マツバギク 松葉菊
Flora of Mikawa
ハマミズナ科 Aizoaceae マツバギク属
別名] | ランプランサス、ランプランツス |
英 名 | trailing ice plant , fig marigold |
学 名 | Lampranthus spectabilis (Haw.) N.E.Br. basionym Mesembryanthemum spectabile Haw. |
花 期 | 4~5月 |
高 さ | 地を這う |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 帰化種 南アフリカ原産 |
撮 影 | 名古屋市 19.6.1 |
マツバギクは南アフリカ原産の多肉質の園芸品種。狭義にはLampranthus spectabilisを指し、広義には他属の類似種を含む。
株立の常緑低木。茎は平伏、不規則に広がり~直立し、円柱形、赤褐色、枝は直立する。葉は粉白色を帯び、淡色の点をもち、パピラは無く、類円柱形~弱い3稜形、線形、鋭頭、上側で曲がり、先細~基部で短く合着し、[長さ5~8㎝×幅約6㎜]長さ10~20(~30)㎜×幅3~5㎜×厚さ3~5㎜、竜骨は平滑、全体に丸い。花は1~7(~10)個、頂生の集散花序につき、直径(4~)5~6[~7]㎝。萼は無毛。萼片は長さ8~15㎜。花弁は広がり、上面はピンク紫色[赤色、ピンク色、紫色]、下面は淡色、中間の縞は無く、長さ15~30㎜。雄しべは長さ2~6㎜。花糸は白色、基部に毛がある。葯は淡黄色。蒴果は直径約1㎝。種子は見られない(Flora of New Zealand)。花期は4~5月(春)
品種) 'Tresco Apricot' , 'Tresco Brilliant' , 'Tresco Fire' , 'Tresco Orange' , 'Tresco Peach' , 'Tresco Pearl' , 'Tresco Purple' , 'Tresco Red' 。
多肉質の小低木、枝は直立、広がり、平伏、節間が見える。葉は対生、無柄、多数つき、円筒形~半円筒形~3稜形、全縁~小歯縁、先は鈍く~先端が普通、細くなり、曲がり、まれに、平滑~パピラがあり、まばらに斑点があり、光沢は無く、基部は短く融合する。花は頂生又は腋生、単生又は集散花序につき、普通、花柄がある。苞は葉状。萼片は5個、不等長、2個は三角形、尖鋭形、3個は小さく、広がる膜質の縁をもつ。花弁は離生、萼片の数より多く、多数、2~3列につく。雄しべは多数、直立~内側に傾く。仮雄しべは普通、無い。柱頭は(4)~5~(7)個、卵形、小さく、羽毛がある。子房は平ら~凸面~わずかに凹面、下位、側膜胎座。蜜腺は連続し輪を形成する。蒴果は(4)~5~(7)室、竜骨は広がり、散開し、翼があり、室に蓋(屋根)があり、いぼはない。種子は倒卵形(ナシ形)、弱く扁平、しわがあり、粗く、ごく暗色。
世界に約180種あり、南アフリカに分布する。
synonym Mesembryanthemum aureum L.
南アフリカ原産。英名はgolden vygie , golden ice plant , orange ice plant。別名はゴールデン・アイスプラント。
丸く、直立又は這う多肉植物の小低木、高さ40~50㎝。茎は暗褐色。葉は対生し、3稜形~円筒形、長さ5㎝又はそれ以上、基部でわずかに合着又は分離、灰緑色。花は単生又は束生し、花柄は短い。花は直径4~6㎝、明るい橙色、ときに黄色。果実は木質の蒴果、5室をもつ。花期は6~9月。
品種) 'Orange Form' , 'Orange' , 'Red' , 'Yellow' , 金烏菊 オレンジムーン
亜低木、直立~傾伏、高さ25~40㎝、たまに節から根を出す。枝と葉にはしばしば、赤色の斑点がある。葉は線形、先は尖鋭形、3稜形~ほぼ円柱形、長さ10~20㎜×幅2~3㎜、ほぼ無毛。花は頂生、小さな集散花序につくか単生し、直径40~50㎜(花色は白色、淡ピンク色、マゼンタ色、紫色、ローズピンク色)。花柄は長さ10~45㎜。花托は倒円錐形、長さ5~7㎜。萼片は三角形~卵形、長さ約10㎜、3個は他より幅が広く、縁が膜質。仮雄しべは白色、ピンク色、ローズ色、又はマゼンタ色、萼片の長さの約2倍。花糸のある仮雄しべは無い。蒴果は倒円錐形、長さ10~13㎜、先は凸面~裂開して凹面。種子は長さ約2.5㎜、淡褐色。花期は11~12月。
3 Lampranthus spectabilis (Haw.) N.E.Br. マツバギク 松葉菊
synonym Mesembryanthemum spectabile Haw.
