ニガナ 苦菜

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae ニガナ属

別 名 シロニガナ
中国名

小苦荬 xiao ku mai

学 名 Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. dentatum
Ixeris dentata (Thunb.) Nakai
ニガナ5弁花
ニガナ6弁花
ニガナ7弁花
ニガナ総苞
ニガナとハナニガナの中間
ニガナ果実
ニガナ茎
ニガナ
ニガナ花横
ニガナの葉
ニガナの下部の葉
ニガナの冠毛つきの果実
花 期 5~7月
高 さ 20~50㎝
生活型 多年草
生育場所 日当たりのよい場所
分 布 在来種  日本全土、朝鮮、中国、ロシア
撮 影 幸田町  09.5.31
春から初夏、日当たりのよい道端などで、普通に見られる。和名の由来は葉や茎を傷つけると苦味のある乳液が出ることから。
 茎が細く、全体に柔らか。根生葉は長さ13~18㎝、幅2~5㎝、倒披針形、有柄、まばらな鋸歯があり、羽状に切れ込むこともある。茎葉は無柄、毛状の鋸歯があり、円形の基部で茎を抱く。頭花は直径15~19㎜、黄色(稀に白色)の舌状花5~7個だけからなる。舌状花の先に細かい切れ込みがある。総苞片は2列、短い総苞外片5~6個、長い総苞内片5~6個。痩果は長さ4~4.5㎜、長い嘴がある。冠毛は褐色を帯び、長さ約4㎜。2n=14,21,28。
 白花品はシロニガナというが、属名をIxeridiumとして、分けない分類に変わってきている。
 類似のハナニガナは舌状花が8~12個である。ただし、中間的な6~8個というものもよく見られる。
 ハナニガナの白花品はシロバナニガナという。
 ハイニガナIxeridium dentatum subsp. dentatum form. stoloniferum はニガナによく似ているが、短い匍匐枝を出す。茎葉の基部が茎を抱かないことが多い。
 クモマニガナ Ixeris dentata subsp. kimurana 北海道、本州(中部以北)の高山に分布する。高さ30㎝以下。頭花は11個の舌状花がつく。2n=28
 タカネニガナ Ixeris dentata subsp. alpicola北海道、本州、四国、九州の高山に分布し、茎が細く、高さ20㎝以下。頭花は8~10個の舌状花がつく。茎葉の基部は茎を抱かない。

ニガナ属

   family  Asteraceae - genus  Ixeridium

 多年草、しばしばロゼットを作る。茎は斜上直立~直立し、基部から分枝又は上部で分枝する。合成花序は普通、散房花序又は円錐花序状の散房花序、頭花は少数~多数つく。頭花は小花を5~11(~18) 個もつ。総苞は狭円筒形。総苞片は少数の列につき、縁は狭く、薄膜質。外総苞片は少数、ごく短く (普通、約2㎜以下), ±不等長。内総苞片は5又は(7又は)8個、線状披針形、等長。花托は裸。小花は黄色 [又はまれに白色]。痩果は淡褐色~褐色、普通±類紡錘形、類扁平、5本の細い主うねがあり、1本(例外的に0又は2)の狭い~ほぼ等しい幅の2次うねが互生し、うねの間の間隔は広いU形、先にはしばしば、前向きの鋭形のパピラをもち、先は漸尖し、短い細い嘴になる。冠毛は帯黄色~わら色、まれに白色、ザラつく剛毛である。
 世界に約15種があり、東アジア、南東アジアに分布する。

ニガナ属の主な種

1 Ixeridium alpicola (Takeda) Pak et Kawano  タカネニガナ 高嶺苦菜 
  synonym Ixeris dentata subsp. alpicola (Takeda) Kitam.
  synonym Ixeris alpicola (Takeda) Nakai
 日本固有種(北海道、本州、四国、九州)。亜高山帯~高山帯の砂礫・岩礫地に生える。
 多年草、高さ20㎝以下。茎が細く、茎葉の基部は茎を抱かない。頭花は8~10個の舌状花がつく。2n=14 , 21 , 28。

