しく発達し、子房の基部を取り囲んでカラー(襟)のような円盤(disk)を作る。子房は1室。胚珠は多数。花柱は細く、わずかに反曲する。柱頭は線形、花時に反曲する。果実は蒴果又は液果、多数の種子を含む。種子は三稜形~扁平、翼は有又は無。
 世界に約34種があり、東アジア、南アジアに分布する。

ツルリンドウ属の主な種と園芸品種

1 Tripterospermum alutaceifolium (T.S.Liu & C.C.Kuo) J.Murata トリプテロスペルムム・アルタケイフォリウム

  synonym Tripterospermum taiwanense var. alutaceifolium T.S.Liu & C.C.Kuo

 台湾原産。中国名は台北双蝴蝶 tai bei shuang hu die。台湾北部、標高300~1700mの森林に生える。

 茎は螺旋状に捻じれ、絡み合い、円柱形。葉柄は長さ2~3cm。葉身は披針形、卵状披針形、または卵形、長さ6~11cm×幅2.5~3.5cm、基部は円形~浅い心形、縁は小円鋸歯状、先は尖鋭形、脈は3本。花序は花が1個または集散花序につく。苞は1~4対つき、鱗片状、狭披針形。小花柄は長さ2~3mm。萼は鐘形、萼筒は長さ7~9mm、翼があり、萼片は披針形、長さ0.9~1.5cm、広い竜骨があり、先は鋭形~尖鋭形。花冠は黄白色、長さ3.5~4cm。花冠裂片は三角形、長さ4~5mm、先は尖鋭形。副片(plicae)は斜めの三角形、長さ1~2.5mm、縁は小円鋸歯状。花糸は線形、長さ1~2cm。葯は楕円形、長さ1~2mm。円盤(disk)は長さ1~1.5mm。子房は長さ7~9mm。子房柄(gynophore)は長さ2~3mm。花柱は線形、長さ1.5~2.5cm。液果は赤紫色、ほぼ球形、長さ1~1.8cm×幅0.8~1.1cm、花冠に含まれる。柄は長さ1~3mm。種子は暗紫色、楕円形~卵形、円盤形、長さ1.5~2mm、翼はない。

2 Tripterospermum cordifolium (Yamam.) Satake アオイツルリンドウ 葵蔓竜胆

 台湾原産。中国名は高山肺形草 gao shan fei xing cao。標高2300~2700mの湿潤な亜高山帯の針葉樹林の林床に生える。
 茎は細く、円柱形、長く地面を這い、節から細根を出す。葉柄は長さ0.5~1.5cm、細く、葉身は卵形~心形、長さ0.7~1.7cm×幅0.6~1.6cm、基部は円形~心形でやや沿下し、縁は全縁、先は鋭形、脈は3~5本。花は単生、苞は1~3対あり、卵形、長さ約5mm。小花柄は長さ2~3mm。萼は鐘形、萼筒は長さ6~7mm、翼があり、萼片は線形~倒披針形、長さ(5~)7~8mm、基部は狭くなり、先は尖鋭形。花冠は紫色、鐘形、長さ約3.5cm、花冠裂片は卵状三角形、長さ約5mm、先は鋭形。副片(plicae)は半円形、長さ約2mm、縁は小円鋸歯状。花糸は線形、長さ1.5~2cm。葯は楕円形、長さ約1mm。円盤(disk)は長さ約1mm。子房は狭楕円形、長さ約8mm。花柱は長さ約1.8cm、花冠から突出する。液果は紡錘形、ほぼ無柄~長さ4~7mmの果柄がある。花期は10月。

3 Tripterospermum distylum J.Murata et Yahara ハナヤマツルリンドウ 花山蔓竜胆

 日本固有種(屋久島)。山地の岩場に生える。
 多年草。つる性の。茎は細く、4稜形。葉は対生し、卵形~卵状披針形、長さ3~4㎝。花は上部の葉腋に普通、1個つく。花冠は青紫色、鐘形、長さ3~3.5㎝、先は5裂する。花冠裂片の間に副片がある。雄しべは5個、先は上に曲がる。蒴果は細長い筒形、熟すと縦に裂開する。種子には翼がある。花期は9~10月。果期は10~11月。

