ミチヤナギ 道柳

mark

Flora of Mikawa

タデ科 Polygonaceae ミチヤナギ属

別 名 ニワヤナギ 庭柳
中国名

萹蓄 bian xu

英 名 common knotgrass, prostrate knotweed
学 名 Polygonum aviculare L.
ミチヤナギの花序
ミチヤナギの花
ミチヤナギの花
ミチヤナギの花被に包まれた果実
ミチヤナギ
ミチヤナギ葉表
ミチヤナギ葉裏
ミチヤナギ果実
花 期 5~10月
高 さ 10~40㎝
生活型 1年草
生育場所 畑地、荒地、道端
分 布 在来種 日本全土、ユーラシア
撮 影 幸田町 09.5.15
茎は緑色、硬く、よく分枝し、這い又は斜上する。葉は互生し、長さ12~35㎜、幅3~12㎜の線状長楕円形、やや鈍頭、上部の葉はやや小さい。葉の基部には膜質の托葉鞘があり、2深裂する。花は直径約4㎜、葉腋に束生し、花被は5個まれに6個に中裂する。花被片の内面は白色、中心部が緑色。外面は縁の淡紅色を除いてほぼ緑色、蕾の縁は淡紅色。雄しべ6~8個、雌しべ1個。痩果は花被から突き出ず、花披に包まれて大きくなり、褐色になった花被に包まれたまま、完熟して落ちる。痩果は長さ2.5~3㎜、黒褐色3稜形、光沢はない。痩果の断面は1面の幅が狭いことも多い。2n=60。
 オオミチヤナギは全体が大きい変種で、茎の上部につく葉もほとんど小さくならず、痩果は長さ3~3.5㎜。
 秋だけに咲き、海岸に多いアキノミチヤナギは葉が鋭頭、托葉鞘が赤色を帯びる。痩果は長さ3~4㎜、淡色で花被から突き出るもの(大形)と濃色で突き出ないもの(小形)とが混在する。
 ハイミチヤナギ Polygonum arenastrum は葉が長さ20㎜以下と小さく、葉の幅が狭い。また痩果は1面が狭くてやや凹んだ3稜形。ミチヤナギも茎が這い、節間が短く、葉が小さいことも多い。

ミチヤナギ属

  family Polygonaceae - genus Polygonum

 1年草( P. striatulumは多年草)、低木、亜低木、異形葉非形成(homophyllous)又は異形葉(heterophyllous)、ときに異形果実形成(heterocarpic)。根はひげ根又は木質。茎は平伏~直立、無毛、平滑又はときに、パピラ状微細突起がある(papillous-scabridulous)。葉は茎葉、互生(P. humifusumは対生)、葉柄は有又は無。托葉鞘は上部では宿存し、しばしば、透明、白色又は銀色、2裂、紙質、無毛、崩壊して繊維状になり又は完全に崩壊する。葉柄は基部に関節があり、托葉鞘が有又は無。葉身は線形、披針形、楕円形、卵形、又は類円形、全縁。花序は腋生と腋生及び頂生、穂状花序状又は花が単生。花序柄は無い。花柄は有又は無。花は両性、鞘状の苞(ocreate fascicle)ごとに、花が1~7(~10)個、基部は柄状にならない。花被は花後に大きくならず、白色~緑白色~ピンク色、鐘形~つぼ形無毛。花被片は5個、長さの3~70%が合着し、花弁状又は咢片状、1形又はまれに、2形。内側の花被片は普通、平ら、外側の花被片は平ら又はときに、竜骨があり、上部は僧帽形になり、ときに内側の花被片と長さが異なる。雄しべは3~8個(仮雄しべに変わるものもある)。花糸は分離、又は花被の筒部につき、無毛。葯は白黄色、ピンク色、紫色又は橙ピンク色、楕円形~長円形。花柱は(2~)3個、ほとんどが開出し、分離又は下部が合着する。花柱は2~3個、頭状。痩果は包まれ又は突き出し、黄緑色、褐色又は黒色、翼は無く、(2~)3稜形、無毛。種子は胚が曲がる。x = 10。
 世界に約164種あり、ほぼ全世界に分布する。
 旧タデ属Polygonumは約400種以上を含む大きな属であったが、Hedberg (1946) 以来、多くの研究者により分割され、Polygonumは現在ではミチヤナギ属と呼ばれる。タデ属がなくなり、ソバカズラ属(Fallopia)12種 、イタドリ属(Reynoutria)6種、ミチヤナギ属(Polygonum)164種、ソバ属(Fagopyrum)30種、チシマミチヤナギ属(Koenigia)35種、イブキトラノオ属(Bistorta)43種、イヌタデ属(Persicaria)132種に分割された。オンタデ属(Aconogonon)はチシマミチヤナギ属(Koenigia)に合併された。