2 Ixeridium beauverdianum (H.Lev.) Springate  ホソバニガナ 細葉苦菜
  synonym Ixeridium makinoanum (Kitam.) Pak et Kawano
  synonym Ixeridium gracile auct. non (DC.) Pak et Kawano 
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、中国、ネパール、ブータン、タイ、ベトナム原産。中国名は狭叶小苦荬 xia ye xiao ku mai 。
 高さ20~80㎝。根生葉は密集し、狭楕円形~線状楕円形、長さ5~17㎝。外総苞片は3~4個、卵形、長さ約1㎜以下。内総苞片は5個。小花は頭花に5~8個。冠毛は帯黄色、長さ2.5~3㎜。花期は5~9月。2n= 14。

2-1 Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. dentatum  ニガナ 苦菜
 日本全土、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は小苦荬 xiao ku mai
 多年草。高さ20~50㎝。茎が細く、全体に柔らか。根生葉は長さ13~18㎝、幅2~5㎝、倒披針形、有柄、まばらな鋸歯があり、羽状に切れ込むこともある。茎葉は無柄、毛状の鋸歯があり、円形の基部で茎を抱く。頭花は直径15~19㎜、黄色(稀に白色)の舌状花5~7個だけからなる。舌状花の先に細かい切れ込みがある。総苞片は2列、短い総苞外片5~6個、長い総苞内片5~6個。痩果は長さ4~4.5㎜、長い嘴がある。冠毛は褐色を帯び、長さ約4㎜。2n=14,21,28。花期は5~7月。
 シロニガナはニガナの白花。ニガナ属をIxeridiumとする最近の分類ではニガナに含め、品種に分けることをしない。シロニガナもニガナの別名とされている。頭花は白色の舌状花5~7個だけからなる。
2-1-1 Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. dentatum f. stoloniferum (Kitam.) Yonek.  ハイニガナ
 ニガナによく似ているが、短い匍匐枝を出す。茎葉の基部が茎を抱かないことが多い。2n=14 , 21

2-2 Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. kimuranum (Kitam.) Pak et Kawano  クモマニガナ
 北海道、本州(中部以北)の高山に分布する。高さ30㎝以下。頭花は11個の舌状花がつく。2n=28
2n=14 , 21 , 28
2-3 Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. kitayamense (Murata) Pak et Kawano  ドロニガナ
2n=14 , 21
2-4 Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. nipponicum (Nakai) Pak et Kawano  イソニガナ
 新潟県柏崎に自生する絶滅危惧種。葉は幅が広く、円形~広卵形。花は直径約1㎝と小さく、ハナニガナに似て舌状花の数が多い。2n=14

2-4-1-1Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. nipponicum (Nakai) Pak et Kawano var. albiflorum (Makino) Tzvelev f. leucanthum (H.Hara) H.Nakai et H.Ohashi  シロバナニガナ 狭義
2-4-1Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. nipponicum (Nakai) Pak et Kawano var. albiflorum (Makino) Tzvelev  シロバナニガナ 白花苦菜
 シロバナニガナはニガナの亜種であるイソニガナ subsp. nipponicum の変種として分類されている。全体の形はニガナによく似ており、やや大きくなる。日本固有亜種subsp.nipponicumとしない見解もある。  茎は細く、直立し、よく分枝する。葉は長さ3~10㎝、幅1~3㎝。茎葉の基部は毛状の鋸歯があり、茎を抱く。頭花は直径約2㎝、舌状花だけがつき、(7)8~11個の白色の舌状花がつく。総苞は長さ7~8㎜。
2-4-1-2 xeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. nipponicum (Nakai) Pak et Kawano var. albiflorum (Makino) Tzvelev f. amplifolium (Kitam.) H.Nakai et H.Ohashi  ハナニガナ 花苦菜
  ニガナ白花品種であるシロバナニガナの一品種の黄色花と分類されている。別名はオオバナニガナ。
 ハナニガナは舌状花が8~12個と多い。頭花が大きく、直径20~22㎜。ただし、中間の舌状花6~8個のものもある。2n=14 , 21
 ニガナは舌状花が5~7個。
2-4-1-3Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. nipponicum (Nakai) Pak et Kawano var. albiflorum (Nakai) Tzvelev f. atropurpureum (Nakai) H.Nakai et H.Ohashi  クロニガナ 黒苦菜
 葉や茎が黒色の品種。花は黄色。園芸品種として栽培されている。
2n=21
2-5 Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. ozense (Sugim.) Yonek.  オゼニガナ
  synonym Ixeridium kurilense Barkalov 
  synonym Ixeris dentata Robinson subsp. stolonifera Kitamura var. ozensis Sugimoto
 ハイニガナと同様に短匐枝を生し、舌状花は白色、7個。
2-6 Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. shiranense (Kitam.) Pak et Kawano  シラネニガナ
 白根山に分布。2n=21

