バクヤギク 莫邪菊
Flora of Mikawa
ハマミズナ科 Aizoaceae カルポプロツス属
英 名 | sea fig , coastal iceplant |
学 名 | Carpobrotus chilensis (Molina) N.E. Br synonym Mesembryanthemum chilense Molina |
花 期 | 4~9月(通年) |
高 さ | 地を這う |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 海岸、崖に野生化 |
分 布 | 帰化種 アルゼンチン、チリ原産 |
撮 影 | 田原市 07.6.30 |
園芸種として導入されたものが、野生化している。渥美半島西の砂浜で見られる。
茎は這って広がる。葉は長さ4~7㎝、幅0.5~1.2㎝、 多肉質、断面が三角形、粉白色になる。萼片は5個、長さ1~2㎝。花は単生し、無柄、直径3~5㎝。花弁は100~140個、長さ1~2.5㎝、濃い赤紫色。雄しべは100~250個。葯は黄色。果実は長さ17~20㎜の卵形~ほぼ球形、裂開せず、熟すと柔らかくなる。
よく似たCarpobrotus edulis (L.) L. Bolus (hottentot fig , sour fig ,ice plant ,freeway iceplant)は世界中に帰化している。大型で、葉が粉白色にならない。萼片は長さ3~4㎝。花は直径(5)8~15㎝、花弁は長さ3~4㎝もあり、花が黄色、古くなるとピン色になる。交雑しやすく、Carpobrotus chilensisもCarpobrotus edulisと他の紫色種との交雑種といわれている。
亜低木、多肉質、無毛。根はひげ根。茎は這い、マット状になり、長さ50~300㎝、節から根を出す。花序の枝は斜上する。葉は茎葉、対生、わずかに基部で合着し、無柄、対の葉は等形。托葉は無い。葉身はまっすぐ又は曲がり、断面が丸みを帯びた三角形~三角形、太く、肉質、縁は全縁又は歯状。花序は頂生又は腋生、花は単生。苞は無又は2個の葉状。花柄は無又は有、長さ10~60(~100)㎜、直立する。花は派手、管状、直径3~10(15)㎝。萼は4~5裂、不等長、2個の萼片が大きく、±対生、ときに葉状になり、内側の2~3個の萼片は小さく、縁が広い膜質になる。花弁(花弁状の仮雄しべを含む)は250個以下、分離し、マゼンタ色、ピンク色、黄色、クリーム色又は白色。蜜腺は無い。雄しべは600個以下、直立する。雌しべは心皮が8~12(~25)個。子房下位、8~12(~25)室、側膜胎座。花柱は無い。柱頭は8~12(~25)個、放射状につき、線形、羽毛がある。果実は液果、肉質、可食、非裂開、バルブは無い。種子は1000個以下、褐色、倒卵形、圧搾され、光沢があり、わずかにいぼ状、仮種皮は無い。
世界に13種あり、南アフリカに分布する。
【カルポプロツス属の種】
Carpobrotus acinaciformis (L.) L.Bolus
Carpobrotus aequilaterus (Haw.) N.E.Br.
Carpobrotus chilensis (Molina) N.E.Br.
Carpobrotus deliciosus (L.Bolus) L.Bolus
Carpobrotus dimidiatus (Haw.) L.Bolus
Carpobrotus edulis (L.) N.E.Br.
Carpobrotus glaucescens (Haw.) Schwantes
Carpobrotus mellei (L.Bolus) L.Bolus
Carpobrotus modestus S.T.Blake
Carpobrotus muirii (L.Bolus) L.Bolus
Carpobrotus quadrifidus L.Bolus
Carpobrotus rossii (Haw.) Schwantes
Carpobrotus virescens (Haw.) Schwantes
synonym Mesembryanthemum chilense Molina
アルゼンチン、チリ原産。英名はsea-fig。
茎は長さ2m以下、樹皮が灰色で割れ目があり、下面がマホガニー色(赤褐色)。葉は粉白色を帯び、葉身は断面が丸みを帯びた三角形、上部~中間で最も幅が広く、長さ4~7㎝×幅0.5~1.2㎝、外側の角は平滑。花柄は長さ10~50㎜。花は直径3~5㎝。萼片は断面がわずかに三角形、長さ10~20㎜、外側の角は平滑。花弁は100~140個、ローズマゼンタ色(rose-magenta)、2~3列につき、長さ10~25㎜。雄しべは100~250個、白色、3~4列につき、長さ4~7㎜、下部にはパピラがある。葯は黄色。柱頭は長さ2~3㎜、雄しべより下にあり、内側にパピラがある。果実は緑色~黄色、楕円形~類球形、長さ17~20㎜。花托は花柄に向かって幅が狭くなる。種子は200~350個。花期は通年、主に早春~夏。花は朝、開き、夜、閉じる。カリフォルニア、オレゴンメキシコ、スペインなどの海岸に帰化している。花が黄色のCarpobrotus edulis と他の紅紫色の交雑種と推定されている。(Flora of North America)
