ネズミガヤ 鼠茅
Flora of Mikawa
イネ科 Poaceae ネズミガヤ属
中国名 | 日本乱子草 ri ben luan zi cao |
学 名 | Muhlenbergia japonica Steud. |
花 期 | 9~10月 |
高 さ | 15~30㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 道端、林縁、草原、田の畦 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、中国、ロシア |
撮 影 | 豊田市(旧稲武町) 09.9.7 |
全体に弱々しい。根茎は無く、茎は基部で多数分岐して地に伏して節から発根し、上部は斜上する。茎は中空の円柱状で、細く、滑らか。葉は線形で、無毛。葉鞘も無毛。円錘花序の枝は斜開し、小穂は密につく。小穂は1個の小花と1対の苞頴からなる。小花は長さ2.5~3㎜、基部に長毛がつき、長さ3~6㎜の芒がある。苞穎は小花の長さの約1/2、第1苞頴は長さ約1.5㎜、第2包頴はやや長い。果実が熟すと苞穎の対を残して、小花が落ちる。2n=40
オオネズミガヤは根茎があり、苞頴が小花の長さの1/2より短く、芒の長さが8~14(20)㎜と長い。
タチネズミガヤは苞穎が2個とも披針形、ほぼ同長で小花の長さの1/2以上あり、芒の長さが5~9㎜ある。
多年草、普通、鱗片のある這う根茎をもつ。 稈は直立、斜上し、または基部で傾伏する。葉身は直形~狭披針形。葉舌は膜質、ときに微細な繊毛がある。花序は開くまたは狭まる円錐花序。小穂は1小花をもち、披針形、わずかに側部が扁平、小軸は苞穎の上で関節離断する。苞穎は長さが護穎より短いか等しく 、両苞穎はほぼ同長、または第2苞穎が短く、薄く、普通、1脈があるか、または第1苞穎に脈がなく、宿存性。 カルスは小さく、鈍形。護穎は3脈があり、膜質、暗緑色、暗灰色のまだらで、外面の基部に緩く直軟毛があり、芒は鋭い先端または2個の小さな歯の間から出る。芒は真っすぐまたは曲がりくねる。内穎は護穎に等しく、膜質。 穎果は普通、紡錘形、まれに楕円形。x=10。
世界に約155種あり、主に北アメリカ南西部とメキシコに分布し、中南米と東南アジアにも分布する。
USA , メキシコ , グアテマラ , コロンビア , プエルトリコ , キューバ原産。英名はhairawn muhly , Texas muhly grass , muhly grass , pink muhly grass。
品種) 'Fast Forward' , 'Pink Cloud' , 'Pink Flamingo' , 'Regal Mist'('Lenca') , 'White Cloud'
2 Muhlenbergia curviaristata (Ohwi) Ohwi ミヤマネズミガヤ 深山鼠茅 広義
synonym Muhlenbergia tenuiflora (Willd.) Britton, Sterns et Poggenb. var. nipponica (Ohwi) Sugim.
