オミナエシ 女郎花

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Flora of Mikawa

スイカズラ科 Caprifoliaceae オミナエシ属

英 名 eastern valerian
中国名 败酱 bai jiang
学 名 Patrinia scabiosifolia Fisch. ex Trevir.
オミナエシの花序
オミナエシの花序
オミナエシの花
オミナエシ
オミナエシ葉
花 期 7~9月
高 さ 60~100㎝
生活型 多年草
生育場所 日当たりの良い山野
分 布 在来種 日本全土、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア
撮 影 新城市 04.9.11
オミナエシ科はスイカズラ科に含められた。
 秋の七草の1つで、よく栽培されている。自生するものは少なく、なかなか見られなくなっている。栽培されたもののように姿形がよいものは少ない。  多年草、高さ30~100(~200)㎝。水平または斜めの根茎。茎は直立し、黄緑色~黄褐色、ときに淡紫色で、基部はほぼ無柄、先は小剛毛があり、側部に2列の毛が生える。根生葉はロゼットになり、開花時にしおれる。葉柄は長さ3~12cm。葉身は下面が淡緑色、上面が暗緑色、卵形、楕円形、または楕円状披針形、長さ1.8~10.5㎝×幅1.2~3㎝、単葉~羽状中裂~ 羽状全裂、表面はほぼ無毛又は脈に小剛毛があり、基部はくさび形、縁は縁毛があり、全縁~粗い鋸歯があり、先は鈍形又は鋭形。茎葉は無柄、広卵形~披針形、長さ5~15㎝、上部では小さくなり、両面は小剛毛があるか無毛になり、普通、羽状中裂または羽状全裂、側裂片は2~5対、頂裂片は卵形、楕円形、または楕円状披針形、縁は粗い鋸歯があり、先は尖鋭形。花序は散房花序、側枝は5~7対、花序柄は外側に密に剛毛がある。総苞片は線形、長さ約1㎜。萼片は目立たない。花冠は黄色、鐘形、先は5裂する。花冠筒部は約・長さ1.5㎜×幅1.5mm、弱いギボス形(凸月形)。花冠裂片は卵形、長さ約1.5㎜×1~1.3㎜m。雄しべ4本。長花糸は長さ約3.5㎜、短花糸は長さ2~2.7㎜。葯は長円形、長さ約1mm。子房は楕円状長円形、長さ約1.5㎜。花柱は1個、長さ約2.5㎜。柱頭は盾形、直径0.5~0.6mm。痩果は長円形、長さ3~4㎜、発達した翼は無く、3角(かど)があり、扁平、不稔の室は削減される。小苞は目立たない。種子は楕円形、扁平。花期は7~9月。果期は9~10月。2n=22。
 オトコエシは果実に発達した翼がある。

オミナエシ属

  family Caprifoliaceae - genus Patrinia

 多年草、まれに2年草、直根または根茎をもち、根や根茎は強い臭いがある。茎はときに根元が木質化する。根生葉はロゼットを作り、単葉又は羽状中裂~羽状全裂し、開時にしおれたり、早落する。茎葉は対生し、単葉又は羽状中裂~羽状全裂し、縁は鋸歯状または歯状、まれに全縁。 花序は散房花序又は円錐花序状の複合の二出集散花序。花は長さ3~6mm。萼の拡大部は5裂し、裂片は曲がりくねり、鈍い歯があり、卵形または卵状三角形、宿存し、まれに、果時に大きくなる。花冠は黄色~淡黄色~白色、鐘形または漏斗形。花冠筒部の内側に絨毛があり、基部はギボス(凸月)形、蜜腺嚢には密に腺がある。拡大部は5裂し、裂片はわずかに不等長。雄しべは(1~)4本、不等長の対になり、花冠筒部の基部につき、普通、突き出る。長花糸は基部に絨毛状があり、短花糸は無毛。葯は長円形、多方向。花柱はときに上向きに曲がる。柱頭は頭状または盾状。痩果は卵形または倒卵状長円形。小苞は縮小するか又は翼状に広がり、果実のユニットになり、2または3脈があり、網状の脈が目立つ。種子は扁平、楕円形。
 世界に約20種があり、アジア中部~東部に分布する。

オミナエシ属の主な種と園芸品種

1 Patrinia gibbosa Maxim. マルバキンレイカ 円葉金鈴花
 日本(本州の新潟県以北、北海道)、千島に分布する。山地の林縁、草原、湿原、岩礫地などに生える。
 多年草、高さ30~70㎝。根茎は太く、横に伸びる。茎は円柱形、白色の軟毛がある。葉は対生し、葉身は広卵形~卵状楕円形、長さ約10㎝、羽状に浅裂し、縁は鋭い不規則な鋸歯状、基部はくさび形~円形、先は鋭形。集散花序は頂生、花を多数つける。花冠は黄色、先が5裂して開出し、長さ6~7mm、直径5~6mm、花冠の基部には長さ約1mmの短い袋状の距がある。花期は7~8月。

