ムラサキイヌホオズキの詳細
Flora of Mikawa
ナス科 Solanaceae ナス属
学 名 | Solanum memphiticum Mart Solanum memphiticum J.F.Gmel. Solanum grossedentatum A.Rich. |
ムラサキイヌホオズキは平凡社・日本の野生植物に掲載され、アメリカイヌホオズキと別種の南アメリカ原産のSolanum memphiticum
Mart.であろうとされているが、Solanum memphiticum Mart.は正式な学名と認められていない古くからドイツで栽培されていた種であり、詳細が不明な種である。Solanum
memphiticum Mart.はSolanum scabrum Lam. not Mill. であるともいわれているが、Solanum scabrum
Lamは南米で果実野菜として栽培されている果実の大きなSolanum muricatum Aitonのsynonymとされている(Kewscience)。また、Solanum
scabrum Millerではないかともいわれている。Solanum memphiticum J. F. Gmel.はアフリカ、南西アジア原産であり、ムラサキイヌホオズキに似たものであるが
染色体数はイヌホオズキ (2n=6x=72)とは異なり、(2n=4x=48)との報告もある。
今回の調査で見つかったアメリカイヌホオズキとテリミノイヌホオズキの中間型は次のとおりである。花はアメリカイヌホオズキに似て淡紫色を帯び、全体の外観はアメリカイヌホオズキに近い。果実はテリミノイヌホオズキのように早く熟さないが、大きくて光沢が強い。果実の種子数と球状顆粒数が両者の中間である。球状顆粒数は5又は6個が多いが、ときおり、2~4個のものが混じる。種子は色がアメリカイヌホオズキに似て、大きさや形がテリミノホオズキに近い。花序の花数は4~5個が多く、3、6個がときどきあり、2個は少ない。花序の花数も1個程度多いだけであり、球状顆粒が少ないものを見落とす可能性も高く、アメリカイヌホオズキと混同しやすいものと考えられる。アメリカイヌホオズキは葉が薄い緑色であり、厚さが非常に薄いことも相違点である。茎や葉が紫色を帯びるが、イヌホオズキやテリミノイヌホオズキでも紫色を帯びることがあり、この点ではテリミノイヌホオズキに近い。
ムラサキイヌホオズキは誤りと思われていることが多い不確定な種であるが、今回調査のこの中間型がムラサキイヌホオズキと呼ばれているものに近いものと思われる。葉が大きく、葉柄が長いことが最大の相違点である。日当たりのよい場所では葉身の長さ3~5.5㎝、幅1.5~3.5㎝、葉柄長さ1~3㎝と大きな相違はないが、湿気が多い場所や、畑の中では全体に大きく、大きい葉は長さ9㎝、幅5.5㎝、葉柄の長さが5㎝あった。全体に紫色を帯び、花や果実は合致し、外観があまりにも似ている。参考にムラサキイヌホオズキの解説の抜粋を示す。果実中の球状顆粒や種子数が明らかにされたものがないため確定できないが、他にあてはまりそうなものがなく、アメリカイヌホオズキでもテリミノイヌホオズキでもないこの中間型をムラサキイヌホオズキと呼ぶことにする。この中間型をムラサキイヌホオズキとすると、Solanum memphiticum J.F.Gmel. にかなり近いかもしれない。
※アメリカイヌホオズキはSolanum ptycanthumのオンタリオ州のデータ、
[]内はVirginia Tech Weed のデータ、()内は神奈川県植物誌のデータ
※テリミノイヌホオズキは既存3データの最大幅
南アメリカ原産1年草。高さ30~60㎝。茎は多数、分枝し、紫色を帯び、稜があり、曲がった短い剛毛がまばらに生える。葉は互生し、葉柄は 長さ5~20㎜、葉身は長さ3~5㎝、幅1~2.5㎝の楕円形、葉先はやや鈍く基部は鋭形、葉縁は不明 瞭な波状鋸歯。散形花序に2~5個の花をつける。花は淡青紫色で小さい。萼は浅く5裂し、長さ約2㎜。果実は直径約9㎜、黒色に熟す。(平凡社・日本の野生植物)
2 Solanum furcatum Dunal. (South American black nightshade , Forked nightshade)
葉が深く裂ける。刺がない。テリミノイヌホオズキやイヌホオズキに似るが直径15~20㎜の大きな花と長さ2.3~3.3㎜の葯をもつ。最も大きな花序は2つの明瞭な散状花序をもち、花柄は長さ10~25㎜、小花柄は約10㎜。果実は直径6~9㎜、黒紫色。種子は長さ約2㎜。球状顆粒(Stone-cell granules) が10個以上。(解説の例は32個)ある。南アメリカから合衆国西海岸やオーストラリアの東海岸に移入した。2n=72。
3 Solanum muricatum Aiton
synonym Solanum scabrum Lam. not Mill.
