シバ 芝
Flora of Mikawa
イネ科 Poaceae シバ属
別 名 | ノシバ |
中国名 | 结缕草 jie lü cao |
英 名 | Japanese lawn grass |
学 名 | Zoysia japonica Steud. |
花 期 | 6~7月 |
高 さ | 10~20㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 海浜、草原、道端などの向陽地 |
分 布 | 在来種 日本全土、朝鮮、中国、台湾 |
撮 影 | 設楽町 12.6.14 |
茎は堅く、匍匐茎は地表を長く這い、節から直立茎を出し、群生する。直立茎は4~5個の葉をつける。葉は長さ2~10㎝、幅2.5~4㎜、基部に長毛がある。葉舌は長さ約1㎜、切形。総状花序に短い枝の小穂をつけ、花軸には節がない。小穂は長さ約3㎜の傾いた卵形、1小花をもち、第1苞頴がなく、硬くて光沢のある第2苞頴に全体が覆われている。短い芒があることもある。頴果は長さ約1.2㎜の卵形、茶褐色、光沢が無い。2n=40
オニシバ Zoysia macrostachya は大型で、海岸の砂浜に生える。
コオニシバ Zoysia sinica は九州、沖縄の海岸の砂浜に生え、葉がV字形に折りたたまれて針状になる。小穂は長さ4~5㎜。
ナガミノオニシバ Zoysia sinica var. nipponica は海岸の砂浜や塩湿地に生え、コオニシバより小穂が長さ5~8㎜と長い。変化は連続的でコオニシバをナガミノオニシバに含める見解もある。
コウライシバ Zoysia pacifica は葉がU字形に折りたたまれ、針状になる。
多年草、根茎があるかおよび/または匍匐茎があり、剣形(sward forming)になる。稈は匍匐茎の節から生じ、しばしば地面上で密に枝分かれする。葉身は明瞭な2列生(distichous)、堅く、平らでまたは内巻きする。葉舌は短く、繊毛がある。花序は円筒形、密、穂状花序状の総状花序。小穂は花序軸に圧着し、全体で落散る。小梗(pedicels)は宿存し、平らになり、ときに上向きに広がる。小穂は側部が扁平、小花は1個つく。第1苞穎(lower glume)は普通、無い。第2苞穎(upper glume)は小穂の長さと同長、小花を包み、側部が扁平、革質、背が丸く、平滑、光沢があり、先は鋭形または中脈が突き出て微突形になる。護穎(lemma)は膜質、1~3脈があり、先は鋭形または凹形。内穎(palea)は小さくなるか、または無い。鱗被(lodicules)は無い。花柱は基部で合着する。柱頭は先が突き出る。穎果は卵形。x=9, 10。
世界に約8種あり、熱帯アジア~ロシア、オーストラレーシアの海岸に分布する。数種が芝生として広く導入されている。
日本全土、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は结缕草 jie lü cao。英名はJapanese lawn grass , Korean lawngrass。別名はノシバ。海浜、草原、道端などの向陽地に生える。
多年草。高さ10~20㎝。茎は堅く、匍匐茎は地表を長く這い、節から直立茎を出し、群生する。直立茎は4~5個の葉をつける。葉は長さ2~10㎝、幅2.5~4㎜、基部に長毛がある。葉舌は長さ約1㎜、切形。総状花序に短い枝の小穂をつけ、花軸には節がない。小穂は長さ約3㎜の傾いた卵形、1小花をもち、第1苞頴がなく、硬くて光沢のある第2苞頴に全体が覆われている。短い芒があることもある。頴果は長さ約1.2㎜の卵形、茶褐色、光沢が無い。2n=40。花期は6~7月。
2 Zoysia macrostachya Franch. et Sav. オニシバ 鬼芝
日本全土、朝鮮、中国原産。中国名は大穗结缕草 da sui jie lü cao。海岸の砂地または放牧地、内陸の踏みつけられた場所に広がる。