南アフリカ原産。英名は trailing ice plant , fig marigold。別名はランプランサス・スペクタビリス。
株立の常緑低木。茎は平伏、不規則に広がり~直立し、円柱形、赤褐色、枝は直立する。葉は粉白色を帯び、淡色の点をもち、パピラは無く、類円柱形~弱い3稜形、線形、鋭頭、上側で曲がり、先細~基部で短く合着し、[長さ5~8㎝×幅約6㎜]長さ10~20(~30)㎜×幅3~5㎜×厚さ3~5㎜、竜骨は平滑、全体に丸い。花は1~7(~10)個、頂生の集散花序につき、直径(4~)5~6[~7]㎝。萼は無毛。咢片は長さ8~15㎜。花弁は広がり、上面はピンク紫色[赤色、ピンク色、紫色]、下面は淡色、中間の縞は無く、長さ15~30㎜。雄しべは長さ2~6㎜。花糸は白色、基部に毛がある。葯は淡黄色。蒴果は直径約1㎝。種子は見られない(Flora of New Zealand)。花期は4~5月(春)。
品種) 'Tresco Apricot' , 'Tresco Brilliant' , 'Tresco Fire' , 'Tresco Orange' , 'Tresco Peach' , 'Tresco Pearl' , 'Tresco Purple' , 'Tresco Red'
南アフリカ原産。英名はnarrow-leaf brightfig。
匍匐する多肉質の常緑多年草、普通、高さ10~15㎝、成長が早く、長命、枝は広がり、枝は長さ20㎝以下。葉は直立し、長くて狭く、長さ15~40㎜×直径1~2㎜。花は直径約3㎝、紫ピンク色(紅紫色)、仮雄しべが花弁状につく。昼間に開き、夜、閉じる。蒴果は湿ったときに開き、種子を放出する。花粉は大きさ平均15μm、径約0.5μmの網目状紋がやや疎らにあり、また畝には径約0.1μmの小刺状紋がつく。花期は6~8月(晩春~夏)。
5 Lampranthus zeyheri (Salm-Dyck) N.E.Br. ランプランサス・ゼイヘリ
synonym Mesembryanthemum zeyheri Salm-Dyck
synonym Mesembryanthemum haworthii Eckl. & Zeyh.
南アフリカ原産。 シホウ(紫宝)という名で流通している。
枝はアーチ状、多数の短いシュートを出す。葉はアーチ形で広がり、長さ2.5~4㎝×幅3~4㎜、円筒形、鈍く細まり、柔らかく、やや多肉質、平滑、鮮やかな緑色、葉に透明な点がある。花は単生、直径5~6㎝、紫色。花柄は長さ6~8㎝。花粉は大きさ平均16μm、径と高さ共に約1μmの小刺状紋がつき、径約0.2μmの貫通小孔も見られる。花期は5~11月。
6 その他ハイブリッド: 約10種が親として使われる。
品種) 'Bagdad' , 'Blousey Pink' , 'Carn Brea' , 'Exposure' , 'Hot Flash' , 'Klemh11015' (PBR) , 'Pink' , 'Pink Kaboom' , 'Salmon Pink' , 'Shanklin' , 'Sugar Pink' , 'Ventnor Red'
南アフリカ原産。英名はbaby sun-rose , heart-leaf iceplan。別名はアメリカハナヅルソウ、ハナツルクサ、アプテニア・コルディフォリア。