ミチヤナギ属の主な種と園芸品種

1 Polygonum ajanense (Regel & Tiling) Grigorjev ヒメイワタデ 姫岩蓼
  synonym Aconogonon ajanense (Regel et Tiling) H.Hara [YList]
  synonym Pleuropteropyrum ajanense (Regel & Tiling) Nakai
 日本(北海道)、朝鮮、中国(内モンゴル)、ロシア原産。中国名は阿扬神血宁 a yang shen xue ning 。別名はチシマヒメイワタデ。標高約600mの芝生の斜面に生える。
 多年草。 茎は直立し、高さ30~40cmになり、根元から分枝する。葉柄は非常に短い。葉身は披針形または広披針形、長さ3~5(~7)㎝×幅0.7~1.5㎝、両面または下面に剛毛があり、基部は広楔形、縁は全縁、縁毛があり、先は鋭形。托葉鞘は筒状、膜質、直軟毛があるか、または無毛。花序は円錐花序、広がり、緩い。苞は卵形、毛があるかまたは無毛で、それぞれ1個または2個の花がつく。小花柄は長さ2~2.5㎜、先に関節がある。花被は白色またはピンク色で、5深裂する。花被片は楕円形、長さ2.5~3㎜。 雄しべは8本、突き出ない。葯は黄色。花柱は3本。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、褐色、わずかに光沢があり、卵形、三稜形。花期は7~8月。果期は8~9月。

2 Polygonum arenastrum Boreau ハイミチヤナギ 這道柳
  synonym Polygonum planum Skvortsov
  synonym Polygonum polyneuron Franchet & Savatier

  synonym Polygonum prostratum Skvortsov (1943), not R. Brown (1810), nor Roxburgh ex D. Don (1825).

  synonym Polygonum aequale Lindm.

  synonym Polygonum aviculare subsp. aequale (Lindm.) Asch. & Graebn

  synonym Polygonum aviculare subsp. calcatum (Lindm.) Thell.
 日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。オーストラリアなど、世界中に広く帰化。中国名は伏地萹蓄 fu di bian xu 。英名はequal-leaved knotgrass , common knotweed , prostrate knotweed , mat grass , oval-leaf knotweed , stone grass, wiregrass , door weed。
 1年草。茎は傾伏又は斜上、高さ15~30㎝、基部から分枝する。葉柄は短く、基部に関節がある。葉身は楕円形又は倒披針形、長さ0.5~2㎝×幅2~5㎜、両面に目立つ脈があり、基部は狭い楔形、縁は全縁、先は普通、鈍形。托葉鞘は白色、長さ2~3㎜、膜質、5~7脈があり、引き裂かれる。花は腋生、3~5個、束生する。苞は狭卵形、先は鋭形。花柄は先に関節がある。花被は緑色、1/2まで5裂し、脈があり、縁は白色。花被片は長円形。雄しべは8個。花糸は基部で広がる。花柱は3個、ごく短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、暗褐色、光沢は無く、狭卵形、3稜形、まれに両凸面形、長さ2~2.5㎜、密に小さな顆粒状の条線がある。花期は6~8月。果期は7~9月。2n=40, 60。

3 Polygonum argyrocoleon Steud. ex Kunze ヌカボミチヤナギ 糠穂道柳
  synonym Polygonum ramuliflorum Kitag.
 中国、モンゴル、ロシア、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、アジア南西部。中国名は帚萹蓄 zhou bian xu 。湿地帯、小川に生える。北アメリカ、オーストラリアなどに帰化し、日本でも確認されている。
 1年草。茎は直立し、高さ50~80㎝、無毛、角張り、よく分枝する。 枝は斜上し、ほうき状になり(fastigiate)、節は膨らみ、節間は長さ3~5㎝。葉は落葉性。葉柄は短く、基部に明瞭な関節がある。葉身は普通、早落性、披針形~線状披針形、長さ1.5~4㎝×幅6~8㎜、両面に目立つ脈があり、基部は狭い楔形、先は鋭形。托葉鞘(ocrea)は下部が褐色、上部が白色、筒状、膜質、6~8脈があり、先は切り裂かれる(lacerate)。 花序は頂生、穂状花序、花序は断続的。小花柄は細く、先に関節がある。花被は緑色、縁は帯ピンク色~白色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ約2㎜。 雄しべは7~8本、基部で幅が広くなる。花柱は3本。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に含まれ、褐色、光沢があり、卵形、三稜形、長さ2~2.5㎜、平滑。花期は6~7月。花期は7~8月。

