スズメガヤ 雀茅
Flora of Mikawa
イネ科 Poaceae スズメガヤ属
中国名 | 大画眉草 da hua mei cao |
英 名 | gray love grass, stink grass |
学 名 | Eragrostis cilianensis (All.) Link ex Vignolo |
花 期 | 8~10月 |
高 さ | 20~50㎝ |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 道端、畑地、草地、空地 |
分 布 | 在来種 本州、四国、九州、沖縄、中国、台湾、世界の熱帯、亜熱帯に広く分布 |
撮 影 | 吉良町 11.9.15 |
コスズメガヤによく似ている。コスズメガヤに比べて少なく、なかなか見られない。小穂の幅が明瞭に広く、果実が稔ってくると、より白っぽく見える。コスズメガヤは多く、小穂の幅がやや広い程度のものはほとんどコスズメガヤである。
茎は平滑、下部が平伏し、先が斜上~直立する。葉舌は白色、毛状。葉鞘は無毛、鞘口に長毛がある。葉鞘、節の下、花序枝、小梗、苞頴や護頴の竜骨上などに腺点があり、粘り、ところどころに黄褐色の汚れがある。腺点は大きく悪臭がする。花序は円錐形、花序の分岐点には腋毛がある。小穂は扁平、長さ4~10㎜、幅2.5~3.5㎜の披針形、8~30個の小花からなり、やや紫色を帯びこともある。第1苞頴は長さ1~2㎜、1脈、第2苞頴は長さ1.2~2.5㎜、ほぼ3脈であり、竜骨上に大きな腺点がある。護頴は3脈があり、長さ1.5~2.5㎜。果実は長さ0.5~0.6㎜の卵球形、やや赤色を帯びた褐色。2n=40
コスズメガヤ Eragrostis minor はスズメガヤに比べて小穂の幅が2㎜以下と狭く、線状披針形で、花序の分岐点に普通、毛がなく、全体に腺点が小さく、臭いが弱い。
ニワホコリ Eragrostis multicaulis の小穂は小花が4~8個で、淡赤紫色が濃い。また、第1苞頴が小さい。
一年草または多年草、しばしば、特に葉鞘および花序に腺がある。 葉身はほとんど平らで、ときに巻き、刺がまれにある。葉舌は毛が線状になりまたはときに膜質。 花序は開き、狭くなり、穂状花序状、または、団散花序(glomerate)をもつ円錐花序、ごくまれに中軸の上の総状花序になる。小穂は2個~多数の花がつき、側部が扁平、円形~ぜん虫形(vermiform)になり、様々に関節が離れる(disarticulating)。両苞穎(glumes)は等しくなく、脱落性または宿存性、1(~3)脈がある。護穎(lemmas)は膜質~革質、竜骨がありまたは丸くなり、無毛~顕微鏡的(40倍)に粗面(asperulous)、または毛があり、3脈がありまたは脈が非常にかすかになり、ときに無くなり、先は全縁~鈍形~鋭形~鈍形~尖鋭形、まれに微突形。内穎(palea)はときに翼や縁毛がある。雄しべは2または3個。果実はほとんどが球形、楕円形、または長方形状角柱形、普通、穎果であるが、ときに果皮が分離する。 世界に約350種あり、世界中の熱帯および亜熱帯に分布する。
synonym Eragrostis tenella (L.) P.Beauv. ex Roem. et Schult.
アフリカ、南アジアに分布する。英名はJapanese lovegrass。日本にも帰化し、道端などに生える。
1年草、叢生し、新しい芽(innovations)は無く、腺は無い。稈は高さ5~40㎝、直立、無毛、たまに節の下に長円形の腺のある領域がある。葉鞘は上部の縁と先端に毛があり、毛は長さ4㎜以下で、堅い。葉舌は長さ0.2~0.3㎜。葉身は長さ2~8㎝×幅2~4㎜、平らから内巻き、下面は平滑、上面は細かくザラつき、基部にはたまにパピラ状の毛がある。円錐花序は長さ4~15㎝×幅1~7㎝、円筒形~狭卵形、開き、ときに節の下に腺がある。一次枝は長さ0.5~4㎝、花序軸から20~100°で散開する。 葉枕(pulvini)はまばらに直軟毛がある。小梗(小花柄)は長さ1~4(7)㎜、小穂と同じかそれより長く、ほとんどが垂れ下がり、緩く、円柱形。小穂は長さ(1)1.5~2.5㎜×幅0.9~1.4㎜、卵形~長円形、赤紫色~帯緑色、4~8個の小花がつき、求基的(basipetal)に関節離断する(disarticulation)。苞穎は宿存性。護穎は卵形、透明、竜骨があり、脈は一般的に緑色。第1苞穎は長さ0.4~0.7㎜。第2苞穎は長さ0.7~1mm。護穎は長さ0.7~1.1㎜、卵形~広長円傾、膜質、側脈は普通、帯緑色、先は切形~鈍形。内穎は長さ0.6~1.1㎜、透明、竜骨があり、竜骨に縁毛があり、縁毛は長さ0.3~0.5㎜、先は鈍形~切形。葯は3個、長さ約0.2㎜、帯紫色。穎果は長さ0.3~0.5mm、楕円形、半透明、薄褐色。 2n=20。
2 Eragrostis aquatica Honda ヌマカゼクサ 沼風草
日本固有種。本州(近畿、東海地方)、四国北東部に分布する。溜池畔、湿地などに生える。
多年草。稈は単生、直立し、長さ25~50cm×直径0.8~1.2mm、4~5節があり、節間は長さ1~6cm、平滑、上部は無毛。側枝は無い。葉鞘は、隣接する稈の節間よりもほとんど短く、平滑、表面は無毛。葉舌は毛の縁飾りがある。葉身は内巻き、長さ4~20cm×幅1.8~4mm、表面は平滑、無毛。円錐花序は開き、卵形、緩く、長さ12~22cm×幅5~20cm、稈の長さの0.33倍。一次の円錐花序の枝は斜上し、1~2本つき、長さ6~12cm。花序軸は5~8節あり、下部の節間は長さ1~4cm。花序の枝は堅い。小穂は単生、稔性の小穂は無柄、または小梗(小花柄)があり、小梗に腺はない。小穂は9~23個の稔性の小花からなり、先では小花が無くなる。小穂は線形、側部が扁平、長さ6~12mm×幅1.5~2mm、成熟すると別れ、小軸は宿存し、内穎は残る。小軸の節間の長さは0.5mm。苞穎は脱落性、両苞穎は似ていて、小穂より短い。第1苞穎は披針形、長さ1.5~2mm、第2苞穎の長さと同じで、紙質、1竜骨、1脈があり、1次脈はザラつき、側脈はなく、先は鋭形。第2苞穎は披針形、長さ1.5~2㎜、隣接する稔性の護穎の長さの0.75~0.9倍、紙質、1竜骨、1脈があり、1次脈はザラつき、側脈はなく、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ2~2.2mm、紙質、灰色、紫色で覆われ、竜骨があり、3脈があり、先は鋭形。内穎は外側に頭を下げる。内穎の竜骨はザラつき、縁毛はない。頂部の不稔の小花は未発達であるが、稔性の小花に似ている。鱗被(lodicules)は2個、くさび形、肉質。穎果は果皮が付着性、楕円形、長さ約0.75mm。花期は8~11月。
3 Eragrostis atrovirens (Desf.) Trin. ex Steud. クロカゼクサ 黒風草
synonym Eragrostis nutans auct. non (Retz.) Nees ex Steud.
中国、インド、アッサム、東ヒマラヤ、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、アフリカ、マダガスカル原産。鼠妇草 shu fu cao。英名はThalia lovegrass。道端、川の土手に生える。
多年草、叢生し、新しい芽をもち(innovations)、根茎は無く、腺はない。稈は高さ(60)75~130cm、直立。葉鞘は無毛、先に毛があり、毛は長さ4㎜以下。葉舌は長さ0.1~0.3㎜、。葉身は長さ(5)8~20 cm×幅(1)2~3(4)mm、平ら~内巻き、下面は平滑、上面はほとんどが細かくザラつき、基部に長い縁毛がある。円錐花序は長さ(7)10~20(28)cm×幅(2.5)4~15 cm、卵形、開き、一次枝は長さ(3)5~10(13)cm、花序軸から20~60°で散開し、針金状、やや毛細管状、基部は裸出する。葉枕(pulvini)は無毛またはまばらに毛があり、毛は長さ2mmより短い。小梗(小花柄)は長さ1~10mm、圧着し、細かくザラつく。小穂は長さ5~10(19)mm×幅1.4~2.4 mm、卵状披針形、ふっくら~帯紫色、10~22個の小花がつき、求頂的(acropetal)に関節離断(disarticulation)し、最初に護穎、次に小花が落ちる。苞穎はほぼ等長、披針形~卵形、膜質。第1苞穎は長さ1.2~1.4mm、第2苞穎より狭い。第2苞穎は長さ1.4~1.7mm。護穎は長さ(1.5)1.7~2 mm、広卵形、革質、竜骨は細かくザラつき、側脈が明瞭、先は鋭形。内穎は長さ1.4~1.9mm、透明、基部は護穎を超えて突出せず、竜骨は細かくザラつき、先は鋭形~鈍形。葯は3個、長さ0.7~0.9㎜、赤紫色。穎果は長さ0.6~0.9mm、倒卵形~楕円形、円柱形、不透明、やや条線があり、赤褐色。 2n=40. 60。花期および果期は夏~秋。
4 Eragrostis brownii (Kunth) Nees イトスズメガヤ 糸雀茅
synonym Eragrostis bulbilifera Steud.
synonym Eragrostis cumingii auct. non Steud.
synonym Eragrostis bulbilifera Steud. f. ramosa (Honda) Masam.
