オオバタケシマラン 大葉竹縞蘭
Flora of Mikawa
ユリ科 Liliaceae タケシマラン属
英 名 | claspleaf twistedstalk |
学 名 | Streptopus amplexifolius (L.) DC. var. papillatus Ohwi Streptopus amplexifolius (L.) DC. 広義 |
花 期 | 7~8月 |
高 さ | 50~100㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 亜高山~高山の林縁、林内、草地 |
分 布 | 在来種 本州(中部地方以北)、サハリン、アラスカ、カナダ西部 |
撮 影 | 栂池自然園 07.7.27 |
竹の葉に似た縞模様の蘭の意がタケシマランである。ラン科ではなくユリ科の植物。多くの変種などに分類されているが、広義に扱われることも多い。
茎は中部で数回分枝し、ジグザグに曲がって伸びる。葉は互生し、ヒロハユキザサにも似ているが、全体に大きくて長く、長さ6~12㎝の卵形。葉先は尖り、基部は茎を抱く。葉は黄緑色、裏は白味を帯びる。 花は途中に関節があって曲がる長柄につき、葉に隠れて垂れ下がる。花冠は白緑色、基部は広鐘形、先が6裂して反り返り、内側には紅色の模様がある。果実は楕円形の液果で、秋に赤く熟す。2n=32
var. amplexifolius=var. americanus (claspleaf twistedstalk)はUSA,、カナダ、グリーンランドなどに分布する。2n=16,32
ヒメタケシマランStreptopus streptopoides は小型で、葉縁に突起状毛がある。
タケシマランは花柄が曲がらず、花冠が基部から平開し、果実が球形。
多年草、匍匐する根茎を持つ。 茎は直立し、単純または上部で分枝する。葉は互生し、無柄、卵形~披針形、質が薄く、多数の脈があり、基部はときに茎を抱く。花は普通、葉腋に1~2個つき、花序柄は細く、部分的に茎に付着し、まれに、頂生の花序に花が2~4個つく。花は鐘形またはほぼ車形。花被片は6個、離生、外側の花被片は普通、内側の花被片よりわずかに幅が広い。雄しべは6本、花被片の基部またはその近くにつく。花糸は普通、基部が扁平になる。葯は底着。子房は3室。胚珠は各室に(2または3または)6~8個。花柱は円柱形または非常に短い。果実は液果、球形、種子は数個~多数。
世界に約10種あり、北半球の温帯地域に分布する。
synonym Streptopus amplexifolius (L.) DC. subsp. papillatus (Ohwi) A. et D.Löve
1-1 Streptopus amplexifolius (L.) DC. var. papillatus Ohwi オオバタケシマラン 大葉竹縞蘭
日本(北海道、本州の中部地方以北)、サハリン、アラスカ、カナダ西部原産。英名はclaspleaf twistedstalk , liver berry。亜高山~高山の林縁、林内、草地に生える。
多年草。高さ50~100㎝。茎は中部で数回分枝し、ジグザグに曲がって伸びる。葉は互生し、ヒロハユキザサにも似ているが、全体に大きくて長く、長さ6~12㎝の卵形。葉先は尖り、基部は茎を抱く。葉は黄緑色、裏は白味を帯びる。 花は途中に関節があって曲がる長柄につき、葉に隠れて垂れ下がる。花冠は白緑色、基部は広鐘形、先が6裂して反り返り、内側には紅色の模様がある。果実は楕円形の液果で、秋に赤く熟す。2n=32。花期は7~8月。
2 Streptopus ovalis (Ohwi) F.T.Wang et Y.C.Tang コンゴウソウ 金剛草
朝鮮、中国原産。中国名は卵叶扭柄花 luan ye niu bing hua。林内に生える。
多年草。根茎は長く、細く、太さ約2mm。茎はときに、上部で分枝し、±屈曲性、長さ20~45cm、思春期。 楕円形、卵形-披針形、または卵形-楕円形、長さ4~11cm×幅2~4cm、薄い紙質、基部は心形、縁は縁毛がある小歯があり、先は長い尖鋭形。 花は(2~)3~4個、頂生の散形花序状の花序につき、ほぼ直立する。小花柄は長さ1.5~3cm、毛がある。花被片は白色、紫色の斑点があり、卵状披針形、長さ8~9㎜×幅2~3㎜、先は尾状に尖る。花糸は長さ約3㎜。葯は楕円形。 子房は球形、角(かど)に沿って翼がある。花柱は長さ3.5~4㎜、子房よりはるかに長い。 柱頭は明瞭に3裂する。液果は種子が2~3個。種子はほぼ円形、溝がある。 花期は5月。果期は8月。