短命の多年草、常緑、生長の早い多肉植物。根は肉質で太い。茎は平伏し、長さ30~60㎝に伸び、高さ25㎝、4稜又は円柱形、多肉質、節間は1~5㎝、節から根を出す。嚢状の水を含んだ細胞が茎の表面にあり、輝く。葉は離れて対につくか、1個ずつつく。葉柄は長さ0.5~1㎝。葉身は長さ1~3(6)㎝×幅0.5~2.5(5)㎝、心形~楕円形、肉質、緑色、平ら、表面に水を含んだ細胞(小さなパピラ)が散在する。花は単生、腋生、小型(直径5~8㎜)~中型(直径約15㎜)。花柄は長さ8~15㎜、果時に伸びる。花托筒は長さ6~7㎜。小型の萼片は線形~狭三角形、長さ約7㎜以下×幅3㎜以下、大型の萼片は花期には大きくなり。長さ約1㎝×幅0.5㎝。花弁は約80枚、反曲し、ピンク色(赤色)~紫色(赤色はハイブリッド品種のRed Apple)、長さ3~4㎜。仮雄しべは50個、直立し、白色、長さ約3㎜。蒴果は4室、長さ13~15㎜(約長さ10㎜×幅7㎜)。種子は室に1個、円形、直径1~1.5㎜、黒褐色、表面は粗い。2n=18。花期は春~秋。
品種) 'Variegata' (v)
2 Cleretum bellidiforme (Burm.f.) G.D.Rowley リビングストンデージー
synonym Mesembryanthemum bellidiforme Burm. f. [basynonym]
synonym Dorotheanthus bellidiformis (Burm.f.) N.E.Br.
synonym Mesembryanthemum criniflorum
南アフリカ原産。中国名は彩虹菊 cai hong ju。英名はLivingstone daisy , ice plant。別名はヘラマツバギク(箆松葉菊)、ベニハリソウ(紅玻璃草)、サボテンギク。
1年草、多肉質。高さ10~20㎝、低くグランドカバー状になり、枝を数本広げる。葉は長さ5㎝以下、幅2㎝以下、灰緑色~緑色又は栗色を帯び、舌形~スプーン形、多少、平ら、全縁。葉や茎に気泡のような表面細胞(パピア)=氷霜毛が目立ち、明るい太陽光に輝き、水を貯える。花柄は上向き又は傾き、細く、肉質、長さ25㎜以下、枝先につく。花は多数つき、単生、直径20~40(50)㎜、色は明るい。花弁は35~50個、線形~狭い槍形、平開し、色は様々、白色、クリーム色、黄色、サーモン色、オレンジ色、ピンク色、モーブ色、マゼンタ色、赤色、ときに白色、栗色、黄色、淡オレンジ色の地色に2色になる。雄しべは花の中心に2又は4列に束生し、花糸が栗色、葯が紫色又は黄色。子房は下位。果実は蒴果、広がった膜があり、湿ると外側に曲がる。蒴果は5辺があり、5区画からなり、熟すと、硬く、乾き、星形の咢片が宿存する。種子は不規則な形であり、淡褐クリーム色、表面は平滑。花期は晩春~夏(4~6月)。
品種) 'Gelato Bright Red' , 'Gelato Red' , 'Gelato Red Shades' , 'Magic Carpet'
3 Delosperma cooperi (Hook.f.) L.Bolus タイカンマツバギク 耐寒松葉菊
synonym Mesembryanthemum cooperi Hook.f.
