ツルニンジン 蔓人参

mark

Flora of Mikawa

キキョウ科 Campanulaceae ツルニンジン属

別 名 ジイソブ
中国名 羊乳 yang ru
英 名 Deodeok
学 名 Codonopsis lanceolata (Sieb. et Zucc.) Trautv.
ツルニンジン花横
ツルニンジン花
ツルニンジン花
ツルニンジン蕾
ツルニンジン果実
ツルニンジン熟した果実
ツルニンジン果実の嘴裂開
ツルニンジンの葉裏
ツルニンジン
ツルニンジン種子
ツルニンジン葉
花 期 8~10月
高 さ つる性
生活型 多年草
生育場所 林内
分 布 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア
撮 影 足助町    01.9.22
茶臼山高原 15.11.13
和名の由来は根が朝鮮人参に似ていることから。
 全体に無毛又はわずかに毛がある。蔓は幹のようになり(caudexe)、断面がほぼ円形、茎は巻きつき、黄緑色、紫色に汚れ、長さ1m以上になり、しばしば分枝する。根は紡錘状に太くなり、長さ10~20㎝、幅1~6㎝。 主茎の葉は互生し、披針形~卵形~楕円形、長さ8~14㎜、幅3~7㎜。小枝の先の葉は普通、2~4個、類対生又は輪生し、葉柄は長さ1~5㎜。葉身は長さ3~12㎝、幅1.3~5.5㎝の卵形~狭卵形~惰円形、脈が明瞭、基部は漸尖~ときに円形、葉縁は普通、全縁、やや曲がりくねり、ときに外巻きになって剛毛があり、葉先は鋭形~鈍形。葉裏は灰緑色、葉表は緑色、両面とも無毛、まれに葉裏に白毛のあるものがある。花は小枝の先に単生又は双生し、花柄は長さ1~9㎝。萼は半分ほど子房に着生し、筒部は半球形、先が深く5裂し、裂片は卵形~三角形、長さ1~3㎝、幅0.5~1㎝、全縁、鋭頭。萼片の間の湾曲は初め狭いが花後には広くなる。花冠は広鐘形、長さ2~4㎝、幅2~3.5㎝、花冠の先が浅く5裂し、裂片は黄緑色~乳白色で、紫色の斑点があり、三角形、長さ0.5~1㎝、反曲する。花冠の基部に小さな5個の距がある。花盤は暗緑色、肉質。花糸は錐状、基部でわずかに膨れ、長さ4~6㎜。葯は長さ3~5㎜。子房は下位。 蒴果は萼片が開出して残り、基部が半球形、上部が5角形、先(上側の中央)が嘴状、萼片を除いた部分の直径1.6~3.5㎝、種子が多数入り、熟して乾くと嘴部分が3裂開する。種子は淡褐色、大きな翼があり、翼も含めた長さ約5㎜、長楕円形~楕円形、軽くて風で散布される。2n=16
 シブカワニンジンは静岡県、愛知県、三重県に分布する変種。葉が細長く、葉裏に白毛が密生する。
 バアソブは葉の裏と縁に白毛が多く、花の直径が2~2.5㎝と小型。種子が黒褐色で、翼がない。

ツルニンジン属

   family Campanulaceae - genus Codonopsis

 多年草、しばしば悪臭がある。根は太くなり、ニンジン形、紡錘形、又は塊根状、ほとんどが肉質、まれに木質。茎は直立、斜上、よじ登り、平伏、又は絡み付く。葉は互生、対生、又は束生(偽輪生)。花は単生、主茎や枝に頂生、ときに葉に対生し、まれに腋生。咢筒は子房に様々につき、しばしば10うねがある。咢片は5個。花冠は子房上につき、5裂片は花冠の長さの1/2以下、鐘形、漏斗形、又は筒形、あるいは長さの3/4以上で車形、色は紫色、青色の様々、黄色、緑色、又は白色。雄しべは5本、花糸はしばしば基部で広がり、又は毛があり、まれに花弁に対生する腺をもつ。葯は底着、葯隔は無毛又は剛毛がある。子房は下位又は少なくとも花冠に下位、3室がある。胚珠は多数。花柱は無毛又は有毛。柱頭は普通、3裂し、裂片は幅が広い。果実は宿存する咢をもち、卵形又は倒円錐形、胞背裂開の蒴果。種子は多数、楕円形、長円形、又は球形、翼は有又は無、平滑、かすかに条線があり又は網目がある。胚は真っすぐ、豊富な胚乳に埋もれる。
 世界に42種があり、アジアの中部、東部、南部に分布する。