3 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg
synonym Streptopus streptopoides var. brevipes (Baker) Fassett [北アメリカ産]
日本(本州中部以北、北海道)、樺太、シベリア東部、北アメリカ西部原産。密集した湿った針葉樹林に生える。
アメリカ産種は葉縁の縁毛が無いことで、アジア種と異なる。
多年草。根茎は細くて這う。茎は単純で、長さ10~20㎝、無毛、節は粗い縁飾りのような縁毛がある。葉は長さ3~5.5㎝×幅1.5~2㎝。葉身は卵条披針形~長円状披針形、基部は円形、先は鋭形~尖鋭形。花序柄は花軸ごとに1個の花を持ち、小花柄を含めて長さ5~10㎜、全体に構造が細い。花は1~5個。花被は車形。 花被片は先が後ろに反り返り、ワイン色で先が黄緑色、長円状披針形、長さ3~5㎜、先は尖鋭形。雄しべは長さ1.5~2㎜。葯は長さ1㎜、先は短突起がある。花柱は球根状円錐形、長さ0.5㎜。柱頭は不分裂。液果は橙赤色、球形、直径5~6㎜。種子は長さ2.5㎜。2n=16, 54。花期は夏。
3-1 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg subsp. japonicus (Maxim.) Utech et Kawano タケシマラン 竹縞蘭
synonym Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg. var. japonicus (Maxim.) Fassett
synonym Streptopus japonicus (Maxim.) Ohwi
日本の本州中部地方以北、北海道に分布する。山地から亜高山帯の針葉樹林内に生育する。 花柄が曲がらず、花冠が基部から平開し、果実が球形。
茎は高さ20~50㎝、普通、2又に分枝する。葉は互生し、葉身は卵状披針形、長さ4~10㎝、同属のオオバタケシマランと違い、基部は茎を抱かない。花は葉腋に1個ずつつく。花序柄は関節がなく、曲がらない花被片は淡紅色、6個、長さ3㎜、基部から平開し、先は反り返る。雄しべは6本。果実は球形の液果、直径約7㎜、赤色に熟す。花期は6月。
3-1-1 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg subsp. japonicus (Maxim.) Utech et Kawano f. atrocarpus (Koidz.) Ohwi クロミノタケシマラン
液果が黒色に熟すもの
3-2 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg subsp. streptopoides ヒメタケシマラン 姫竹縞蘭
全体に小型で、葉縁に突起状毛がある。
3-2-1 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg subsp. streptopoides var. koreanus (Kom.) Kitam. オタケシマラン
synonym Streptopus koreanus (Kom.) Ohwi [Flora of China]
朝鮮、中国原産。中国名は丝梗扭柄花 si geng niu bing hua。
多年草。根茎は長く、細く、太さ約1mm。茎は単純または上部で分枝し、長さ15~40㎝、まばらに剛毛がある。葉は卵状披針形~卵状楕円形、長さ3~10㎝×幅1~3㎝、薄い紙質、基部は円形、縁は縁毛のある小歯があり、先は微突形。花は1~2個、腋生の花序柄につく。花序柄は針金状、長さ約1.5㎝、関節は無く、果時に長くなる。花被片は黄緑色、狭卵形、長さ2~3㎜×幅約1㎜、上面に細かくいぼ状突起があり、基部は合着し、先は尖鋭形。花糸は非常に短く、扁平。葯は、倒心形、基部に細かいいぼ状突起がある。子房は球形、平滑。花柱はが不明瞭。柱頭はほぼ全縁。液果は直径6~9㎜。種子は多数、長円形、わずかに曲がる。花期は5月。果期は7~8月。
Streptopus
Streptopus
Streptopus
Streptopus