日本(本州の愛知県以西、四国、九州、琉球)、中国、インド、インドネシア、マレーシア、ニューギニア、フィリピン、スリランカ。 オーストラリア、太平洋諸島原産。长画眉草 chang hua mei cao。別名はホソバスズメガヤ、エダウチイトスズメガヤ。山の斜面、開けた場所(日あたりのよい半裸地)、道端に生える。愛知県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
多年草。 稈は細く、房状になり、直立または基部が膝状に曲がり、高さ15~60㎝、直径0.5~1㎜、2~5節がある。葉鞘は無毛、平滑、頂部に沿って直軟毛がある。葉舌は膜質、長さ約0.2㎜。葉身は平らまたは内巻き、長さ3~10㎝×幅1~3㎜。円錐花序は長さ3~18㎝。枝は単生し、 基部に小穂をつける。小穂は鮮やかな緑色、紫色または暗褐色、長楕円形、長さ4~20㎜×幅1.5~2.5㎜、7個~多数の花がつく、ほぼ無柄または非常に短い小梗(小花柄)があり、先は鋭形。 苞穎は卵状披針形、長さ1~2㎜。第1苞穎は1脈があり、長さ約1.2㎜、第2苞穎は1~3脈があり、側脈は普通、かすかで、長さ約1.8mm。下側の護穎は長さ2~2.5mm。内穎は護穎よりわずかに短く、長さ1.5~2㎜、竜骨に沿って繊毛があり、先は凹形。雄しべは3個。葯は長さ0.3~1.3㎜。 穎果は暗褐色、長さ約0.5㎜。花期は春(~夏7~10月:愛知県内)。
5 Eragrostis cilianensis (All.) Link ex Janchen スズメガヤ 雀茅
synonym Eragrostis megastachya (Koeler) Link
本州、四国、九州、沖縄、中国、台湾、世界の熱帯、亜熱帯に広く分布。中国名は大画眉草 da hua mei cao。英名はgray love grass, stink grass。道端、畑地、草地、空地に生える。
コスズメガヤによく似ている。コスズメガヤに比べて少なく、なかなか見られない。小穂の幅が明瞭に広く、果実が稔ってくると、より白っぽく見える。コスズメガヤは多く、小穂の幅がやや広い程度のものはほとんどコスズメガヤである。
1年草。高さ20~50㎝。茎は平滑、下部が平伏し、先が斜上~直立する。葉舌は白色、毛状。葉鞘は無毛、鞘口に長毛がある。葉鞘、節の下、花序枝、小梗、苞頴や護頴の竜骨上などに腺点があり、粘り、ところどころに黄褐色の汚れがある。腺点は大きく悪臭がする。花序は円錐形、花序の分岐点には腋毛がある。小穂は扁平、長さ4~10㎜、幅2.5~3.5㎜の披針形、8~30個の小花からなり、やや紫色を帯びこともある。第1苞頴は長さ1~2㎜、1脈、第2苞頴は長さ1.2~2.5㎜、ほぼ3脈であり、竜骨上に大きな腺点がある。護頴は3脈があり、長さ1.5~2.5㎜。果実は長さ0.5~0.6㎜の卵球形、やや赤色を帯びた褐色。2n=40。花期は8~10月。
6 Eragrostis ciliaris (L.) R.Br. アメリカカゼクサ
世界の熱帯亜熱帯に広く分布。中国名は毛画眉草 mao hua mei cao。別名はナガボカゼクサ、マツゲスズメガヤ。乾燥した場所に生える。
1年草。稈は細く、房状になり、高さ10~70cm。葉鞘は長い絹毛を持つ。葉舌は長さ約0.4mmの毛が線状につく。葉身は約・長さ15㎝×幅0.3㎝、上面に絹毛がある。円錐花序は帯紫色、狭くなり、穂状花序状。小穂は長さ約2㎜、多数、花がつく。苞穎は紙質、三角状披針形、1脈があり、先は尖る。第1苞穎は第2苞穎よりわずかに短く、第2苞穎は長さ約1㎜。護穎は紙質、長さ0.8~1.3㎜、背の中肋には短い腺毛があり、無毛または縁に沿ってザラつき、先は微突形。内穎は倒披針形、紙質 護穎の長さと等しく、2竜骨に縁毛があり、縁毛は内穎の幅より長い。 穎果は長さ約0.3㎜、胚は穎果の長さの1/2。花期および果期は秋。 2n=20, 40。
7 Eragrostis cumingii Steud. クミンスズメガヤ
日本、中国、台湾、東南アジア、オーストラリア原産。熱帯~温帯アジア、オーストラリアに分布。中国名は珠芽画眉草 zhu ya hua mei cao。道端、畑地に生える。
1年草~多年草。稈は直立し、房状になり細く、普通、基部に鱗片のある芽がつき、無毛、高さ20~70cm、直径1~1.5㎜、3~4節がある。葉鞘は基部で扁平になり、無毛、頂部に沿って長い直軟毛がある。葉舌は長さ0.1~0.3㎜、房状へりがある。葉身は内巻き、長さ5~19cm×幅0.1~0.2cm、両面が無毛だが、上面の基部に長い直軟毛がある。円錐花序は開き、長さ8~30cm×4~8cm、枝は単生し、下部は裸出し、腋は無毛。小穂は黄緑色または灰緑色、狭長円形、長さ5~20㎜×2~2.5㎜、8~40個の花がつき、小梗(小花柄)は腺がない。苞穎は紙質、三角状長円形、成熟すると簡単に脱落する。第1苞穎は1脈があり、長さ約1㎜。第2苞穎は1~3脈があり、長さ約1.3㎜。護穎は広卵形、側脈はほぼ平行、下側の護穎は長さ約2㎜。内穎は紙質、倒披針形、宿存またはゆっくり脱落し、強く2竜骨があり、竜骨に繊毛がある。葯は長さ約0.2㎜。穎果は楕円形、円柱形から側部が平らになり、長さ0.8~1㎜。花期および果期は9~10月。
8 Eragrostis curvula (Schrad.) Nees シナダレスズメガヤ 撓垂雀茅
南アフリカ原産。中国名は弯叶画眉草 wan ye hua mei cao。英名はweeping lovegrass , African love grass。別名はセイタカスズメガヤ、タレスズメガヤ、セイタカカゼクサ、ウィーピングラブグラス。道端、空地に生える。戦前に導入され、戦後、高速道路などの砂防用に広く植栽されて全国に野生化した。
多年草。高さ40~120㎝。春、芽を出して、開花し、夏までに結実し、寒くなるまで開花・結実を繰り返す。茎は無毛、平滑、束生して大株になる。葉は無毛、長さ20~70㎝、幅1.5~2㎜。、縁が巻き込み糸状になる。葉舌は短毛状。葉鞘は上部では平滑、鞘口に長毛がある。下部の葉鞘には毛が密生する。花序は長い茎の先につき、長さ25~35㎝で、先が傾き、しなだれる。色はやや紫色を帯び、花穂が開く前は黒っぽく見えるものが普通であるが、紫色を帯びないものもある。枝は細く、基部が膨らみ毛が生える。小穂は長さ5~8㎜、小花は7~11(5~13)個つく。葯は長さ1~1.5㎜、紫色。小花は長さ約3㎜。第1苞穎は長さ1.5~2㎜。第2苞穎は長さ2.5~3㎜。護穎には3脈がある。果実は長さ約1.5㎜、淡褐色~褐色。 2n=20,42,63,80。花期は5~11月。
品種) 'A-67' , 'A-84' , 'Catalina' , 'Ermelo' , 'Love-10' , 'Love-50' , 'Morpa' , 'Totnes Burgundy'
9 Eragrostis cylindrica (Roxb.) Nees ヒザオリヌメリ
中国、台湾原産。中国名は短穗画眉草 duan sui hua mei cao。
10 Eragrostis elliotii (Elliott) S.Watson エラグロスティス・エリオティー
北アメリカ、メキシコ、カリブ諸島、南アメリカ原産。英名はElliott's lovegrass , weeping love grass。
多年草、叢生し、新しい芽(innovations)がつき、根茎はなく、腺はない。稈は高さ25~80㎝、直立し、基部の節の下は光沢がある。葉鞘は先にまばらに毛があり、毛は長さ6㎜以下。葉舌は長さ0.2~0.4㎜。葉身は長さ6~30(52)㎝×幅2~4.5㎜、平らで、下面は平滑、上面は細かくザラつき、ときに基部の近くに少数の毛が散在しる。円錐花序は長さ(25)30~60㎝×幅15~45㎝、広卵形~倒卵形、開き、拡散する。一次枝はほとんどが長さ5~25(32)㎝、花序軸から20~90°で散開し、毛細管状。葉枕(pulvini)には毛がある。小梗は長さ(4)10~35(50)㎜、広く散開し、毛細管状、各枝のすべての小梗は小穂より長い。小穂は長さ4~18㎜×幅1.4~3㎜、線状披針形、灰緑色またはわら色~帯紫色、(6)9~30個の小花がつき、苞穎の下で求頂的に関節離断し(disarticulation acropetal)し、内穎は宿存する。苞穎は狭披針形、膜質。第1苞穎は長さ1.1~3.4mm。第2苞穎は長さ1.6~3.4㎜、先は尖鋭形。護穎は長さ1.8~4.4㎜、披針形、膜質、側脈は明瞭~不明瞭、ときに帯緑色、先は鋭形~尖鋭形。内穎は長さ1.1~3.5㎜、透明~膜質、護穎より狭く、先は鈍形。葯は2個、長さ0.3~0.8㎜、紫色または帯褐色。穎果は長さ0.6~0.8㎜、卵形~楕円形、細かい条線があり、赤褐色。 2n=不明。
品種) 'Blue Eros' , 'Wind Dancer'
11 Eragrostis fauriei Ohwi ヒロハカゼクサ
台湾原産。中国名は佛欧里画眉草 fo ou li hua mei cao。
12 Eragrostis ferruginea (Thunb.) P.Beauv. カゼクサ 風草
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、インド、ブータン、ネパール、ラオス、ベトナム原産。中国名は知风草 zhi feng cao。別名はミチシバ、チカラクサ(知風草)。日当たりのよい乾いた道端、荒地に生える。
日本、韓国、中国、台湾、ブータン、インド(シッキム)、ラオス、ネパール、ベトナム原産。中国名は知风草 zhi feng cao。根が深く、踏まれても非常に強いため、ミチシバとも呼ばれる。山の斜面、道端に生える。
多年草。根茎は無い。稈は単一または房状になり、基部で直立または膝状に曲がり、高さ30~110㎝、直径2~4㎜。葉鞘は側部が扁平、無毛であるが縁と頂上に密に直軟毛があり、ときに主脈に沿って腺がある。葉舌は長さ約1㎜の毛の1本の線がある。葉身は線状披針形、長さ(4~)20~40㎝×幅2~6㎜、無毛または上面の基部が絹毛でまばらに覆われ、葉先は内側に丸まり、中間で折れ曲がりやすい。円錐花序は大きく、開き、長さ15~40㎝×幅4~15㎝、各節に1~3本の枝があり、腋は無毛。小枝と小梗(小花柄)は普通、中間または中間の上に腺があり、小梗は長い。小穂は長円形、紫黒色、灰緑色、まれに黄緑色、長さ5~10㎜×幅2~2.5㎜、(4~)7~12個(日本では5~10個程度)の花がつく。苞穎は披針形、開き、1脈があり、先は尖鋭形。第1苞穎は長さ1.4~2㎜、第2苞穎は長さ2~3mm。護穎は卵状披針形~長円形、長さ2.4~3㎜、先は鈍形。下側の護穎は長さ約3㎜。内穎は宿存し、竜骨に沿って繊毛がある。葯は長さ約1㎜。穎果は長方形状角柱形、内側に浅く狭い溝があり、側部が扁平、かすかに条線があり、赤褐色、長さ0.7~1.5㎜。花期および果期は8~12月。2n=80。
12-1 Eragrostis ferruginea (Thunb.) P.Beauv. f. viridis Honda アオカゼクサ
13 Eragrostis intermedia Hitchc. ノハラカゼクサ 野原風草
北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカ北部原産。英名はplains lovegrass。日本でも野生化が確認されている。
多年草、叢生し、新しい芽をもち(innovations)、根茎はなく、腺はない。稈は高さ(30)40~90(110)cm、直立し、節の下は無毛。葉鞘は縁にまばらに直軟毛があり、先に毛が生え、毛は長さ8㎜、基部にパピラは無い。葉舌は長さ0.2~0.4㎜。葉身は長さ(4)10-20(30)cm×幅1~3 mmの、平らまたは内巻き、下面は無毛、上面は葉舌の浦に密に毛があり、他の場所は普通、無毛、ときにまばらに毛がある。円錐花序は長さ15~40cm×幅(8.5)15~30cm、卵形、開き、一次枝は長さ4~25 cm、花序軸から20~90°散開し、毛細管状。葉枕(pulvini)は毛があるかまたは無毛。小梗は長さ2~14mm、散開する。小穂は長さ3~7 mm×幅1~1.8 mm、狭披針形、オリーブ色~帯紫色、(3)5~11個の小花がつき、求頂的に関節離断し(disarticulation acropetal)、内穎は宿存する。苞穎は披針形~卵形、透明~膜質。第1苞穎は長さ1.1~1.7mm、第2苞穎より狭い。第2苞穎は長さ1.3~2㎜、先は尖鋭形~鋭形。護穎は長さ1.6~2.2mm、卵形、膜質、縁の近くは透明、側脈は不明瞭、先は鋭形。内穎は長さ1.4~2.1mm、透明、護穎より狭く、先は鈍形~鋭形。葯は3個、長さ0.5~0.8㎜、帯紫色。穎果は長さ0.5~0.9mm、長方形状角柱形、やや側部が扁平、内側の溝はよく発達し、条線があり、不透明、赤褐色。 2n=約54, 60, 72, 約74, 80, 100, 120。
14 Eragrostis japonica (Thunb.) Trin. コゴメカゼクサ 小米風草
synonym Eragrostis tenella auct. non (L.) P.Beauv. ex Roem. et Schult.