多年草、深くて細い根茎からゆるく広く、広がる。稈は直立または斜上し、高さ10~20㎝、地面の高さで大きく枝分かれし、多くの節がある。葉鞘は稈の全長にわたって重なり、無毛、口部に長さ2~3mmの毛がある。葉身は線状披針形形、堅く、開出し、縁は内巻きし、長さ1.5~8㎝×幅2~4㎜、下面は無毛または微軟毛があり、上面は粉白色を帯び、無毛、先は尖る。花序は披針状長円形、長さ3~5㎝×0.5~1㎝、基部は膨らんだ最上部の葉鞘に包まれる。小穂は多数、密に重なり合う。小梗は丈夫で、長さ1~2㎜、先はわずかに斜めになる。小穂は長さ6~8㎜×幅約2㎜、帯黄色、褐色または紫褐色。第1苞穎(lower glume)はない。第2苞穎(upper glume)は楕円状長円形、不明瞭な7脈があり、縁と先近くが細かくザラつき、先は鋭形またはほぼ先の芒は長さ1.2㎜以下。護穎は披針形、長さ約4㎜、1脈がある。内穎は無い。葯は長さ2~2.5㎜。穎果は長さ1.8~2㎜。花期および果期は6~9月。2n=40。
3 Zoysia matrella (L.) Merr. コウシュンシバ 恒春芝
日本(九州・琉球諸島)、中国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム原産。中国名は沟叶结缕草 gou ye jie lü cao。英名はmanilagrass。別名はハリシバ、チュウシバ、ヒメコウライシバ、チョウセンシバ。沿岸の砂地に生える。
多年草、匍匐茎をもち、マット状になる。また浅く地下に根茎をもつ。稈は高さ20㎝以下。葉鞘は無毛、口部の毛は長さ4~5㎜。 葉身は平らまたは内巻きし、丈夫で、ほぼ直立~広がり、長さ3~8㎝×幅1.5~2.5㎜、無毛または上面に薄く直軟毛があり、先は鋭形。花序は線形、長さ2~4㎝×幅0.2~0.3㎝、葉の上に突き出す。小穂は10~30個、ゆるく重なる。花序軸はやや波打つ。小梗は小穂より短く、長さ1~3㎜、先で広がる。小穂は長さ2~3㎜×幅約1㎜、黄褐色または紫褐色。第1苞穎(lower glume)は普通、無い。第2苞穎(upper glume)は披針形、5脈があり、中肋が突出し、ときに先がザラつき、側脈が不明瞭で、先は鈍形。 護穎は長円状卵形、長さ2~2.5㎜、不明瞭な3脈があり、中脈はときに短く突き出る。内穎は披針形、護穎の長さの1/2。葯は長さ1~1.5㎜。 穎果は長さ約1.5㎜。花期および果期は7~10月。2n=20, 40。
4 Zoysia pacifica (Goudswaard) M.Hotta et Kuroki コウライシバ 高麗芝
synonym Zoysia matrella (L.) Merr. subsp. tenuifolia (Willd. ex Trin.) T.Koyama, excl. syn
synonym Zoysia tenuifolia auct. non Willd. ex Trin.
synonym Zoysia matrella (L.) Merr. var. tenuifolia (Willd. ex Trin.) Durand et Schinz ex Makino, excl. syn.
synonym Zoysia matrella (L.) Merr. var. pacifica Goudswaard
日本(九州、琉球諸島、小笠原諸島)、中国、台湾、フィリピン、タイ、太平洋諸島原産。中国名は细叶结缕草 xi ye jie lü cao。英名はmascarenegrass , Korean velvetgrass。別名はイトシバ、ビロードシバ。岩と珊瑚の海岸に生える。
多年草、匍匐茎をもち、低い密な芝生になる。稈は高さ5~10㎝、枝分かれが多い。葉鞘は無毛、口部に長さ2~5㎜の毛がある。葉身は剛毛状(setaceous)、柔らかく、長さ4~6㎝×幅約1㎜。花序は線形、長さ1.5㎝以下、小穂は6~12個つき、ゆるく重なる。花序軸ははやや波打っています。 小梗(pedicels)は小穂より短く、長さ1.6㎜以下、ザラつき、先がわずかに広がる。小穂は長さ2~3㎜×幅約0.6㎜、麦わら色で紫色を帯びる。第1苞穎(lower glume)はない。第2苞穎(upper glume)は披針形、光沢があり、不明瞭な5脈があり、先はほぼ鋭形、ときに、ほぼ先の芒点(awn-point)がある。護穎は第2苞穎よりわずかに短く、1脈がある。内穎(palea)は無い。葯は長さ0.6~0.8㎜。花期および果期は8~12月。2n=40。
5 Zoysia sinica Hance ナガミノオニシバ 広義
synonym Zoysia sinica Hance subsp. nipponica (Ohwi) T.Koyama