茎は中部で数回分枝し、ジグザグに曲がって伸びる。葉は互生し、ヒロハユキザサにも似ているが、全体に大きくて長く、長さ6~12㎝の卵形。葉先は尖り、基部は茎を抱く。葉は黄緑色、裏は白味を帯びる。 花は途中に関節があって曲がる長柄につき、葉に隠れて垂れ下がる。花冠は白緑色、基部は広鐘形、先が6裂して反り返り、内側には紅色の模様がある。果実は楕円形の液果で、秋に赤く熟す。2n=32
var. amplexifolius=var. americanus (claspleaf twistedstalk)はUSA,、カナダ、グリーンランドなどに分布する。2n=16,32
ヒメタケシマランStreptopus streptopoides は小型で、葉縁に突起状毛がある。
タケシマランは花柄が曲がらず、花冠が基部から平開し、果実が球形。
タケシマラン属
family Liliaceae - genus Streptopus多年草、匍匐する根茎を持つ。 茎は直立し、単純または上部で分枝する。葉は互生し、無柄、卵形~披針形、質が薄く、多数の脈があり、基部はときに茎を抱く。花は普通、葉腋に1~2個つき、花序柄は細く、部分的に茎に付着し、まれに、頂生の花序に花が2~4個つく。花は鐘形またはほぼ車形。花被片は6個、離生、外側の花被片は普通、内側の花被片よりわずかに幅が広い。雄しべは6本、花被片の基部またはその近くにつく。花糸は普通、基部が扁平になる。葯は底着。子房は3室。胚珠は各室に(2または3または)6~8個。花柱は円柱形または非常に短い。果実は液果、球形、種子は数個~多数。
世界に約10種あり、北半球の温帯地域に分布する。
タケシマラン属の主な種と園芸品種
1 Streptopus amplexifolius (L.) DC. オオバタケシマラン 広義synonym Streptopus amplexifolius (L.) DC. subsp. papillatus (Ohwi) A. et D.Löve
1-1 Streptopus amplexifolius (L.) DC. var. papillatus Ohwi オオバタケシマラン 大葉竹縞蘭
日本(北海道、本州の中部地方以北)、サハリン、アラスカ、カナダ西部原産。英名はclaspleaf twistedstalk , liver berry。亜高山~高山の林縁、林内、草地に生える。
多年草。高さ50~100㎝。茎は中部で数回分枝し、ジグザグに曲がって伸びる。葉は互生し、ヒロハユキザサにも似ているが、全体に大きくて長く、長さ6~12㎝の卵形。葉先は尖り、基部は茎を抱く。葉は黄緑色、裏は白味を帯びる。 花は途中に関節があって曲がる長柄につき、葉に隠れて垂れ下がる。花冠は白緑色、基部は広鐘形、先が6裂して反り返り、内側には紅色の模様がある。果実は楕円形の液果で、秋に赤く熟す。2n=32。花期は7~8月。
2 Streptopus ovalis (Ohwi) F.T.Wang et Y.C.Tang コンゴウソウ 金剛草
朝鮮、中国原産。中国名は卵叶扭柄花 luan ye niu bing hua。林内に生える。
多年草。根茎は長く、細く、太さ約2mm。茎はときに、上部で分枝し、±屈曲性、長さ20~45cm、思春期。 楕円形、卵形-披針形、または卵形-楕円形、長さ4~11cm×幅2~4cm、薄い紙質、基部は心形、縁は縁毛がある小歯があり、先は長い尖鋭形。 花は(2~)3~4個、頂生の散形花序状の花序につき、ほぼ直立する。小花柄は長さ1.5~3cm、毛がある。花被片は白色、紫色の斑点があり、卵状披針形、長さ8~9㎜×幅2~3㎜、先は尾状に尖る。花糸は長さ約3㎜。葯は楕円形。 子房は球形、角(かど)に沿って翼がある。花柱は長さ3.5~4㎜、子房よりはるかに長い。 柱頭は明瞭に3裂する。液果は種子が2~3個。種子はほぼ円形、溝がある。 花期は5月。果期は8月。
3 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg
synonym Streptopus streptopoides var. brevipes (Baker) Fassett [北アメリカ産]
日本(本州中部以北、北海道)、樺太、シベリア東部、北アメリカ西部原産。密集した湿った針葉樹林に生える。
アメリカ産種は葉縁の縁毛が無いことで、アジア種と異なる。