4 Polygonum aviculare L.  ミチヤナギ [広義]
 北半球の温帯に広く分布。中国名は萹蓄 bian xu 。英名はdoorweed , English knotgrass , knotgrass , knotweed , prostrate knotweed , wireweed , prostrate knotweed
 1年草。茎は平伏、斜上、又は直立、高さ10~40㎝、基部から多数分枝する。葉柄は短~無柄に近く、基部に関節がある。葉身は披針形~狭楕円形、長さ1~4㎝×幅3~12㎜、両面とも無毛、中脈と側脈は目立ち、基部は楔形、全縁、先は鋭形~鈍形に近い。托葉鞘は下部が褐色、上部は白色、又は褐色、膜質、脈があり、先は切り裂かれる。花は1~5個、腋生。苞は薄い膜質。花柄は細く、先に関節がある。花被は緑色、縁は白色~帯ピンク色、2/3~3/4まで5裂する。花被片は楕円形、長さ2~2.5㎜。雄しべは8本、花糸は基部で幅が広がる。花柱は3個、分離、短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ又はわずかに突き出し、黒褐色、斜め、3稜形、長さ2.5~3㎜、微細な顆粒状の条線がある。花期は5~7月。果期は7~8月。2n= 40, 60。
4-1 Polygonum aviculare L. subsp. aviculare ミチヤナギ 道柳
  synonym Polygonum aviculare L. var. vegetum Ledeb オオミチヤナギ
  synonym Polygonum heterophyllum Lindm. 
  synonym Polygonum caducifolium Vorosch. ウシオミチヤナギ 潮道柳
 ヨーロッパ、北アメリカ原産。英名はcommon knotweed , prostrate knotweed。中国名は萹蓄 bian xu。別名はニワヤナギ 庭柳
  1年草、高さ10~40㎝。茎は緑色、硬く、よく分枝し、這い又は斜上する。葉は互生し、長さ12~35㎜、幅3~12㎜の線状長楕円形、やや鈍頭、上部の葉はやや小さい。葉の基部には膜質の托葉鞘があり、2深裂する。花は直径約4㎜、葉腋に束生し、花被は5個まれに6個に中裂する。花被片の内面は白色、中心部が緑色。外面は縁の淡紅色を除いてほぼ緑色、蕾の縁は淡紅色。雄しべ6~8個、雌しべ1個。痩果は花被から突き出ず、花披に包まれて大きくなり、褐色になった花被に包まれたまま、完熟して落ちる。痩果は長さ2.5~3㎜、黒褐色3稜形、光沢はない。痩果の断面は1面の幅が狭いことも多い。花期は5~10月。2n=60
※ オオミチヤナギはミチヤナギより全体が一層、粗剛であり、葉は一層、幅広く、3cmに達し、茎葉は苞葉(花枝につく葉)と大きさがほぼ等しく、また花の少い点を特徴とする。var. vegetumと変種に分類されていたが、現在はミチヤナギに含める。
※ Polygonum caducifolium Vorosch. ウシオミチヤナギ 現在ではミチヤナギに含められる。
  synonym Polygonum boreale auct. non (Lange) Small 
  synonym Polygonum tatewakianum Koji Ito var. notoroense Koji Ito 
 植物体は高さ20-40cm。葉は枝頂部密生しない。上葉は脱落しやすく、枝頂では花序は往々疎なる穂状を呈する。果は長さ2-3mm、果は光沢ありて表面平滑。花被片側脈は隆起ぜず。花被脚部は楔形。痩果は3稜形、各面は大きさ等しく内凹する。熟時花被片の長さは癒合せる花被脚部の2-3倍。(参考3)
4-2 Polygonum aviculare subsp. boreale (Lange) Karlsson
 ヨーロッパ北西部、グリーンランド、カナダ(ニューファンドランド・ラブラドール州)原産。英名はNorthern knotweed。砂浜、砂利、または岩の多い沿岸地域に生える。
 緑色の同型植物(homophyllous)または亜異型植物(subheterophyllous)。茎は1~7本、平伏~斜上し、ほとんどが基部から分枝し、長さ6~50(~90)㎝。托葉鞘(ocrea)は長さ3.5~7mm、下部は円筒形~漏斗形、上部はすぐに崩壊し、ほぼ完全に落葉する。葉柄は長さ7~9mm。葉身は緑色、側脈は見えるが下面に隆起せず、倒卵状へら形~倒披針形、長さ(12.5~)16~44(~55)㎜×幅(4~)6~18(~22)㎜、長さは幅の2~4(~5.5)倍、先は鈍形~円形。茎葉は枝の葉の長さの (1.1~)1.3~2.5(~3)倍。集散花序は均一に分布し、まれに、茎や枝の先端に密集し、花が(3~)4~7個つく。小花柄は大部分が托葉鞘から突き出し、長さ2~5㎜。花被は長さ3.3~5.5㎜、長さは幅の1.6~2.8倍、筒部は花被の長さの25~35(~39)%、花被片は重なり、緑色で白色~ピンク色の縁になり、倒卵形、果時に平らまたは外側に湾曲し、外側の花被片は基部が袋状にならず、脈が枝分かれし、肥厚する。雄しべは6~8本。痩果は花被に包まれ、暗褐色、卵形、3稜形、長さ(2.5~)2.7~4(~4.2)㎜、面はほぼ等長、凹面形、先は真っすぐ、粗い条線状の突起がある。晩期の痩果はまれで、長さ4~5㎜。2n=40。花期は8~10月。
4-3 Polygonum aviculare subsp. buxiforme (Small) Costea & Tardif
  synonym Polygonum buxiforme Small
  synonym Polygonum littorale var. sitchense Small
 USA、カナダ原産。英名はAmerican knotweed。道端、空き地、歩道、固くなった移動しない砂地、湿地と砂丘の境界に生える。  植物は灰緑色または青緑色で、まれに緑色になり、同形葉(homophyllous)または類異形葉(subheterophyllous)。茎は1~3本、直立~斜上し、±非分枝で長さ5~15㎝、または多数、平伏してマット状になり、枝が広がり、長さ20~70(~200)㎝。托葉鞘(ocrea)は長さ3.5~6.5(~8)㎜、下部は円筒形、上部は銀色、比較的宿存し、葉脈は不明瞭、崩壊後は繊維状の残物がほとんど残らない。葉柄は長さ0.3~2(~3.5)㎜。葉身は緑色または灰緑色、側脈は見えるが下面に盛り上がらず、披針形~楕円形~倒披針形~倒卵形、長さ6~30(~45)㎜×幅3~6(~13)㎜、長さは幅の2.5~5.6(~10)倍、先は鋭形~鈍形。茎葉は枝葉の長さの1~2.5 倍。集散花序はほぼ均一に分布するが、茎や枝の先端にも集まり、2~6個の花がつく。小花柄は大部分が托葉鞘に囲まれ、長さ1~2.5㎜。花被は長さ(2~)2.3~3.4(~3.6)㎜、長さは幅の0.9~1.3(~1.5)倍、筒部は花被の長さの20~36%、花被片は重なり、緑色で、縁が白色またはときにピンク色、長円形、先は僧帽形、外側の花被片は基部が袋状になり、脈は枝分かれしており、中程度~強く太くなる。雄しべは7~8本。痩果は普通花被に包まれ、薄褐色~褐色、卵形、3稜形、長さ(1.8~)2~2.8(~3)㎜、面はほぼ等しく、凹面~平ら、先はまっすぐ、粗い条線~不明瞭な微突起がある。晩期の痩果は一般的で、長さ2.5~5㎜。2n=60。花期は7~11月。

