メナモミ 豨薟

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae メナモミ属

中国名 腺梗豨莶 xian geng xi xian
学 名 Sigesbeckia pubescens (Makino) Makino

 synonym Sigesbeckia orientalis L. subsp. pubescens (Makino) Kitam. ex H.Koyama

メナモミの花
メナモミの花2
メナモミの花柄の腺毛
メナモミの花3
メナモミの花4
メナモミの果実
メナモミの茎
メナモミ
メナモミ葉
メナモミ葉表の毛
メナモミ葉裏
メナモミ痩果
花 期 9~10月
高 さ 60~120㎝
生活型 1年草
生育場所 山野
分 布 在来種 日本全土、朝鮮、中国
撮 影 新城市 12.10.19
キク科メナモミ属の1年草。
 茎、葉に白い長毛が密生する。葉は対生し、翼のある長い葉柄があり、長さ8~19㎝、幅7~18㎝の卵形~卵状三角形、長毛が密につきビロード状。頭花は散房状につき、直径約2㎝、黄色。総苞片は5個、開出して腺毛が生え、ヒトデのように見える。花床には鱗片があり、それぞれ小花を抱き、外側の鱗片は総苞片と同質で有柄の腺毛がある。花柄は白色の長毛が開出して密生し、短い腺毛が多数、混ざる。痩果は長さ2.5~3.5㎜。2n=30。
 コメナモミは離れて見ると見分けがつかない。葉は短毛がまばらに生える程度で、ビロード状にならない。花柄の白毛はメナモミより短く、上向きに曲がり、普通、腺毛がない。茎の毛もほとんどない。痩果もやや小さく、長さ約2㎜のものが混ざる。
 ツクシメナモミ Siegesbeckia orientalis は茎と枝の上部が常に2叉分枝を繰り返し、茎上部の葉が細い。舌状花(周辺花)の花弁が開出し、目立つ。

メナモミ属

  family  Asteraceae - genus  Sigesbeckia

 1年草。葉は対生、葉柄があり、密に軟毛がある。合成花序は小さな頂生及び腋生の散房花序で、普通、多数、j花をつける。頭花は垂れ下がる。総苞は2列、鐘形。外総苞片は5個、内総苞片より長く、線状へら形、散開し、太い腺毛をもつ。花托は平ら、薄膜質のパレアをもち、痩果を包む。花冠は黄色、周辺小花は1列、拡大部は短い。中心小花は筒状、両性。痩果は長い倒卵形、4角(かど)があり、先は切形。冠毛は無い。x=15。
 世界に約4種があり、熱帯、亜熱帯地域に分布する。

メナモミ属の主な種と園芸品種

1 Sigesbeckia glabrescens (Makino) Makino コメナモミ 小豨薟

  synonym Sigesbeckia pubescens Makino var. glabrescens (Makino) Vorosch.

  synonym Sigesbeckia orientalis L. subsp. glabrescens (Makino) Kitam. ex Shimabuku

 日本全土、朝鮮、中国、台湾、原産。中国名は毛梗豨莶 mao geng xi xian 。山野に生える。
 1年草。茎は高さ35~100㎝、短い伏した直軟毛がある。中部の茎葉は葉柄に翼があり、葉身は卵状デルタ形、長さ 5~13㎝×幅3.5~11㎝、不規則な歯があり、上面は短い伏した軟毛がある。上部の茎葉は無柄、長円形、最上部の葉は線形。頭花は放射状頭花(radiate)、幅約12㎜。花序柄は長さ1~3㎝、密に短い軟毛がある。総苞片はへら形、密に腺のある直軟毛がある。周辺小花の花弁は長さ1.5~2.5㎜、3歯があり、筒部は長さ0.5~1㎜、直軟毛がある。中心小花の花冠は長さ約1.5㎜、3歯があり、筒部は長さ約0.5㎜、密に直軟毛がある。痩果は長さ約2㎜。花期は4~9月。果期は6~9月。2n=30。