多年草。根茎は細くて這う。茎は単純で、長さ10~20㎝、無毛、節は粗い縁飾りのような縁毛がある。葉は長さ3~5.5㎝×幅1.5~2㎝。葉身は卵条披針形~長円状披針形、基部は円形、先は鋭形~尖鋭形。花序柄は花軸ごとに1個の花を持ち、小花柄を含めて長さ5~10㎜、全体に構造が細い。花は1~5個。花被は車形。 花被片は先が後ろに反り返り、ワイン色で先が黄緑色、長円状披針形、長さ3~5㎜、先は尖鋭形。雄しべは長さ1.5~2㎜。葯は長さ1㎜、先は短突起がある。花柱は球根状円錐形、長さ0.5㎜。柱頭は不分裂。液果は橙赤色、球形、直径5~6㎜。種子は長さ2.5㎜。2n=16, 54。花期は夏。
3-1 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg subsp. japonicus (Maxim.) Utech et Kawano タケシマラン 竹縞蘭
synonym Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg. var. japonicus (Maxim.) Fassett
synonym Streptopus japonicus (Maxim.) Ohwi
日本の本州中部地方以北、北海道に分布する。山地から亜高山帯の針葉樹林内に生育する。 花柄が曲がらず、花冠が基部から平開し、果実が球形。
茎は高さ20~50㎝、普通、2又に分枝する。葉は互生し、葉身は卵状披針形、長さ4~10㎝、同属のオオバタケシマランと違い、基部は茎を抱かない。花は葉腋に1個ずつつく。花序柄は関節がなく、曲がらない花被片は淡紅色、6個、長さ3㎜、基部から平開し、先は反り返る。雄しべは6本。果実は球形の液果、直径約7㎜、赤色に熟す。花期は6月。
3-1-1 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg subsp. japonicus (Maxim.) Utech et Kawano f. atrocarpus (Koidz.) Ohwi クロミノタケシマラン
液果が黒色に熟すもの
3-2 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg subsp. streptopoides ヒメタケシマラン 姫竹縞蘭
全体に小型で、葉縁に突起状毛がある。
3-2-1 Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg subsp. streptopoides var. koreanus (Kom.) Kitam. オタケシマラン
synonym Streptopus koreanus (Kom.) Ohwi [Flora of China]
朝鮮、中国原産。中国名は丝梗扭柄花 si geng niu bing hua。
多年草。根茎は長く、細く、太さ約1mm。茎は単純または上部で分枝し、長さ15~40㎝、まばらに剛毛がある。葉は卵状披針形~卵状楕円形、長さ3~10㎝×幅1~3㎝、薄い紙質、基部は円形、縁は縁毛のある小歯があり、先は微突形。花は1~2個、腋生の花序柄につく。花序柄は針金状、長さ約1.5㎝、関節は無く、果時に長くなる。花被片は黄緑色、狭卵形、長さ2~3㎜×幅約1㎜、上面に細かくいぼ状突起があり、基部は合着し、先は尖鋭形。花糸は非常に短く、扁平。葯は、倒心形、基部に細かいいぼ状突起がある。子房は球形、平滑。花柱はが不明瞭。柱頭はほぼ全縁。液果は直径6~9㎜。種子は多数、長円形、わずかに曲がる。花期は5月。果期は7~8月。
参考
1) Flora of ChinaStreptopus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=131714
2) Plants of the World Online| KewscienceStreptopus
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:328512-2
3) World Flora OnlineStreptopus
http://worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000036867;jsessionid=619A37C8342D5BB3ADBA668610776233
4) Flora of North AmericaStreptopus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=131714