3 Ixeridium laevigatum (Blume) Pak et Kawano  ヤナギニガナ 柳苦菜
 日本(九州南部、沖縄)、中国、台湾、カンボジア、ラオス、ベトナム、インドネシア、ニューギニア、フィリピン原産。中国名は褐冠小苦荬 he guan xiao ku mai 。
 高さ10~90㎝。根生葉は密集し、花期に残り、楕円形~狭楕円形~線状楕円形、長さ5~32㎝、不分裂、まれに、羽状深裂」、縁は小歯状~波歯状、まれに全縁。頭花は小花が8~11個。外総苞片は卵状披針形、長さ1.5㎜以下。内総苞片は8個。冠毛はわら色、長さ3~4㎜。花期は2~10月。2n=14。

4 Ixeridium parvum (Kitam.) Pak et Kawano  ヤクシマニガナ 屋久島苦菜
  synonym IIxeris dentata f. parva Kitam.
  synonym IIxeris parva (Kitam.) Yahara
  synonym IIxeris dentata (Thunb.)Nakai var. parva Kitam.
 屋久島固有種。屋久島の標高1600~1700m付近の湿地に生える。
 多年草。高さ10~15㎝。根生葉は発達し、狭披針形、茎葉は苞状、披針形、約・長さ5㎝×幅1㎝、縁の鋸歯は少なく3対程度。頭花は直径約2㎝、舌状花は6個つく。花期は6~7月

5 Ixeridium transnokoense (Sasaki) Pak et Kawano  ミヤマニガナ
 台湾原産。中国名は能高小苦荬 neng gao xiao ku mai

6 Ixeridium yakuinsulare (Yahara) Pak et Kawano  コスギニガナ
  synonym Ixeris yakuinsularis Yahara
 九州、屋久島に分布。
 ニガナdentatum (Thunb.) J.H.Pak & Kawanoとヤナギニガナ.laevigatum (Blume) J.H .Pak & Kawanoの中間的形質を示し、両者の交雑に起源する無融合生殖種と考えられている(Yaharaet al. 1987)。花期は5月頃。

参考

1) GRIN
 Centipeda
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=2240
2) Kewscience
 Centipeda
 http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:8151-1
3) PlantNET - FloraOnline
 Centipeda Key to the species  
http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=gn&name=Centipeda
4)Flora of China
 Centipeda
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=106025
5)植物研究雑誌第32巻第2号昭和32年
 キク科三品について(64)
6)植物研究雑誌第 87 巻第 2 号 2012 年 4 月 p125
 ハイニガナ、シロバナニガナ、ハナニガナ、クロニガナ、オゼニガナ
7)植物研究雑誌 Journal of Japanese Botany Vol. 77 No. 4 p243
 コスギニガナの新北限産地
8)植物研究雑誌 Journal of Japanese Botany Vol. 80 No. 6 331
 日本とその周辺の植物に関する分類学的研究(1) -日本産植物の新組合せおよび新名-
 (54) ニガナ p331