4-4 Polygonum aviculare L. subsp. depressum (Meisn.) Arcang. ハイミチヤナギ 這道柳

  synonym Polygonum calcatum Lindm.
  synonym Polygonum aviculare auct. non L.
  synonym Polygonum aequale Lindm.
  synonym Polygonum arenastrum Boreau [Flora of China]

  synonym Polygonum aviculare L. subsp. microspermum (Jord. ex Boreau) Berher

 ヨーロッパ原産。英名はCommon knotweed , oval-leaf knotweed , oval-leaved knotweed (カナダ)。北アメリカに帰化。野原、非耕作地、荒地、道端に生える。
 葉が長さ20㎜以下と小さく、葉の幅が狭い。また痩果は1面が狭くてやや凹んだ3稜形。ミチヤナギも茎が這い、節間が短く、葉が小さいことも多い。
 植物は緑色、同形葉(homophyllous)又は類異形葉(subheterophyllous)。茎は3~15本、平伏~斜上、マット状になり、ほとんどの節で分枝し、下部の枝は開出し、長さ (5~)10~50(~100)㎝。托葉鞘は下部が円筒形~漏斗形、1つは短く、長さ3~5.5㎜、上部はすぐに、崩壊し、繊維状の残片をほとんど残さない、又は長く、長さ7~12㎜、上部に不明瞭な脈があり、膜質、縁は±引き裂かれ、茎の先側に重なり、分枝する。葉柄は長さ0.5~3㎜。葉身は緑色、側脈は下面で見えるが盛り上がらず、楕円形~狭楕円形~倒披針形、長さ (6.2~)8~27(~35)㎜×幅(1.4~)2~7(~10)㎜、長さは幅の2.8~5.7(~6.5)倍、先は鈍形又は鋭形、まれに縦に条線がある。茎葉は枝葉の 1~2.3(~3.4)倍。集散花序は均一に分布し又はときに、枝先に密集し、花が2~7個つく。花柄は鞘に包まれ、長さ1~2.5㎜。花被は長さ(1.8~)2~3.4(~4)㎜、幅の1.5~2.9倍。筒部は花被の長さの40~57%。花被片は重なるが、果時にわずかに広がり、緑色又は赤褐色で縁が白色、長円形、平ら又は果時に不明瞭な僧帽形になり、 外側の花被片は基部が袋状でなく、中脈は分枝せず、薄く~中位に厚い。雄しべは5~7個。痩果は普通、わずかに花被から突き出し、暗褐色、卵形、 (2~)3稜形、長さ1.5~2.7(~3)㎜、 表面は明らかに同じでなく、平ら~凹面、先は条線があり又はわずかに狭い面側に曲がり、ほとんど平滑、粗くなり又は粗い条線のこぶがあり、晩期に痩果は普通、長さ2.5~4.5㎜。2n= 40, 60。花期は5~11月。

4-5 Polygonum aviculare L. subsp. neglectum (Besser) Arcang. オクミチヤナギ 奥道柳

  synonym Polygonum aequale Lindm. var. platycarpum Koji Ito
  synonym Polygonum neglectum Besser 

  synonym Polygonum arenastrum Boreau var. platycarpum (Koji Ito) Koji Ito ex Kitag.