synonym Muhlenbergia curviaristata (Ohwi) Ohwi f. nipponica (Ohwi) T.Koyama
日本(北海道、本州、千島列島南部)、中国原産。中国名は弯芒乱子草 wan mang luan zi cao。山地の斜面、林内、道端の湿った草地などに生える。
多年草。根茎は這い、長さ10㎝以下、直径2~3㎜、鱗片がある。稈は直立し、高さ60~100㎝、直径約2㎜、上部で分枝せず、節の下は平滑または微軟毛がある。葉鞘は緩く、無毛または細かくザラつく。葉身は長さ8~19㎝×幅3~6 mm、平ら、両面と縁がザラつく。葉舌は長さ0.5~1㎜、先は切形、切り裂かれる。円錐花序は長さ15~35㎝×幅0.5~1.5㎝、発散または狭まり、普通、各節に2本の枝がつき、斜上し、ザラつく。小穂は披針形、長さ3~3.5㎜、帯淡紫色。苞穎は膜質、1脈があり、脈がザラつき、先は鋭形。第1苞穎は長さ1.5~2㎜。第2苞穎は長さ2~2.5㎜。護穎は小穂の長さと同長、長さ3~3.5㎜、粉白色で暗灰色の斑入りになり、背の下部1/4に直軟毛がある。芒は長さ5~10㎜、屈曲または直立し、淡色またはときに帯紫色、ザラつく。葯は長さ約1㎜。花期および果期は7~9月。2n=40。
2-1 Muhlenbergia curviaristata (Ohwi) Ohwi var. curviaristata コシノネズミガヤ
synonym Muhlenbergia tenuiflora (Willd.) Britton, Sterns et Poggenb. subsp. curviaristata (Ohwi) T.Koyama et Kawano
synonym Muhlenbergia tenuiflora (Willd.) Britton, Sterns et Poggenb. var. curviaristata (Ohwi) T.Koyama
本州中部に分布する。日本海沿岸の山地の林下に生える。 多年草。稈は基部から直立し、ほとんど分枝せず、高さ60~100㎝。葉は長さ7~12㎝×幅3~7㎜、両面ともザラつく。葉舌は長さ0.5~1㎜。円錐花序は長さ15~35㎝、細く、枝はまばら。小穂は長さ3~3.5㎜、灰緑色、1小花をもつ。両苞穎は透明、同形・同大、長さ2~2.3㎜、小穂の長さの2/3~4/5。先は鋭尖形。護穎は長さ3~3.5㎜、芒は長さ3~4㎜。
2-2 Muhlenbergia curviaristata (Ohwi) Ohwi var. nipponica Ohwi ミヤマネズミガヤ 狭義
日本産は両苞潁が同形・同大、先は鋭尖形、芒は5~4㎜。Kewscienceなどはコシノネズミガヤとミヤマネズミガヤを区別しない。
3 Muhlenbergia hakonensis (Hack.) Makino タチネズミガヤ 立鼠茅
日本(本州の関東以西、四国、九州)、韓国、中国原産。中国名は箱根乱子草 xiang gen luan zi cao。山の斜面、道端の湿った場所に生える。
鱗片のある這う根茎を持つ。根茎は長さ3~5㎝、直径約2㎜。稈は直立し、高さ40~80㎝、基部の直径は約1㎜、細く、上部では分枝しない。葉鞘は緩く、無毛。葉身は長さ5.5~12㎝×幅0.2~0.4㎝、平らで、両面と縁がザラつき、または下面が平滑。葉舌は長さ0.5~1㎜、切形、切り裂かれる。円錐花序は長さ15~23㎝×幅約0.5㎝、細く、各節に1~2本の枝がつき、まばらで、圧着する。小穂は狭披針形、長さ4~5㎜、灰緑色。苞穎は長さ3~4㎜、紙質、ほぼ同長または第1苞穎は第2苞穎よりわずかに短く、1脈があり、脈に沿って細かくざらつき、先は尖鋭形。護穎は長さ4~5㎜、淡色に灰緑色の斑が入り、小穂の長さと同長、背の下部1/4に毛がある。 芒は長さ5~9㎜、真っすぐ。葯は長さ1.5~2mm。 穎果は長さ約3㎜、赤褐色、円柱形、へそは狭卵形、穎果の長さの1/3。花期および果期は7~10月。2n=40。
4 Muhlenbergia huegelii Trin. オオネズミガヤ 大鼠茅
synonym Muhlenbergia longistolon Ohwi
synonym Muhlenbergia arisanensis Hayata