2 Patrinia glabrifolia Yamam. et Sasaki タイワンオトコエシ 台湾男郎花
 台湾原産。中国名は光叶败酱 guang ye bai jiang。

3 Patrinia heterophylla Bunge ホクシオミナエシ 
 中国原産。中国名は墓回头 mu hui tou。

4 Patrinia monandra C.B.Clarke ヒトシベオトコエシ 
  synonym Patrinia monandra C.B.Clarke var. monandra ヒトシベオトコエシ 
  synonym Patrinia monandra C.B.Clarke var. formosana (Kitam.) H.J.Wang  ヒトツバオトコエシ 
  synonym Patrinia formosana Kitam.
 中国、ブータン、インド、ネパール原産。中国名は少蕊败酱 shao rui bai jiang。

5 Patrinia rupestris (Pall.) Juss.  イワオミナエシ 岩女郎花
 中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は岩败酱 yan bai jiang。

6 Patrinia saniculifolia Hemsl.  カラキンレイカ 
 朝鮮原産。

7 Patrinia scabiosifolia Link オミナエシ 女郎花
 日本、韓国、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は败酱 bai jiang。英名はeastern valerian。
 多年草、高さ30~100(~200)㎝。水平または斜めの根茎。茎は直立し、黄緑色~黄褐色、ときに淡紫色で、基部はほぼ無柄、先は小剛毛があり、側部に2列の毛が生える。根生葉はロゼットになり、開花時にしおれる。葉柄は長さ3~12cm。葉身は下面が淡緑色、上面が暗緑色、卵形、楕円形、または楕円状披針形、長さ1.8~10.5㎝×幅1.2~3㎝、単葉~羽状中裂~ 羽状全裂、表面はほぼ無毛又は脈に小剛毛があり、基部はくさび形、縁は縁毛があり、全縁~粗い鋸歯があり、先は鈍形又は鋭形。茎葉は無柄、広卵形~披針形、長さ5~15㎝、上部では小さくなり、両面は小剛毛があるか無毛になり、普通、羽状中裂または羽状全裂、側裂片は2~5対、頂裂片は卵形、楕円形、または楕円状披針形、縁は粗い鋸歯があり、先は尖鋭形。花序は散房花序、側枝は5~7対、花序柄は外側に密に剛毛がある。総苞片は線形、長さ約1㎜。萼片は目立たない。花冠は黄色、鐘形。花冠筒部は約・長さ1.5㎜×幅1.5mm、弱いギボス形(凸月形)。花冠裂片は卵形、長さ約1.5㎜×1~1.3㎜m。雄しべ4本。長花糸は長さ約3.5㎜、短花糸は長さ2~2.7㎜。葯は長円形、長さ約1mm。子房は楕円状長円形、長さ約1.5㎜。花柱は長さ約2.5㎜。柱頭は盾形、直径0.5~0.6mm。痩果は長円形、長さ3~4㎜、3角(かど)があり、扁平、不稔の室は削減される。小苞は目立たない。種子は楕円形、扁平。花期は7~9月。果期は9~10月。2n=22。
品種 'Nagoya'

7-1 Patrinia scabiosifolia Link f. crassa (Masam. et Satomi) Kitam. ex T.Yamaz.  ハマオミナエシ 浜女郎花
  synonym Patrinia scabiosifolia Link var. crassa Masam. et Satomi
 北海道、本州に分布する。海岸に生える矮性品種。
 高さ30~40㎝。葉が厚い。

8 Patrinia scabra Bunge  モウコオミナエシ 蒙古女郎花
  synonym Patrinia rupestris (Pall.) Juss. subsp. scabra (Bunge) H.J.Wang
 中国原産。中国名は糙叶败酱 cao ye bai jiang。