synonym Solanum memphiticum Mart.nom. illeg
Type locality: "Isle de France" [Mauritius] . (1814:63),
non Solanum memphiticum J.F.Gmel)
南アメリカ(コロンビア、エクアドル、ペルー)原産。英名はpepino。スペイン語名はPepino silvestre, pepino, pepinito redondo, pepino dulce, pepino morado。
果実を食用として栽培されている。果実は長さ約10㎝×幅約6㎝と大形。
4 Solanum scabrum Miller
synonym Solanum nigrum var. guineense L.
synonym Solanum memphiticum Mart., Pl. Hort. Erlang. 63. 1814, nom. illeg.,
not Solanum memphiticum J.F.Gmel. (1791) Type. Cultivated in Erlangen, Bavaria, Germany,
origins not known (no specimens cited; no original material located, possibly at ER?).
アフリカ原産。英名はgarden huckleberry。アフリカ、中国などでで葉を食用とする野菜として栽培されている。中国名は木龙葵 mu long kui。
1年草又は短命の多年草。高さ1m以下。無毛になるかまばらに軟毛がある。茎は直立、しばしば角(かど)があり、小枝には軟毛があり、無毛になる。葉柄は長さ4~7㎜。葉身は広卵形、菱形、又は円く、しばしば幅が広く、長さ2~10(~12)㎝×幅2~6 (~7)㎝、無毛になるか、又は軟毛があり、基部はくさび形、沿下し、縁は全縁、波状、又は控えめに歯があり、先は鋭形。花序は腋外生、類散形花序。花序柄は不分枝、長さ1~2.5㎝。花柄は長さ5~10㎜、軟毛がある。咢は杯形、直径約2㎜、外面に微軟毛がある。咢片はデルタ状卵形、長さ約0.5㎜、縁毛がある。花冠は白色、直径約1㎝、花冠裂片は卵形、長さ2.5~5㎜、外側に軟毛がある。花糸は短い。葯は長円形、長さ2~4㎜。花柱は長さ約3㎜、直軟毛がある。果時の花柄は反屈する。果時の咢は後屈する。 液果は紫黒色、ときに光沢があり、球形、直径5~10㎜。種子は円盤形、直径0.8~1㎜。花期と果期は通年。(Flora of China)
5 Solanum memphiticum J.F.Gmel
アフリカ、アジア南西部原産。
synonym Solanum grossedentatum A.Rich.