日本(北海道、本州、四国、九州)、韓国、中国、台湾、ロシア、アフガニスタン、ブータン、インド、ネパール、パキスタン、フィリピン原産。中国名は乱子草 luan zi cao。山の谷間、川沿い、林内の湿った場所に生える。
多年草。高さ(50)70~90(120) ㎝。根茎は地中を長く横に広がり、堅い鱗片葉で覆われる。茎は叢生し、直立し、節の下に毛がある。茎は中空の円柱状で、滑らかく折れやすい。葉鞘は緩く、無毛、普通、節間より短い。葉は広線形、長さ4~14㎝×幅0.4~1㎝、両面と縁がザラつき、中脈が白く、幅が広くて目立ち、先は尖鋭形。円錘花序は長さ8~27(30)㎝、かなり開き、ときにうなずき、各節に少数~数本の枝を斜開し、小穂が密につく。枝と小梗すべて細く、ザラつく。小穂は披針形、長さ2~3㎜、灰緑色または帯紫色、1個の小花と1対の苞頴からなる。苞穎は膜質、白色、小花の長さの約1/3以下で、長さ0.5~1.2㎜。第1苞頴は第2包頴よりわずかに短く、透明、1脈があり、ザラつき、先は鋭形、凹むこともある。第2包頴は1竜骨、1脈があり、先は鋭形~鈍形(日本産は鈍形)。果実が熟すと苞穎の対を残して、小花が落ちる。護穎は長さ2~3㎜、竜骨はなく、3脈があり、灰緑色または紫色、細かくザラつき、背の下部1/4に直軟毛がある。芒は真っすぐ~少し曲がりくねり、長さ8~14(20)㎜、上向きの刺があってひっつきやすく、熟した小花が花穂にひっかかっているのが見られる。内穎は護穎と同長、2脈があり、直軟毛がある。葯は長さ約0.8㎜。鱗被は2個、くさび形、肉質。穎果は果皮が付着性、紡錘形。2n=40.42。花期および果期は7~10月。
5 Muhlenbergia japonica Steud. ネズミガヤ 鼠茅
北海道、本州、四国、九州、中国、ロシア原産。中国名は日本乱子草 ri ben luan zi cao 。道端、林縁、草原、田の畦に生える。
多年草。高さ15~30㎝。全体に弱々しい。根茎は無く、茎は基部で多数分岐して地に伏して節から発根し、上部は斜上する。茎は中空の円柱状で、細く、滑らか。葉は線形で、無毛。葉鞘も無毛。円錘花序の枝は斜開し、小穂は密につく。小穂は1個の小花と1対の苞頴からなる。小花は長さ2.5~3㎜、基部に長毛がつき、長さ3~6㎜の芒がある。苞穎は小花の長さの約1/2、第1苞頴は長さ約1.5㎜、第2包頴はやや長い。果実が熟すと苞穎の対を残して、小花が落ちる。2n=40。花期は9~10月。
品種) 'Cream Delight' (v)
6 Muhlenbergia lindheimeri Hitchc. ミューレンベルギア・リンドハイメリ
テキサス州、メキシコ原産。英名はLindheimer's muhly , blue muhly grass。
品種) Autumn Glow™
7 Muhlenbergia ramosa (Hack.) Makino キダチノネズミガヤ 木立の鼠茅
synonym Muhlenbergia frondosa Fernald var. ramosa (Hack.) T.Koyama
日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、中国原産。中国名は多枝乱子草 duo zhi luan zi cao。別名はヤブネズミガヤ。山地の谷間の開けた林内、山地の斜面の湿った場所に生える。
鱗片のある這う根茎を持つ。根茎は長さ11~30㎝×幅約0.2㎝。 稈は普通、直立し、高さ30~120㎝、直径1~2.5㎜、上部に多数の枝がある。葉鞘は緩く重なり合い、無毛。葉身は長さ5~12㎝×幅0.3~0.6㎝、平らで薄く、両面と縁がザラつく。葉舌は長さ約0.5㎜、切形。円錐花序は長さ10~18㎝、狭く、各節に1~2本の枝がつき、普通、小穂は基部につく。小穂は狭披針形、長さ約3㎜、紫色を帯びた灰緑色。苞穎は長さ1.5~2.2㎜、第1苞穎は普通、第2苞穎より短く、広披針形、1脈があり、先は鋭形~尖鋭形。護穎は長さ2.5~3.1㎜、背の下部1/4に直軟毛があり、芒は長さ5~10㎜、灰緑色または紫色、ザラつく。葯は長さ約0.5㎜。 穎果は長さ約0.5㎜、褐色、狭長円形。花期および果期は7~10月。
8 Muhlenbergia reverchonii Vasey & Scribn. ミューレンベルギア・レバルコニー
USA(オクラホマ州、テキサス州)原産。英名はruby muhly , ruby muhly grass , rose muhly , seep muhly , muhly Grass。