ツルニンジン属の主な種

1 Codonopsis javanica (Blume) Hook.f. et Thomson
  synonym Campanumoea javanica Blume [The Plant List , Flora of China]
 日本、中国、台湾、中国、インド、ネパール、ブータン、アッサム、バングラデシュ、ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア原産。
 根は太い。茎は辛味つき、タス、分枝し、無毛。葉は対生、まれに互生、長い葉柄がある。葉身は心形又は心状卵形、ときに3裂片になり、長さ2.6~8㎝×幅2~7.5㎝、無毛又は下面にときにまばらに絨毛があり、縁は歯状~円鋸歯状、まれに全縁。花は腋生、全体に無毛。咢は子房から分離し、基部近くまで分裂し、咢片は披針形~卵形、まれに狭三角形、長さ8~20㎜。花冠は子房上、白色又は黄緑色、内側が紫色又は帯赤色、中間まで裂ける。柱頭は4又は5裂。子房と液果は5室。液果は青紫色又は緑白色、赤色を帯び、無毛、長さ7~26㎜。種子は形が不規則、表面に網目がある。花期と果期は5~11月。
.1-1 Codonopsis javanica (Blume) Hook.f. et Thomson var. javanica
  synonymCampanumoea javanica Blume var. javanica
 葉身は長さ3.5~8㎝×幅2.2~7.5㎝、咢片は披針形、長さ10~20㎜。花冠は長さ15~30㎜。液果は青紫色、直径15~26㎜。
1-2 Codonopsis javanica (Blume) Hook.f. et Thomson subsp. japonica (Makino) Lammers  ツルギキョウ 蔓桔梗
  synonym Campanumoea javanica subsp. japonica (Makino) D. Y. Hong
 日本(本州の関東以西、四国、九州)、中国、台湾原産。中国名は小花金钱豹 xiao hua jin qian bao。
 葉身は長さ2.6~8㎝×幅2.2~6.5㎝。咢片は卵形又は披針形、まれに

2 Codonopsis kawakamii Hayata  ヒメツルギキョウ
 台湾原産。中国名は台湾党参 tai wan dang shen

3 Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv.  ツルニンジン 蔓人参
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は羊乳 yang ru 。英名はDeodeok。別名はジイソブ。
 つる性。全体に無毛又はわずかに毛がある。蔓は幹のようになり(caudexe)、断面がほぼ円形、茎は巻きつき、黄緑色、紫色に汚れ、長さ1m以上になり、しばしば分枝する。根は紡錘状に太くなり、長さ10~20㎝、幅1~6㎝。 主茎の葉は互生し、披針形~卵形~楕円形、長さ8~14㎜、幅3~7㎜。小枝の先の葉は普通、2~4個、類対生又は輪生し、葉柄は長さ1~5㎜。葉身は長さ3~12㎝、幅1.3~5.5㎝の卵形~狭卵形~惰円形、脈が明瞭、基部は漸尖~ときに円形、葉縁は普通、全縁、やや曲がりくねり、ときに外巻きになって剛毛があり、葉先は鋭形~鈍形。葉裏は灰緑色、葉表は緑色、両面とも無毛、まれに葉裏に白毛のあるものがある。花は小枝の先に単生又は双生し、花柄は長さ1~9㎝。萼は半分ほど子房に着生し、筒部は半球形、先が深く5裂し、裂片は卵形~三角形、長さ1~3㎝、幅0.5~1㎝、全縁、鋭頭。萼片の間の湾曲は初め狭いが花後には広くなる。花冠は広鐘形、長さ2~4㎝、幅2~3.5㎝、花冠の先が浅く5裂し、裂片は黄緑色~乳白色で、紫色の斑点があり、三角形、長さ0.5~1㎝、反曲する。花冠の基部に小さな5個の距がある。花盤は暗緑色、肉質。花糸は錐状、基部でわずかに膨れ、長さ4~6㎜。葯は長さ3~5㎜。子房は下位。 蒴果は萼片が開出して残り、基部が半球形、上部が5角形、先(上側の中央)が嘴状、萼片を除いた部分の直径1.6~3.5㎝、種子が多数入り、熟して乾くと嘴部分が3裂開する。種子は淡褐色、大きな翼があり、翼も含めた長さ約5㎜、長楕円形~楕円形、軽くて風で散布される。2n=16。花期は8~9月。
3-1 Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv. f. emaculata (Honda) H.Hara  ミドリツルニンジン
3-2 Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv. var. omurae T.Koyama シブカワニンジン  渋川人参
 日本固有変種(静岡県、愛知県、三重県)。蛇紋岩地帯の林縁に生える。
 蛇紋岩地帯に生える変種。葉が著しく細く、葉裏に白毛が密生し、花はよく似ている。花期は9~10月