 北海道、北アメリカ、ヨーロッパに分布する。英名はnarrow-leaf knotweed。攪乱地に生える。
 植物は緑色で、同形葉(homophyllous)またはときに、異形葉(heterophyllous)。茎は普通、1~7本、平伏~斜上、ときに直立し、大部分は基部から分枝し、長さ(5~)15~60cm。托葉鞘(ocrea)は長さ(3~)4~8㎜、下部は円筒形、上部は目立たない静脈を持ち、最終的に崩壊し、繊維状の残骸がほとんどまたはまったく残らない。葉柄は長さ(0.3~)1~3(~5.2)㎜。葉身は緑色、側脈は見えるが、下面に盛り上がらず、狭楕円形~倒披針形、長さ(7.6~)12.2~34(~40)㎜×幅1.5~6.8(~8)㎜、長さは幅の (3.4~)4.2~9.2倍、先は鋭形または鈍形。茎葉は枝葉の長さの1~2.7倍(~3.3倍)。集散花序は茎と枝に沿って均一に分布し、花が1~3(~ 5)個のつく。小花柄はほとんど托葉鞘に包まれ、長さ1.5~3㎜。花被は長さ(1.9~)2.3~3.4㎜、長さは幅の1.6~2.6倍。筒部は花被の長さの28~48%、花被片は重なり、痩果が成熟するにつれてわずかに広がり、緑色で縁がピンク色または赤色まれに白色、長円形で±僧帽形、外側の花被片は基部に袋がなく、脈は枝分かれし、中程度に太くなる。雄しべは7~8本。痩果は花被から突き出し、暗褐色、卵形、3稜形、長さ1.2~1.8㎜、面は不等か、またはまれにほぼ等長で、平ら~凹面、先は縁が真っすぐか、または狭い面に向かってやや曲がり、条線状のいぼ状突起があり、まれに、不明瞭ないぼ状突起がある。晩期の痩果はまれで、長さ2~3.7㎜。2n=40,60。花期は6~11月。
4-6 Polygonum aviculare subsp. rurivagum (Jordan ex Boreau) Berher   synonym Polygonum rurivagum Jord. ex Boreau [Kewscience]  ヨーロッパ、北アフリカ、トルコ、コーカサス、ロシア原産。英名はnarrow-leaf knotweed。攪乱地に生える。
 植物は緑色で、同形葉(homophyllous)または異形葉(heterophyllous)。茎は1~10本、平伏~斜上、ほとんどの節で分枝し、下部の枝は分岐し、針金状ではなく、長さ10~40cm。托葉鞘(ocrea)は長さ(6~)8~12㎜、下部は円筒形、上部には葉脈が目立ち、すぐに崩壊して宿存する繊維状になる。葉柄は長さ0.3~2㎜。葉身は緑色、側脈は上面に強く隆起し、狭楕円形~線状披針形、長さ(10~)15~27(~30)㎜×幅0.5~4.8(~8)㎜、長さは幅の(4.5~)5~15(~19)倍、先は鋭形。茎葉は枝葉の長さの1.2 ~ 2.4倍。集散花序は茎や枝に沿って均一に分布し、1~3 個の花がつく。小花柄は托葉鞘に包まれ、または突き出し、長さ1.5~3㎜。花被は長さ2.2~3.1mm、長さは幅の1.6~2.6倍、筒部は花被の長さの26~40(~42)%、花被片はしばしば重ならず、緑がピンク色または赤色になり、楕円形、±僧帽形、外側の花被片は基部に袋がなく、脈は枝分かれし、中程度に太くなる。雄しべは7~8本。痩果は普通、花被から突き出し、黒褐色、卵形、3稜、長さ2.1~2.6(~3)㎜、面はほぼ等しいかまたは等しくなく、平ら~凹面、先は真っすぐ、粗い条線状のいぼ状突起がある。晩期の痩果はまれで、長さ2.5~4㎜ です。 2n=60。花期は7~10月。

5 Polygonum bellardii All. ポリゴナム・ベラルディー
  synonym Polygonum aviculare var. bellardii (All.) Kuntze
  synonym Polygonum novoascanicum Klokov
 ヨーロッパ、ロシア、アジア南西部、北アフリカ原産。英名はnarrowleaf knotweed , Bellard's knotweed。オーストラリア、韓国、シベリアに帰化。
 通常は1年草、高さ20~100㎝、茎は分枝が多く、節から根を出さない。托葉鞘は長さ4~12㎜、すぐに崩壊する。葉は狭卵形~長円状楕円形、長さ25~50㎜×幅約2~6㎜、下面で側脈が明瞭、縁は平らかわずかに波打ち、先は鋭形~尖鋭形。花のつく上部の葉は小さく苞状になる。花は腋生、1~3個、束生する。花被は長さ2.5~3.5mm、長さの半分以上に分裂する。外側の花被片3個は緑色で白色またはピンク色の縁取りがある。内花被片2個は主に白色またはピンク色。果時に花被はわずかに大きく、長さ約4.5㎜までになり、花被片は多少、目立つ網状脈になる。痩果は3つ面がほぼ等しく、凹面、長さ2.1~3㎜×直径約2mm、光沢があり、褐色。オーストラリアでは花期は11~2月。