品種) 'Autumn Embers' , Undaunted®('Pund01s')
9 Muhlenbergia schreberi J.F.Gmel. コネズミガヤ 小鼠茅
北アメリカ(カナダ、USA,メキシコ)、南アメリカ(アルゼンチン、ブラジル、コロビア、ウルグアイ)原産。英名はnimblewill。
多年草(1年草に見える)。叢生し、普通、根茎はなく、ときに匍匐茎がある。稈は高さ10~45(70)㎝、膝状に曲がり、しばしば下部の節から発根し、節の下は無毛または微軟毛があり、しばしば節間は平滑、光沢があり、無毛。葉鞘は節間よりも短く、その長さのほとんどが無毛、縁の上部に短毛(長さ0.3~1.2㎜)があり、古くなっても螺旋状に巻くことない。葉舌は長さ0.2~0.5㎜、切形、微細不整歯があり、縁毛がある。葉身は長さ(1)3~10㎝、幅1~4.5㎜、平ら、平滑または細かくざらつく。円錐花序は長さ3~15cm×幅1~1.6cm、狭くなり、しばしば下部で間隔が開く。枝は長さ0.4~5.5cm、圧着または花序軸から30°以下で散開し、基部に小穂がつく。小梗は長さ0.1~4㎜、ザラつくか粗毛があり、苞穎の上の関節離断する。小穂は長さ1.8~2.8㎜、単生する。両苞穎は長さが違い、小花より短く、全体が薄く膜質、芒はない。第1苞穎は無いかまたは未発達で、脈がなく、円形でしばしば微細不整歯がある。第2苞穎は長さ0.1~0.3mm、脈はない。護穎は長さ1.8~2.8㎜、長円状楕円形、ほとんどがザラつく。カルスは毛があり、毛は長さ0.8㎜以下、脈は帯緑色、中脈の下部1/4は少数の伏毛があり、先は鋭形~尖鋭形、芒があり、芒は長さ1.5~5㎜、真っ直ぐ。内穎は長さ1.8~2.8mm、長円状楕円形、先は鋭形~尖鋭形。葯は長さ0.2~0.5㎜、黄色。穎果は長さ1~1.4mm、紡錘形、帯褐色。2n=40, 42。
Muhlenbergia
Muhlenbergia
Muhlenbergia
Muhlenbergia
Muhlenbergia schreberi J.F. Gmel.
オオネズミガヤは根茎があり、苞頴が小花の長さの1/2より短く、芒の長さが8~14(20)㎜と長い。
タチネズミガヤは苞穎が2個とも披針形、ほぼ同長で小花の長さの1/2以上あり、芒の長さが5~9㎜ある。
ネズミガヤ属
family Poaceae - genus Muhlenbergia多年草、普通、鱗片のある這う根茎をもつ。 稈は直立、斜上し、または基部で傾伏する。葉身は直形~狭披針形。葉舌は膜質、ときに微細な繊毛がある。花序は開くまたは狭まる円錐花序。小穂は1小花をもち、披針形、わずかに側部が扁平、小軸は苞穎の上で関節離断する。苞穎は長さが護穎より短いか等しく 、両苞穎はほぼ同長、または第2苞穎が短く、薄く、普通、1脈があるか、または第1苞穎に脈がなく、宿存性。 カルスは小さく、鈍形。護穎は3脈があり、膜質、暗緑色、暗灰色のまだらで、外面の基部に緩く直軟毛があり、芒は鋭い先端または2個の小さな歯の間から出る。芒は真っすぐまたは曲がりくねる。内穎は護穎に等しく、膜質。 穎果は普通、紡錘形、まれに楕円形。x=10。
世界に約155種あり、主に北アメリカ南西部とメキシコに分布し、中南米と東南アジアにも分布する。
ネズミガヤ属の主な種と園芸品種
1 Muhlenbergia capillaris (Lam.) Trin. ミューレンベルギア・キャピラリスUSA , メキシコ , グアテマラ , コロンビア , プエルトリコ , キューバ原産。英名はhairawn muhly , Texas muhly grass , muhly grass , pink muhly grass。
品種) 'Fast Forward' , 'Pink Cloud' , 'Pink Flamingo' , 'Regal Mist'('Lenca') , 'White Cloud'
2 Muhlenbergia curviaristata (Ohwi) Ohwi ミヤマネズミガヤ 深山鼠茅 広義
synonym Muhlenbergia tenuiflora (Willd.) Britton, Sterns et Poggenb. var. nipponica (Ohwi) Sugim.
