ミゾハコベ 溝繁縷

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Flora of Mikawa

ミゾハコベ科 Elatinaceae ミゾハコベ属

英 名 threestamen waterwort
中国名 三蕊沟繁缕 san rui gou fan lü
学 名 Elatine triandra Schkuhr
 synonym Elatine triandra Schkuhr var. pedicellata Krylov
 synonym Elatine triandra Schkuhr var. triandra
ミゾハコベ2
ミゾハコベの花
ミゾハコベ横から
ミゾハコベ茎
ミゾハコベ根
ミゾハコベ水中
ミゾハコベ葉表裏
花 期 6~9月
高 さ 3~10㎝(水中を這う)
生活型 1年草
生育場所 水田、水路、溝
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、沖縄、
撮 影 幡豆町 06.8.5
水田雑草であるが、開発などにより生息環境が減り、少なくなっている。時には完全に沈水状態でも生育する。水田では水が抜かれた頃、地に伏して花をつける。葉に光沢があり、見つけやすい。水中では閉鎖花となる。北半球に広く分布する。
 花柄のあるものの学名を var. pedicellata Krylov.とし、花柄がないものをイヌミゾハコベ var. triandra と2変種に分けることもある。
 地面を這って茎を分岐して広がり、茎は円柱状。葉は対生し、長さ2~10㎜、幅1.5~3㎜の披針形~狭卵形、全縁、鈍頭。側脈が2~4対あるが見えにくい。花は直径約1㎜、淡紅色、葉腋に単生する。花柄は長さ1~2.5㎜又は無柄。萼片3個、長さ0.5~0.7㎜、卵形、鈍頭。花弁は3個、惰円形、鈍頭、長さは萼よりやや長い。雄しべ3個。花柱3個。蒴果は直径1~1.5(2)㎜の扁球形。種子は長さ約0.5㎜の曲がった両端の丸い円柱形(バナナ形)、表面に格子紋がある。
 同じ水中に生えるミズハコベと名がよく似ていて混同しやすいが、葉の形も、花も全く異なる。

ミゾハコベ属

  family Elatinaceae - genus Elatine

 1年草、水生。 茎は平伏し、細く、節から発根する。葉は対生または輪生し、短い葉柄がある。葉身は小さく、縁は普通、全縁。花は普通、各節に1個だけつき、非常に小さい。萼片は2~4個、基部で統合し、膜質、先はほぼ鋭形。花弁は2~4個、萼片より長く、先は鈍形。雄しべは花弁の数の1または2倍。子房は扁球形、2~4室、先は切形、胚珠は多数。花柱は2~4本。柱頭は頭状。蒴果は膜質、2~4胞間裂開する。種子は真っ直ぐ~曲がり、または馬蹄形、表面は網目・条線があり、六角形または楕円形の穴がある。x=9。
 世界に約25種あり、熱帯、亜熱帯、温帯地域に分布する。

ミゾハコベ属の主な種と園芸品種

1 Elatine hydropiper L.  シベリアミゾハコベ
  synonym Elatine spathulata Gorski
 ロシア、ヨーロッパ原産。中国名は马蹄沟繁缕 ma ti gou fan lü。英名はeight-stamened waterwort。池、川岸の水中、湿地に生える。
 1年草。高さ2~4cm。枝は斜羽する。葉は対生。托葉は小さく、わずかに明瞭。茎の上部の葉柄は短く、下部の葉柄は長い。葉身は長円形、長円状楕円形、またはほぼへら形、長さ2~5㎜×幅約0.5mm、基部は葉柄に漸尖し、縁は全縁、先は鈍形。花は葉腋に単生、ほぼ無柄または非常に短い小花柄がある。萼片は4個、長円形、長さ0.6~7(~0.9)mm×幅約0.3mm、先は円形。花弁は4個、倒卵形または広楕円形、長さ0.8~1mm×幅約0.4mm、萼片よりわずかに長く、幅が広く、先は円形。雄しべは8本、花弁より短い。子房は4室。花柱は4本。蒴果は扁球形、直径約2mm、4胞間裂開する。種子は馬蹄形、長さ0.5~0.7mm、細かい密な六角形の網状条線がある。

2 Elatine triandra Schkuhr  ミゾハコベ 広義
  synonym Elatine ambigua Wight
 日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、ネパール、フィリピン。 オーストラリア、ヨーロッパ、北アメリカ、太平洋諸島(ニュージーランド)原産。中国名は三蕊沟繁缕 san rui gou fan lü。池、小川、水田、湿地に生える。
 1年草、高さ2~10㎝。茎は豊富に枝分かれし、円柱形、弱く、節間が短い。葉は対生する。托葉は早落性、三角形または卵状披針形、長さ0.7~1mm、膜質、咲きは鋭形。葉柄は長さ0.5~3mmまたは無い。葉身は卵状長円形または披針形~線状披針形、長さ3~10㎜×幅1.5~3mm、ほぼ膜質、上面は無毛、基部が漸尖し、縁は全縁、先は鈍形。側脈は2~3対、小さい。花は腋生、単生、無柄、ほぼ無柄、または短い小花柄があり、果時には小花柄が長さ0.3~0.4mmになる。萼片は2~3個、卵形、長さ0.5(~0.7)mm、基部で合着し、先は鈍形。花弁は3個、白色または帯赤色、広卵形または楕円形、萼片よりわずかに長い。雄しべ3本、花弁より短い。子房は扁球形、3室。花柱は3本、直立し、分離、短い。蒴果は扁球形、直径1~1.5㎜、3胞間裂開する。種子は長円形、ほぼ真っ直ぐまたはわずかに曲がり、長さ約0.5㎜、細かく密に六角形の網状条線がある。
2-1 Elatine triandra Schkuhr var. triandra  イヌミゾハコベ 
  synonym Elatine oryzetorum Kom.
 別名はタイワンミゾハコベ。花柄がないもの。
2-2 Elatine triandra Schkuhr var. pedicellata Krylov  ミゾハコベ 
 花柄のあるもの。

参考

1) Flora of China
 Elatine
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=111398
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Elatine
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:14507-1
3) World Flora Online
 Elatine
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000012430
4) Flora of North America
 Elatine
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=111398