4 Codonopsis minima Nakai  ヒメツルニンジン
 朝鮮固有種。

5 Codonopsis pilosula (Franch.) Nannf.  ヒカゲツルニンジン
  synonym Codonopsis sylvestris Kom.
 朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は党参 dang shen
5-1 Codonopsis pilosula (Franch.) Nannf. subsp. tangshen (Oliv.) D.Y.Hong  トウサン
  synonym Codonopsis tangshen Oliv.
 中国に分布。中国名は川党参 chuan dang shen

6 Codonopsis ussuriensis (Rupr. et Maxim.) Hemsl.  バアソブ
 日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は雀斑党参 que ban dang shen
 全体に無毛、又は茎や葉にまばらに絨毛がある。根は灰黄色、塊根があり、長円形、直径1~3㎝。茎は絡み付き、緑色、白色又は暗紫色、細く、無毛又は節間にまばらに絨毛がある。主茎の葉は互生し、披針形又は卵形、小さく、枝の先の葉は普通、3~5個、束生し、偽輪生する。葉柄は短い。葉身は下面が灰緑色、上面は緑色、基部は漸尖し、全縁、たまに外巻き、先は鋭形~鈍形。花は単生、細い枝に頂生する。鼻柄は長さ2~5㎝。苞は1個、小さく、披針形又は狭卵形。咢筒はその中間まで子房につき、半球形。咢片は狭披針形又は卵状デルタ茎、長さ10~20㎜×幅6~8㎜全縁、先は鋭形。花冠は鐘形、長さ2~3㎝×幅1.5~2.5㎝、浅裂し、花冠裂片は暗紫色、デルタ形、内側に顕著な黒紫色の縞模様又は黒色の斑点をもつ。花糸は長さ3~5㎜、基部がわずかに広がる。葯は長さ2~4㎜。蒴果は基部が半球形、先は嘴になり、長さ約15㎜。種子は多数、暗褐色、光沢があり、卵形、翼は無い。花期は7~8月。2n = 16。
6-1 Codonopsis ussuriensis (Rupr. et Maxim.) Hemsl. f. viridiflora J.Ohara  ミドリバアソブ
 花冠が緑白色のもの。

ツルギキョウ属

   family Campanulaceae - genus Campanumoea

 多年草。根は太く、ニンジン形。茎は巻きつく。葉は対生又は互生。花は単生、腋生又はほとんどが葉に対生し、あるいいは3個の集散花序につき、花柄があり、4~7数性。咢筒(花托筒)は子房につき、大きさが異なり又は子房から分離する。花冠は子房上、花冠筒部は明瞭、拡大部は5(~6)裂する。雄しべは5本。花糸は無毛又は有毛。子房は完全に下位、又は花冠だけに下位、半下位、あるいは咢に上位、3~6室。花灰らは無毛又は有毛。柱頭は3~6裂、先は平ら。種子は多数。
 世界に2種あり、アジア南部、東部に分布する

ツルギキョウ属の主な種

1 Campanumoea javanica Blume ツルギキョウ
  synonym Codonopsis javanica (Blume) Hook.f. et Thomson
2 Campanumoea inflata (J. D. Hooker & Thomson) C. B. Clarke
  synonym Codonopsis inflata J. D. Hooker & Thomson
 中国、インド、ブータン、ネパール原産。中国名は藏南金钱豹 zang nan jin qian bao

参考

1) Flora of China
 Codonopsis
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=107542
2)GRIN
 Codonopsis
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=1114
3)Kewscience
 Codonopsis
 http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:5619-1
4) The Jepson Herbarium
 Asyneuma prenanthoides
 https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=15138