synonym Muhlenbergia curviaristata (Ohwi) Ohwi f. nipponica (Ohwi) T.Koyama
日本(北海道、本州、千島列島南部)、中国原産。中国名は弯芒乱子草 wan mang luan zi cao。山地の斜面、林内、道端の湿った草地などに生える。
多年草。根茎は這い、長さ10㎝以下、直径2~3㎜、鱗片がある。稈は直立し、高さ60~100㎝、直径約2㎜、上部で分枝せず、節の下は平滑または微軟毛がある。葉鞘は緩く、無毛または細かくザラつく。葉身は長さ8~19㎝×幅3~6 mm、平ら、両面と縁がザラつく。葉舌は長さ0.5~1㎜、先は切形、切り裂かれる。円錐花序は長さ15~35㎝×幅0.5~1.5㎝、発散または狭まり、普通、各節に2本の枝がつき、斜上し、ザラつく。小穂は披針形、長さ3~3.5㎜、帯淡紫色。苞穎は膜質、1脈があり、脈がザラつき、先は鋭形。第1苞穎は長さ1.5~2㎜。第2苞穎は長さ2~2.5㎜。護穎は小穂の長さと同長、長さ3~3.5㎜、粉白色で暗灰色の斑入りになり、背の下部1/4に直軟毛がある。芒は長さ5~10㎜、屈曲または直立し、淡色またはときに帯紫色、ザラつく。葯は長さ約1㎜。花期および果期は7~9月。2n=40。
2-1 Muhlenbergia curviaristata (Ohwi) Ohwi var. curviaristata コシノネズミガヤ
synonym Muhlenbergia tenuiflora (Willd.) Britton, Sterns et Poggenb. subsp. curviaristata (Ohwi) T.Koyama et Kawano
synonym Muhlenbergia tenuiflora (Willd.) Britton, Sterns et Poggenb. var. curviaristata (Ohwi) T.Koyama
本州中部に分布する。日本海沿岸の山地の林下に生える。 多年草。稈は基部から直立し、ほとんど分枝せず、高さ60~100㎝。葉は長さ7~12㎝×幅3~7㎜、両面ともザラつく。葉舌は長さ0.5~1㎜。円錐花序は長さ15~35㎝、細く、枝はまばら。小穂は長さ3~3.5㎜、灰緑色、1小花をもつ。両苞穎は透明、同形・同大、長さ2~2.3㎜、小穂の長さの2/3~4/5。先は鋭尖形。護穎は長さ3~3.5㎜、芒は長さ3~4㎜。
2-2 Muhlenbergia curviaristata (Ohwi) Ohwi var. nipponica Ohwi ミヤマネズミガヤ 狭義
日本産は両苞潁が同形・同大、先は鋭尖形、芒は5~4㎜。Kewscienceなどはコシノネズミガヤとミヤマネズミガヤを区別しない。
3 Muhlenbergia hakonensis (Hack.) Makino タチネズミガヤ 立鼠茅
日本(本州の関東以西、四国、九州)、韓国、中国原産。中国名は箱根乱子草 xiang gen luan zi cao。山の斜面、道端の湿った場所に生える。
鱗片のある這う根茎を持つ。根茎は長さ3~5㎝、直径約2㎜。稈は直立し、高さ40~80㎝、基部の直径は約1㎜、細く、上部では分枝しない。葉鞘は緩く、無毛。葉身は長さ5.5~12㎝×幅0.2~0.4㎝、平らで、両面と縁がザラつき、または下面が平滑。葉舌は長さ0.5~1㎜、切形、切り裂かれる。円錐花序は長さ15~23㎝×幅約0.5㎝、細く、各節に1~2本の枝がつき、まばらで、圧着する。小穂は狭披針形、長さ4~5㎜、灰緑色。苞穎は長さ3~4㎜、紙質、ほぼ同長または第1苞穎は第2苞穎よりわずかに短く、1脈があり、脈に沿って細かくざらつき、先は尖鋭形。護穎は長さ4~5㎜、淡色に灰緑色の斑が入り、小穂の長さと同長、背の下部1/4に毛がある。 芒は長さ5~9㎜、真っすぐ。葯は長さ1.5~2mm。 穎果は長さ約3㎜、赤褐色、円柱形、へそは狭卵形、穎果の長さの1/3。花期および果期は7~10月。2n=40。