日本(本州、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、ブータン、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ネパール、ニューギニア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は乱草 luan cao。畑地、道端、小川の土手に生える。
1年草。稈は直立するか、基部で膝状に曲がり、高さ30~100㎝、直径1.5~2.5㎜、3~4節がある。 葉鞘は普通、緩く、節間より長く、無毛。葉舌は薄膜質、長さ約0.5㎜、先が房状へりになり、背に毛がある。葉身は平ら、長さ3~25㎝×幅0.3~0.5㎝、平滑、無毛。 円錐花序は細長く、長さ6~34㎝×幅1.5~6㎝。枝は細く、束生または輪生し、腋は無毛。小穂は普通、成熟時に帯紫色になり、卵形、長さ1~2㎜、4~8個の花がつく。小軸は成熟時に上から下まで、小花の間で関節離脱する(distarticulating)。 苞穎は紙質、卵状披針形、ほぼ等長、長さ0.6~0.8㎜、1脈があり、先は鈍形。護穎は紙質、広楕円形、明瞭な3脈があり、先は鈍形、下側の護穎は長さ約1㎜。内穎は護穎とほぼ等長、2竜骨に繊毛がある。雄しべは2個; 葯は長さ約0.2㎜。穎果は赤褐色、卵形、長さ0.4~0.5㎜。花期および果期は6~11月。
15 Eragrostis lehmanniana Nees リーハマンラブグラス
アフリカ南部原産。英名はLehmann's Lovegrass , Lehmann lovegrass。USA南西部で砂防のために導入され、野生化している。
多年草、叢生し、腺は無く、基部の節に新芽(innovations)を形成する。稈は高さ(20)40~80㎝、直立し、一般的に膝条に曲がり、ときに下部の節から発根し、無毛、ときに下部が細かくザラつく。葉鞘はときに、基部に短いく絹毛があり、毛は長さ2㎜以下、先端にまばらに毛があり、毛は長さ3㎜以下。葉舌は長さ0.3~0.5㎜、縁毛がある。葉身は長さ2~12㎝×幅1~3㎜、平ら~内巻き、無毛、下面はときに細かくザラつき、上面は細かくザラつく。円錐花序は長さ7~18㎝×幅2~8㎝、長円形、開き、一次枝は長さ1~8cm、圧着するか、または花序軸から40°で散開する。葉枕(細かくザラつ)は無毛。小梗は長さ0.5~4 mm、散開または圧着し、しなやか。小穂は長さ5~12(14)㎜×幅0.8~1.2㎜、線状披針形、鉛色~わら色、4~12(14)個の小花がつき、不規則~求基的(basipetal)に関節離断(disarticulation)し、内穎は普通、宿存する。苞穎は長円形~披針形、膜質。第1苞穎は長さ1~1.5mm。第2苞穎は長さ1.3~2mm。護穎は長さ1.5~1.7㎜、卵形、膜質、側脈は不明瞭、先は鋭形~鈍形。内穎は長さ1.4~1.7㎜、鈍形。葯は3個、長さ0.6~0.9㎜、帯黄色。穎果は長さ0.6~0.8㎜、楕円形~卵形、背側が扁平、ときに内側に浅い溝があり、平滑、半透明、ほとんどが薄褐色、胚の領域は暗褐色で帯緑色の輪がある。2n=40, 60。
品種) 'A-68' , 'Kuivato' , 'Puhuima'
16 Eragrostis minor Host コスズメガヤ 小雀茅
synonym Eragrostis poaeoides P.Beauv. ex Roem. et Schult.
本州、四国、九州、沖縄、世界の熱帯、亜熱帯、温帯に広く分布。中国名は小画眉草 xiao hua mei cao。英名はlittle lovegrass , small love grass , small stink grass。道端、畑地、草地、空地に生える。
1年草。高さ10~50㎝。茎は平滑、下部が平伏し、先が斜上~直立する。葉舌は白色、毛状。葉鞘は無毛、鞘口に長毛がある。葉鞘、節の下、花序枝、小梗、苞頴や護頴の竜骨上などに腺点があり、粘り、ところどころに黄褐色の汚れがある。腺点はまばらで悪臭はやや弱い。花序は円錐状の円柱形。小穂はややまばらにつき、線状披針形、長さ4~8㎜、幅1.8~2㎜、4~15小花からなり、やや紫色を帯びる。第1苞頴は長さ1~1.4㎜、第2苞頴は長さ1.3~1.5㎜、ともに1脈であり、竜骨上に腺点がある。護頴は3脈があり、長さ1.5~2㎜。花序の分岐点は無毛であることが多いが、ときに毛がある枝もある。果実は長さ0.5~0.6㎜の広惰円形、褐色。果実が熟すと、苞頴は落ちやすく、残っていないときがあり、果実と護頴が落ち、内頴だけが残っている時もある。2n=40。花期は7~11月。
17 Eragrostis multicaulis Steud. ニワホコリ 庭埃
synonym Eragrostis pilosa (L.) P.Beauv. f. multicaulis (Steud.) I.C.Chung
synonym Eragrostis niwahokori Honda
synonym Eragrostis pilosa (L.) P.Beauv. subsp. multicaulis (Steud.) Tzvelev
日本全土、中国、インド、西アジア原産。中国名は多秆画眉草 duo gan hua mei cao。和名は花穂がほこりのように見えることから。日当たりのよい道端、草地に生える。
1年草。高さ15~30㎝。茎は細く、曲がりやすく、上部は直立する。葉は長さ5~12㎝、幅2~3㎜の線状披針形。葉舌は短毛状。葉鞘の口部は無毛。長さ6~10㎝の円錐花序に淡赤紫色の小穂をまばらにつける。苞頴は幅が狭く、第1苞頴は短い。小穂は長さ3.5~4㎜で、4~8個の小花がつく。小花は卵形で長さ約1.5㎜。内頴は膜質で、果実が熟すと落ちやすい。果実は長さ0.6~0.8㎜の狭卵形、鈍頭。2n=40。花期は7~9月。
18 Eragrostis nevinii Hance ホスズメガヤ
中国、台湾原産。中国名は华南画眉草 hua nan hua mei cao。
19 Eragrostis pectinacea (Michx.) Nees ミチカゼクサ 道風草
synonym Eragrostis diffusa Buckley アレチニワホコリ
北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカ原産。英名はtufted lovegrass , eragrostide pecttnee。別名はホソコゴメカゼクサ。神奈川県でオオ ニワホコリやニワホコリとされていた標本が精査されミチカゼクサとされ、日本にも帰化している。
1年草、房状になり、新しい芽(innovations)はなく、腺の窪みもない。稈は高さ10~80㎝、膝状に曲がりまたは下部で傾伏して直立し、無毛。葉鞘は頂部に粗毛があり、毛は長さ4㎜以下。葉舌は長さ0.2~0.5 mm。葉身は長さ2~20㎝×幅1~4.5㎜、平ら~内巻き、下面は平滑、無毛、上面は細かくザラつく。円錐花序は長さ5~25㎝×幅3~12(15)㎝、卵形~ピラミッド形、普通、開き、ときに狭くなる。一次枝は長さ0.6~8.5㎝、圧着または花序軸から80°以下に広く散開し、単生または最下の2節に対になる。葉枕(pulvini)は無毛またはまばらに毛がある。小梗(小花柄)は長さ1~7㎜、しなやかで、圧着~広く散開し、ときに毛細管状になる。小穂は長さ3.5~11㎜×幅1.2~2.5㎜、線状長円形~狭披針形、ふくよかで、黄褐色または暗赤紫色、6~22個の小花がつき、求頂的に関節離断し(disarticulation acropetal)、内穎は宿存する。苞穎は錐形~卵状披針形、透明。第1苞穎は長さ0.5~1.5㎜で、隣接する護穎の長さの少なくとも1/2の長さとなる。第2苞穎は長さ1~1.7 mm、普通、第1苞穎より幅が広い。護穎は長さ1~2.2㎜、卵状披針形、透明から膜質、下部は灰緑色、上部は赤紫色、側脈は中程度に目立ち、先は鋭形。内穎は長さ1~2㎜、透明~膜質、竜骨は細かくザラつき、先は鈍形。葯は3個、長さ0.2~0.7㎜、紫色。穎果は長さ0.5~1.1㎜、洋ナシ形、わずかに側部が扁平、平滑、かすかに条線があり、帯褐色。2n=60。
20 Eragrostis pilosa (L.) P.Beauv. オオニワホコリ 大庭埃
synonym Eragrostis multispicula Kitag.
