センダイスゲ 仙台菅

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Flora of Mikawa

カヤツリグサ科 Cyperaceae スゲ属

中国名 仙台薹草 xian tai tai cao
学 名 Carex sendaica Franch.

 synonym Carex lenta D.Don var. sendaica (Franch.) T.Koyama

 synonym Carex sendaica var. sendaica 狭義

センダイスゲの花序
センダイスゲの小穂
センダイスゲの葉
センダイスゲ
センダイスゲ穂
センダイスゲ果胞と痩果
果 期 9~11月
高 さ 10~35(~40)㎝
生活型 多年草
生育場所 雑木林、草地、山の斜面の湿った場所、谷の側溝、岩の隙間、畑の土手
分 布 在来種  日本(本州の宮城県以南、四国、九州)、朝鮮、中国(貴州省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、陝西省、四川省、浙江省)原産
撮 影 蒲郡市清田町  11.12.9
過去にはナキリスゲの変種に分類されていた。全体にナキリスゲより小型。細長い匍匐根茎を伸ばし、匐枝を出すこともある。小穂は5個前後、茎の頂部に集まってつく傾向があるが、あまり集まらず、ナキリスゲと似ることも多い。
 根茎は細く、匍匐枝を出す(stoloniferous)。 稈は密に叢生し、高さ10~35㎝またはそれ以上[30~40㎝]、細く、3稜形、平滑、先付近はザラつく。葉は根生し、稈より短いか、または稈と同長で、葉身は幅2~3㎜、平ら、またはわずかに二つ折りになり、縁はザラつき、鞘がある。鞘は長さ2~3㎝で、通常は裂ける。苞は鞘があり、下部の葉身は線形、上部の葉身は剛毛状。 鞘は長さ5~10㎜、鞘の側部は膜質、褐色。小穂は3~4(~8)個、幅3.5~4㎜、苞の鞘に1個ずつつき、 間隔は最大 5.5㎝、最上部の2個はほぼ連続し、雄雌性花序(androgynous)。頂小穂は雄性部分が雌性部分より長い。側小穂は雌性部分が雄性部分より長く、楕円形、長さ8~15㎜、雌部分はわずかに密集して数個~10個以上の花をつけ、花序柄が細い。雌鱗片は赤褐色、卵形、長さ2~2.5㎜、膜質3脈あり、先は鋭形、無突起。果胞は赤褐色、直立し、鱗片より長く、広楕円形または広卵形、平凸形、長さ3~3.5㎜、膜質、外側に細い数本の脈があり、基部は急に狭まり短い柄になり、先は急に狭くなって短い嘴になり、嘴は長さ1㎜未満、縁に小剛毛があり、口部は短い2歯がある。小堅果は帯黄色、しっかり包まれ、ほぼ円形、断面は扁平な平凸形(レンズ形)、長さ約2㎜、基部に柄は無い。花柱の基部はわずかに太くなる。柱頭は2岐、突出部分は果胞より長い。花期と果期は8~10(11)月。2変種に分類されている。
(1) Carex sendaica var. sendaica センダイスゲ 狭義

  synonym Carex brunnea Thunberg var. sendaica (Franchet) Kükenthal

  synonym Carex lenta D. Don var. sendaica (Franchet) T. Koyama

  synonym Carex longistolon C. B. Clarke ex Franchet.
 日本、中国(貴州省、湖北省、江蘇省、江西省、陝西省、四川省、浙江省)に分布。標高100~1900mの雑木林、草地、山の斜面の湿った場所、谷の側溝、岩の隙間に生える。
 稈は高さは10~35㎝。小穂は3~4個、長円状円筒形。花期と果期は8~10月。

(2) Carex sendaica var. pseudosendaica T. Koyama センダイスゲモドキ 仙台菅擬

  synonym Carex lenta D.Don var. lenta f. simplex (Kük.) T.Koyama

  synonym Carex lenta D.Don var. pseudosendaica (T.Koyama) T.Koyama ex Ohwi

 日本(本州、四国、九州)、中国(貴州省、河南省、湖南省、江蘇省、四川省)に分布する。中国名は多穗仙台薹草 duo sui xian tai tai cao。野原の土手、藪、海岸や低山地の疎林に生える。
 高さ35㎝以上。根茎は短く、太く、直径1~2㎝、緩く叢生する。茎は葉とほぼ同長。小穂は7~8個つき、雌雄性、短い円筒形、幅3.5~4㎜。花期と果期は(8)9~10月。