日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は中华结缕草 zhong hua jie lü cao。別名はオオハリシバ、コオニシバ。礫浜や砂浜の潮間帯に生え、内陸の放牧地や踏みつけられた場所にも広がる。
多年草、細長い地下茎から密な広がりのあるマットを形成する。稈は根茎の節から直立し、硬く、高さ10~30㎝、根元で枝分かれする。葉鞘は無毛、普通、基部で宿存し、口部に直軟毛がある。葉身は広線形、平らまたは縁が内巻きになり、堅く、ほぼ直立~開出し、長さ2~10㎝×幅2~3㎜、緑色または灰緑色、無毛、先は尖る。花序は線状楕円形、長さ2~4(~8)㎝×幅0.4~0.5㎝、普通、最上部の葉鞘から短く突き出る。 小穂は多数、密に重なり合う。小梗は小穂より短く、長さ約3㎜、先が広がる。小穂は長さ4~8㎜×幅1~1.5㎜、黄褐色または紫褐色。第1苞穎(lower glume)はない。第2苞穎(upper glume)は披針状長円形~狭長円形、先がわずかにかま形、不明瞭な7~11脈があり、中脈は普通、短く突き出る。護穎は披針状長円形、長さ3~4㎜、1脈がある。内穎は無い。葯は長さ1.5~2.5㎜。花期および果期は5~10月。
5-1 Zoysia sinica Hance var. sinica コオニシバ 小鬼芝
synonym Zoysia sinica Hance var. macrantha (Nakai ex Honda) Ohwi
synonym Zoysia liukiuensis Honda
九州、琉球、小笠原、中国東南部、台湾に分布。別名はオオハリシバ。海岸の岩場や砂地に生える。
根茎は細長く地中を深く横走する。稈は高さ10~25cm、葉はやや上向又は斜上し、葉がV字形に折りたたまれて針状になる。葉鞘に長毛がある。総状花序は長さ3~5cm。小穂は披針形、長さ4~5mm。第1苞穎は無い。第2包頴は革質で光沢があり、小穂と同長。護頴は長さ3~4mm、披針形。葯は線形で長さ1.5~2mm。花期は5~6月。
5-2 Zoysia sinica Hance var. nipponica Ohwi ナガミノオニシバ
先端がかま形の長い真っ直ぐな小穂をもち、サイズ範囲4~8㎜の上限(5~8㎜)に小穂があるものはvar. nipponicaとして分類され、4~5mmのものはvar. sinica(コオニシバ)とされている。しかし、変動は連続的であり、小穂のサイズは単一の標本でも変動することがある。
6 Zoysia x hondana Ohwi スナシバ
シバ×オニシバ
Zoysia
Zoysia
Zoysia
Zoysia
Zoysia
オニシバ Zoysia macrostachya は大型で、海岸の砂浜に生える。
コオニシバ Zoysia sinica は九州、沖縄の海岸の砂浜に生え、葉がV字形に折りたたまれて針状になる。小穂は長さ4~5㎜。
ナガミノオニシバ Zoysia sinica var. nipponica は海岸の砂浜や塩湿地に生え、コオニシバより小穂が長さ5~8㎜と長い。変化は連続的でコオニシバをナガミノオニシバに含める見解もある。
コウライシバ Zoysia pacifica は葉がU字形に折りたたまれ、針状になる。
シバ属
family Poaceae - genus Zoysia多年草、根茎があるかおよび/または匍匐茎があり、剣形(sward forming)になる。稈は匍匐茎の節から生じ、しばしば地面上で密に枝分かれする。葉身は明瞭な2列生(distichous)、堅く、平らでまたは内巻きする。葉舌は短く、繊毛がある。花序は円筒形、密、穂状花序状の総状花序。小穂は花序軸に圧着し、全体で落散る。小梗(pedicels)は宿存し、平らになり、ときに上向きに広がる。小穂は側部が扁平、小花は1個つく。第1苞穎(lower glume)は普通、無い。第2苞穎(upper glume)は小穂の長さと同長、小花を包み、側部が扁平、革質、背が丸く、平滑、光沢があり、先は鋭形または中脈が突き出て微突形になる。護穎(lemma)は膜質、1~3脈があり、先は鋭形または凹形。内穎(palea)は小さくなるか、または無い。鱗被(lodicules)は無い。花柱は基部で合着する。柱頭は先が突き出る。穎果は卵形。x=9, 10。
世界に約8種あり、熱帯アジア~ロシア、オーストラレーシアの海岸に分布する。数種が芝生として広く導入されている。
シバ属の主な種と園芸品種