南アフリカ原産。中国名は丽晃 li huang。英名はCooper's hardy ice plant , trailing iceplant , hardy Iceplant。別名はデロスペルマ・クーペリ
半常緑の多年草。あまり耐寒性は強くなく、半耐寒性。暖地では常緑。茎は匍匐し、高さ(5)10~15㎝、幅60㎝以下にマット状に広がる。茎や葉は多肉質~半多肉質、パピラ状の組織に覆われる。葉は長さ4~5㎝以下×幅(2)5~6㎜。花は直径3~5㎝、デージーに似て、明るい赤紫色又は朱色、マゼンタ色、ピンク色、紫色、黄色、赤色、橙色、白色。萼片は長くて狭い。花期は6~9月
品種) '12Rosk1' (PBR) , 'Dsaa13-1' , 'Dsab131' (PBR) , 'Dsam131' (PBR) ,'Dsam13-1', Fire Wonder = 'Wowdry2' (PBR) (Wheels of Wonder Series) , Grenade = 'Dsaa13-1'(Jewel of Desert Series) , Golden Wonder黄色 = 'Wowd20111' (PBR) (Wheelsof Wonder Series), Hot Pink Wonder = 'Wowdry1' (PBR) (Wheels of WonderSeries) Jewel of Desert Amethyst = 'Dsam13-1' (Jewel of Desert Series), 'Jewel of Desert Garnet' (PBR) (Jewel of Desert Series) , 'Jewel of DesertMoon Stone' (PBR) (Jewel of Desert Series) , 'Jewel of Desert Peridott'(PBR)黄色 (Jewel of Desert Series) , Jewel of Desert Rosequartz = '12Rosk1'(PBR) (Jewel of Desert Series), 'Jewel of Desert Ruby' (PBR) (Jewel ofDesert Series) , 'Jewel of Desert Topaz' (PBR)橙色 (Jewel of Desert Series), 'Lavender Ice', 'Limoncello', 'Mesa Verde' , Orange Wonder = 'Wowdoy3' (PBR) (Wheels of Wonder Series) , 'Purple Ice', Violet Wonder= 'Wowdrw5' (PBR) (Wheels of Wonder Series) , White Wonder = 'Wowdw7' (PBR)(Wheels of Wonder Series) , 'Wowdry1' (PBR) , 'Wowday2' (PBR)
半常緑の多年草。あまり耐寒性は強くない。花は明るい赤紫色、直径5㎝以下。花期は6~9月。
4 Carpobrotus chilensis (Molina) N.E. Br. バクヤギク 莫邪菊
synonym Mesembryanthemum chilense Molina
アルゼンチン、チリ原産。英名はsea-fig。海岸、崖に野生化。
多年草。茎は這って広がる。葉は長さ4~7㎝、幅0.5~1.2㎝、 多肉質、断面が三角形、粉白色になる。萼片は5個、長さ1~2㎝。花は単生し、無柄、直径3~5㎝。花弁は100~140個、長さ1~2.5㎝、濃い赤紫色(ローズ・マゼンダ色)。雄しべは100~250個。葯は黄色。果実は長さ17~20㎜の卵形~ほぼ球形、裂開せず、熟すと柔らかくなる。花期は4~9月(通年)。
5 Carpobrotus edulis (L.) L. Bolus カルポプロツス・エドゥリス
南アフリカ原産。英名はHottentot-fig , sour fig , Cape fig。バクヤギクと呼ばれることがある。
花が直径(5)8~10(15)㎝、黄色、古くなるとピンク色になる。果実が食べられる。他種と交雑しやすい。ピンク色の花を持つ植物が野生で見られるのは、C. edulis が紫色の花を持つ Carpobrotus の種と交雑した場合だけである。
6 その他の品種
Aptenia 'Red Apple'( A. cordifolia x A. haeckeliana)
普通、ハナヅルソウの赤花として扱われる。
Lampranthus aureus (L.) N.E.Br.
Golden Ice Plant
Lampranthus
Aptenia N. E. Br.
