オオハリイ 大針藺

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Flora of Mikawa

カヤツリグサ科 Cyperaceae ハリイ属

中国名 密花荸荠 mi hua bi qi
英 名 spikerush
学 名 Eleocharis congesta D.Don var. congesta
 synonym Eleocharis pellucida f. elata H.Hara
 synonym Eleocharis congesta f. dolichochaeta T.Koyama
 synonym Eleocharis japonica Boeckeler
オオハリイの小穂
オオハリイの鱗片
オオハリイの果実
オオハリイ
オオハリイ小穂と無生芽
果 期 6~9(11)月
高 さ 8~25(~40)cm
生活型 1年草ときに多年草
生育場所 池の周辺や湿地、水田
分 布 在来種 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、インド、スリランカ、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア原産
撮 影 幸田町 07.6.23
和名はハリイに似て大きいことによる。全体にハリイより大きく、稈も太い。
 1年草ときに多年草。匐枝は出さず叢生し、茎は直立~斜上し、高さ8~25(~40)cm×直径約0.8(~1.2)㎜、やや外側に軽く反り、鮮緑色、基部の鞘は濃赤紫色を帯びる。鞘状葉はハリイより長い。小穂は卵形~卵状楕円形(狭卵形)、長さ6~8(~まれに10)㎜、幅2.5~2.8㎜、先は鋭形。小穂の基部に腋芽(無性芽)をよく付ける。鱗片は卵形、長さ2~2.5㎜で、中肋付近は緑色、縁近くが血赤褐色になり、縁は非常に狭く透明、先は鈍形~円形。痩果は長さ約1(~1.2強)㎜、稜が少し隆起する3稜形、面は淡黄緑色。刺針状花被片は6個つき、痩果より明らかに長く、痩果の長さの1.5~2倍長、淡褐色を帯び、逆刺がやや密につく。柱基は三角錐形、高さは痩果の1/4~1/3、幅は痩果の約1/2、高さは幅の1~1.5倍。雄しべは1~2本。果期は6~9(11)月。
 ヤリハリイ(var. subvivipara)はオオハリイ(var. congesta)に含められた。ヤリハリイは小穂が線状披針形~線状円筒形、長さ0.6~1㎝×幅1.5~2mm。果実の稔性が低く、クローン株をよく作る。
 ハリイは全体に小さく、稈は細く、直径0.2~0.4㎜、基部も薄い赤紫色である。刺針状花被片が短く、長くても痩果をやや超える程度。
 セイタカハリイは刺針状花被片の長さが痩果の長さとほとんど同じで、逆刺は痕跡が残る程度である。柱基も幅が広く、高さが低い。逆刺が全くないものもあり、チョウセンハリイという。
 オオヌマハリイは黒褐色の匍匐根茎があり、鱗片の先が円く、痩果がレンズ形。