1年草又は多年草、高さ1m以下、直立、斜上、又は傾伏し、密に枝があり、しばしば、木質の基部又は塊根から生じる。茎はしばしば、薄緑色、密に粘り、淡色の長い開出する腺毛と短い腺の無い毛が混じり、しばしば、土がついて帯褐色に見える。葉は普通、薄緑色、卵形、菱形又は披針形、長さ2.5~6(~10.5㎝×幅1.5~3.6(~7)㎝、基部は切形で茎に沿下し、縁は波状歯~欠刻状、多数の小さな、鈍形~鋭形の裂片をもつが、上部の葉はときに、全縁~波状、先は鋭形~鈍形、表面は絨毛があり、毛は茎と同じ。葉柄は長さ(1~)2~3.5(~5)㎝。花序は腋外生(extra-axillary)、単純、花時に散形花序、ときに果時に緩い直立の集散花序になり、花は3~5(~6)個。花序柄は花時に直立、長さ0.7~1.9㎝、果時に長さ1.1~2.2(~3.5)㎝。花序柄は花時に後屈し、長さ5~9㎜、果時に長さ9~13㎜、軸に密に絨毛がある。咢は鐘形、長さ2~3.5(~4)㎜、外側に密に絨毛があり、特に咢片の縁に多い。咢片はへら形~倒卵形、長さ0.8~2㎜×幅0.3~0.9㎜、果時に大きく、三角形で長さ2.2~4(~5.5)㎜×幅1.5~3㎜になり、果実の基部から後屈してつく。花冠は白色、基部が半透明の黄色又は黄緑色の星形があり、ときに脈~裂片が紫色になり、星形、直径8~15㎜。花冠筒部は長さ1~1.3㎜。花冠裂片は卵形~三角形、長さ2.5~4(~5)㎜×幅1.2~2.8(~3.5)㎜、外面に絨毛があり、花後に開出する。花糸は薄緑色、長さ0.5~1(~1.5)㎜、無毛。葯は黄色、長さ1~2(~2.5)㎜×幅0.5~0.8㎜。子房は緑色、長さ0.8~1.5㎜×幅0.8~1.4㎜、2室。花柱は膝状関節のあり(geniculate) 、真っすぐになり、緑色、長さ(2~)2.5~4.5㎜。下半部に直軟毛又は絨毛があり、1㎜以下突き出る。柱頭は緑色、頭状、直径、0.1~0.4㎜。果実は液果、紫色~黒色、又は表皮(cuticles)が半透明のときに黄緑色、球形~広卵形、直径5~9㎜、基部には先の尖った三角形の咢片がつく。やがて果柄と一緒に落ち、しばしば裂けて開き、一方では残ったままである。種子は果実に63個以下、黄色~黄褐色、倒卵形、長さ1.4~2㎜×幅1.1~1.6㎜。球状顆粒がしばしば1~5個あり、直径 0.5~0.7㎜。(Flora of Tropical East Africa. 2012[FTEA])
普通、直立~広がり、1年草~短命の多年草。普通、多数、分枝し、枝が斜上し、高さ(15)20~50(70) ㎝。ときに帯赤色や紫色を帯び、絨毛があり、単純毛、毛は真っすぐ又は曲がり、腺が有又は無。枝は円柱形、ときにやや角(かど) があり、絨毛があり、毛は開出し、ほとんどが腺毛である(しばしば、土や砂をかみ、褐色になる)。葉は単生、ときに対につき、葉柄は長さ0.3~6.8㎝、±角(かど)がある。葉身は長さ1.3~9㎝×幅0.7~6.2㎝、広卵形~狭卵形、基部はほぼ切形~円形~くさび形、斜めで、±葉柄に沿下し、先は鋭形又は鈍形、±尖鋭形、全縁~波状に分裂し、両面に絨毛があるかほぼ無毛。花序は集散花序、側生、分枝せず、類散形花序又は類散形花序状~集散花序状、花が2~6個つく。花序柄は長さ0.4~1.7㎝、細く、斜上し、果時に長く、2.8㎝以下になる。花序軸は広がり又は下向きに曲がり、節間は明瞭又は不明瞭。花柄は長さ2~6㎜、細く、粗毛があり、果時に斜上し、11㎜まで長くなり、普通、顕著に反曲する。子房は直径約1㎜、ほぼ球形又は楕円形、無毛。花柱は長さ2~3.2㎜、真っすぐ又は不明瞭なS字形、葯の先端の高さ又は1㎜以下突き出る。果実は紫色~黒色、直径6~8㎜、ほぼ球形又は楕円形、球状顆粒は無く、毒性がある。(Flora Zambesiaca.2005 )
直立~付録広がり、1年草~短命の多年草、普通、多数、分枝し、斜上する枝をもち、高さ (15)20~50(70) ㎝、ときに、帯赤色又は紫色を帯び、絨毛が単純毛、真っすぐ又は曲がり、腺毛は有又は無。咢は長さ1~2.5㎜、鐘形又は漏斗形、果時に4㎜まで伸び、平らになり、やがて反曲する。咢片は長さ0.3~2.3㎜×幅0.3~1㎜、±反楕円形~鈍いデルタ形、鋭形又は鈍形、±尖鋭形、まばら~中位に軟毛があり、果時に大きく長さ3×幅2.5㎜までになり、後屈する。花冠は白色又はクリーム色、ときに紫色又は藤色(mauve)を帯び、幅(4)5~8㎜、車形又は星形。花冠裂片は長さ(1)1.5~3.5㎜×幅(0.8)1.2~2.2㎜、±広三角形~狭三角形、鈍形又は鋭形、外側に微軟毛がある。雄しべは花糸が長さ0.5~1㎜。葯は長さ(1.3)1.5~2㎜。雌しべは子房が直径約1㎜、ほぼ球形又は楕円形、無毛。花柱は長さ2~3.2㎜、真っすぐ又は不明瞭なS字形、葯の先端の高さ又は1㎜以下突き出る。種子は薄褐黄色で紫色を帯び、長さ(1.3)1.8~2.3㎜×幅1.3~1.5㎜、 ±倒卵形、全体に穴がある。 2n=48.。
Solanum scabrum Miller
Solanum memphiticum J.F.Gmel.