4 Tripterospermum hualienense T.C.Hsu et S.W.Chung タロコツルリンドウ 太魯閣蔓竜胆

 台湾原産。中国名は東臺肺形草。 台湾東部の標高1300~2300mの石灰岩を多く含む山岳地帯の低木林の隙間や道端などに点在する。
 多年草。茎は基部で這い、枝分かれし、しばしば先で絡みつき、まれに匍匐し、垂れ下がる茎は長さ15~60cm、節間は1~10cm。葉柄は長さ2~5mm。葉身は基部の節では卵形~卵状披針形、上部の節では線形~線状披針形、草質~ほぼ革質、長さ1~5cm×幅0.3~0.7cm、基部は漸尖してやや沿下し、先は鋭形、縁は軟骨質でわずかにザラつき、脈がある。花序は頂生および腋生で、1~3個の花がつく。苞は1~2対あり、鱗片状、まれに葉状。萼片は鐘形、萼筒は長さ3~7mm、翼はない。萼片は線状錐形、長さ3~11cm×幅0.5~1.5mm。花冠はピンク白色、外側に縦に紫赤色の縞があり、ほぼ円筒形、長さ2.4~3.7cm。花冠裂片は三角形、長さ3~4mm×幅3~4mm、先は鋭形、副片(plicae)は扇形、縁は小円鋸歯状。花糸は線状錐形、長さ1.3~1.5cm、子房の先端よりわずかに上の花冠筒部につく。葯は楕円形、長さ約1mm。円盤(disk)は長さ約1mm。子房は長さ7~9mm、子房柄は1~2mm。花柱は線形、長さ1.1~1.3cm。液果はしばしば枯れた花冠に含まれ、赤紫色、ほぼ球形~卵形、長さ10~16mm×​​幅8~12mm、子房は萼筒よりわずかに短いかまたはわずかに長い。種子は暗褐色、楕円形~卵形、3稜形、長さ1~1.3mm、翼はない。花期は8~12月。果期は1~4月。

5 Tripterospermum lanceolatum (Hayata) H.Hara ex Satake ニイタカツルリンドウ 新高蔓竜胆

 台湾原産。中国名は玉山双蝴蝶 yu shan shuang hu die。標高1500~3000mの散在する低木林、道路脇の斜面に生える。
 茎は螺旋状に捻じれ、絡み合い、細く、円柱形、条線がある。葉柄は長さ0.5~1.5cm、細い。葉身は披針形、ときに狭卵形、長さ3~8.5cm×幅0.6~3cm、基部は円形~ほぼ心形、縁は全縁または小円鋸歯状、先は尖鋭形、葉脈は3本。花序は1花または集散花序。苞は通常1~4対つき、長さ1cmまで。小花柄は長さ0.2~1.5cm。萼は鐘形、萼筒は長さ(5~)7~12mm、狭い翼がある。萼片は線形~線状披針形、長さ5~14mm、先は尖鋭形。花冠は白色、淡黄色、ピンク色、青色、または濃紫色、狭鐘形、長さ(2.5~)3~5cm。花冠裂片は三角形、長さ4~5mm、先は尖鋭形~鋭形。副片(plicae)は半円形、長さ1.5~2mm、縁は小円鋸歯~ギザギザ。花糸は線状錐形~線形、長さ1.5~2.2cm。葯は楕円形、長さ約1mm。円盤(disk)は長さ1~1.2mm。子房は長さ0.8~1.5cm、子房柄(gynophore)は長さ(0.3~)0.5~1.5cm。花柱は長さ1~1.5cm。液果は紡錘形~楕円形、花冠から突出する。花期は8~12月。

6 Tripterospermum luzonense (S.Vidal) J.Murata タカネツルリンドウ 高嶺蔓竜胆

  synonym Tripterospermum taiwanense (Masam.) Satake var. alpinum Satake

 台湾、インドネシア、フィリピン原産。中国名は高山双蝴蝶 gao shan shuang hu die。標高(1500~)2000~3000mの森林の縁、道路脇の低木林に生える。
 植物の大きさは様々、標高の高い場所では一般に小さくなる。茎は細く、螺旋状に捻じれ、絡み合い、円柱形。葉柄は長さ1.7cmめで。葉身は披針形~三角状卵形、たまに線状披針形、長さ1.5~7cm×幅0.3~2.3cm、基部は円形~浅い心形、縁は小円鋸歯状、先は長い尖鋭形で尾状、葉脈は3本。花は1個または2個、腋生で、腋生の花序柄に頂生する。小花柄は長さ0.5~2cm。苞は葉状で、三角状卵形または鱗片状。花は無柄または長さ3mmまでの小花柄がある。萼は鐘形。萼筒は長さ3~7mm、翼はなく、果時に広がる。萼片は斜上し、線形、長さ1~7mm。花冠は薄ピンク紫色、外側に紫色の縦縞があり、狭い鐘形、長さ1.8~3.2cm。花冠裂片は三角形、長さ2~3mm。副片(plicae)はほぼ円形、長さ1~1.5mm。花糸は長さ1.2~2cm。葯は楕円形、長さ約0.8mm。円盤(disk)は長さ1~1.5mm。子房は長さ6~12mm。雌しべは長さ2~4mm。花柱は長さ1~1.2cm。液果は赤紫色、ほぼ球形、長さ0.7~1.6cm×幅0.7~1.2cm。種子は褐色、3稜形、翼はない。花期は9~3月。