9 Patrinia sibirica (L.) Juss.  チシマキンレイカ 千島金鈴花
 日本(北海道)、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は西伯利亚败酱 xi bo li ya bai jiang。別名はタカネオミナエシ、タカネキンレイカ。
 多年草、高さ5~25㎝。直根はこん棒形、直径1.5cm以下。茎の木質部(caudex)は単純または分枝し、樹皮は褐色または暗褐色、普通、丈夫で、古い葉の基部の繊維状または薄膜状の残骸をもつ。茎は葉がないか、または1対の葉があり、毛があり、2側部に列に毛がつく。葉はロゼットになり、葉柄は長さ2~5㎝、無毛またはまばらに絨毛がある。葉身は長円形~線形、長さ2.5~5㎝×幅0.3~2㎝ 、無毛、全縁または羽状中裂~羽状全裂、裂片は2~3対、線形または線状披針形、先は鈍状円形~尖鋭形。茎葉は無柄、長さ1.5~6cm、羽状中裂。花序は散房花序、花時に直径1.5~4㎝。側枝は2~4対。総苞片は長さ1~3㎝、羽状全裂。裂片は無柄、線形。苞は倒卵形または卵形、約・長さ2.4㎜×幅2㎜。萼片は、倒卵状長円形、倒披針形、卵形、卵状三角形、または長円形、長さ0.2~1.8㎜。花冠は黄色、漏斗状~鐘形、花冠筒部は長さ2.5~3.2㎜、上部で直径2.5~3.2mm。花冠裂片は卵形~卵状楕円形、長さ1.5~2.3mm×幅1.4~2mm。雄しべは4本、長花糸は長さ約4.5㎜、短花糸は長さ約4mm。葯は長円形、長さ約1.5mm。子房は卵状長円形、長さ0.5~1.5 mm。花柱は長さ3.3~3.7㎜。柱頭は斜めの頭状、直径約0.6㎜。痩果は狭く卵形、長さ3~4(~6)㎜、不稔の小室は無毛または丈夫に小剛毛があり、稔性の室は縁と下部に密に小剛毛がある。小苞は倒卵形、倒卵状長円形、卵形、または卵状長円形、長さ6~9㎜×幅4.5~6.5㎜、3~4脈があり、全縁または浅く3裂する。花期は5~6月。果期は6~7月。2n=22, 44。

10 Patrinia triloba (Miq.) Miq. ハクサンオミナエシ 広義
 日本固有種
10-1 Patrinia triloba (Miq.) Miq. var. triloba  ハクサンオミナエシ 白山女郎花
  synonym Patrinia gibbifera Nakai
 日本固有種(本州の近畿以北の日本海側)。英名はthree-leaved patrinia。別名はコキンレイカ 小金鈴花。山地の岩場に生える。
 多年草、高さ20~60㎝。葉は対生し、長さ3~10㎝、幅3~10㎝、掌状に3~5中裂し、先が尖る。茎頂の集散花序に花冠の直径約5㎜の小さな黄色花を多数付ける。花冠の先は5裂し、基部にはスミレのような距がある。距は短く。やや膨らむ程度。花期は7~8月。
品種 'Minor'

10-2 Patrinia triloba (Miq.) Miq. var. kozushimensis Honda  シマキンレイカ 島金鈴花
  synonym Patrinia kozushimensis (Honda) Honda
 伊豆諸島の神津島固有。
 葉が厚く、光沢があり、花の距がさらに短い。
10-3 Patrinia triloba (Miq.) Miq. var. palmata (Maxim.) H.Hara  キンレイカ 金鈴花
  synonym Patrinia palmata Maxim.
 本州(関東以西)、九州の太平洋側に分布する。距が長い。

10-4 Patrinia triloba (Miq.) Miq. var. takeuchiana (Makino) Ohwi  オオキンレイカ 大金鈴花
  synonym Patrinia takeuchiana Makino
 福井県、京都府に分布。キンレイカより大型。茎は高さ50~90cm、葉身は幅10~16cm。

11 Patrinia villosa (Thunb.) Juss. オトコエシ 男郎花
 日本(北海道、本州、四国、九州)、中国、台湾原産。中国名は攀倒甑 pan dao zeng。
 多年草、高さ60~100㎝。匐枝を出して、広がる。茎の上部はほとんど無毛、下部は有毛。葉は対生し、長さ3~15㎝。上部の葉は分裂しないが、中部以下の葉は羽状に3~5深裂する。頂部の葉が最も大きく、裂片は卵状長楕円形。花は散房状に多数つき、花冠は白色、5裂する。果実には翼状に変化した直径4~6㎜のほぼ円形~卵形の小苞があり、醤油の腐ったような臭いがする。果実の背部は翼とは合着せず、離れて上に乗っている。果実は長さ約3㎜、幅約1.6㎜、狭い翼があり、下面がほぼ平ら、3室をもち、2室は不完全で、翼に近い下部の1室の種子だけが出来る。これがオミナエシ属の特徴である。種子はやや扁平、長さ約2.5㎜。2n=44。花期は8~10月。

12 Patrinia x hybrida Makino  オトコオミナエシ 
 オミナエシとオトコエシの交雑種。

参考

1) Flora of China
 Patrinia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=124161
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Patrinia
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331831-2
3) World Flora Online
 Patrinia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000028322