1 Zoysia japonica Steud. シバ 芝日本全土、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は结缕草 jie lü cao。英名はJapanese lawn grass , Korean lawngrass。別名はノシバ。海浜、草原、道端などの向陽地に生える。
多年草。高さ10~20㎝。茎は堅く、匍匐茎は地表を長く這い、節から直立茎を出し、群生する。直立茎は4~5個の葉をつける。葉は長さ2~10㎝、幅2.5~4㎜、基部に長毛がある。葉舌は長さ約1㎜、切形。総状花序に短い枝の小穂をつけ、花軸には節がない。小穂は長さ約3㎜の傾いた卵形、1小花をもち、第1苞頴がなく、硬くて光沢のある第2苞頴に全体が覆われている。短い芒があることもある。頴果は長さ約1.2㎜の卵形、茶褐色、光沢が無い。2n=40。花期は6~7月。
2 Zoysia macrostachya Franch. et Sav. オニシバ 鬼芝
日本全土、朝鮮、中国原産。中国名は大穗结缕草 da sui jie lü cao。海岸の砂地または放牧地、内陸の踏みつけられた場所に広がる。
多年草、深くて細い根茎からゆるく広く、広がる。稈は直立または斜上し、高さ10~20㎝、地面の高さで大きく枝分かれし、多くの節がある。葉鞘は稈の全長にわたって重なり、無毛、口部に長さ2~3mmの毛がある。葉身は線状披針形形、堅く、開出し、縁は内巻きし、長さ1.5~8㎝×幅2~4㎜、下面は無毛または微軟毛があり、上面は粉白色を帯び、無毛、先は尖る。花序は披針状長円形、長さ3~5㎝×0.5~1㎝、基部は膨らんだ最上部の葉鞘に包まれる。小穂は多数、密に重なり合う。小梗は丈夫で、長さ1~2㎜、先はわずかに斜めになる。小穂は長さ6~8㎜×幅約2㎜、帯黄色、褐色または紫褐色。第1苞穎(lower glume)はない。第2苞穎(upper glume)は楕円状長円形、不明瞭な7脈があり、縁と先近くが細かくザラつき、先は鋭形またはほぼ先の芒は長さ1.2㎜以下。護穎は披針形、長さ約4㎜、1脈がある。内穎は無い。葯は長さ2~2.5㎜。穎果は長さ1.8~2㎜。花期および果期は6~9月。2n=40。
3 Zoysia matrella (L.) Merr. コウシュンシバ 恒春芝
日本(九州・琉球諸島)、中国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム原産。中国名は沟叶结缕草 gou ye jie lü cao。英名はmanilagrass。別名はハリシバ、チュウシバ、ヒメコウライシバ、チョウセンシバ。沿岸の砂地に生える。
多年草、匍匐茎をもち、マット状になる。また浅く地下に根茎をもつ。稈は高さ20㎝以下。葉鞘は無毛、口部の毛は長さ4~5㎜。 葉身は平らまたは内巻きし、丈夫で、ほぼ直立~広がり、長さ3~8㎝×幅1.5~2.5㎜、無毛または上面に薄く直軟毛があり、先は鋭形。花序は線形、長さ2~4㎝×幅0.2~0.3㎝、葉の上に突き出す。小穂は10~30個、ゆるく重なる。花序軸はやや波打つ。小梗は小穂より短く、長さ1~3㎜、先で広がる。小穂は長さ2~3㎜×幅約1㎜、黄褐色または紫褐色。第1苞穎(lower glume)は普通、無い。第2苞穎(upper glume)は披針形、5脈があり、中肋が突出し、ときに先がザラつき、側脈が不明瞭で、先は鈍形。 護穎は長円状卵形、長さ2~2.5㎜、不明瞭な3脈があり、中脈はときに短く突き出る。内穎は披針形、護穎の長さの1/2。葯は長さ1~1.5㎜。 穎果は長さ約1.5㎜。花期および果期は7~10月。2n=20, 40。
4 Zoysia pacifica (Goudswaard) M.Hotta et Kuroki コウライシバ 高麗芝
synonym Zoysia matrella (L.) Merr. subsp. tenuifolia (Willd. ex Trin.) T.Koyama, excl. syn
synonym Zoysia tenuifolia auct. non Willd. ex Trin.
synonym Zoysia matrella (L.) Merr. var. tenuifolia (Willd. ex Trin.) Durand et Schinz ex Makino, excl. syn.