Lampranthus
マツバギク科ルスキア連の花粉形態 加辺章夫
Lampranthus
株立の常緑低木。茎は平伏、不規則に広がり~直立し、円柱形、赤褐色、枝は直立する。葉は粉白色を帯び、淡色の点をもち、パピラは無く、類円柱形~弱い3稜形、線形、鋭頭、上側で曲がり、先細~基部で短く合着し、[長さ5~8㎝×幅約6㎜]長さ10~20(~30)㎜×幅3~5㎜×厚さ3~5㎜、竜骨は平滑、全体に丸い。花は1~7(~10)個、頂生の集散花序につき、直径(4~)5~6[~7]㎝。萼は無毛。萼片は長さ8~15㎜。花弁は広がり、上面はピンク紫色[赤色、ピンク色、紫色]、下面は淡色、中間の縞は無く、長さ15~30㎜。雄しべは長さ2~6㎜。花糸は白色、基部に毛がある。葯は淡黄色。蒴果は直径約1㎝。種子は見られない(Flora of New Zealand)。花期は4~5月(春)
品種) 'Tresco Apricot' , 'Tresco Brilliant' , 'Tresco Fire' , 'Tresco Orange' , 'Tresco Peach' , 'Tresco Pearl' , 'Tresco Purple' , 'Tresco Red' 。
マツバギク属(ランプランサス属)
family Aizoaceae - genus Lampranthus多肉質の小低木、枝は直立、広がり、平伏、節間が見える。葉は対生、無柄、多数つき、円筒形~半円筒形~3稜形、全縁~小歯縁、先は鈍く~先端が普通、細くなり、曲がり、まれに、平滑~パピラがあり、まばらに斑点があり、光沢は無く、基部は短く融合する。花は頂生又は腋生、単生又は集散花序につき、普通、花柄がある。苞は葉状。萼片は5個、不等長、2個は三角形、尖鋭形、3個は小さく、広がる膜質の縁をもつ。花弁は離生、萼片の数より多く、多数、2~3列につく。雄しべは多数、直立~内側に傾く。仮雄しべは普通、無い。柱頭は(4)~5~(7)個、卵形、小さく、羽毛がある。子房は平ら~凸面~わずかに凹面、下位、側膜胎座。蜜腺は連続し輪を形成する。蒴果は(4)~5~(7)室、竜骨は広がり、散開し、翼があり、室に蓋(屋根)があり、いぼはない。種子は倒卵形(ナシ形)、弱く扁平、しわがあり、粗く、ごく暗色。
世界に約180種あり、南アフリカに分布する。
マツバギク属の主な種と園芸品種
1 Lampranthus aureus (L.) N.E.Br. ランプランサス・アウレウスsynonym Mesembryanthemum aureum L.
南アフリカ原産。英名はgolden vygie , golden ice plant , orange ice plant。別名はゴールデン・アイスプラント。
丸く、直立又は這う多肉植物の小低木、高さ40~50㎝。茎は暗褐色。葉は対生し、3稜形~円筒形、長さ5㎝又はそれ以上、基部でわずかに合着又は分離、灰緑色。花は単生又は束生し、花柄は短い。花は直径4~6㎝、明るい橙色、ときに黄色。果実は木質の蒴果、5室をもつ。花期は6~9月。
品種) 'Orange Form' , 'Orange' , 'Red' , 'Yellow' , 金烏菊 オレンジムーン
2 Lampranthus multiradiatus (Jacq.) N.E.Br. ランプランサス・ムルチラディアツス
basionym Mesembryanthemum multiradiatum Jacq.synonym Lampranthus roseus (Willd.) Schwantes 流通名[麗景菊][風臥柳]
南アフリカ原産。英名はrosy dewplant , mini ice plant。流通名は飛香菊。亜低木、直立~傾伏、高さ25~40㎝、たまに節から根を出す。枝と葉にはしばしば、赤色の斑点がある。葉は線形、先は尖鋭形、3稜形~ほぼ円柱形、長さ10~20㎜×幅2~3㎜、ほぼ無毛。花は頂生、小さな集散花序につくか単生し、直径40~50㎜(花色は白色、淡ピンク色、マゼンタ色、紫色、ローズピンク色)。花柄は長さ10~45㎜。花托は倒円錐形、長さ5~7㎜。萼片は三角形~卵形、長さ約10㎜、3個は他より幅が広く、縁が膜質。仮雄しべは白色、ピンク色、ローズ色、又はマゼンタ色、萼片の長さの約2倍。花糸のある仮雄しべは無い。蒴果は倒円錐形、長さ10~13㎜、先は凸面~裂開して凹面。種子は長さ約2.5㎜、淡褐色。花期は11~12月。
3 Lampranthus spectabilis (Haw.) N.E.Br. マツバギク 松葉菊
synonym Mesembryanthemum spectabile Haw.