6 Polygonum fusco-ochreatum Kom. タチホソバミチヤナギ 立細葉道柳

  synonym Polygonum aviculare L. var. fusco-ochreatum (Kom.) A.J.Li [Flora of China]

 中国、ロシア原産。中国名は褐鞘萹蓄 he qiao bian xu。畑の近く、道端、荒れ地に生える。
 托葉鞘が全体に褐色。 Flora of ChinaではPolygonum aviculare L.の変種var. fusco-ochreatumとしている。var. aviculareは托葉鞘の下部が褐色、上部がが白色。中国名は萹蓄 bian xu。
 1年草。 茎は平伏、斜上または直立し、高さ10~40㎝、基部から多数、分枝する。葉柄は短いか、ほとんどなく、関節が基部で明瞭。葉身は披針形~狭楕円形、長さ1~4㎝×幅3~12㎜、両面とも無毛、中脈と側脈が目立ち、基部は楔形、縁は全縁、先は鋭形またはほぼ鈍形。托葉鞘は下部が褐色、上部が白色(var. aviculare)、または全体が褐色(var. fusco-ochreatum)、膜質、脈があり、先は切り裂かれる。花は1~5個、腋生。苞は薄い膜質。小花柄は細く、先に関節がある。花被は緑色、縁は白色または帯ピンク色、5裂~2/3~3/4まで切れ込む。花被片は楕円形、長さ2~2.5㎜。雄しべは8本、花糸は基部で幅が広がる。花柱は3本、離生、短い。柱頭は頭状。 痩果は宿存する花被に包まれるか、わずかに突き出し、黒褐色、不透明、卵形、三稜形、長さ2.5~3㎜、微細な顆粒状の条線がある。花期は5~7月。果期は7~8月。2n=40, 60。

7 Polygonum humifusum Merk ex K.Koch ヒナミチヤナギ 雛道柳
  synonym Polygonum yamatutae Kitag.
  synonym  Polygonum humifusum f. yamatutae (Kitagawa) C. F. Fang
  synonym Polygonum mandshuricum Skvortsov
  synonym Polygonum yamatutae Kitagawa.
 中国、モンゴル、ロシア、北アメリカ原産。中国名は普通萹蓄 pu tong bian xu。畑の近く、道端、川辺の砂地に生える。
 1年草。茎は平伏または斜上し、高さ20~30㎝。葉柄は非常に短く、基部に明瞭に関節がある。葉身は楕円形~倒披針形、長さ1~1.5㎝×幅3~5㎜、下面にわずかに突出した中脈と明瞭な側脈があり、上面には目立つ中脈と目不明瞭な側脈があり、基部は狭い楔形で、先はわずかに鈍形または鋭形。托葉鞘は下部は帯褐色、上部は白色、膜質で、3~4脈がある。花は2~5個、腋生で束成する。花被は緑色、縁は白色または帯ピンク色、5深裂~2/3まで分裂する。花被片は長円形、長さ1.5~2㎜。痩果は宿存する花被から突き出し、暗褐色、わずかに光沢があり、狭卵形、三稜状、長さ2~2.5㎜、密に微細な点があり、先は鋭形。花期は6~7月。果期は8~9月。

8 Polygonum patulum M.Bieb. タチニワヤナギ 立庭柳
  synonym Polygonum gracilius (Ledeb.) Klokov
 中国、モンゴル、ロシア、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、、アジア南西部、ヨーロッパ原産。中国名は展枝萹蓄 zhan zhi bian xu。溝、湿地に生える。日本の輸入穀物への混入がある(1993-1995)。
 1年草。茎は直立し、高さ20~80㎝、普通、枝分かれする。小枝は開出する。葉は宿存する。葉柄は短いかまたはほとんどない。葉身は披針形~狭披針形、下面にはわずかに突出した中脈と目立つ側脈があり、上面には目立つ中脈と側脈があり、基部は狭く、先は鋭形。托葉鞘は下部が褐色、上部が白色、筒状、長さ7~8㎜、膜質、6~7脈があり、普通、切り裂かれる。花序は頂生、穂状花序、連続でなく断続。小花柄は長さ1.5~2㎜、細い。 花被は緑色、縁は帯ピンク色、5 深裂する。花被片は楕円形、長さ約1.5㎜。雄しべは8本、花糸は基部で幅が広がる。花柱は3本、短い。柱頭は頭状。 痩果は宿存する花被と同じ長さか、またはわずかに超え、褐色、わずかに光沢があり、卵形、三稜形、長さ2~3mm、密に点々がある。花期は6~7月。果期は8~9月。