2 Sigesbeckia orientalis L. ツクシメナモミ 筑紫豨薟
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、ロシア、インド、ネパール、ブータン、タイ、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、アフリカ、熱帯アメリカ原産。中国名は豨莶 xi xian 。英名はeastern St. Paul's-wort , Indian-weed , stickyweed 。草地、茂み、林内、林縁に生える。
  1年草。茎は直立、1本又は2又分枝し(dichotomously branched)、枝は対生、不明瞭な角(かど)があり、高さ30~75(~100)㎝、±縮れた軟毛~密に軟毛があり、特に上部にある。葉は卵状三角形、卵形、又は長円状卵形、細かい伏した直軟毛があり、とくに、下面にあり、ときに、まばらに小腺点と毛をもち、基部は楔形~円形~類心形、縁は大きな普通、不均等の歯~曲がりくねった歯があり、ときにヒマワリの小さな葉に似て、先は鋭形~尖鋭形。頭花は小さく、幅約5㎜。外総苞片は密に柄のある腺毛があり、長円状倒卵形~線状へら形、内総苞片よりかなり長く、ときに、幅が広く、少数の腺をもち又は短い。痩果は暗灰色又は鈍い黒色、倒ピラミッド形、ときにまばらに、より透明な無毛の不規則な疣があり、約・長さ3㎜×幅1.2㎜、先に白色の環状の溝をもち、縁の痩果はわずかに曲がる。花期は4~9月。果期は6~11月。2n=30, 60。

3 Sigesbeckia pubescens (Makino) Makino メナモミ 豨薟

  synonym Sigesbeckia orientalis L. subsp. pubescens (Makino) Kitam. ex H.Koyama

 日本全土、朝鮮、中国、台湾、インド原産。中国名は腺梗豨莶 xian geng xi xian 。山野に生える。
 1年草。茎は高さ60~120㎝、密に白色の軟毛があり、特に、上部にある。中部の茎葉は卵形~デルタ状卵形、長さ7~19㎝×幅6~18㎝、短い伏した軟毛が両面にあり、下面の脈に密に白色の軟毛がある。頭花は放射状頭花(radiate)、幅約20㎜。花序柄は長さ15~35㎜、密に腺のある直軟毛がある。総苞片は線形、先は円形、基部に腺直軟毛がある。周辺小花の舌部は長さ約3.5㎜、浅い2~3歯があり、筒部は長さ約1.5㎜。中心小花の花冠は長さ2~2.5㎜、5歯があり、筒部は長さ0.5~1㎜、直軟毛がある。痩果は長さ2.5~3.5㎜。花期は5~8月。果期は6~10月。2n=30。

4 ハイブリッド

(1) Sigesbeckia glabrescens (Makino) Makino x S. pubescens (Makino) Makino ウスゲメナモミ


Key to Species


1 枝は上部で2又分枝。葉は紙質、不規則に分裂
..................1 S. orientalis
+ 枝は2又分枝しない。葉は薄い膜質、普通、歯がある
..................(2) 
2 茎と葉の両面に均一の柔らかい軟毛がある。花序柄に腺は無い。
 痩果は長さ約2㎜
.................. 2 S. glabrescens
+茎と葉の下面に密に白色の軟毛がある。花序柄は普通、腺のある直軟毛がある。
 痩果は長さ2.5~3.5㎜
.................. 3 S. pubescens

参考

1) GRIN
 Sigesbeckia
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11152
2) Kewscience
 Sigesbeckia
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:11017-1
3)Flora of China
 Sigesbeckia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=130334
4)Flora of Zambia
 Sigesbeckia orientalis L.
https://www.zambiaflora.com/speciesdata/species.php?species_id=160340
5)Flora of Victoria
 Sigesbeckia orientalis L
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/ed349f91-8559-4af0-82a9-844554e28198