7 Tripterospermum microphyllum Harry Sm. ヒメツルリンドウ 姫蔓竜胆

 台湾原産。中国名は小叶双蝴蝶 xiao ye shuang hu die。別名はコバノツルリンドウ。亜高山帯の針葉樹林および森林縁辺に生える。
 茎は細く、円柱形、長く地面を這い、節から細根を出す。葉柄は長さ2~5mm、細い。葉身は披針形~卵形、長さ1~2(~3)cm×幅3~5(~7)mm、基部は円形~切形、縁は小円鋸歯状でわずかに外巻きし、先は尖鋭形、脈は1~3本。花は単生。苞は卵形、長さ約1cm。小花柄は長さ3~7mm。萼は鐘形。萼筒は長さ5~7mm、翼があり、うねに沿ってパピラまたは軟毛がある。萼片は線形、筒部と同長かまたはそれ以上。花冠は青色、鐘形、長さ約2.5cm。花冠裂片は卵状三角形、長さ3.5~4.5mm、先は鋭形。副片(plicae)は半円形、長さ1~1.5mm、縁は小円鋸歯状。花糸は線状錐形、長さ2~2.2cm。葯は卵形、長さ約1mm。円盤(disk)は長さ約0.5mm。子房は紡錘形、長さ1~1.2cm。子房柄は長さ約2mm。花柱は線形、長さ1.2~1.7cm。花期は7~9月。

8 Tripterospermum taiwanense (Masam.) Satake タイワンツルリンドウ 台湾蔓竜胆
 台湾原産。中国名は台湾肺形草 tai wan shuang hu die。台湾中部および南部の標高500~2300mの林縁に生える。
 茎は螺旋状に捻じれ、絡み合い、円柱形。葉柄は長さ1~3cm。葉身は披針形、卵状披針形、または卵形、長さ4~7cm×幅2~3.5cm、基部は円形~切形、縁は小円鋸歯状、先は尖鋭形、脈は3本。花序は1花または集散花序につく。苞は1~4対あり、通常は葉状、卵形~三角形。小花柄は長さ2~3mm。萼は鐘形、萼筒は長さ7~9mm、翼がある。萼片は錐形~線形、長さ0.9~1.5cm、先は尖鋭形。花冠は白色、外側がたまに紫色を帯び、長さ4~4.2cm、花冠裂片は三角形、長さ4~5mm、先は尖鋭形。苞は斜めの三角形、長さ1~2.5mm、縁は小円鋸歯状。花糸は線形、長さ1~2cm、葯は楕円形、長さ1~2mm。円盤(disk)は長さ1~1.5mm。子房は長さ1~1.5cm、子房柄は長さ2~3mm。花柱は線形、長さ1.5~2.5cm。果実は暗紫色、楕円形、長さ2~3.5cm×幅4~7mm、子房柄は長さ1~3mm。種子は暗紫色、楕円形~卵形、長さ1.5~2mm、3稜形、翼はない。

9 Tripterospermum trinervium (Thunb.) H.Ohashi & H.Nakai ツルリンドウ 蔓竜胆

  synonym Tripterospermum japonicum (Siebold et Zucc.) Maxim.

  synonym Tripterospermum japonicum (Siebold et Zucc.) Maxim. var. tenue (Masam.) Honda

  synonym Tripterospermum japonicum var. involubile (N.Yonez.) J.Murata テングノコヅチ

  synonym Tripterospermum trinervium (Thunb.) H.Ohashi et H.Nakai var. involubile (N.Yonez.) H.Ohashi et H.Nakai

  synonym Tripterospermum japonicum f. album T.Shimizuu シロバナテングノコヅチ

  synonym Tripterospermum japonicum var. albiflorum (Honda) Y.N.Lee  シロバナツルリンドウ

  synonym Tripterospermum japonicum f. albiflorum Honda

  synonym Tripterospermum trinervium f. albiflorum (Honda) Yonek.

  synonym Tripterospermum japonicum f. leucocarpum Honda シロミノツルリンドウ

  synonym Tripterospermum trinervium f. leucocarpum (Honda) Yonek.

 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、千島列島、サハリン原産。山地の木陰に生え、普通に見られる。
 多年草。蔓は長さ40~80㎝になり、紫色を帯び、他の木などに巻きつく。葉は長さ3~5㎝の卵状披針形、先が尖る。葉腋に淡紫色の花をつける。花冠の長さ約3㎝、花冠は5裂し、副片がある。果実は長さ約12㎜の楕円形の液果、紅色に熟す。初めは残存する花冠に埋もれたまま果実が赤くなり、後に、突き出る。種子は長さ約2㎜、狭い翼がある。果実が裂開したように見えるものがあった。2n=46。花期は8~10月。

(1) Tripterospermum japonicum (Siebold et Zucc.) Maxim. var. involubile (N.Yonez.) J.Murata  テングノコヅチ 

  synonym Tripterospermum trinervium (Thunb.) H.Ohashi et H.Nakai var. involubile (N.Yonez.) H.Ohashi et H.Nakai

  synonym Tripterospermum involubile N.Yonez.
 北海道、本州(中部以北)に分布。亜高山帯に生える。蔓が巻きつかない。花が茎の先だけにつき、腋生しない。花や果実が小型。

参考

1) Flora of China
  Tripterospermum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=133766
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Tripterospermum
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:16752-1