日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、東南アジア、アフリカ、オーストラリア、南ヨーロッパ原産。中国名は画眉草 hua mei cao。英名はJersey love grass。アメリカに帰化している。別名はムラサキニワホコリ。道端、開けた草原などに生える。
1年草。 稈は叢生し、直立または基部で膝状に曲がり、高さ15~60㎝、直径1.5~2.5㎜、4節があり、平滑。 葉鞘は頂部に直軟毛があり、扁平、縁はほぼ膜質。葉舌は毛が線状になる。葉身は平らまたは内巻き、長さ6~20㎝×幅0.2~0.3㎝、無毛。円錐花序は長さ10~25㎝×幅3.5~14㎝。枝は単生~輪生、腋に直軟毛があり、普通、斜上し、小梗(小花柄)は小穂の長さと同じかまたはそれより長い。小穂は長さ3~10㎜×幅1~1.5㎜、4~14個の花がつく。苞穎は膜質、披針形先は尖鋭形。第1苞穎は脈が無く、長さ0.4~0.9㎜。第2苞穎は1脈があり、長さ0.7~1.3㎜。護穎は卵形、先は鋭形。下側の護穎は長さ約1.8mm。内穎は長さ約1.5㎜、竜骨に沿って宿存性または遅い脱落性の縁毛がある。雄しべは3個。葯は長さ0.1~0.3mm。 穎果は長円形、長さ約0.8mm。花期および果期は8~11月。2n=40, 60。
21 Eragrostis pilosissima Link ヒメスズメガヤ 姫雀茅
中国、台湾、南西アジア原産。中国名は多毛知风草 duo mao zhi feng cao。
22 Eragrostis pilosiuscula Ohwi ナガスズメガヤ 長雀茅
中国、台湾原産。中国名は有毛画眉草 you mao hua mei cao。
23 Eragrostis silveana Swallen シロカゼクサ 白風草
テキサス州、メキシコ原産。英名はSilveus' lovegrass。
多年草。叢生し、新しい芽をもち(innovations)、短い根茎を持ち、根茎が太さ4mm未満、節がある。稈は高さ45~60㎝、直立し、しばしば節の下に腺があり、ときに粘る。鞘はしばしば粘り、ときにまばらに直軟毛があり、先に毛があり、毛は長さ6㎜以下。葉舌は長さ0.2~0.3㎜。葉身は長さ8~25 cm×幅2~4㎜、平ら~内巻きになり、無毛、ときに粘る。円錐花序は長さ20~35(42)cm×幅10~22㎝、広卵形、開き、基部は最上部の葉鞘に包まれる。一次枝は長さ5~14 cm、花序軸から20~90°開き、毛管状、ときに粘り、基部は裸出し、葉枕(pulvini)は毛があり、毛は長さ6㎜以下。小梗(小花柄)は長さ(1)1.5~12㎜、散開または伏す。小穂は長さ(2.5)3~4.8㎜×幅0.9~1.4㎜、線状披針形、赤紫色、小花が4~9個つき、求基的(basipetal)に関節から離れ、苞穎は宿存する。苞穎は披針形、膜質。第1苞穎は長さ0.9~1.2㎜。第2苞穎は長さ1~1.3㎜。護穎は長さ1.1~1.4㎜、卵形~披針形、膜質、3脈があり、先は鋭形。内穎は長さ1~1.4㎜、透明、護穎より広くなく、先は鈍形。葯は3個、長さ0.2~0.3㎜、帯紫色。穎果は長さ0.5~0.6mm、楕円形、断面が円柱形、うねも溝もない、かすかに条線があり、赤褐色。 2n=不明。
24 Eragrostis superba Peyr. コバンソウモドキ 小判草擬
アフリカ原産。英名はsaw-tooth love grass, flat-seed love grass , Wilman lovegrass。荒地に生える。
多年生、叢生する。稈は高さ20~120㎝、直立する。 葉身は平らで、長さ40cm以下、幅10mm以下、堅く、粉白色。円錐花序は披針形~広卵形、長さ10~30cm。1次枝は丈夫で、普通、2次の小枝があるが、ほとんど総状花序状である。小穂は小梗が短く、長さ1~5㎜。小穂は花が6~28(~47)個つき、狭卵形~ほぼ円形、長さ6~16(~23)mm×幅3~10mm、強く平らになり、褐紫色を帯びた緑色で、成熟すると苞穎の下で関節が離れ、全体が落ちる。両苞穎は側面から見ると披針形、ほぼ等長、長さ2~4mm。護穎は側面から見ると狭卵形、長さ3~4.5mm、強い竜骨があり、竜骨は細かくザラつき、先は狭い鈍形。内穎(palea)は2脈があり、脈が厚くなり、軟骨質で、細かい繊毛のある透明な翼をもつ。葯は3個、長さ約2mm。穎果は楕円形、長さ1~1.5mm。花期は8~5月(アフリカ)。
品種) 'Palar'
25 Eragrostis tef (Zuccagni) Trotter テフ
synonym Eragrostis abyssinica (Jacq.) Link
アフリカ(ジブチ、エリトリア、エチオピア、ケニア、ソマリア、タンザニア、ウガンダ)、中東(サウジアラビア、イエメン)原産。英名はteff。
主にエチオピアで栽培され、エチオピアの主食である「インジェラ(薄い円盤状の発酵パン)」の原料としてエチオピア国内で広く栽培されている。テフの穎果は非常に小さく、長さ1m㎜×幅0.8㎜程度で世界最小の穀物とも言われている。
1年草、ゆるく房状になり、新しい芽(innovations)は無く、腺もない。稈は高さ25~60㎝、直立し、無毛、光沢がある。葉鞘はほとんどが無毛、先に毛が生え、毛は長さ5㎜以下、葉舌は長さ 0.2~0.4㎜、縁毛がある。葉身は長さ10~30㎝×幅2~5.5㎜、平ら~内巻き、下面は無毛、上面は細かくザラつく。円錐花序は長さ10~45㎝×幅2.5~22㎝、卵形、開く~狭くなるり、一次枝は長さ4~17cm、圧着するか、または花序軸から50°以下散開し、しなやかな 、下部が裸出する。葉枕(pulvini)は無毛または毛があり、毛は長さ5mm以下。小梗は長さ2.5~17㎜、圧着または散開する。小穂は長さ4~11㎜×幅1.3~2.5㎜、線状披針形~卵形、わら色、灰緑色~帯紫色、4~16個の小花がつき、 求頂的(acropetal)にゆっくり関節離断I(disarticulation)し、穎果は苞穎と護穎が落ちる前に落ち、内穎は宿存する。苞穎は披針形、膜質~透明。第1苞穎は長さ1~2㎜。第2苞穎は長さ1.5~2.8mm。護穎は長さ1.6~3㎜、披針形、膜質、先は鋭形。内穎は長さ1.4~2.2㎜、透明、竜骨は細かくザラつき、先は鈍形。葯は3個、長さ0.2~0.5㎜、紫色。穎果は長さ0.7~1.3㎜、卵形、溝はなく、平滑、薄褐色~帯白色。2n=40。
26 Eragrostis tenuifolia (A.Rich.) Hochst. ex Steud. アキコスズメガヤ 秋小雀茅
synonym Eragrostis patula auct. non (Kunth) Steud.
synonym Poa tenuifolia A.Rich.
インド、アッサム、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、ベトナム、アフリカ、マダガスカル原産。英名はelastic grass。オーストラリアで野生化している。
多年草。房状になり、高さ0.7m以下。葉鞘はときに毛があり、毛は長さ約1㎜、開口部は長さ2㎜以下の硬い毛がある。葉舌は縁に長さ0.5mm以下の繊毛がある。葉身は平らで、乾くと折りたたまれ、幅は3㎜以下、平滑、無毛。花序は開き、長さ12~25㎝×幅4~12㎝。 枝と小梗の腋の毛は長さ1.5mm以下。枝は初め、圧着し、後に開出する。小梗は長さ12㎜以下、平滑、無毛。小穂は長さ7~12mm×幅2㎜以下、小花は6~14個つく。小軸は宿存し、護穎は脱落性、内穎は宿存する。苞穎は長さ0.5~1mm、鋭形、竜骨があり、平滑、無毛。 第1苞穎はしばしば第2苞穎よりも短い。護穎は長さ2~2.5㎜、鋭形、竜骨があり、平滑、無毛、竜骨は普通、ザラつく。内穎は護穎よりわずかに短く、2竜骨があり、無毛、竜骨はザラつく。花期は夏。
27 Eragrostis tremula Hochst. ex Steud. ナガハナカゼクサ 長花風草
インド、アフガニスタン、東ヒマラヤ、バングラデシュ、ミャンマー、アフリカ原産。畑地、道端、荒地に生える。外来雑草。
1年草。根はひげ根。稈は基部で分枝して斜上し、上部は直立し、高さ20~80cm、細く、無毛。葉鞘は口部に長毛があり、節間より短く、紫色を帯びる。葉身は線状披針形、長さ10~20cm、葉舌は短毛が輪生する。円錐花序は長楕円形、長さ10~30cm、枝は花軸の節から開出~斜上する。小穂は線形、長さ10~25㎜、小花は60個以下つく。穎果は球形、直径約0.5mm。
28 Eragrostis trichodes (Nutt.) Alph.Wood スナジカゼクサ 砂地風草
USA中部~東部原産。英名はsand lovegrass。
多年草、叢生し、新しい芽(innovations)があり、根茎はなく、腺はない。稈は高さ30~120(160)cm、直立し、無毛、節の下に腺は無い。葉鞘はときに縁に沿って絨毛があり、先に毛があり、毛は長さ5㎜以下。葉舌は長さ0.3~0.5㎜。歯身は長さ15~46(65)cm×幅1.5~8 mm、平ら~内巻き、下面は平滑、上面はザラつき、ときに基部の1/4に毛があり、毛は長さ4mm以下。円錐花序は長さ30~80cm×幅6~30cm、楕円形~卵形、拡散し、一次枝は長さ2~35cm、花序軸から20~90°で散開し、基部は裸出する。葉枕(pulvini)は毛があるかまたは無毛。小梗は長さ2~22㎝、散開し、毛細管状。小穂は長さ3~15㎜×幅1.5~3.6㎜、卵形~披針形、緑黄色で赤紫色を帯び、(2)4~18個の小花がつき、求頂的(acropetal)に関節離断し、内穎は宿存する。両苞穎はほぼ等しく、長さ1.8~4㎜、狭卵形~線状披針形、膜質、先は尖鋭形。第2苞穎は基部の護穎の長さと同じかそれより長い。護穎は長さ2.2~3.5㎜、広卵形~披針形、膜質、強い竜骨があり、竜骨に腺はなく、側脈は明瞭、先は鋭形。内穎は長さ1.8~2.8㎜、透明、護穎より狭く、竜骨には繊毛があり、先は鈍形~切形。葯は3個、長さ1~1.6㎜、紫色。穎果は長さ0.8~1.3㎜、長方形状角柱形、やや側部が扁平、内側に広く深い溝があり、かすかに条線があり、不透明、暗赤褐色。2n=40。
品種) 'Bend'
29 Eragrostis unioloides (Retz.) Nees ex Steud. ベニスズメガヤ 紅雀茅
中国、台湾など旧世界の熱帯に広く分布。中国名は鲫鱼草 ji yu cao。山の斜面、草原、道端に生える。日本では千葉県船橋市で最初に発見された帰化植物。
一年生または多年生。 稈は基部で直立または膝神経節を形成し、高さ20~60cm、直径2~3㎜、3~5節がある。葉鞘は無毛、平滑、頂部に長い直軟毛がある。葉舌は膜質、長さ約0.8㎜、葉身はほぼ披針形、平らで、長さ2~20cm×幅0.3~0.6cm、上面は長い直軟毛があり、下面は平滑、先は尖鋭形。円錐花序は開き、長円形、長さ5~20cm×幅3~5cm、枝は単生、腋は無毛。小穂は成熟すると紫赤色、長円形、長さ5~10㎜×幅2~4㎜、小梗は長さ0.2~1㎝、10~20個の花がつく。 小花は密接に覆瓦状につき、小軸は宿存する。第1苞穎は長さ1.5~2㎜。第2苞穎は長さ2~2.5㎜。護穎は広卵形、脈は明瞭、先は鋭形、下側の護穎は長さ約2㎜。内穎は護穎よりわずかに短く、2竜骨があり、非常に狭い翼と繊毛があり、成熟時に護穎と一緒に脱落する。雄しべは2個。葯は紫色、長さ0.2~0.5㎜。 穎果は扁平、楕円形、長さ約0.8㎜。花期および果期は8~10月。
30 Eragrostis virescens J.Presl アンデスカゼクサ
synonym Eragrostis mexicana subsp. virescens (J. Presl) S.D. Koch & Sánchez
北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)、南アメリカ原産。英名はMexican lovegrass , Orcutt's eragrostis。
1年草、新芽(innovations)はなく、叢生する。稈は高さ10~130㎝、直立し、ときに膝状に曲がり、無毛[基本種では節の下に腺のある窪みの輪がある]。葉鞘は[基本種では腺のある穴をもち、]先近くと襟に直軟毛があり、毛は長さ4㎜以下で、毛の基部にパピラがある。葉舌は長さ0.2~0.5㎜、縁毛がある。葉身は長さ5~25㎝×幅2~7(9)mm、平ら、下面は平滑、下面は細かくザラつき、たまに、基部近くに毛がある。円錐花序は長さ(5)10~40㎝×幅(2)4~18㎝、卵形、花序軸は角(かど)と溝があり、一次枝は長さ3~12(15)㎝、単生~輪生し、圧着または花序軸から80°以下で散開し、二次枝はやや圧着する。葉枕(pulvini)は無毛。小梗は長さ1~6(7)mm、ほとんど圧着~狭く散開し、堅い。小穂は長さ(4)5~10(11)mm×幅0.7~1.4[基本種では2.4以下]㎜、線形~線状披針形[基本種では卵形~線状披針形]、灰緑色~帯紫色、5~11(15)個の小花がつき、求頂的(acropetal)に関節離断する。苞穎は[基本種ではほぼ等しく、長さ0.7~2(2.3) mm、卵形~披針形]、膜質。第1苞穎は長さ0.7~1.7㎜。護穎は長さ1.2~2.4mm、卵形、膜質、無毛または少数の毛があり、灰緑色、側脈は明瞭、しばしば帯緑色、先は鋭形。内穎は長さ1~2.2 mm、透明、竜骨はザラつき、先は鈍形~切形。葯は3個、長さ0.2~0.5 mm、紫色。穎果は長さ0.5~0.8(1)mm、卵形~長方形状角柱形、側部が扁平縮、内側の面に浅い~深い溝があり、条線があり、赤褐色、上部の2/3が不透明。2n=60。
31 その他ハイブリッド
品種) 'Adina'PBR , 'Ayana'PBR , 'Cochise' , 'Silver Needles' , 'Tesfaya'PBR
Eragrostis
Eragrostis
Eragrostis
Eragrostis
Eragrostis tenuifolia (Rich.) Hochst. ex Steud.