synonym Zoysia matrella (L.) Merr. var. pacifica Goudswaard
日本(九州、琉球諸島、小笠原諸島)、中国、台湾、フィリピン、タイ、太平洋諸島原産。中国名は细叶结缕草 xi ye jie lü cao。英名はmascarenegrass , Korean velvetgrass。別名はイトシバ、ビロードシバ。岩と珊瑚の海岸に生える。
多年草、匍匐茎をもち、低い密な芝生になる。稈は高さ5~10㎝、枝分かれが多い。葉鞘は無毛、口部に長さ2~5㎜の毛がある。葉身は剛毛状(setaceous)、柔らかく、長さ4~6㎝×幅約1㎜。花序は線形、長さ1.5㎝以下、小穂は6~12個つき、ゆるく重なる。花序軸ははやや波打っています。 小梗(pedicels)は小穂より短く、長さ1.6㎜以下、ザラつき、先がわずかに広がる。小穂は長さ2~3㎜×幅約0.6㎜、麦わら色で紫色を帯びる。第1苞穎(lower glume)はない。第2苞穎(upper glume)は披針形、光沢があり、不明瞭な5脈があり、先はほぼ鋭形、ときに、ほぼ先の芒点(awn-point)がある。護穎は第2苞穎よりわずかに短く、1脈がある。内穎(palea)は無い。葯は長さ0.6~0.8㎜。花期および果期は8~12月。2n=40。
5 Zoysia sinica Hance ナガミノオニシバ 広義
synonym Zoysia sinica Hance subsp. nipponica (Ohwi) T.Koyama
日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は中华结缕草 zhong hua jie lü cao。別名はオオハリシバ、コオニシバ。礫浜や砂浜の潮間帯に生え、内陸の放牧地や踏みつけられた場所にも広がる。
多年草、細長い地下茎から密な広がりのあるマットを形成する。稈は根茎の節から直立し、硬く、高さ10~30㎝、根元で枝分かれする。葉鞘は無毛、普通、基部で宿存し、口部に直軟毛がある。葉身は広線形、平らまたは縁が内巻きになり、堅く、ほぼ直立~開出し、長さ2~10㎝×幅2~3㎜、緑色または灰緑色、無毛、先は尖る。花序は線状楕円形、長さ2~4(~8)㎝×幅0.4~0.5㎝、普通、最上部の葉鞘から短く突き出る。 小穂は多数、密に重なり合う。小梗は小穂より短く、長さ約3㎜、先が広がる。小穂は長さ4~8㎜×幅1~1.5㎜、黄褐色または紫褐色。第1苞穎(lower glume)はない。第2苞穎(upper glume)は披針状長円形~狭長円形、先がわずかにかま形、不明瞭な7~11脈があり、中脈は普通、短く突き出る。護穎は披針状長円形、長さ3~4㎜、1脈がある。内穎は無い。葯は長さ1.5~2.5㎜。花期および果期は5~10月。
5-1 Zoysia sinica Hance var. sinica コオニシバ 小鬼芝
synonym Zoysia sinica Hance var. macrantha (Nakai ex Honda) Ohwi
synonym Zoysia liukiuensis Honda
九州、琉球、小笠原、中国東南部、台湾に分布。別名はオオハリシバ。海岸の岩場や砂地に生える。
根茎は細長く地中を深く横走する。稈は高さ10~25cm、葉はやや上向又は斜上し、葉がV字形に折りたたまれて針状になる。葉鞘に長毛がある。総状花序は長さ3~5cm。小穂は披針形、長さ4~5mm。第1苞穎は無い。第2包頴は革質で光沢があり、小穂と同長。護頴は長さ3~4mm、披針形。葯は線形で長さ1.5~2mm。花期は5~6月。
5-2 Zoysia sinica Hance var. nipponica Ohwi ナガミノオニシバ
先端がかま形の長い真っ直ぐな小穂をもち、サイズ範囲4~8㎜の上限(5~8㎜)に小穂があるものはvar. nipponicaとして分類され、4~5mmのものはvar. sinica(コオニシバ)とされている。しかし、変動は連続的であり、小穂のサイズは単一の標本でも変動することがある。
6 Zoysia x hondana Ohwi スナシバ
シバ×オニシバ
参考
1) Flora of ChinaZoysia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=135364
2) Plants of the World Online| KewscienceZoysia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331312-2
3) World Flora OnlineZoysia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000041293
4) World Checklist of Vascular PlantsZoysia
https://wcvp.science.kew.org/
5) FNA - Flora of North AmericaZoysia
http://floranorthamerica.org/Zoysia