南アフリカ原産。英名は trailing ice plant , fig marigold。別名はランプランサス・スペクタビリス。
株立の常緑低木。茎は平伏、不規則に広がり~直立し、円柱形、赤褐色、枝は直立する。葉は粉白色を帯び、淡色の点をもち、パピラは無く、類円柱形~弱い3稜形、線形、鋭頭、上側で曲がり、先細~基部で短く合着し、[長さ5~8㎝×幅約6㎜]長さ10~20(~30)㎜×幅3~5㎜×厚さ3~5㎜、竜骨は平滑、全体に丸い。花は1~7(~10)個、頂生の集散花序につき、直径(4~)5~6[~7]㎝。萼は無毛。咢片は長さ8~15㎜。花弁は広がり、上面はピンク紫色[赤色、ピンク色、紫色]、下面は淡色、中間の縞は無く、長さ15~30㎜。雄しべは長さ2~6㎜。花糸は白色、基部に毛がある。葯は淡黄色。蒴果は直径約1㎝。種子は見られない(Flora of New Zealand)。花期は4~5月(春)。
品種) 'Tresco Apricot' , 'Tresco Brilliant' , 'Tresco Fire' , 'Tresco Orange' , 'Tresco Peach' , 'Tresco Pearl' , 'Tresco Purple' , 'Tresco Red'
4 Lampranthus tenuifolius (Eckl. et Zeyh.) N.E.Br. ヒメマツバギク 姫松葉菊
synonym Mesembryanthemum tenuifolium L.南アフリカ原産。英名はnarrow-leaf brightfig。
匍匐する多肉質の常緑多年草、普通、高さ10~15㎝、成長が早く、長命、枝は広がり、枝は長さ20㎝以下。葉は直立し、長くて狭く、長さ15~40㎜×直径1~2㎜。花は直径約3㎝、紫ピンク色(紅紫色)、仮雄しべが花弁状につく。昼間に開き、夜、閉じる。蒴果は湿ったときに開き、種子を放出する。花粉は大きさ平均15μm、径約0.5μmの網目状紋がやや疎らにあり、また畝には径約0.1μmの小刺状紋がつく。花期は6~8月(晩春~夏)。
5 Lampranthus zeyheri (Salm-Dyck) N.E.Br. ランプランサス・ゼイヘリ
synonym Mesembryanthemum zeyheri Salm-Dyck
synonym Mesembryanthemum haworthii Eckl. & Zeyh.
南アフリカ原産。 シホウ(紫宝)という名で流通している。
枝はアーチ状、多数の短いシュートを出す。葉はアーチ形で広がり、長さ2.5~4㎝×幅3~4㎜、円筒形、鈍く細まり、柔らかく、やや多肉質、平滑、鮮やかな緑色、葉に透明な点がある。花は単生、直径5~6㎝、紫色。花柄は長さ6~8㎝。花粉は大きさ平均16μm、径と高さ共に約1μmの小刺状紋がつき、径約0.2μmの貫通小孔も見られる。花期は5~11月。
6 その他ハイブリッド: 約10種が親として使われる。
品種) 'Bagdad' , 'Blousey Pink' , 'Carn Brea' , 'Exposure' , 'Hot Flash' , 'Klemh11015' (PBR) , 'Pink' , 'Pink Kaboom' , 'Salmon Pink' , 'Shanklin' , 'Sugar Pink' , 'Ventnor Red'
他属の類似種
1 Aptenia cordifolia (L.f.) Schwantes ハナヅルソウ 花蔓草
synonym Mesembryanthemum cordifolium L.f.[basionym]南アフリカ原産。英名はbaby sun-rose , heart-leaf iceplan。別名はアメリカハナヅルソウ、ハナツルクサ、アプテニア・コルディフォリア。
短命の多年草、常緑、生長の早い多肉植物。根は肉質で太い。茎は平伏し、長さ30~60㎝に伸び、高さ25㎝、4稜又は円柱形、多肉質、節間は1~5㎝、節から根を出す。嚢状の水を含んだ細胞が茎の表面にあり、輝く。葉は離れて対につくか、1個ずつつく。葉柄は長さ0.5~1㎝。葉身は長さ1~3(6)㎝×幅0.5~2.5(5)㎝、心形~楕円形、肉質、緑色、平ら、表面に水を含んだ細胞(小さなパピラ)が散在する。花は単生、腋生、小型(直径5~8㎜)~中型(直径約15㎜)。花柄は長さ8~15㎜、果時に伸びる。花托筒は長さ6~7㎜。小型の萼片は線形~狭三角形、長さ約7㎜以下×幅3㎜以下、大型の萼片は花期には大きくなり。長さ約1㎝×幅0.5㎝。花弁は約80枚、反曲し、ピンク色(赤色)~紫色(赤色はハイブリッド品種のRed Apple)、長さ3~4㎜。仮雄しべは50個、直立し、白色、長さ約3㎜。蒴果は4室、長さ13~15㎜(約長さ10㎜×幅7㎜)。種子は室に1個、円形、直径1~1.5㎜、黒褐色、表面は粗い。2n=18。花期は春~秋。
品種) 'Variegata' (v)
2 Cleretum bellidiforme (Burm.f.) G.D.Rowley リビングストンデージー
synonym Mesembryanthemum bellidiforme Burm. f. [basynonym]
synonym Dorotheanthus bellidiformis (Burm.f.) N.E.Br.