Black nightshades. Solanum nigrum L. and related species.
Jennifer M. Edmonds , James A. Chweya
U.S. National Library of Medicine
revision of the Old World Black Nightshades
(Morelloid clade of Solanum L., Solanaceae)
A revision of the Old World Black Nightshades
(Morelloid clade of Solanum L., Solanaceae)
Solanum memphiticum Mart. Page 47 (Text) 1857
今回の調査で見つかったアメリカイヌホオズキとテリミノイヌホオズキの中間型は次のとおりである。花はアメリカイヌホオズキに似て淡紫色を帯び、全体の外観はアメリカイヌホオズキに近い。果実はテリミノイヌホオズキのように早く熟さないが、大きくて光沢が強い。果実の種子数と球状顆粒数が両者の中間である。球状顆粒数は5又は6個が多いが、ときおり、2~4個のものが混じる。種子は色がアメリカイヌホオズキに似て、大きさや形がテリミノホオズキに近い。花序の花数は4~5個が多く、3、6個がときどきあり、2個は少ない。花序の花数も1個程度多いだけであり、球状顆粒が少ないものを見落とす可能性も高く、アメリカイヌホオズキと混同しやすいものと考えられる。アメリカイヌホオズキは葉が薄い緑色であり、厚さが非常に薄いことも相違点である。茎や葉が紫色を帯びるが、イヌホオズキやテリミノイヌホオズキでも紫色を帯びることがあり、この点ではテリミノイヌホオズキに近い。
ムラサキイヌホオズキは誤りと思われていることが多い不確定な種であるが、今回調査のこの中間型がムラサキイヌホオズキと呼ばれているものに近いものと思われる。葉が大きく、葉柄が長いことが最大の相違点である。日当たりのよい場所では葉身の長さ3~5.5㎝、幅1.5~3.5㎝、葉柄長さ1~3㎝と大きな相違はないが、湿気が多い場所や、畑の中では全体に大きく、大きい葉は長さ9㎝、幅5.5㎝、葉柄の長さが5㎝あった。全体に紫色を帯び、花や果実は合致し、外観があまりにも似ている。参考にムラサキイヌホオズキの解説の抜粋を示す。果実中の球状顆粒や種子数が明らかにされたものがないため確定できないが、他にあてはまりそうなものがなく、アメリカイヌホオズキでもテリミノイヌホオズキでもないこの中間型をムラサキイヌホオズキと呼ぶことにする。この中間型をムラサキイヌホオズキとすると、Solanum memphiticum J.F.Gmel. にかなり近いかもしれない。
アメリカイヌホオズキ
Solanum ptycanthum
|
テリミノイヌホオズキ Solanum americanum,
|
Solanum memphiticum J.F.Gmel.