4 Muhlenbergia huegelii Trin. オオネズミガヤ 大鼠茅
synonym Muhlenbergia longistolon Ohwi
synonym Muhlenbergia arisanensis Hayata
日本(北海道、本州、四国、九州)、韓国、中国、台湾、ロシア、アフガニスタン、ブータン、インド、ネパール、パキスタン、フィリピン原産。中国名は乱子草 luan zi cao。山の谷間、川沿い、林内の湿った場所に生える。
多年草。高さ(50)70~90(120) ㎝。根茎は地中を長く横に広がり、堅い鱗片葉で覆われる。茎は叢生し、直立し、節の下に毛がある。茎は中空の円柱状で、滑らかく折れやすい。葉鞘は緩く、無毛、普通、節間より短い。葉は広線形、長さ4~14㎝×幅0.4~1㎝、両面と縁がザラつき、中脈が白く、幅が広くて目立ち、先は尖鋭形。円錘花序は長さ8~27(30)㎝、かなり開き、ときにうなずき、各節に少数~数本の枝を斜開し、小穂が密につく。枝と小梗すべて細く、ザラつく。小穂は披針形、長さ2~3㎜、灰緑色または帯紫色、1個の小花と1対の苞頴からなる。苞穎は膜質、白色、小花の長さの約1/3以下で、長さ0.5~1.2㎜。第1苞頴は第2包頴よりわずかに短く、透明、1脈があり、ザラつき、先は鋭形、凹むこともある。第2包頴は1竜骨、1脈があり、先は鋭形~鈍形(日本産は鈍形)。果実が熟すと苞穎の対を残して、小花が落ちる。護穎は長さ2~3㎜、竜骨はなく、3脈があり、灰緑色または紫色、細かくザラつき、背の下部1/4に直軟毛がある。芒は真っすぐ~少し曲がりくねり、長さ8~14(20)㎜、上向きの刺があってひっつきやすく、熟した小花が花穂にひっかかっているのが見られる。内穎は護穎と同長、2脈があり、直軟毛がある。葯は長さ約0.8㎜。鱗被は2個、くさび形、肉質。穎果は果皮が付着性、紡錘形。2n=40.42。花期および果期は7~10月。
5 Muhlenbergia japonica Steud. ネズミガヤ 鼠茅
北海道、本州、四国、九州、中国、ロシア原産。中国名は日本乱子草 ri ben luan zi cao 。道端、林縁、草原、田の畦に生える。
多年草。高さ15~30㎝。全体に弱々しい。根茎は無く、茎は基部で多数分岐して地に伏して節から発根し、上部は斜上する。茎は中空の円柱状で、細く、滑らか。葉は線形で、無毛。葉鞘も無毛。円錘花序の枝は斜開し、小穂は密につく。小穂は1個の小花と1対の苞頴からなる。小花は長さ2.5~3㎜、基部に長毛がつき、長さ3~6㎜の芒がある。苞穎は小花の長さの約1/2、第1苞頴は長さ約1.5㎜、第2包頴はやや長い。果実が熟すと苞穎の対を残して、小花が落ちる。2n=40。花期は9~10月。
品種) 'Cream Delight' (v)
6 Muhlenbergia lindheimeri Hitchc. ミューレンベルギア・リンドハイメリ
テキサス州、メキシコ原産。英名はLindheimer's muhly , blue muhly grass。
品種) Autumn Glow™
7 Muhlenbergia ramosa (Hack.) Makino キダチノネズミガヤ 木立の鼠茅
synonym Muhlenbergia frondosa Fernald var. ramosa (Hack.) T.Koyama
日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、中国原産。中国名は多枝乱子草 duo zhi luan zi cao。別名はヤブネズミガヤ。山地の谷間の開けた林内、山地の斜面の湿った場所に生える。
