ムカゴトラノオ 珠芽虎尾

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Flora of Mikawa

タデ科 Polygonaceae イブキトラノオ属

別 名 コモチトラノオ
中国名 珠芽拳参 zhu ya quan shen
英 名 alpine bistort
学 名 Bistorta vivipara (L.) Gray
 synonym Persicaria vivipara (L.) Ronse Decr.
 synonym Polygonum viviparum L.
ムカゴトラノオの花
ムカゴトラノオの花
ムカゴトラノオ
花 期 7~9月
高 さ 15~60㎝
生活型 多年草
生育場所 亜高山~高山の草地、林縁
分 布 在来種  日本(北海道、本州の中部地方以北)、中国、朝鮮、モンゴル、ロシア、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、タイ、中央アジア、コーカサス、ヨーロッパ、北アメリカ原産
撮 影 千畳敷  06.8.8
タデ科イブキトラノオ属の多年草。よく似たイブキトラノオはムカゴがつかない。
 多年草、高さ15~60㎝。根茎は黒色~褐色、曲がって、大きく、直径1~2㎝。茎は2~3本直立する。葉身は全縁、長さ2~13㎝、幅0.5~3㎝の線形~卵状披針形又は惰円形、基部は楔形~円形、先が尖る。葉裏は白緑色。茎葉は2~4個つき、無柄。下部の葉は長さ0.8~6㎝の葉柄がある。托葉鞘は長さ0.3~1㎝、先は斜形、縁毛はない。花序は長さ1~8㎝、幅4~10㎜の穂状、花序の柄は長さ1~5㎝。花序の上半部は花がつき、下半部にムカゴがつく。花被は幅1~2㎜、緑色を帯び、先が白色~ピンク。花被片は長さ2.1~4㎜の卵形。雄しべは8個、葯は赤色~紫色を帯びる。花柱3個。小花柄は長さ2~5㎜。ムカゴは長さ3~4㎜の卵形、先が尖る。痩果は普通はできない。稀にできるものは3稜形、長さ2~3㎜、暗褐色。花期は7~9月。2n=96, 120。
 Bistorta viviparaは細胞学的、形態学的に変化が多い。果実が普通できず、ムカゴができ、主に無性生殖である。2n=66, 約77, 約80, 88, 99, 約100, 110, 120, 約132という報告もある。
1-1 Bistorta vivipara var.vivipara ムカゴトラノオ 珠芽虎尾 狭義
  synonym Polygonum viviparum var. viviparum
 葉身は長円形~卵状披針形、長さ3~10㎝×幅0.5~3㎝。花序の節に2個の花がつく。

1-2 Bistorta vivipara (L.) Delarbre f. roessleri (G.Beck) Kitag. ウラゲムカゴトラノオ 裏毛珠芽虎尾

  synonym Bistorta vivipara (L.) Gray var. roessleri (G.Beck) F.Maek.
1-3 Polygonum viviparum var. tenuifolium Y. L. Liu
  synonym Polygonum tenuifolium H.W. Kung
  synonym Bistorta tenuifolia (H.W.Kung) Miyam. & H.Ohba
 中国、チベット、ネパールに分布。中国名は细叶珠芽拳参 xi ye zhu ya quan shen。
 葉身は線形、幅2~3㎜。本種はBistorta vivipara に近似するが、 根出葉が線形となること、 花序の節に1個の花を生じること(基本種のvar. viviparumは各節に2個)、葉が披針形または楕円形となることで明らかに区別できる。