Eragrostis
茎は平滑、下部が平伏し、先が斜上~直立する。葉舌は白色、毛状。葉鞘は無毛、鞘口に長毛がある。葉鞘、節の下、花序枝、小梗、苞頴や護頴の竜骨上などに腺点があり、粘り、ところどころに黄褐色の汚れがある。腺点は大きく悪臭がする。花序は円錐形、花序の分岐点には腋毛がある。小穂は扁平、長さ4~10㎜、幅2.5~3.5㎜の披針形、8~30個の小花からなり、やや紫色を帯びこともある。第1苞頴は長さ1~2㎜、1脈、第2苞頴は長さ1.2~2.5㎜、ほぼ3脈であり、竜骨上に大きな腺点がある。護頴は3脈があり、長さ1.5~2.5㎜。果実は長さ0.5~0.6㎜の卵球形、やや赤色を帯びた褐色。2n=40
コスズメガヤ Eragrostis minor はスズメガヤに比べて小穂の幅が2㎜以下と狭く、線状披針形で、花序の分岐点に普通、毛がなく、全体に腺点が小さく、臭いが弱い。
ニワホコリ Eragrostis multicaulis の小穂は小花が4~8個で、淡赤紫色が濃い。また、第1苞頴が小さい。
スズメガヤ属
family Poaceae - genus Eragrostis一年草または多年草、しばしば、特に葉鞘および花序に腺がある。 葉身はほとんど平らで、ときに巻き、刺がまれにある。葉舌は毛が線状になりまたはときに膜質。 花序は開き、狭くなり、穂状花序状、または、団散花序(glomerate)をもつ円錐花序、ごくまれに中軸の上の総状花序になる。小穂は2個~多数の花がつき、側部が扁平、円形~ぜん虫形(vermiform)になり、様々に関節が離れる(disarticulating)。両苞穎(glumes)は等しくなく、脱落性または宿存性、1(~3)脈がある。護穎(lemmas)は膜質~革質、竜骨がありまたは丸くなり、無毛~顕微鏡的(40倍)に粗面(asperulous)、または毛があり、3脈がありまたは脈が非常にかすかになり、ときに無くなり、先は全縁~鈍形~鋭形~鈍形~尖鋭形、まれに微突形。内穎(palea)はときに翼や縁毛がある。雄しべは2または3個。果実はほとんどが球形、楕円形、または長方形状角柱形、普通、穎果であるが、ときに果皮が分離する。 世界に約350種あり、世界中の熱帯および亜熱帯に分布する。
スズメガヤ属の主な種と園芸品種
1 Eragrostis amabilis (L.) Wight et Arn. ヌカカゼクサ 糠風草synonym Eragrostis tenella (L.) P.Beauv. ex Roem. et Schult.
アフリカ、南アジアに分布する。英名はJapanese lovegrass。日本にも帰化し、道端などに生える。
1年草、叢生し、新しい芽(innovations)は無く、腺は無い。稈は高さ5~40㎝、直立、無毛、たまに節の下に長円形の腺のある領域がある。葉鞘は上部の縁と先端に毛があり、毛は長さ4㎜以下で、堅い。葉舌は長さ0.2~0.3㎜。葉身は長さ2~8㎝×幅2~4㎜、平らから内巻き、下面は平滑、上面は細かくザラつき、基部にはたまにパピラ状の毛がある。円錐花序は長さ4~15㎝×幅1~7㎝、円筒形~狭卵形、開き、ときに節の下に腺がある。一次枝は長さ0.5~4㎝、花序軸から20~100°で散開する。 葉枕(pulvini)はまばらに直軟毛がある。小梗(小花柄)は長さ1~4(7)㎜、小穂と同じかそれより長く、ほとんどが垂れ下がり、緩く、円柱形。小穂は長さ(1)1.5~2.5㎜×幅0.9~1.4㎜、卵形~長円形、赤紫色~帯緑色、4~8個の小花がつき、求基的(basipetal)に関節離断する(disarticulation)。苞穎は宿存性。護穎は卵形、透明、竜骨があり、脈は一般的に緑色。第1苞穎は長さ0.4~0.7㎜。第2苞穎は長さ0.7~1mm。護穎は長さ0.7~1.1㎜、卵形~広長円傾、膜質、側脈は普通、帯緑色、先は切形~鈍形。内穎は長さ0.6~1.1㎜、透明、竜骨があり、竜骨に縁毛があり、縁毛は長さ0.3~0.5㎜、先は鈍形~切形。葯は3個、長さ約0.2㎜、帯紫色。穎果は長さ0.3~0.5mm、楕円形、半透明、薄褐色。 2n=20。
2 Eragrostis aquatica Honda ヌマカゼクサ 沼風草
日本固有種。本州(近畿、東海地方)、四国北東部に分布する。溜池畔、湿地などに生える。
多年草。稈は単生、直立し、長さ25~50cm×直径0.8~1.2mm、4~5節があり、節間は長さ1~6cm、平滑、上部は無毛。側枝は無い。葉鞘は、隣接する稈の節間よりもほとんど短く、平滑、表面は無毛。葉舌は毛の縁飾りがある。葉身は内巻き、長さ4~20cm×幅1.8~4mm、表面は平滑、無毛。円錐花序は開き、卵形、緩く、長さ12~22cm×幅5~20cm、稈の長さの0.33倍。一次の円錐花序の枝は斜上し、1~2本つき、長さ6~12cm。花序軸は5~8節あり、下部の節間は長さ1~4cm。花序の枝は堅い。小穂は単生、稔性の小穂は無柄、または小梗(小花柄)があり、小梗に腺はない。小穂は9~23個の稔性の小花からなり、先では小花が無くなる。小穂は線形、側部が扁平、長さ6~12mm×幅1.5~2mm、成熟すると別れ、小軸は宿存し、内穎は残る。小軸の節間の長さは0.5mm。苞穎は脱落性、両苞穎は似ていて、小穂より短い。第1苞穎は披針形、長さ1.5~2mm、第2苞穎の長さと同じで、紙質、1竜骨、1脈があり、1次脈はザラつき、側脈はなく、先は鋭形。第2苞穎は披針形、長さ1.5~2㎜、隣接する稔性の護穎の長さの0.75~0.9倍、紙質、1竜骨、1脈があり、1次脈はザラつき、側脈はなく、先は鋭形。稔性の護穎は卵形、長さ2~2.2mm、紙質、灰色、紫色で覆われ、竜骨があり、3脈があり、先は鋭形。内穎は外側に頭を下げる。内穎の竜骨はザラつき、縁毛はない。頂部の不稔の小花は未発達であるが、稔性の小花に似ている。鱗被(lodicules)は2個、くさび形、肉質。穎果は果皮が付着性、楕円形、長さ約0.75mm。花期は8~11月。
3 Eragrostis atrovirens (Desf.) Trin. ex Steud. クロカゼクサ 黒風草
synonym Eragrostis nutans auct. non (Retz.) Nees ex Steud.
中国、インド、アッサム、東ヒマラヤ、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、アフリカ、マダガスカル原産。鼠妇草 shu fu cao。英名はThalia lovegrass。道端、川の土手に生える。
多年草、叢生し、新しい芽をもち(innovations)、根茎は無く、腺はない。稈は高さ(60)75~130cm、直立。葉鞘は無毛、先に毛があり、毛は長さ4㎜以下。葉舌は長さ0.1~0.3㎜、。葉身は長さ(5)8~20 cm×幅(1)2~3(4)mm、平ら~内巻き、下面は平滑、上面はほとんどが細かくザラつき、基部に長い縁毛がある。円錐花序は長さ(7)10~20(28)cm×幅(2.5)4~15 cm、卵形、開き、一次枝は長さ(3)5~10(13)cm、花序軸から20~60°で散開し、針金状、やや毛細管状、基部は裸出する。葉枕(pulvini)は無毛またはまばらに毛があり、毛は長さ2mmより短い。小梗(小花柄)は長さ1~10mm、圧着し、細かくザラつく。小穂は長さ5~10(19)mm×幅1.4~2.4 mm、卵状披針形、ふっくら~帯紫色、10~22個の小花がつき、求頂的(acropetal)に関節離断(disarticulation)し、最初に護穎、次に小花が落ちる。苞穎はほぼ等長、披針形~卵形、膜質。第1苞穎は長さ1.2~1.4mm、第2苞穎より狭い。第2苞穎は長さ1.4~1.7mm。護穎は長さ(1.5)1.7~2 mm、広卵形、革質、竜骨は細かくザラつき、側脈が明瞭、先は鋭形。内穎は長さ1.4~1.9mm、透明、基部は護穎を超えて突出せず、竜骨は細かくザラつき、先は鋭形~鈍形。葯は3個、長さ0.7~0.9㎜、赤紫色。穎果は長さ0.6~0.9mm、倒卵形~楕円形、円柱形、不透明、やや条線があり、赤褐色。 2n=40. 60。花期および果期は夏~秋。
4 Eragrostis brownii (Kunth) Nees イトスズメガヤ 糸雀茅
synonym Eragrostis bulbilifera Steud.
synonym Eragrostis cumingii auct. non Steud.
synonym Eragrostis bulbilifera Steud. f. ramosa (Honda) Masam.
