セイヨウオトギリ 西洋弟切
Flora of Mikawa
オトギリソウ科 Clusiaceae オトギリソウ属
別 名 | セントジョーンズワート、セイヨウオトギリソウ |
英 名 | goatweed , Klamathweed , perforate St. John's-wort , racecourseweed , common St. John's-wort , Tiptonweed |
学 名 | Hypericum perforatum L. subsp. perforatum synonym Hypericum perforatum L. 広義 synonym Hypericum officinale Gaterau synonym Hypericum officinarum Crantz synonym Hypericum perforatum var. vulgare Spenn. synonym Hypericum perforatum subsp. vulgare (Spenn.) A.Fröhl. synonym Hypericum vulgare Lam. |
花 期 | 7~9月 |
高 さ | 20~120㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 草地、道端、荒地 |
分 布 | 帰化種 ユーラシア、モロッコ原産 温帯に広く帰化 |
撮 影 | 津具村 02.7.14 |
セイヨウオトギリはオトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。ユーラシア、モロッコ原産で温帯に広く帰化し、日本でも野生化している。
学名は広義にHypericum perforatum L.とされ、多数の亜種や変種に分類されていたが、3亜種にまとめられ、その基本亜種 subsp. perforatum に分類されている。
1-1 Hypericum perforatum subsp. perforatum セイヨウオトギリ 西洋弟切
多年草、直立し、基部で根を張り、匍匐せず、叢生し、高さ20~120㎝。茎は節間に2隆起線があり、黒色の腺が通常線状になる。葉は広がり、無柄または葉柄あり(長さ1㎜まで)。葉身は長円形または楕円形~披針状楕円形または線形、長さ7~30㎜×幅2~16㎜、基部は楔形~円形、縁は平らまたは反曲~外巻きし、先は鈍形または小突起形~円形、中脈から2~3対の側脈が分岐、し、三次脈は密に網状ではなく緩く、葉身腺(laminar glands)は通常、上部につき、淡色でかなり密集する。縁内腺(intramarginal glands)は間隔をあけてつき、黒色。花序はほぼ散房花序~広ピラミッド形または円筒形、1~15個の花がつく。花は直径12~30㎜。萼片は重なり合わず、果時に広がり、披針形または狭長円形~線形、不等長~ほぼ等長、長さ2.5~7㎜×幅0.6~2(~3)㎜、先は鋭形~芒状。花弁は黄金色、狭倒卵形~倒披針形、長さ7~13㎜、黒色の縁腺を持つ。雄しべは40~90本。葯腺は黒色。花柱は長さ4~6㎜。蒴果はほとんどの場合狭く、卵形~狭卵状ピラミッド形、長さ6~10㎜×幅3.5~5㎜、縦の油管(vittae )と短い斜めの油管または小胞(vesicles)がある。種子はわずかに竜骨があり、長さ0.8~1.2㎜。種皮は網状小窩形(reticulate-foveolate)。2n=32, 48。花期は晩夏(7~9月)[Flora of North America]。
1 Hypericum perforatum L. セイヨウオトギリ 西洋弟切 広義
synonym Hypericum officinale Gaterau
synonym Hypericum officinarum Crantz
synonym Hypericum perforatum var. vulgare Spenn.
synonym Hypericum perforatum subsp. vulgare (Spenn.) A.Fröhl.
synonym Hypericum vulgare Lam.
ユーラシア、モロッコ原産。温帯に広く帰化。英名はgoatweed , Klamathweed , perforate St. John's-wort , racecourseweed , common St. John's-wort , Tiptonweed。別名はセントジョーンズワート、セイヨウオトギリソウ。標高3150m以下の開けた森林、牧草地、草地、ステップ、川岸、石や草の多い斜面、道端、乾燥したまたは水はけの良い場所に生える。世界中で広く栽培され、日本、朝鮮、南北アメリカなどに帰化している。