9 Polygonum pilushanense L.C.Liu et C.H.Ou 
 台湾原産。畢祿山蓼

10 Polygonum plebeium R.Br. ヤンバルミチヤナギ 
  synonym Polygonum pteranthum Kitag.
  synonym Polygonum changii Kitagawa
 旧大陸の熱帯、亜熱帯に広く分布(中国、カザフスタン、バングラデシュ、パキスタン、ヒマラヤ、インド、ネパール、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン、北アフリカ、マダガスカル、オーストラリア原産。日本、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカに帰化。中国名は铁马鞭 tie ma bian 。英名はSmall Knotweed 。別名はヒメミチヤナギ。学名には多数の異名がある。標高0~2200mの田畑の近く、道端、水際に生える。
 1年草。茎は平伏し、高さ10~40㎝、基部から、多数、分枝し、普通、節間は葉より短い。葉柄はごく短いか又はほぼ無柄。葉身は狭楕円形~倒披針形、長さ5~15㎜×幅2~4㎜、両面とも中脈が目立ち、側脈は不明瞭、基部は狭い楔形、全縁、先は鈍形又は鋭形。托葉鞘は白色、長さ2.5~3㎜、膜質、先は切り裂かれる。花は腋生、3~6個、束生する。苞は膜質。花柄は苞より短く、中間に関節がある。花被は緑色、縁は白色~帯ピンク色、5深裂する。花被片は狭楕円形、長さ1~1.5㎜、外面に高くなった脈がある。雄しべは5個。花糸は突き出ず、基部がわずかに広くなる。花柱は3個、まれに2個、ごく短い。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、黒褐色、光沢があり、広卵形、3稜形又は両凸面、長さ1.5~2㎜、平滑。花期は5~8月。果期は6~9月。2n = 20。

11 Polygonum polyneuron Franch. et Sav. アキノミチヤナギ 秋の道柳
  synonym Polygonum stans Kitag

  synonym Polygonum bellardii All. var. effusum auct. non Meisn.

  synonym Polygonum tatewakianum Koji Ito 
 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、ロシア原産。 Flora of ChinaではPolygonum arenastrum (ハイミチヤナギ)と同義語とされているが、葉の大きさなどが異なるとの見解もある。海岸に生え、別名はハマミチヤナギ。
 1年草、高さ50~80㎝。茎は根元からよく分枝し、直立する。葉は互生し、厚く、長さ0.5~3㎝、上部の葉は小さい。葉の先は鋭頭、やや鈍頭のこともあり、乾いて茶褐色になっていることも多い。葉裏の脈は明瞭。托葉鞘は赤色を帯び、下部では2裂し、脈が明瞭、繊維状に残り、花は葉腋に束生する。花被は長さ2~3㎜、5裂し、緑色で、縁が白~淡紅色。花後に花被の縁は紅色に変わり、痩果を包んで残る。痩果は小形(長さ約3㎜)と大形(長さ約4㎜)の2形あり、3稜形、ときに3面が不揃い。大形の痩果は頭部が花被から突き出るが、小形は突き出ない。痩果の表面は平滑でなく、光沢がなく、小形は濃色(赤褐色~茶褐色)、大形は淡色(黄褐色~茶褐色)と色もやや異なる。草株は痩果が大形だけのものと小形だけのものがあり、両者が混在するときもある。花期は9~10月。

12 Polygonum ramosissimum Michx. ホザキニワヤナギ 穂咲庭柳
 北アメリカ原産。英名はbushy knotweed , yellow-flowered knotweed。
 植物は黄緑色又は青緑色(subsp. prolificumは乾くと暗褐色~黒色)、異形葉又は異形葉非形成。 茎は直立、普通、上部の2本がおびただしく分枝し、針金状でなく、長さ10~100(~200)㎝。托葉鞘は長さ6~12(~15)㎜、下部は円筒形、上部は銀色、すぐに崩壊し、宿存する褐色の繊維状になる。葉柄は長さ2~4㎜。葉身は様々、薄黄緑色~青緑色、下部ではしばしば早落し、狭楕円形、披針形又は倒披針形、まれに卵形、長さ8~70㎜×幅4~18(~35)㎜、縁は平ら、先は鋭形~尖鋭形~鈍形。上部の葉は花を越えるか、又は短いか同長。花序は腋生、又は腋生及び頂生、穂状花序状。集散花序は均一に配置又は枝先に密集し、花が2~5個つく。花柄は鞘に包まれ、又は突き出し、長さ1~6㎜。花は閉じている。花被は長さ(2~)2.2~3.6(~4)㎜。筒部は花被の長さの20~38%。花被片は重なり、緑黄色、縁が緑黄色~黄色、まれにピンク色又は白色、花弁状又は咢片状、竜骨は無く、楕円形~長円形、僧帽形、中脈は太くなるか又はならない。雄しべは3~6(~8)個。痩果は花被に包まれ、又は突き出し、暗褐色、卵形、3稜形、長さ1.6~3.5㎜、表面はほぼ等しく凸面、先に嘴は無く、縁は真っすぐ、光沢があり又は光沢がなく、普通、平滑~粗くなり、ときに、均一に又は不明瞭にこぶがある。晩期の痩果は一般に長さ4~15㎜。2n=60。
12-1 Polygonum ramosissimum Michaux subsp. ramosissimum
 植物体は異形葉、普通、新鮮で乾いたときに黄緑色。葉身の先端は鋭形~尖鋭形。葉柄は長さ2.5~6㎜。花期は7~10月。