日本(本州の愛知県以西、四国、九州、琉球)、中国、インド、インドネシア、マレーシア、ニューギニア、フィリピン、スリランカ。 オーストラリア、太平洋諸島原産。长画眉草 chang hua mei cao。別名はホソバスズメガヤ、エダウチイトスズメガヤ。山の斜面、開けた場所(日あたりのよい半裸地)、道端に生える。愛知県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
多年草。 稈は細く、房状になり、直立または基部が膝状に曲がり、高さ15~60㎝、直径0.5~1㎜、2~5節がある。葉鞘は無毛、平滑、頂部に沿って直軟毛がある。葉舌は膜質、長さ約0.2㎜。葉身は平らまたは内巻き、長さ3~10㎝×幅1~3㎜。円錐花序は長さ3~18㎝。枝は単生し、 基部に小穂をつける。小穂は鮮やかな緑色、紫色または暗褐色、長楕円形、長さ4~20㎜×幅1.5~2.5㎜、7個~多数の花がつく、ほぼ無柄または非常に短い小梗(小花柄)があり、先は鋭形。 苞穎は卵状披針形、長さ1~2㎜。第1苞穎は1脈があり、長さ約1.2㎜、第2苞穎は1~3脈があり、側脈は普通、かすかで、長さ約1.8mm。下側の護穎は長さ2~2.5mm。内穎は護穎よりわずかに短く、長さ1.5~2㎜、竜骨に沿って繊毛があり、先は凹形。雄しべは3個。葯は長さ0.3~1.3㎜。 穎果は暗褐色、長さ約0.5㎜。花期は春(~夏7~10月:愛知県内)。
5 Eragrostis cilianensis (All.) Link ex Janchen スズメガヤ 雀茅
synonym Eragrostis megastachya (Koeler) Link
本州、四国、九州、沖縄、中国、台湾、世界の熱帯、亜熱帯に広く分布。中国名は大画眉草 da hua mei cao。英名はgray love grass, stink grass。道端、畑地、草地、空地に生える。
コスズメガヤによく似ている。コスズメガヤに比べて少なく、なかなか見られない。小穂の幅が明瞭に広く、果実が稔ってくると、より白っぽく見える。コスズメガヤは多く、小穂の幅がやや広い程度のものはほとんどコスズメガヤである。
1年草。高さ20~50㎝。茎は平滑、下部が平伏し、先が斜上~直立する。葉舌は白色、毛状。葉鞘は無毛、鞘口に長毛がある。葉鞘、節の下、花序枝、小梗、苞頴や護頴の竜骨上などに腺点があり、粘り、ところどころに黄褐色の汚れがある。腺点は大きく悪臭がする。花序は円錐形、花序の分岐点には腋毛がある。小穂は扁平、長さ4~10㎜、幅2.5~3.5㎜の披針形、8~30個の小花からなり、やや紫色を帯びこともある。第1苞頴は長さ1~2㎜、1脈、第2苞頴は長さ1.2~2.5㎜、ほぼ3脈であり、竜骨上に大きな腺点がある。護頴は3脈があり、長さ1.5~2.5㎜。果実は長さ0.5~0.6㎜の卵球形、やや赤色を帯びた褐色。2n=40。花期は8~10月。
6 Eragrostis ciliaris (L.) R.Br. アメリカカゼクサ
世界の熱帯亜熱帯に広く分布。中国名は毛画眉草 mao hua mei cao。別名はナガボカゼクサ、マツゲスズメガヤ。乾燥した場所に生える。
1年草。稈は細く、房状になり、高さ10~70cm。葉鞘は長い絹毛を持つ。葉舌は長さ約0.4mmの毛が線状につく。葉身は約・長さ15㎝×幅0.3㎝、上面に絹毛がある。円錐花序は帯紫色、狭くなり、穂状花序状。小穂は長さ約2㎜、多数、花がつく。苞穎は紙質、三角状披針形、1脈があり、先は尖る。第1苞穎は第2苞穎よりわずかに短く、第2苞穎は長さ約1㎜。護穎は紙質、長さ0.8~1.3㎜、背の中肋には短い腺毛があり、無毛または縁に沿ってザラつき、先は微突形。内穎は倒披針形、紙質 護穎の長さと等しく、2竜骨に縁毛があり、縁毛は内穎の幅より長い。 穎果は長さ約0.3㎜、胚は穎果の長さの1/2。花期および果期は秋。 2n=20, 40。
7 Eragrostis cumingii Steud. クミンスズメガヤ
日本、中国、台湾、東南アジア、オーストラリア原産。熱帯~温帯アジア、オーストラリアに分布。中国名は珠芽画眉草 zhu ya hua mei cao。道端、畑地に生える。
1年草~多年草。稈は直立し、房状になり細く、普通、基部に鱗片のある芽がつき、無毛、高さ20~70cm、直径1~1.5㎜、3~4節がある。葉鞘は基部で扁平になり、無毛、頂部に沿って長い直軟毛がある。葉舌は長さ0.1~0.3㎜、房状へりがある。葉身は内巻き、長さ5~19cm×幅0.1~0.2cm、両面が無毛だが、上面の基部に長い直軟毛がある。円錐花序は開き、長さ8~30cm×4~8cm、枝は単生し、下部は裸出し、腋は無毛。小穂は黄緑色または灰緑色、狭長円形、長さ5~20㎜×2~2.5㎜、8~40個の花がつき、小梗(小花柄)は腺がない。苞穎は紙質、三角状長円形、成熟すると簡単に脱落する。第1苞穎は1脈があり、長さ約1㎜。第2苞穎は1~3脈があり、長さ約1.3㎜。護穎は広卵形、側脈はほぼ平行、下側の護穎は長さ約2㎜。内穎は紙質、倒披針形、宿存またはゆっくり脱落し、強く2竜骨があり、竜骨に繊毛がある。葯は長さ約0.2㎜。穎果は楕円形、円柱形から側部が平らになり、長さ0.8~1㎜。花期および果期は9~10月。
8 Eragrostis curvula (Schrad.) Nees シナダレスズメガヤ 撓垂雀茅
南アフリカ原産。中国名は弯叶画眉草 wan ye hua mei cao。英名はweeping lovegrass , African love grass。別名はセイタカスズメガヤ、タレスズメガヤ、セイタカカゼクサ、ウィーピングラブグラス。道端、空地に生える。戦前に導入され、戦後、高速道路などの砂防用に広く植栽されて全国に野生化した。
多年草。高さ40~120㎝。春、芽を出して、開花し、夏までに結実し、寒くなるまで開花・結実を繰り返す。茎は無毛、平滑、束生して大株になる。葉は無毛、長さ20~70㎝、幅1.5~2㎜。、縁が巻き込み糸状になる。葉舌は短毛状。葉鞘は上部では平滑、鞘口に長毛がある。下部の葉鞘には毛が密生する。花序は長い茎の先につき、長さ25~35㎝で、先が傾き、しなだれる。色はやや紫色を帯び、花穂が開く前は黒っぽく見えるものが普通であるが、紫色を帯びないものもある。枝は細く、基部が膨らみ毛が生える。小穂は長さ5~8㎜、小花は7~11(5~13)個つく。葯は長さ1~1.5㎜、紫色。小花は長さ約3㎜。第1苞穎は長さ1.5~2㎜。第2苞穎は長さ2.5~3㎜。護穎には3脈がある。果実は長さ約1.5㎜、淡褐色~褐色。 2n=20,42,63,80。花期は5~11月。
品種) 'A-67' , 'A-84' , 'Catalina' , 'Ermelo' , 'Love-10' , 'Love-50' , 'Morpa' , 'Totnes Burgundy'
9 Eragrostis cylindrica (Roxb.) Nees ヒザオリヌメリ
中国、台湾原産。中国名は短穗画眉草 duan sui hua mei cao。
10 Eragrostis elliotii (Elliott) S.Watson エラグロスティス・エリオティー
北アメリカ、メキシコ、カリブ諸島、南アメリカ原産。英名はElliott's lovegrass , weeping love grass。
多年草、叢生し、新しい芽(innovations)がつき、根茎はなく、腺はない。稈は高さ25~80㎝、直立し、基部の節の下は光沢がある。葉鞘は先にまばらに毛があり、毛は長さ6㎜以下。葉舌は長さ0.2~0.4㎜。葉身は長さ6~30(52)㎝×幅2~4.5㎜、平らで、下面は平滑、上面は細かくザラつき、ときに基部の近くに少数の毛が散在しる。円錐花序は長さ(25)30~60㎝×幅15~45㎝、広卵形~倒卵形、開き、拡散する。一次枝はほとんどが長さ5~25(32)㎝、花序軸から20~90°で散開し、毛細管状。葉枕(pulvini)には毛がある。小梗は長さ(4)10~35(50)㎜、広く散開し、毛細管状、各枝のすべての小梗は小穂より長い。小穂は長さ4~18㎜×幅1.4~3㎜、線状披針形、灰緑色またはわら色~帯紫色、(6)9~30個の小花がつき、苞穎の下で求頂的に関節離断し(disarticulation acropetal)し、内穎は宿存する。苞穎は狭披針形、膜質。第1苞穎は長さ1.1~3.4mm。第2苞穎は長さ1.6~3.4㎜、先は尖鋭形。護穎は長さ1.8~4.4㎜、披針形、膜質、側脈は明瞭~不明瞭、ときに帯緑色、先は鋭形~尖鋭形。内穎は長さ1.1~3.5㎜、透明~膜質、護穎より狭く、先は鈍形。葯は2個、長さ0.3~0.8㎜、紫色または帯褐色。穎果は長さ0.6~0.8㎜、卵形~楕円形、細かい条線があり、赤褐色。 2n=不明。
品種) 'Blue Eros' , 'Wind Dancer'
11 Eragrostis fauriei Ohwi ヒロハカゼクサ
台湾原産。中国名は佛欧里画眉草 fo ou li hua mei cao。
12 Eragrostis ferruginea (Thunb.) P.Beauv. カゼクサ 風草
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、インド、ブータン、ネパール、ラオス、ベトナム原産。中国名は知风草 zhi feng cao。別名はミチシバ、チカラクサ(知風草)。日当たりのよい乾いた道端、荒地に生える。
日本、韓国、中国、台湾、ブータン、インド(シッキム)、ラオス、ネパール、ベトナム原産。中国名は知风草 zhi feng cao。根が深く、踏まれても非常に強いため、ミチシバとも呼ばれる。山の斜面、道端に生える。
多年草。根茎は無い。稈は単一または房状になり、基部で直立または膝状に曲がり、高さ30~110㎝、直径2~4㎜。葉鞘は側部が扁平、無毛であるが縁と頂上に密に直軟毛があり、ときに主脈に沿って腺がある。葉舌は長さ約1㎜の毛の1本の線がある。葉身は線状披針形、長さ(4~)20~40㎝×幅2~6㎜、無毛または上面の基部が絹毛でまばらに覆われ、葉先は内側に丸まり、中間で折れ曲がりやすい。円錐花序は大きく、開き、長さ15~40㎝×幅4~15㎝、各節に1~3本の枝があり、腋は無毛。小枝と小梗(小花柄)は普通、中間または中間の上に腺があり、小梗は長い。小穂は長円形、紫黒色、灰緑色、まれに黄緑色、長さ5~10㎜×幅2~2.5㎜、(4~)7~12個(日本では5~10個程度)の花がつく。苞穎は披針形、開き、1脈があり、先は尖鋭形。第1苞穎は長さ1.4~2㎜、第2苞穎は長さ2~3mm。護穎は卵状披針形~長円形、長さ2.4~3㎜、先は鈍形。下側の護穎は長さ約3㎜。内穎は宿存し、竜骨に沿って繊毛がある。葯は長さ約1㎜。穎果は長方形状角柱形、内側に浅く狭い溝があり、側部が扁平、かすかに条線があり、赤褐色、長さ0.7~1.5㎜。花期および果期は8~12月。2n=80。
12-1 Eragrostis ferruginea (Thunb.) P.Beauv. f. viridis Honda アオカゼクサ
13 Eragrostis intermedia Hitchc. ノハラカゼクサ 野原風草
北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカ北部原産。英名はplains lovegrass。日本でも野生化が確認されている。
多年草、叢生し、新しい芽をもち(innovations)、根茎はなく、腺はない。稈は高さ(30)40~90(110)cm、直立し、節の下は無毛。葉鞘は縁にまばらに直軟毛があり、先に毛が生え、毛は長さ8㎜、基部にパピラは無い。葉舌は長さ0.2~0.4㎜。葉身は長さ(4)10-20(30)cm×幅1~3 mmの、平らまたは内巻き、下面は無毛、上面は葉舌の浦に密に毛があり、他の場所は普通、無毛、ときにまばらに毛がある。円錐花序は長さ15~40cm×幅(8.5)15~30cm、卵形、開き、一次枝は長さ4~25 cm、花序軸から20~90°散開し、毛細管状。葉枕(pulvini)は毛があるかまたは無毛。小梗は長さ2~14mm、散開する。小穂は長さ3~7 mm×幅1~1.8 mm、狭披針形、オリーブ色~帯紫色、(3)5~11個の小花がつき、求頂的に関節離断し(disarticulation acropetal)、内穎は宿存する。苞穎は披針形~卵形、透明~膜質。第1苞穎は長さ1.1~1.7mm、第2苞穎より狭い。第2苞穎は長さ1.3~2㎜、先は尖鋭形~鋭形。護穎は長さ1.6~2.2mm、卵形、膜質、縁の近くは透明、側脈は不明瞭、先は鋭形。内穎は長さ1.4~2.1mm、透明、護穎より狭く、先は鈍形~鋭形。葯は3個、長さ0.5~0.8㎜、帯紫色。穎果は長さ0.5~0.9mm、長方形状角柱形、やや側部が扁平、内側の溝はよく発達し、条線があり、不透明、赤褐色。 2n=約54, 60, 72, 約74, 80, 100, 120。
14 Eragrostis japonica (Thunb.) Trin. コゴメカゼクサ 小米風草
synonym Eragrostis tenella auct. non (L.) P.Beauv. ex Roem. et Schult.
