タラノキ  
[別名] タランボ
[中国名] 楤木 cong mu
[英名] Chinese angelica-tree, Japanese angelica-tree, Japanese aralia
[学名] Aralia elata (Miq.) Seem.
ウコギ科 Araliaceae  タラノキ属
三河の植物観察
タラノキの花
タラノキ果実
タラノキの冬芽
タラノキの幹
タラノキの葉
タラノキ
タラノキ果実
タラノキ種子
 幹や枝に扁平な鋭い刺があり、葉柄や小葉の軸にも刺がある。葉は互生し、長さ50~100㎝の2回羽状複葉。小葉は長さ5~10cmの卵形~楕円形、縁には鋸歯があり、先が尖る。雌雄同株。幹の頂部に大きな複散形花序を出し、淡緑色の花を多数つける。果実は直径約4㎜の液果、秋に黒色に熟す。種子は長さ約2㎜、褐色。新芽はタラの芽と呼ばれ、山菜として食べられ、最近ではよく栽培されるようになった。刺のない品種はメダラと呼ばれ、これを栽培することが多い。2n=24
[花期] 8~9月
[高さ] 2~6m
[生活型] 落葉低木
[生育場所] 山林、林縁、荒地
[分布] 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア
[撮影] 設楽町  07.9.8

 タラノキ属

  family  Araliaceae - genus Aralia

 小高木又は低木、刺があり又は刺が無く、根茎がある草本、雌雄両全性(hermaphroditic)又は両性雄花同株(andromonoecious)。葉は1~3回羽状複葉、葉軸に関節があり、小葉は3~20個つき、全縁~鋸歯、小鋸歯、円鋸歯、又は波状縁。托葉は葉柄の基部に合着する。花序は頂生又は腋生、普通、散形花序、頭状花序、又は総状花序からなる、円錐花序、散房花序、又は散形花序、たまに散形花序が単生する。花柄は子房の下に関節がある。咢の縁には5歯がある。花弁は5個、覆瓦状。雄しべは5本。子房は5(~ 6)心皮、たまに3心皮に減る。花柱は5本、分離又は基部が合着する。果実は液果、ほぼ球形、ときに3~5角(かど)がある。種子は側部が扁平、胚乳は均一。
 世界に約40種があり、主に東南アジアと中国に分布し、アメリカに少数が分布する。


 タラノキ属の主な種と園芸品種

 1  Aralia bipinnata Blanco  ウラジロタラノキ
 台湾、インドネシア、フィリピン、パプアニューギニア原産。中国名は台湾楤木 tai wan cong m
 低木又は小高木、高さ2.7~7m。雌雄両全性(hermaphroditic)。枝は真っすぐな円錐形の長さ4~8㎜の刺がある。葉は2回羽状複葉、葉軸の各節に飾りの小葉が対につく。葉柄は長さ40㎝以下、刺がある。小葉柄は長さ2~12㎜。小葉は各羽片に5~11対つき、卵形~披針形、長さ3.5~15㎝×幅1.5~6.5㎝、紙質~革質「、両面とも無毛、下面は粉白色、2次脈は6~8対、両面で明瞭、3次脈は不明瞭、基部は円形~類心形、縁は円鋸歯、先は尖鋭形~尾状。花序は散形花序からなる頂生の円錐花序、 ぬか状(furfuraceous)、刺は無い。花序の1次軸は長さ10~40㎝、2次軸は長さ15~65㎝、最終の軸は両性花からなる頂生の散形花序と雄花の側散形花序を1~数個もつ。苞は宿存し、披針形~三角形、長さ約4㎜以下。散形花序は花が10~25個つく。花柄は長さ4.5~10㎜、ぬか状。子房は5隠避。花柱は5本、分離。果実は球形、直径約3㎜、花柱が放射状に宿存する。花期と果期は通年。
 沖縄のものはリュウキュウタラノキ。茎に刺がないか、あってもごく少なく、長さ2~5㎜で下部が太い。
葉は卵形~狭卵形で先は次第に細く鋭く尖り、下面は白色を帯び、無毛か主脈の両側に粗く毛が散生する。苦味があって食べない。

 2  Aralia continentalis Kitag.  マンセンウド
 朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は东北土当归 dong bei tu dang gui

 3  Aralia cordata Thunb. ウド 独活
   synonym Aralia schmidtii Pojark. 
   synonym Aralia taiwaniana Y.C.Liu et F.Y.Lu 
   synonym Aralia cordata Thunb. f. biternata Nakai
   synonym Aralia cordata Thunb. var. sachalinensis (Regel) Nakai カラフトウド
 北海道、本州、四国、九州、朝鮮原産。中国名は食用土当归 shi yong tu dang gui 。独特の匂いがある若芽はヤマウドと呼ばれ、美味しい山菜になる。野菜として栽培されているのはウドと呼ばれる。韓国や中国でも栽培されている。
 多年草、高さ50~200㎝。茎や葉に短毛が生え、刺はない。葉は互生し、2回羽状複葉。小葉は卵形、先は尖り、基部は心形。花は淡緑白色、球状の散形花序になり、さらに集まって大きな円錐花序となる。花弁は白色、5個。雄しべ5個。花柱5個。果実は直径約3㎜の液果様の核果、黒紫色に熟す。2n=24,48。花期は8~9月。