synonym Mesembryanthemum criniflorum
南アフリカ原産。中国名は彩虹菊 cai hong ju。英名はLivingstone daisy , ice plant。別名はヘラマツバギク(箆松葉菊)、ベニハリソウ(紅玻璃草)、サボテンギク。
1年草、多肉質。高さ10~20㎝、低くグランドカバー状になり、枝を数本広げる。葉は長さ5㎝以下、幅2㎝以下、灰緑色~緑色又は栗色を帯び、舌形~スプーン形、多少、平ら、全縁。葉や茎に気泡のような表面細胞(パピア)=氷霜毛が目立ち、明るい太陽光に輝き、水を貯える。花柄は上向き又は傾き、細く、肉質、長さ25㎜以下、枝先につく。花は多数つき、単生、直径20~40(50)㎜、色は明るい。花弁は35~50個、線形~狭い槍形、平開し、色は様々、白色、クリーム色、黄色、サーモン色、オレンジ色、ピンク色、モーブ色、マゼンタ色、赤色、ときに白色、栗色、黄色、淡オレンジ色の地色に2色になる。雄しべは花の中心に2又は4列に束生し、花糸が栗色、葯が紫色又は黄色。子房は下位。果実は蒴果、広がった膜があり、湿ると外側に曲がる。蒴果は5辺があり、5区画からなり、熟すと、硬く、乾き、星形の咢片が宿存する。種子は不規則な形であり、淡褐クリーム色、表面は平滑。花期は晩春~夏(4~6月)。
品種) 'Gelato Bright Red' , 'Gelato Red' , 'Gelato Red Shades' , 'Magic Carpet'
3 Delosperma cooperi (Hook.f.) L.Bolus タイカンマツバギク 耐寒松葉菊
synonym Mesembryanthemum cooperi Hook.f.
南アフリカ原産。中国名は丽晃 li huang。英名はCooper's hardy ice plant , trailing iceplant , hardy Iceplant。別名はデロスペルマ・クーペリ
半常緑の多年草。あまり耐寒性は強くなく、半耐寒性。暖地では常緑。茎は匍匐し、高さ(5)10~15㎝、幅60㎝以下にマット状に広がる。茎や葉は多肉質~半多肉質、パピラ状の組織に覆われる。葉は長さ4~5㎝以下×幅(2)5~6㎜。花は直径3~5㎝、デージーに似て、明るい赤紫色又は朱色、マゼンタ色、ピンク色、紫色、黄色、赤色、橙色、白色。萼片は長くて狭い。花期は6~9月
品種) '12Rosk1' (PBR) , 'Dsaa13-1' , 'Dsab131' (PBR) , 'Dsam131' (PBR) ,'Dsam13-1', Fire Wonder = 'Wowdry2' (PBR) (Wheels of Wonder Series) , Grenade = 'Dsaa13-1'(Jewel of Desert Series) , Golden Wonder黄色 = 'Wowd20111' (PBR) (Wheelsof Wonder Series), Hot Pink Wonder = 'Wowdry1' (PBR) (Wheels of WonderSeries) Jewel of Desert Amethyst = 'Dsam13-1' (Jewel of Desert Series), 'Jewel of Desert Garnet' (PBR) (Jewel of Desert Series) , 'Jewel of DesertMoon Stone' (PBR) (Jewel of Desert Series) , 'Jewel of Desert Peridott'(PBR)黄色 (Jewel of Desert Series) , Jewel of Desert Rosequartz = '12Rosk1'(PBR) (Jewel of Desert Series), 'Jewel of Desert Ruby' (PBR) (Jewel ofDesert Series) , 'Jewel of Desert Topaz' (PBR)橙色 (Jewel of Desert Series), 'Lavender Ice', 'Limoncello', 'Mesa Verde' , Orange Wonder = 'Wowdoy3' (PBR) (Wheels of Wonder Series) , 'Purple Ice', Violet Wonder= 'Wowdrw5' (PBR) (Wheels of Wonder Series) , White Wonder = 'Wowdw7' (PBR)(Wheels of Wonder Series) , 'Wowdry1' (PBR) , 'Wowday2' (PBR)
半常緑の多年草。あまり耐寒性は強くない。花は明るい赤紫色、直径5㎝以下。花期は6~9月。