日本(本州、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、ブータン、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ネパール、ニューギニア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は乱草 luan cao。畑地、道端、小川の土手に生える。
1年草。稈は直立するか、基部で膝状に曲がり、高さ30~100㎝、直径1.5~2.5㎜、3~4節がある。 葉鞘は普通、緩く、節間より長く、無毛。葉舌は薄膜質、長さ約0.5㎜、先が房状へりになり、背に毛がある。葉身は平ら、長さ3~25㎝×幅0.3~0.5㎝、平滑、無毛。 円錐花序は細長く、長さ6~34㎝×幅1.5~6㎝。枝は細く、束生または輪生し、腋は無毛。小穂は普通、成熟時に帯紫色になり、卵形、長さ1~2㎜、4~8個の花がつく。小軸は成熟時に上から下まで、小花の間で関節離脱する(distarticulating)。 苞穎は紙質、卵状披針形、ほぼ等長、長さ0.6~0.8㎜、1脈があり、先は鈍形。護穎は紙質、広楕円形、明瞭な3脈があり、先は鈍形、下側の護穎は長さ約1㎜。内穎は護穎とほぼ等長、2竜骨に繊毛がある。雄しべは2個; 葯は長さ約0.2㎜。穎果は赤褐色、卵形、長さ0.4~0.5㎜。花期および果期は6~11月。
15 Eragrostis lehmanniana Nees リーハマンラブグラス
アフリカ南部原産。英名はLehmann's Lovegrass , Lehmann lovegrass。USA南西部で砂防のために導入され、野生化している。
多年草、叢生し、腺は無く、基部の節に新芽(innovations)を形成する。稈は高さ(20)40~80㎝、直立し、一般的に膝条に曲がり、ときに下部の節から発根し、無毛、ときに下部が細かくザラつく。葉鞘はときに、基部に短いく絹毛があり、毛は長さ2㎜以下、先端にまばらに毛があり、毛は長さ3㎜以下。葉舌は長さ0.3~0.5㎜、縁毛がある。葉身は長さ2~12㎝×幅1~3㎜、平ら~内巻き、無毛、下面はときに細かくザラつき、上面は細かくザラつく。円錐花序は長さ7~18㎝×幅2~8㎝、長円形、開き、一次枝は長さ1~8cm、圧着するか、または花序軸から40°で散開する。葉枕(細かくザラつ)は無毛。小梗は長さ0.5~4 mm、散開または圧着し、しなやか。小穂は長さ5~12(14)㎜×幅0.8~1.2㎜、線状披針形、鉛色~わら色、4~12(14)個の小花がつき、不規則~求基的(basipetal)に関節離断(disarticulation)し、内穎は普通、宿存する。苞穎は長円形~披針形、膜質。第1苞穎は長さ1~1.5mm。第2苞穎は長さ1.3~2mm。護穎は長さ1.5~1.7㎜、卵形、膜質、側脈は不明瞭、先は鋭形~鈍形。内穎は長さ1.4~1.7㎜、鈍形。葯は3個、長さ0.6~0.9㎜、帯黄色。穎果は長さ0.6~0.8㎜、楕円形~卵形、背側が扁平、ときに内側に浅い溝があり、平滑、半透明、ほとんどが薄褐色、胚の領域は暗褐色で帯緑色の輪がある。2n=40, 60。
品種) 'A-68' , 'Kuivato' , 'Puhuima'
16 Eragrostis minor Host コスズメガヤ 小雀茅
synonym Eragrostis poaeoides P.Beauv. ex Roem. et Schult.
本州、四国、九州、沖縄、世界の熱帯、亜熱帯、温帯に広く分布。中国名は小画眉草 xiao hua mei cao。英名はlittle lovegrass , small love grass , small stink grass。道端、畑地、草地、空地に生える。
1年草。高さ10~50㎝。茎は平滑、下部が平伏し、先が斜上~直立する。葉舌は白色、毛状。葉鞘は無毛、鞘口に長毛がある。葉鞘、節の下、花序枝、小梗、苞頴や護頴の竜骨上などに腺点があり、粘り、ところどころに黄褐色の汚れがある。腺点はまばらで悪臭はやや弱い。花序は円錐状の円柱形。小穂はややまばらにつき、線状披針形、長さ4~8㎜、幅1.8~2㎜、4~15小花からなり、やや紫色を帯びる。第1苞頴は長さ1~1.4㎜、第2苞頴は長さ1.3~1.5㎜、ともに1脈であり、竜骨上に腺点がある。護頴は3脈があり、長さ1.5~2㎜。花序の分岐点は無毛であることが多いが、ときに毛がある枝もある。果実は長さ0.5~0.6㎜の広惰円形、褐色。果実が熟すと、苞頴は落ちやすく、残っていないときがあり、果実と護頴が落ち、内頴だけが残っている時もある。2n=40。花期は7~11月。
17 Eragrostis multicaulis Steud. ニワホコリ 庭埃
synonym Eragrostis pilosa (L.) P.Beauv. f. multicaulis (Steud.) I.C.Chung
synonym Eragrostis niwahokori Honda
synonym Eragrostis pilosa (L.) P.Beauv. subsp. multicaulis (Steud.) Tzvelev
日本全土、中国、インド、西アジア原産。中国名は多秆画眉草 duo gan hua mei cao。和名は花穂がほこりのように見えることから。日当たりのよい道端、草地に生える。
1年草。高さ15~30㎝。茎は細く、曲がりやすく、上部は直立する。葉は長さ5~12㎝、幅2~3㎜の線状披針形。葉舌は短毛状。葉鞘の口部は無毛。長さ6~10㎝の円錐花序に淡赤紫色の小穂をまばらにつける。苞頴は幅が狭く、第1苞頴は短い。小穂は長さ3.5~4㎜で、4~8個の小花がつく。小花は卵形で長さ約1.5㎜。内頴は膜質で、果実が熟すと落ちやすい。果実は長さ0.6~0.8㎜の狭卵形、鈍頭。2n=40。花期は7~9月。
18 Eragrostis nevinii Hance ホスズメガヤ
中国、台湾原産。中国名は华南画眉草 hua nan hua mei cao。
19 Eragrostis pectinacea (Michx.) Nees ミチカゼクサ 道風草
synonym Eragrostis diffusa Buckley アレチニワホコリ
北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカ原産。英名はtufted lovegrass , eragrostide pecttnee。別名はホソコゴメカゼクサ。神奈川県でオオ ニワホコリやニワホコリとされていた標本が精査されミチカゼクサとされ、日本にも帰化している。
1年草、房状になり、新しい芽(innovations)はなく、腺の窪みもない。稈は高さ10~80㎝、膝状に曲がりまたは下部で傾伏して直立し、無毛。葉鞘は頂部に粗毛があり、毛は長さ4㎜以下。葉舌は長さ0.2~0.5 mm。葉身は長さ2~20㎝×幅1~4.5㎜、平ら~内巻き、下面は平滑、無毛、上面は細かくザラつく。円錐花序は長さ5~25㎝×幅3~12(15)㎝、卵形~ピラミッド形、普通、開き、ときに狭くなる。一次枝は長さ0.6~8.5㎝、圧着または花序軸から80°以下に広く散開し、単生または最下の2節に対になる。葉枕(pulvini)は無毛またはまばらに毛がある。小梗(小花柄)は長さ1~7㎜、しなやかで、圧着~広く散開し、ときに毛細管状になる。小穂は長さ3.5~11㎜×幅1.2~2.5㎜、線状長円形~狭披針形、ふくよかで、黄褐色または暗赤紫色、6~22個の小花がつき、求頂的に関節離断し(disarticulation acropetal)、内穎は宿存する。苞穎は錐形~卵状披針形、透明。第1苞穎は長さ0.5~1.5㎜で、隣接する護穎の長さの少なくとも1/2の長さとなる。第2苞穎は長さ1~1.7 mm、普通、第1苞穎より幅が広い。護穎は長さ1~2.2㎜、卵状披針形、透明から膜質、下部は灰緑色、上部は赤紫色、側脈は中程度に目立ち、先は鋭形。内穎は長さ1~2㎜、透明~膜質、竜骨は細かくザラつき、先は鈍形。葯は3個、長さ0.2~0.7㎜、紫色。穎果は長さ0.5~1.1㎜、洋ナシ形、わずかに側部が扁平、平滑、かすかに条線があり、帯褐色。2n=60。
20 Eragrostis pilosa (L.) P.Beauv. オオニワホコリ 大庭埃
synonym Eragrostis multispicula Kitag.
日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、東南アジア、アフリカ、オーストラリア、南ヨーロッパ原産。中国名は画眉草 hua mei cao。英名はJersey love grass。アメリカに帰化している。別名はムラサキニワホコリ。道端、開けた草原などに生える。
1年草。 稈は叢生し、直立または基部で膝状に曲がり、高さ15~60㎝、直径1.5~2.5㎜、4節があり、平滑。 葉鞘は頂部に直軟毛があり、扁平、縁はほぼ膜質。葉舌は毛が線状になる。葉身は平らまたは内巻き、長さ6~20㎝×幅0.2~0.3㎝、無毛。円錐花序は長さ10~25㎝×幅3.5~14㎝。枝は単生~輪生、腋に直軟毛があり、普通、斜上し、小梗(小花柄)は小穂の長さと同じかまたはそれより長い。小穂は長さ3~10㎜×幅1~1.5㎜、4~14個の花がつく。苞穎は膜質、披針形先は尖鋭形。第1苞穎は脈が無く、長さ0.4~0.9㎜。第2苞穎は1脈があり、長さ0.7~1.3㎜。護穎は卵形、先は鋭形。下側の護穎は長さ約1.8mm。内穎は長さ約1.5㎜、竜骨に沿って宿存性または遅い脱落性の縁毛がある。雄しべは3個。葯は長さ0.1~0.3mm。 穎果は長円形、長さ約0.8mm。花期および果期は8~11月。2n=40, 60。
21 Eragrostis pilosissima Link ヒメスズメガヤ 姫雀茅
中国、台湾、南西アジア原産。中国名は多毛知风草 duo mao zhi feng cao。
22 Eragrostis pilosiuscula Ohwi ナガスズメガヤ 長雀茅
中国、台湾原産。中国名は有毛画眉草 you mao hua mei cao。
23 Eragrostis silveana Swallen シロカゼクサ 白風草
テキサス州、メキシコ原産。英名はSilveus' lovegrass。
多年草。叢生し、新しい芽をもち(innovations)、短い根茎を持ち、根茎が太さ4mm未満、節がある。稈は高さ45~60㎝、直立し、しばしば節の下に腺があり、ときに粘る。鞘はしばしば粘り、ときにまばらに直軟毛があり、先に毛があり、毛は長さ6㎜以下。葉舌は長さ0.2~0.3㎜。葉身は長さ8~25 cm×幅2~4㎜、平ら~内巻きになり、無毛、ときに粘る。円錐花序は長さ20~35(42)cm×幅10~22㎝、広卵形、開き、基部は最上部の葉鞘に包まれる。一次枝は長さ5~14 cm、花序軸から20~90°開き、毛管状、ときに粘り、基部は裸出し、葉枕(pulvini)は毛があり、毛は長さ6㎜以下。小梗(小花柄)は長さ(1)1.5~12㎜、散開または伏す。小穂は長さ(2.5)3~4.8㎜×幅0.9~1.4㎜、線状披針形、赤紫色、小花が4~9個つき、求基的(basipetal)に関節から離れ、苞穎は宿存する。苞穎は披針形、膜質。第1苞穎は長さ0.9~1.2㎜。第2苞穎は長さ1~1.3㎜。護穎は長さ1.1~1.4㎜、卵形~披針形、膜質、3脈があり、先は鋭形。内穎は長さ1~1.4㎜、透明、護穎より広くなく、先は鈍形。葯は3個、長さ0.2~0.3㎜、帯紫色。穎果は長さ0.5~0.6mm、楕円形、断面が円柱形、うねも溝もない、かすかに条線があり、赤褐色。 2n=不明。
24 Eragrostis superba Peyr. コバンソウモドキ 小判草擬
アフリカ原産。英名はsaw-tooth love grass, flat-seed love grass , Wilman lovegrass。荒地に生える。
多年生、叢生する。稈は高さ20~120㎝、直立する。 葉身は平らで、長さ40cm以下、幅10mm以下、堅く、粉白色。円錐花序は披針形~広卵形、長さ10~30cm。1次枝は丈夫で、普通、2次の小枝があるが、ほとんど総状花序状である。小穂は小梗が短く、長さ1~5㎜。小穂は花が6~28(~47)個つき、狭卵形~ほぼ円形、長さ6~16(~23)mm×幅3~10mm、強く平らになり、褐紫色を帯びた緑色で、成熟すると苞穎の下で関節が離れ、全体が落ちる。両苞穎は側面から見ると披針形、ほぼ等長、長さ2~4mm。護穎は側面から見ると狭卵形、長さ3~4.5mm、強い竜骨があり、竜骨は細かくザラつき、先は狭い鈍形。内穎(palea)は2脈があり、脈が厚くなり、軟骨質で、細かい繊毛のある透明な翼をもつ。葯は3個、長さ約2mm。穎果は楕円形、長さ1~1.5mm。花期は8~5月(アフリカ)。
品種) 'Palar'
25 Eragrostis tef (Zuccagni) Trotter テフ
synonym Eragrostis abyssinica (Jacq.) Link
アフリカ(ジブチ、エリトリア、エチオピア、ケニア、ソマリア、タンザニア、ウガンダ)、中東(サウジアラビア、イエメン)原産。英名はteff。
主にエチオピアで栽培され、エチオピアの主食である「インジェラ(薄い円盤状の発酵パン)」の原料としてエチオピア国内で広く栽培されている。テフの穎果は非常に小さく、長さ1m㎜×幅0.8㎜程度で世界最小の穀物とも言われている。
1年草、ゆるく房状になり、新しい芽(innovations)は無く、腺もない。稈は高さ25~60㎝、直立し、無毛、光沢がある。葉鞘はほとんどが無毛、先に毛が生え、毛は長さ5㎜以下、葉舌は長さ 0.2~0.4㎜、縁毛がある。葉身は長さ10~30㎝×幅2~5.5㎜、平ら~内巻き、下面は無毛、上面は細かくザラつく。円錐花序は長さ10~45㎝×幅2.5~22㎝、卵形、開く~狭くなるり、一次枝は長さ4~17cm、圧着するか、または花序軸から50°以下散開し、しなやかな 、下部が裸出する。葉枕(pulvini)は無毛または毛があり、毛は長さ5mm以下。小梗は長さ2.5~17㎜、圧着または散開する。小穂は長さ4~11㎜×幅1.3~2.5㎜、線状披針形~卵形、わら色、灰緑色~帯紫色、4~16個の小花がつき、 求頂的(acropetal)にゆっくり関節離断I(disarticulation)し、穎果は苞穎と護穎が落ちる前に落ち、内穎は宿存する。苞穎は披針形、膜質~透明。第1苞穎は長さ1~2㎜。第2苞穎は長さ1.5~2.8mm。護穎は長さ1.6~3㎜、披針形、膜質、先は鋭形。内穎は長さ1.4~2.2㎜、透明、竜骨は細かくザラつき、先は鈍形。葯は3個、長さ0.2~0.5㎜、紫色。穎果は長さ0.7~1.3㎜、卵形、溝はなく、平滑、薄褐色~帯白色。2n=40。
26 Eragrostis tenuifolia (A.Rich.) Hochst. ex Steud. アキコスズメガヤ 秋小雀茅
synonym Eragrostis patula auct. non (Kunth) Steud.