多年草、高さ20~60(~120)㎝、匍匐して根を張る基部から直立またはまれに傾伏~平伏し、晩期に根から出芽し、茎は多数~少数で、特に上部でよく分枝する。茎は2線があり、線上に少数の黒色の腺があり、節間は5~25㎜、葉より短い。葉は対生し、無柄~長さ1㎜の葉柄があり、葉身は長さ(5~)10~25(~30)㎜×幅3~10(16)㎜、長円形または楕円形~線形またはまれに円形、下面はより淡色、紙質、先は鈍形または小突起形~まれに鋭形、縁は平らまたは±反曲~外巻きし、基部はほぼ心形(またはまれに心形)~抱茎~やや狭い楔形、主側枝は中脈の下部1/4~1/8に約2対あり、三次の網静脈は緩くまたはほとんど見えず、葉身腺(laminar glands)は淡色(明点)で散在し、ときに少数が黒色で点状であり、縁内腺(intramarginal glands)は黒色で、間隔をあけてつき、小さな密集した淡色の腺が点在する。花序は花が3個~多数が付き、1~3節から成り、花枝は下方の最大15節または時にはそれ以上の節に曲がって斜上し、全体は円筒形~広ピラミッド形またはほぼ散房花序である。小花柄は長さ約0.5~2㎜。苞および小苞は長さ4~7㎜で、狭披針形~線形、全縁。花は直径15~25(~35)㎜、星形。蕾は狭卵形で鋭形。萼片は5個、等長、長さ3~7㎜×幅0.7~1.5㎜、狭長円形または披針形~線形、先は鋭形~細かい尖鋭形で、小突起はときに腺があり、全縁、蕾では直立し、果時にでは反り返り、脈は3(5)本、分岐せず、萼片の腺(laminar glands)は淡色でしばしば少数が黒色になり、2(4)列につき、条線状(基部)~点状、縁内腺(intramarginal glands)は少数で、黒色または欠く。花弁は5個、黄金色、蕾では赤みがからず、長さ(8~)12~15㎜×幅5~6㎜、萼片の長さのは3~4倍、長円形~長円状楕円形、非対称、上部は±円鋸歯があり、花弁の腺(laminar glands)は全て淡色~大部分が黒色、線形または部分的に条線状~点状、縁内腺(intramarginal glands)は黒色、上部につき、存在する場合は切れ込みにつく。雄しべは40~60本、3束になり、最長6~8㎜、花弁の長さの約0.5~0.7倍。葯腺は黒色。子房は3室、長さ3~5㎜×幅1.3~1.8㎜、狭卵形~卵状楕円形。花柱は3本、離生、長さ4~6㎜、子房の長さの約1.5~2倍、幅広く広がる~やや狭く広がる。柱頭は狭い。蒴果は長さ3~10㎜×幅3~6㎜、萼片の長さの0.7~1.5倍、狭卵形~広卵形または狭卵状円錐形、暗褐色。バルブは背と側部に油管(vittae)をもち、または帯黄色の条線状~点状の小胞(vesicles)を持つ。種子は暗褐色、長さ約1㎜、円筒形、竜骨や付属体はない。種皮は微細な線状小窩形(linear-foveolate)。2n=32(異質4倍体),48。花期は6~8月。
品種) 'Crusader'(v) , 'Elixir' , 'Topaz'
葉と花は小さくなり、葉はすべて葉柄がある。花は細長い枝の先端に小さな(頂端および側枝)花序および/または部分花序が密集する。枝は比較的長く、湾曲して斜上する。花弁の腺(laminar glands)はすべて黒色または存在しない。
中国(新疆ウイグル自治区)、ロシア、カザフスタン、キルギス原産。中国名は准噶尔金丝桃 zhun ga er jin si tao。標高約1100mに生える。
葉(少なくとも主茎の葉)は無柄で、長円形~長円状卵形、基部は±浅く心形で抱茎。萼片は細かく尖鋭形。花弁の葉状腺は通常すべて淡色。蒴果のバルブは側油管(lateral vittae)が線形またはわずかに膨らみ、途切れていない。
学名は広義にHypericum perforatum L.とされ、多数の亜種や変種に分類されていたが、3亜種にまとめられ、その基本亜種 subsp. perforatum に分類されている。
1-1 Hypericum perforatum subsp. perforatum セイヨウオトギリ 西洋弟切
多年草、直立し、基部で根を張り、匍匐せず、叢生し、高さ20~120㎝。茎は節間に2隆起線があり、黒色の腺が通常線状になる。葉は広がり、無柄または葉柄あり(長さ1㎜まで)。葉身は長円形または楕円形~披針状楕円形または線形、長さ7~30㎜×幅2~16㎜、基部は楔形~円形、縁は平らまたは反曲~外巻きし、先は鈍形または小突起形~円形、中脈から2~3対の側脈が分岐、し、三次脈は密に網状ではなく緩く、葉身腺(laminar glands)は通常、上部につき、淡色でかなり密集する。縁内腺(intramarginal glands)は間隔をあけてつき、黒色。花序はほぼ散房花序~広ピラミッド形または円筒形、1~15個の花がつく。花は直径12~30㎜。萼片は重なり合わず、果時に広がり、披針形または狭長円形~線形、不等長~ほぼ等長、長さ2.5~7㎜×幅0.6~2(~3)㎜、先は鋭形~芒状。花弁は黄金色、狭倒卵形~倒披針形、長さ7~13㎜、黒色の縁腺を持つ。雄しべは40~90本。葯腺は黒色。花柱は長さ4~6㎜。蒴果はほとんどの場合狭く、卵形~狭卵状ピラミッド形、長さ6~10㎜×幅3.5~5㎜、縦の油管(vittae )と短い斜めの油管または小胞(vesicles)がある。種子はわずかに竜骨があり、長さ0.8~1.2㎜。種皮は網状小窩形(reticulate-foveolate)。2n=32, 48。花期は晩夏(7~9月)[Flora of North America]。
1 Hypericum perforatum L. セイヨウオトギリ 西洋弟切 広義
synonym Hypericum officinale Gaterau
synonym Hypericum officinarum Crantz
synonym Hypericum perforatum var. vulgare Spenn.
synonym Hypericum perforatum subsp. vulgare (Spenn.) A.Fröhl.
synonym Hypericum vulgare Lam.