|
実測値 | ||
---|---|---|---|---|---|
アメリカイヌホオズキ | ムラサキイヌホオズキ | ||||
花序の花 個 | 普通2~5 | 4~12 | 3~6 | 1~5 | 2~6 |
花径 ㎜ | 約9~15 [4~10] |
3~12 | 8~15 | 6~12 | 6~12 |
花柱 ㎜ | (2~3) | 2~4 | (2~)2.5~4.5 | 2.1~2.8 | 2.0~2.5 |
葯 ㎜ | (1)1.3~2 | 1~2.2 | 1~2(~2.5) | 1.4~1.6 | 1.2~18 |
果実光沢 | (やや鈍) | 強 | やや鈍 | 強/有 | |
果径 ㎜ | 5~9 [5~12] |
4~8 | 5~9 | 5~8.5 | 6~9 |
種子数 個 | (60~120) | 30~100 | ~65 | 12~118 | 13~87 |
種子長 ㎜ | (1~1.3) | 1~1.8 | 1.4~2 | 1.2~1.5 | 1.3~1.8 |
球状顆粒 個 | 4~8 [4~15] |
0~5 | 1~5 | 4~6 | 2~6 |
[]内はVirginia Tech Weed のデータ、()内は神奈川県植物誌のデータ
※テリミノイヌホオズキは既存3データの最大幅
関係種の解説
1 ムラサキイヌホオズキ Solanum memphiticum Mart南アメリカ原産1年草。高さ30~60㎝。茎は多数、分枝し、紫色を帯び、稜があり、曲がった短い剛毛がまばらに生える。葉は互生し、葉柄は 長さ5~20㎜、葉身は長さ3~5㎝、幅1~2.5㎝の楕円形、葉先はやや鈍く基部は鋭形、葉縁は不明 瞭な波状鋸歯。散形花序に2~5個の花をつける。花は淡青紫色で小さい。萼は浅く5裂し、長さ約2㎜。果実は直径約9㎜、黒色に熟す。(平凡社・日本の野生植物)
2 Solanum furcatum Dunal. (South American black nightshade , Forked nightshade)
葉が深く裂ける。刺がない。テリミノイヌホオズキやイヌホオズキに似るが直径15~20㎜の大きな花と長さ2.3~3.3㎜の葯をもつ。最も大きな花序は2つの明瞭な散状花序をもち、花柄は長さ10~25㎜、小花柄は約10㎜。果実は直径6~9㎜、黒紫色。種子は長さ約2㎜。球状顆粒(Stone-cell granules) が10個以上。(解説の例は32個)ある。南アメリカから合衆国西海岸やオーストラリアの東海岸に移入した。2n=72。
3 Solanum muricatum Aiton
synonym Solanum scabrum Lam. not Mill.
synonym Solanum memphiticum Mart.nom. illeg
Type locality: "Isle de France" [Mauritius] . (1814:63),
non Solanum memphiticum J.F.Gmel)
南アメリカ(コロンビア、エクアドル、ペルー)原産。英名はpepino。スペイン語名はPepino silvestre, pepino, pepinito redondo, pepino dulce, pepino morado。
果実を食用として栽培されている。果実は長さ約10㎝×幅約6㎝と大形。
4 Solanum scabrum Miller
synonym Solanum nigrum var. guineense L.
synonym Solanum memphiticum Mart., Pl. Hort. Erlang. 63. 1814, nom. illeg.,
not Solanum memphiticum J.F.Gmel. (1791) Type. Cultivated in Erlangen, Bavaria, Germany,
origins not known (no specimens cited; no original material located, possibly at ER?).