 4  Aralia decaisneana Hance  タイワンタラノキ
 中国、台湾原産。中国名は台湾毛楤木 tai wan mao cong mu
 リュウキュウタラノキに似ているが、茎や葉に鋭い刺を持ち、枝や葉柄に開出する褐色の毛が密生し、葉の両面に硬い毛が生える。

 5  Aralia elata (Miq.) Seem.  タラノキ
   synonym Aralia mandshurica Maxim.
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は楤木 cong mu 。英名はChinese angelica-tree, Japanese angelica-tree, Japanese aralia , angelica tree。別名はタランボ。山林、林縁、荒地に生える。
 落葉低木。高さ2~6m。幹や枝に扁平な鋭い刺があり、葉柄や小葉の軸にも刺がある。葉は互生し、長さ50~100㎝の2回羽状複葉。小葉は長さ5~10cmの卵形~楕円形、縁には鋸歯があり、先が尖る。雌雄同株。幹の頂部に大きな複散形花序を出し、淡緑色の花を多数つける。果実は直径約4㎜の液果、秋に黒色に熟す。種子は長さ約2㎜、褐色。新芽はタラの芽と呼ばれ、山菜として食べられ、最近ではよく栽培されるようになった。刺のない品種はメダラと呼ばれ、これを栽培することが多い。2n=24。花期は8~9月。
品種) 'Albomarginata' , 'Aureo-marginata' (v)キモンタラノキ , 'Aureovariegata' (v) , 'Golden Umbrella' (v) , 'Silver Umbrella' (v) , 'Variegata' (v) フクリンタラノキ

5-1 Aralia elata (Miq.) Seem. f. aureovariegata (Rehder) Nakai  キモンタラノキ
5-2 Aralia elata (Miq.) Seem. f. subinermis (Ohwi) Sugim.  メダラ
   synonym Aralia elata (Miq.) Seem. var. canescens Nakai 
   synonym Aralia elata (Miq.) Seem. f. canescens sensu T.Yamaz.
   synonym Aralia elata (Miq.) Seem. var. subinermis Ohwi
 刺のない品種
5-3 Aralia elata (Miq.) Seem. f. variegata (Rehder) Nakai  フクリンタラノキ

 6  Aralia glabra Matsum.  ミヤマウド 深山独活
 日本固有種(本州の関東地方~中部地方)。:低山~亜高山の林縁に生える。
 多年草、高さ50~150cm、茎は細く、全体に無毛、赤紫色を帯びる。葉は互生し、葉柄も赤色を帯び、2~3回羽状複葉、小葉は卵形で薄く、先は 尖鋭形~尾状、縁は細鋸歯縁、面に毛が散生する。 花序は散形花序からなる円錐状花序、側枝が長いためやや散房状に見え、花がややまばらにつく。花柄に関節があり、関節付近は無毛。花は小散形花序に約20個、紫がかった緑色。花弁は5個、早落性。雄しべは5本。液果は球形、直径約3㎜、黒紫色に熟す。花期は6~8月。果期は9~10月。

 7  Aralia ryukyuensis (J.Wen) T.Yamaz.  リュウキュウタラノキ
   synonym Aralia elata auct. non (Miq.) Seem. 
   synonym Aralia elata (Miq.) Seem. var. ryukyuensis J.Wen 
 日本固有種(琉球群島、奄美群島)。別名はウラジロメダラ
 ウラジロタラノキと似ているが、ほとんど刺がなく、花柄の長さが明瞭に異なり、別種と考えられる。
 リュウキュウタラノキは花柄が花時に長さ1~1.5㎜、果時に1.5~2㎜、小集散花序は花が密ににつく。葉柄にほとんど刺がなく、あっても短くて太い。.小葉は浅い鋭鋸歯を持つ。
 これに対し、ウラジロタラノキ.A. bipinnataの花柄は花時に3~5㎜、果時に4~7㎜、で花や果実がまばらにつく。葉柄に短く細い刺があり、刺の無いものもある。小葉の鋸歯は荒く明瞭で、歯先は刺状に尖り、葉の鋸歯の形は変異がある。
7-1 Aralia ryukyuensis (J.Wen) T.Yamaz. var. inermis (Yanagita) T.Yamaz.  シチトウタラノキ
   synonym Aralia elata (Miq.) Seem. var. inermis (Yanagita) J.Wen 
   synonym Aralia bipinnata Blanco var. inermis (Yanagita) T.Yamaz.
 刺の無いこと、葉が3回羽状複葉であり、小葉の裏面が白色である。

 8  Aralia spinifolia Merr.  ナントウタラノキ
   synonym Aralia armata auct. non (Wall. ex G.Don) Seem.
 中国、台湾原産。中国名长刺楤木 chang ci cong mu


 参考

1) Flora of Cnina
 Aralia  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=102427
2) Plants of the World Online | Kew Science
  Aralia  
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30023289-2
3) GRIN
  Aralia  
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=896
4) 植物研究雑誌第62巻第6号 189-190 (1987)
 ウラジロタラノキとシチトウタラノキについて(山崎敬)
5) 植物研究雑誌 Vol.71(1) 53-55 (1996)
 リュウキュウタラノキについて(山崎敬)

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