ユーラシア、モロッコ原産。温帯に広く帰化。英名はgoatweed , Klamathweed , perforate St. John's-wort , racecourseweed , common St. John's-wort , Tiptonweed。別名はセントジョーンズワート、セイヨウオトギリソウ。標高3150m以下の開けた森林、牧草地、草地、ステップ、川岸、石や草の多い斜面、道端、乾燥したまたは水はけの良い場所に生える。世界中で広く栽培され、日本、朝鮮、南北アメリカなどに帰化している。
多年草、高さ20~60(~120)㎝、匍匐して根を張る基部から直立またはまれに傾伏~平伏し、晩期に根から出芽し、茎は多数~少数で、特に上部でよく分枝する。茎は2線があり、線上に少数の黒色の腺があり、節間は5~25㎜、葉より短い。葉は対生し、無柄~長さ1㎜の葉柄があり、葉身は長さ(5~)10~25(~30)㎜×幅3~10(16)㎜、長円形または楕円形~線形またはまれに円形、下面はより淡色、紙質、先は鈍形または小突起形~まれに鋭形、縁は平らまたは±反曲~外巻きし、基部はほぼ心形(またはまれに心形)~抱茎~やや狭い楔形、主側枝は中脈の下部1/4~1/8に約2対あり、三次の網静脈は緩くまたはほとんど見えず、葉身腺(laminar glands)は淡色(明点)で散在し、ときに少数が黒色で点状であり、縁内腺(intramarginal glands)は黒色で、間隔をあけてつき、小さな密集した淡色の腺が点在する。花序は花が3個~多数が付き、1~3節から成り、花枝は下方の最大15節または時にはそれ以上の節に曲がって斜上し、全体は円筒形~広ピラミッド形またはほぼ散房花序である。小花柄は長さ約0.5~2㎜。苞および小苞は長さ4~7㎜で、狭披針形~線形、全縁。花は直径15~25(~35)㎜、星形。蕾は狭卵形で鋭形。萼片は5個、等長、長さ3~7㎜×幅0.7~1.5㎜、狭長円形または披針形~線形、先は鋭形~細かい尖鋭形で、小突起はときに腺があり、全縁、蕾では直立し、果時にでは反り返り、脈は3(5)本、分岐せず、萼片の腺(laminar glands)は淡色でしばしば少数が黒色になり、2(4)列につき、条線状(基部)~点状、縁内腺(intramarginal glands)は少数で、黒色または欠く。花弁は5個、黄金色、蕾では赤みがからず、長さ(8~)12~15㎜×幅5~6㎜、萼片の長さのは3~4倍、長円形~長円状楕円形、非対称、上部は±円鋸歯があり、花弁の腺(laminar glands)は全て淡色~大部分が黒色、線形または部分的に条線状~点状、縁内腺(intramarginal glands)は黒色、上部につき、存在する場合は切れ込みにつく。雄しべは40~60本、3束になり、最長6~8㎜、花弁の長さの約0.5~0.7倍。葯腺は黒色。子房は3室、長さ3~5㎜×幅1.3~1.8㎜、狭卵形~卵状楕円形。花柱は3本、離生、長さ4~6㎜、子房の長さの約1.5~2倍、幅広く広がる~やや狭く広がる。柱頭は狭い。蒴果は長さ3~10㎜×幅3~6㎜、萼片の長さの0.7~1.5倍、狭卵形~広卵形または狭卵状円錐形、暗褐色。バルブは背と側部に油管(vittae)をもち、または帯黄色の条線状~点状の小胞(vesicles)を持つ。種子は暗褐色、長さ約1㎜、円筒形、竜骨や付属体はない。種皮は微細な線状小窩形(linear-foveolate)。2n=32(異質4倍体),48。花期は6~8月。
品種) 'Crusader'(v) , 'Elixir' , 'Topaz'
1-2 Hypericum perforatum L. subsp. chinense N.Robson コゴメバオトギリ 小米葉弟切
synonym Hypericum perforatum var. microphyllum H.Lév.synonym Hypericum perforatum L. var. angustifolium auct. non DC.
中国(甘粛省、貴州省、河北省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、陝西省、山東省、山西省、四川省、雲南省)原産。中国名は中国金丝 zhong guo jin si tao。標高400~2200mに生える。日本に導入され、帰化している。葉と花は小さくなり、葉はすべて葉柄がある。花は細長い枝の先端に小さな(頂端および側枝)花序および/または部分花序が密集する。枝は比較的長く、湾曲して斜上する。花弁の腺(laminar glands)はすべて黒色または存在しない。
1-3 Hypericum perforatum subsp. songaricum (Ledeb. ex Rchb.) N.Robson
synonym Hypericum songaricum Ledebour ex Reichenbach中国(新疆ウイグル自治区)、ロシア、カザフスタン、キルギス原産。中国名は准噶尔金丝桃 zhun ga er jin si tao。標高約1100mに生える。
葉(少なくとも主茎の葉)は無柄で、長円形~長円状卵形、基部は±浅く心形で抱茎。萼片は細かく尖鋭形。花弁の葉状腺は通常すべて淡色。蒴果のバルブは側油管(lateral vittae)が線形またはわずかに膨らみ、途切れていない。