synonym Poa tenuifolia A.Rich.
インド、アッサム、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、ベトナム、アフリカ、マダガスカル原産。英名はelastic grass。オーストラリアで野生化している。
多年草。房状になり、高さ0.7m以下。葉鞘はときに毛があり、毛は長さ約1㎜、開口部は長さ2㎜以下の硬い毛がある。葉舌は縁に長さ0.5mm以下の繊毛がある。葉身は平らで、乾くと折りたたまれ、幅は3㎜以下、平滑、無毛。花序は開き、長さ12~25㎝×幅4~12㎝。 枝と小梗の腋の毛は長さ1.5mm以下。枝は初め、圧着し、後に開出する。小梗は長さ12㎜以下、平滑、無毛。小穂は長さ7~12mm×幅2㎜以下、小花は6~14個つく。小軸は宿存し、護穎は脱落性、内穎は宿存する。苞穎は長さ0.5~1mm、鋭形、竜骨があり、平滑、無毛。 第1苞穎はしばしば第2苞穎よりも短い。護穎は長さ2~2.5㎜、鋭形、竜骨があり、平滑、無毛、竜骨は普通、ザラつく。内穎は護穎よりわずかに短く、2竜骨があり、無毛、竜骨はザラつく。花期は夏。
27 Eragrostis tremula Hochst. ex Steud. ナガハナカゼクサ 長花風草
インド、アフガニスタン、東ヒマラヤ、バングラデシュ、ミャンマー、アフリカ原産。畑地、道端、荒地に生える。外来雑草。
1年草。根はひげ根。稈は基部で分枝して斜上し、上部は直立し、高さ20~80cm、細く、無毛。葉鞘は口部に長毛があり、節間より短く、紫色を帯びる。葉身は線状披針形、長さ10~20cm、葉舌は短毛が輪生する。円錐花序は長楕円形、長さ10~30cm、枝は花軸の節から開出~斜上する。小穂は線形、長さ10~25㎜、小花は60個以下つく。穎果は球形、直径約0.5mm。
28 Eragrostis trichodes (Nutt.) Alph.Wood スナジカゼクサ 砂地風草
USA中部~東部原産。英名はsand lovegrass。
多年草、叢生し、新しい芽(innovations)があり、根茎はなく、腺はない。稈は高さ30~120(160)cm、直立し、無毛、節の下に腺は無い。葉鞘はときに縁に沿って絨毛があり、先に毛があり、毛は長さ5㎜以下。葉舌は長さ0.3~0.5㎜。歯身は長さ15~46(65)cm×幅1.5~8 mm、平ら~内巻き、下面は平滑、上面はザラつき、ときに基部の1/4に毛があり、毛は長さ4mm以下。円錐花序は長さ30~80cm×幅6~30cm、楕円形~卵形、拡散し、一次枝は長さ2~35cm、花序軸から20~90°で散開し、基部は裸出する。葉枕(pulvini)は毛があるかまたは無毛。小梗は長さ2~22㎝、散開し、毛細管状。小穂は長さ3~15㎜×幅1.5~3.6㎜、卵形~披針形、緑黄色で赤紫色を帯び、(2)4~18個の小花がつき、求頂的(acropetal)に関節離断し、内穎は宿存する。両苞穎はほぼ等しく、長さ1.8~4㎜、狭卵形~線状披針形、膜質、先は尖鋭形。第2苞穎は基部の護穎の長さと同じかそれより長い。護穎は長さ2.2~3.5㎜、広卵形~披針形、膜質、強い竜骨があり、竜骨に腺はなく、側脈は明瞭、先は鋭形。内穎は長さ1.8~2.8㎜、透明、護穎より狭く、竜骨には繊毛があり、先は鈍形~切形。葯は3個、長さ1~1.6㎜、紫色。穎果は長さ0.8~1.3㎜、長方形状角柱形、やや側部が扁平、内側に広く深い溝があり、かすかに条線があり、不透明、暗赤褐色。2n=40。
品種) 'Bend'
29 Eragrostis unioloides (Retz.) Nees ex Steud. ベニスズメガヤ 紅雀茅
中国、台湾など旧世界の熱帯に広く分布。中国名は鲫鱼草 ji yu cao。山の斜面、草原、道端に生える。日本では千葉県船橋市で最初に発見された帰化植物。
一年生または多年生。 稈は基部で直立または膝神経節を形成し、高さ20~60cm、直径2~3㎜、3~5節がある。葉鞘は無毛、平滑、頂部に長い直軟毛がある。葉舌は膜質、長さ約0.8㎜、葉身はほぼ披針形、平らで、長さ2~20cm×幅0.3~0.6cm、上面は長い直軟毛があり、下面は平滑、先は尖鋭形。円錐花序は開き、長円形、長さ5~20cm×幅3~5cm、枝は単生、腋は無毛。小穂は成熟すると紫赤色、長円形、長さ5~10㎜×幅2~4㎜、小梗は長さ0.2~1㎝、10~20個の花がつく。 小花は密接に覆瓦状につき、小軸は宿存する。第1苞穎は長さ1.5~2㎜。第2苞穎は長さ2~2.5㎜。護穎は広卵形、脈は明瞭、先は鋭形、下側の護穎は長さ約2㎜。内穎は護穎よりわずかに短く、2竜骨があり、非常に狭い翼と繊毛があり、成熟時に護穎と一緒に脱落する。雄しべは2個。葯は紫色、長さ0.2~0.5㎜。 穎果は扁平、楕円形、長さ約0.8㎜。花期および果期は8~10月。
30 Eragrostis virescens J.Presl アンデスカゼクサ
synonym Eragrostis mexicana subsp. virescens (J. Presl) S.D. Koch & Sánchez
北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)、南アメリカ原産。英名はMexican lovegrass , Orcutt's eragrostis。
1年草、新芽(innovations)はなく、叢生する。稈は高さ10~130㎝、直立し、ときに膝状に曲がり、無毛[基本種では節の下に腺のある窪みの輪がある]。葉鞘は[基本種では腺のある穴をもち、]先近くと襟に直軟毛があり、毛は長さ4㎜以下で、毛の基部にパピラがある。葉舌は長さ0.2~0.5㎜、縁毛がある。葉身は長さ5~25㎝×幅2~7(9)mm、平ら、下面は平滑、下面は細かくザラつき、たまに、基部近くに毛がある。円錐花序は長さ(5)10~40㎝×幅(2)4~18㎝、卵形、花序軸は角(かど)と溝があり、一次枝は長さ3~12(15)㎝、単生~輪生し、圧着または花序軸から80°以下で散開し、二次枝はやや圧着する。葉枕(pulvini)は無毛。小梗は長さ1~6(7)mm、ほとんど圧着~狭く散開し、堅い。小穂は長さ(4)5~10(11)mm×幅0.7~1.4[基本種では2.4以下]㎜、線形~線状披針形[基本種では卵形~線状披針形]、灰緑色~帯紫色、5~11(15)個の小花がつき、求頂的(acropetal)に関節離断する。苞穎は[基本種ではほぼ等しく、長さ0.7~2(2.3) mm、卵形~披針形]、膜質。第1苞穎は長さ0.7~1.7㎜。護穎は長さ1.2~2.4mm、卵形、膜質、無毛または少数の毛があり、灰緑色、側脈は明瞭、しばしば帯緑色、先は鋭形。内穎は長さ1~2.2 mm、透明、竜骨はザラつき、先は鈍形~切形。葯は3個、長さ0.2~0.5 mm、紫色。穎果は長さ0.5~0.8(1)mm、卵形~長方形状角柱形、側部が扁平縮、内側の面に浅い~深い溝があり、条線があり、赤褐色、上部の2/3が不透明。2n=60。
31 その他ハイブリッド
品種) 'Adina'PBR , 'Ayana'PBR , 'Cochise' , 'Silver Needles' , 'Tesfaya'PBR
参考
1) Flora of ChinaEragrostis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=111900
2) Plants of the World Online| KewscienceEragrostis
https://powo.science.kew.org/taxon/30000628-2
3) World Flora OnlineEragrostis
http://worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000013668;jsessionid=4355D762D9D360580BF4DDA5E026F688
4) World Checklist of Vascular PlantsEragrostis
https://wcvp.science.kew.org/
5) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINEEragrostis tenuifolia (Rich.) Hochst. ex Steud.
https://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Eragrostis~tenuifolia
6) FNA - Flora of North AmericaEragrostis
http://floranorthamerica.org/Eragrostis