11-2 Polygonum ramosissimum subsp. prolificum (Small) Costea & Tardif リュウキュウミチヤナギ

  synonym Polygonum ryukyuense Kitag
  synonym Polygonumprolificum (Small) B. L. Robinson
 沖縄に帰化。別名はオキナワミチヤナギ。
 植物体は異形葉非形成、新鮮なときに青緑色、乾くと、暗褐色又は黒色。葉身の先端は円形又は鈍形。葉柄は長さ1~2㎜。花期は7~11月。

13 Polygonum rigidum Skvortsov コバノミチヤナギ 小葉の道柳
 中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は尖果萹蓄 jian guo bian xu。畑の近く、道端、谷間の日陰の草地に生える。
 1年草。 茎は直立または斜上し、高さ30~50㎝、よく枝分かれし、角張る。葉柄は短く、基部に関節がある。葉身は楕円形または長円形、長さ1~3㎝×幅3~7mm、両面で脈が目立ち、基部は楔形、縁は全縁、先は鈍形またはほぼ鋭形。托葉鞘は下部が褐色、上部は白色、5~9脈があり、切り裂かれる。花は腋生で、2~7個束生する。小花柄は長さ1.5~2㎜、先に関節がある。花被は緑色、縁は白色または帯ピンク色、5深裂~2/3まで分裂する。花被片は長円形、長さ2~2.5㎜。 雄しべは8本、花糸は基部で幅が広がる。花柱は3本、短い。痩果は宿存する花被から突き出し、褐色、わずかに光沢があり、卵形、三稜形、長さ2.5~3.5㎜、密に細かい点々があり、先は長い鋭形。花期は6~8月。果期は7~9月。2n=約60。

参考3の種および変種への検索表

A. 痩果は3稜形,各面は大きさ等しく内凹する。熟時花被片の長さは癒合せる花被脚部の2-3倍。

 B. 葉は枝頂部迄密に生ずる。果は光沢なく,表面に顆粒状縞条の小突起を生ず。

  C. 茎葉は苞葉(花枝につく葉)より一層大きく,葉巾は5-10mm. 果は長さ2.5-3mm

……ミチヤナギ

  C. 茎葉は苞葉と大きさ略等しく,または著しく大ならず,葉巾は1-3cm. 果は長さ3-3.5mm

……オオミチヤナギ

 B. 葉は枝頂部密生しない,上葉は脱落しやすく,枝頂では花序は往々疎なる穂状を呈する。
果は光沢なく表面に細点を有するかまたは光沢ありて表面平滑。

  C. 果は光沢なし,表面線状,細点あり。花被片背面側脈は著しく隆起。花被脚部は広楔形~円形

……アキノミチヤナギ

  C. 果は光沢ありて表面平滑。花被片側脈は隆起ぜず。花被脚部は楔形。

    D. 植物体は大形,高さ1mに達す。果は長さ3-4mm
……ナガパハマミチヤナギ
    D. 植物体は高さ20-40cm。果は長さ2-3mm.
……ウシオミチヤナギ

A. 痩果は扁3稜形。広い凸出する2面と狭く内凹するl面を有するが扁平。花被片は長さ花被脚部の1-1.5倍。茎葉は苞葉と大きさ略同じ。

 B. 熟時花被片は長さ楔形の花被脚部の1-1.5倍。果は扁三稜形,表面不規則な細点あり。

  C. 果は卵形。葉は広披針形~楕円形,やや鋭頭
……ハイミチヤナギ
  C. 果は広卵形。葉は線状披針形~披針形,漸鋭頭
……オクミチヤナギ

 B.熟時花被片は椀形または楕円形の花被脚部と同長。果は扁平,表面平滑

…スナジミチヤナギ

参考

1) Flora of China
  Polygonum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=126398
2)GRIN
 Polygonum
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=9711
3) 植物研究雑誌第39巻第3号昭和39年3月 p1-14
 伊藤浩司 :北海道、千島、樺太産ミチヤナギ類
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_039_65_78.pdf
4) Flora of North America
 Polygonum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=126398
5) Plants of the World Online | Kewsscience
 Polygonum plebeium R.Br.
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:696260-1
6) Flora of Zimbabwe
 Polygonum plebeium R.Br.
https://www.zimbabweflora.co.zw/speciesdata/species.php?species_id=121780