4 Carpobrotus chilensis (Molina) N.E. Br. バクヤギク 莫邪菊
synonym Mesembryanthemum chilense Molina
アルゼンチン、チリ原産。英名はsea-fig。海岸、崖に野生化。
多年草。茎は這って広がる。葉は長さ4~7㎝、幅0.5~1.2㎝、 多肉質、断面が三角形、粉白色になる。萼片は5個、長さ1~2㎝。花は単生し、無柄、直径3~5㎝。花弁は100~140個、長さ1~2.5㎝、濃い赤紫色(ローズ・マゼンダ色)。雄しべは100~250個。葯は黄色。果実は長さ17~20㎜の卵形~ほぼ球形、裂開せず、熟すと柔らかくなる。花期は4~9月(通年)。
5 Carpobrotus edulis (L.) L. Bolus カルポプロツス・エドゥリス
南アフリカ原産。英名はHottentot-fig , sour fig , Cape fig。バクヤギクと呼ばれることがある。
花が直径(5)8~10(15)㎝、黄色、古くなるとピンク色になる。果実が食べられる。他種と交雑しやすい。ピンク色の花を持つ植物が野生で見られるのは、C. edulis が紫色の花を持つ Carpobrotus の種と交雑した場合だけである。
6 その他の品種
Aptenia 'Red Apple'( A. cordifolia x A. haeckeliana)
普通、ハナヅルソウの赤花として扱われる。
参考
1) Lampranthus aureus | PlantZAfricaLampranthus aureus (L.) N.E.Br.
http://pza.sanbi.org/lampranthus-aureus
2) Lampranthus aureus - Golden Ice Plant - Flowers of IndiaGolden Ice Plant
http://www.flowersofindia.net/catalog/slides/Golden%20Ice%20Plant.html
3) The European Garden Flora Flowering Plants: A Manual for the IdentificationLampranthus
https://books.google.co.jp/books?id=zKOyo9qv2HsC&pg=PA150&lpg=PA150&dq=Lampranthus+aureus+leaves+cm&source=bl&ots=2lP6nReRnj&sig=ACfU3U3GgMV5dlUoY204SuuEwQK6H-35ig&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjN6ZTG--DhAhXXc94KHZzpBsUQ6AEwCHoECAcQAQ#v=onepage&q=Lampranthus%20aureus%20leaves%20cm&f=false
4) GRINAptenia N. E. Br.
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=876
Lampranthus
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=6495
5) Flora of New Zealand | Taxon Profile Lampranthus
http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Lampranthus.html
Lampranthus spectabilis (Haw.) N.E.Br
http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Lampranthus-spectabilis.html
6)日本花粉学会会誌(Jap. J. Palynol.) 35(2):9-17 (1989)マツバギク科ルスキア連の花粉形態 加辺章夫
http://www.psj3.org/jp/papers/35_pdf/35(2)-9.pdf
7) Flora of VictoriaLampranthus
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/c5d8fc47-de8f-46bb-a528-c9f6d2cabfeb
Lampranthus multiradiatus (Jacq.) N.E.Br.
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/6f0f8f20-1bd0-42d2-a7d0-35c3981f3a4f