アフリカ原産。英名はgarden huckleberry。アフリカ、中国などでで葉を食用とする野菜として栽培されている。中国名は木龙葵 mu long kui。
1年草又は短命の多年草。高さ1m以下。無毛になるかまばらに軟毛がある。茎は直立、しばしば角(かど)があり、小枝には軟毛があり、無毛になる。葉柄は長さ4~7㎜。葉身は広卵形、菱形、又は円く、しばしば幅が広く、長さ2~10(~12)㎝×幅2~6 (~7)㎝、無毛になるか、又は軟毛があり、基部はくさび形、沿下し、縁は全縁、波状、又は控えめに歯があり、先は鋭形。花序は腋外生、類散形花序。花序柄は不分枝、長さ1~2.5㎝。花柄は長さ5~10㎜、軟毛がある。咢は杯形、直径約2㎜、外面に微軟毛がある。咢片はデルタ状卵形、長さ約0.5㎜、縁毛がある。花冠は白色、直径約1㎝、花冠裂片は卵形、長さ2.5~5㎜、外側に軟毛がある。花糸は短い。葯は長円形、長さ2~4㎜。花柱は長さ約3㎜、直軟毛がある。果時の花柄は反屈する。果時の咢は後屈する。 液果は紫黒色、ときに光沢があり、球形、直径5~10㎜。種子は円盤形、直径0.8~1㎜。花期と果期は通年。(Flora of China)
5 Solanum memphiticum J.F.Gmel
アフリカ、アジア南西部原産。
synonym Solanum grossedentatum A.Rich.
1年草又は多年草、高さ1m以下、直立、斜上、又は傾伏し、密に枝があり、しばしば、木質の基部又は塊根から生じる。茎はしばしば、薄緑色、密に粘り、淡色の長い開出する腺毛と短い腺の無い毛が混じり、しばしば、土がついて帯褐色に見える。葉は普通、薄緑色、卵形、菱形又は披針形、長さ2.5~6(~10.5㎝×幅1.5~3.6(~7)㎝、基部は切形で茎に沿下し、縁は波状歯~欠刻状、多数の小さな、鈍形~鋭形の裂片をもつが、上部の葉はときに、全縁~波状、先は鋭形~鈍形、表面は絨毛があり、毛は茎と同じ。葉柄は長さ(1~)2~3.5(~5)㎝。花序は腋外生(extra-axillary)、単純、花時に散形花序、ときに果時に緩い直立の集散花序になり、花は3~5(~6)個。花序柄は花時に直立、長さ0.7~1.9㎝、果時に長さ1.1~2.2(~3.5)㎝。花序柄は花時に後屈し、長さ5~9㎜、果時に長さ9~13㎜、軸に密に絨毛がある。咢は鐘形、長さ2~3.5(~4)㎜、外側に密に絨毛があり、特に咢片の縁に多い。咢片はへら形~倒卵形、長さ0.8~2㎜×幅0.3~0.9㎜、果時に大きく、三角形で長さ2.2~4(~5.5)㎜×幅1.5~3㎜になり、果実の基部から後屈してつく。花冠は白色、基部が半透明の黄色又は黄緑色の星形があり、ときに脈~裂片が紫色になり、星形、直径8~15㎜。花冠筒部は長さ1~1.3㎜。花冠裂片は卵形~三角形、長さ2.5~4(~5)㎜×幅1.2~2.8(~3.5)㎜、外面に絨毛があり、花後に開出する。花糸は薄緑色、長さ0.5~1(~1.5)㎜、無毛。葯は黄色、長さ1~2(~2.5)㎜×幅0.5~0.8㎜。子房は緑色、長さ0.8~1.5㎜×幅0.8~1.4㎜、2室。花柱は膝状関節のあり(geniculate) 、真っすぐになり、緑色、長さ(2~)2.5~4.5㎜。下半部に直軟毛又は絨毛があり、1㎜以下突き出る。柱頭は緑色、頭状、直径、0.1~0.4㎜。果実は液果、紫色~黒色、又は表皮(cuticles)が半透明のときに黄緑色、球形~広卵形、直径5~9㎜、基部には先の尖った三角形の咢片がつく。やがて果柄と一緒に落ち、しばしば裂けて開き、一方では残ったままである。種子は果実に63個以下、黄色~黄褐色、倒卵形、長さ1.4~2㎜×幅1.1~1.6㎜。球状顆粒がしばしば1~5個あり、直径 0.5~0.7㎜。(Flora of Tropical East Africa. 2012[FTEA])
普通、直立~広がり、1年草~短命の多年草。普通、多数、分枝し、枝が斜上し、高さ(15)20~50(70) ㎝。ときに帯赤色や紫色を帯び、絨毛があり、単純毛、毛は真っすぐ又は曲がり、腺が有又は無。枝は円柱形、ときにやや角(かど) があり、絨毛があり、毛は開出し、ほとんどが腺毛である(しばしば、土や砂をかみ、褐色になる)。葉は単生、ときに対につき、葉柄は長さ0.3~6.8㎝、±角(かど)がある。葉身は長さ1.3~9㎝×幅0.7~6.2㎝、広卵形~狭卵形、基部はほぼ切形~円形~くさび形、斜めで、±葉柄に沿下し、先は鋭形又は鈍形、±尖鋭形、全縁~波状に分裂し、両面に絨毛があるかほぼ無毛。花序は集散花序、側生、分枝せず、類散形花序又は類散形花序状~集散花序状、花が2~6個つく。花序柄は長さ0.4~1.7㎝、細く、斜上し、果時に長く、2.8㎝以下になる。花序軸は広がり又は下向きに曲がり、節間は明瞭又は不明瞭。花柄は長さ2~6㎜、細く、粗毛があり、果時に斜上し、11㎜まで長くなり、普通、顕著に反曲する。子房は直径約1㎜、ほぼ球形又は楕円形、無毛。花柱は長さ2~3.2㎜、真っすぐ又は不明瞭なS字形、葯の先端の高さ又は1㎜以下突き出る。果実は紫色~黒色、直径6~8㎜、ほぼ球形又は楕円形、球状顆粒は無く、毒性がある。(Flora Zambesiaca.2005 )