鱗片のある這う根茎を持つ。根茎は長さ11~30㎝×幅約0.2㎝。 稈は普通、直立し、高さ30~120㎝、直径1~2.5㎜、上部に多数の枝がある。葉鞘は緩く重なり合い、無毛。葉身は長さ5~12㎝×幅0.3~0.6㎝、平らで薄く、両面と縁がザラつく。葉舌は長さ約0.5㎜、切形。円錐花序は長さ10~18㎝、狭く、各節に1~2本の枝がつき、普通、小穂は基部につく。小穂は狭披針形、長さ約3㎜、紫色を帯びた灰緑色。苞穎は長さ1.5~2.2㎜、第1苞穎は普通、第2苞穎より短く、広披針形、1脈があり、先は鋭形~尖鋭形。護穎は長さ2.5~3.1㎜、背の下部1/4に直軟毛があり、芒は長さ5~10㎜、灰緑色または紫色、ザラつく。葯は長さ約0.5㎜。 穎果は長さ約0.5㎜、褐色、狭長円形。花期および果期は7~10月。
8 Muhlenbergia reverchonii Vasey & Scribn. ミューレンベルギア・レバルコニー
USA(オクラホマ州、テキサス州)原産。英名はruby muhly , ruby muhly grass , rose muhly , seep muhly , muhly Grass。
品種) 'Autumn Embers' , Undaunted®('Pund01s')
9 Muhlenbergia schreberi J.F.Gmel. コネズミガヤ 小鼠茅
北アメリカ(カナダ、USA,メキシコ)、南アメリカ(アルゼンチン、ブラジル、コロビア、ウルグアイ)原産。英名はnimblewill。
多年草(1年草に見える)。叢生し、普通、根茎はなく、ときに匍匐茎がある。稈は高さ10~45(70)㎝、膝状に曲がり、しばしば下部の節から発根し、節の下は無毛または微軟毛があり、しばしば節間は平滑、光沢があり、無毛。葉鞘は節間よりも短く、その長さのほとんどが無毛、縁の上部に短毛(長さ0.3~1.2㎜)があり、古くなっても螺旋状に巻くことない。葉舌は長さ0.2~0.5㎜、切形、微細不整歯があり、縁毛がある。葉身は長さ(1)3~10㎝、幅1~4.5㎜、平ら、平滑または細かくざらつく。円錐花序は長さ3~15cm×幅1~1.6cm、狭くなり、しばしば下部で間隔が開く。枝は長さ0.4~5.5cm、圧着または花序軸から30°以下で散開し、基部に小穂がつく。小梗は長さ0.1~4㎜、ザラつくか粗毛があり、苞穎の上の関節離断する。小穂は長さ1.8~2.8㎜、単生する。両苞穎は長さが違い、小花より短く、全体が薄く膜質、芒はない。第1苞穎は無いかまたは未発達で、脈がなく、円形でしばしば微細不整歯がある。第2苞穎は長さ0.1~0.3mm、脈はない。護穎は長さ1.8~2.8㎜、長円状楕円形、ほとんどがザラつく。カルスは毛があり、毛は長さ0.8㎜以下、脈は帯緑色、中脈の下部1/4は少数の伏毛があり、先は鋭形~尖鋭形、芒があり、芒は長さ1.5~5㎜、真っ直ぐ。内穎は長さ1.8~2.8mm、長円状楕円形、先は鋭形~尖鋭形。葯は長さ0.2~0.5㎜、黄色。穎果は長さ1~1.4mm、紡錘形、帯褐色。2n=40, 42。
参考
1) Flora of ChinaMuhlenbergia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=121292
2) Plants of the World Online| KewscienceMuhlenbergia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30000924-2
3) World Flora OnlineMuhlenbergia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000024954;jsessionid=C36DA48DD923661489611B4E603CC7E7
4) World Checklist of Vascular PlantsMuhlenbergia
https://wcvp.science.kew.org/
5) FNA - Flora of North AmericaMuhlenbergia schreberi J.F. Gmel.
http://floranorthamerica.org/Muhlenbergia_schreberi