直立~付録広がり、1年草~短命の多年草、普通、多数、分枝し、斜上する枝をもち、高さ (15)20~50(70) ㎝、ときに、帯赤色又は紫色を帯び、絨毛が単純毛、真っすぐ又は曲がり、腺毛は有又は無。咢は長さ1~2.5㎜、鐘形又は漏斗形、果時に4㎜まで伸び、平らになり、やがて反曲する。咢片は長さ0.3~2.3㎜×幅0.3~1㎜、±反楕円形~鈍いデルタ形、鋭形又は鈍形、±尖鋭形、まばら~中位に軟毛があり、果時に大きく長さ3×幅2.5㎜までになり、後屈する。花冠は白色又はクリーム色、ときに紫色又は藤色(mauve)を帯び、幅(4)5~8㎜、車形又は星形。花冠裂片は長さ(1)1.5~3.5㎜×幅(0.8)1.2~2.2㎜、±広三角形~狭三角形、鈍形又は鋭形、外側に微軟毛がある。雄しべは花糸が長さ0.5~1㎜。葯は長さ(1.3)1.5~2㎜。雌しべは子房が直径約1㎜、ほぼ球形又は楕円形、無毛。花柱は長さ2~3.2㎜、真っすぐ又は不明瞭なS字形、葯の先端の高さ又は1㎜以下突き出る。種子は薄褐黄色で紫色を帯び、長さ(1.3)1.8~2.3㎜×幅1.3~1.5㎜、 ±倒卵形、全体に穴がある。 2n=48.。
アメリカイヌホオズキ | ムラサキイヌホオズキ |
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参考
1) Flora of ChinaSolanum scabrum Miller
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200020602
2) Kew ScienceSolanum memphiticum J.F.Gmel.
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:820062-1
Solanum scabrum
http://www.plantsoftheworldonline.org/?q=Solanum+scabrum
3) International Plant Genetic Resources Institute 1997Black nightshades. Solanum nigrum L. and related species.
Jennifer M. Edmonds , James A. Chweya
https://www.researchgate.net/publication/244993287_Black_nightshades_Solanum_nigrum_L_and_related_species
4) National Center for Biotechnology Information, U.S. National Library of Medicine
revision of the Old World Black Nightshades
(Morelloid clade of Solanum L., Solanaceae)
http://mikawanoyasou.org/
5) Phytokeys 106 :1-223A revision of the Old World Black Nightshades
(Morelloid clade of Solanum L., Solanaceae)
https://phytokeys.pensoft.net/article/21991/
6) BHL Contributed by Missouri Botanical Garden, Peter H. Raven LibrarySolanum memphiticum Mart. Page 47 (Text) 1857
https://www.biodiversitylibrary.org/page/159527#page/53/mode/1up