2 Carpobrotus edulis (L.) L. Bolus カルポプロツス・エドゥリス
南アフリカ原産。ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどで野生化。英名はHottentot-fig , sour fig , Cape fig。
茎は長さ3m以下、樹皮は宿存し、革質。葉は緑色、葉身は断面が鋭い三角形、下部~中間の幅が最も広く、上面が凹面、外側の角の先近くに、鋸歯があり、長さ5~11㎝×幅1~15㎝。花柄は長さ20~60㎜。花は直径8~10㎝[アフリカの原種 subsp. edulisは10~15㎝]。萼片は長さ10~60㎜、外側の2個の萼片は断面が鋭い三角、内側の角は上部近くに鋸歯があり、長さ30~60㎜。内側の3個の萼片は小さく、縁が膜質。花弁(花弁状の仮雄しべを含む)は100~200個、黄色、古くなるとピンク色になり、2~4(~5)列につき、長さ30~40㎜。雄しべは列に100個、黄色、4(~7)列につき、単純~羽毛があり、長さ6~8(~12)㎜。葯は黄色。柱頭は花の中心に放射状につき(starfish-like)、長さ8~15㎜。果実は黄色、棍棒形~類球形、先が落ち込み、長さ20~35㎜。果実は食べられる。種子は約1000個。2n=18。花期は通年、主に春。他種と交雑しやすい。ピンク色の花を持つ植物が野生で見られるのは、C. edulis が紫色の花を持つ Carpobrotus の種と交雑した場合だけである。
2-1 Carpobrotus edulis subsp. edulis
南アフリカ(ケープ州)に分布。花は黄色、直径10~15㎝。
2-2 Carpobrotus edulis subsp. parviflorus Wisura & Glen
南アフリカ(ケープ州)の西ケープ州の最高峰Du Toitskloof Mountainsに生える。花の直径が5㎝しかない。
他属の類似種
茎は這って広がる。葉は長さ4~7㎝、幅0.5~1.2㎝、 多肉質、断面が三角形、粉白色になる。萼片は5個、長さ1~2㎝。花は単生し、無柄、直径3~5㎝。花弁は100~140個、長さ1~2.5㎝、濃い赤紫色。雄しべは100~250個。葯は黄色。果実は長さ17~20㎜の卵形~ほぼ球形、裂開せず、熟すと柔らかくなる。
よく似たCarpobrotus edulis (L.) L. Bolus (hottentot fig , sour fig ,ice plant ,freeway iceplant)は世界中に帰化している。大型で、葉が粉白色にならない。萼片は長さ3~4㎝。花は直径(5)8~15㎝、花弁は長さ3~4㎝もあり、花が黄色、古くなるとピン色になる。交雑しやすく、Carpobrotus chilensisもCarpobrotus edulisと他の紫色種との交雑種といわれている。
カルポプロツス属
family Aizoaceae - genus Carpobrotus亜低木、多肉質、無毛。根はひげ根。茎は這い、マット状になり、長さ50~300㎝、節から根を出す。花序の枝は斜上する。葉は茎葉、対生、わずかに基部で合着し、無柄、対の葉は等形。托葉は無い。葉身はまっすぐ又は曲がり、断面が丸みを帯びた三角形~三角形、太く、肉質、縁は全縁又は歯状。花序は頂生又は腋生、花は単生。苞は無又は2個の葉状。花柄は無又は有、長さ10~60(~100)㎜、直立する。花は派手、管状、直径3~10(15)㎝。萼は4~5裂、不等長、2個の萼片が大きく、±対生、ときに葉状になり、内側の2~3個の萼片は小さく、縁が広い膜質になる。花弁(花弁状の仮雄しべを含む)は250個以下、分離し、マゼンタ色、ピンク色、黄色、クリーム色又は白色。蜜腺は無い。雄しべは600個以下、直立する。雌しべは心皮が8~12(~25)個。子房下位、8~12(~25)室、側膜胎座。花柱は無い。柱頭は8~12(~25)個、放射状につき、線形、羽毛がある。果実は液果、肉質、可食、非裂開、バルブは無い。種子は1000個以下、褐色、倒卵形、圧搾され、光沢があり、わずかにいぼ状、仮種皮は無い。
世界に13種あり、南アフリカに分布する。
【カルポプロツス属の種】
Carpobrotus acinaciformis (L.) L.Bolus
Carpobrotus aequilaterus (Haw.) N.E.Br.
Carpobrotus chilensis (Molina) N.E.Br.
Carpobrotus deliciosus (L.Bolus) L.Bolus
Carpobrotus dimidiatus (Haw.) L.Bolus
Carpobrotus edulis (L.) N.E.Br.
Carpobrotus glaucescens (Haw.) Schwantes
Carpobrotus mellei (L.Bolus) L.Bolus
Carpobrotus modestus S.T.Blake
Carpobrotus muirii (L.Bolus) L.Bolus
Carpobrotus quadrifidus L.Bolus
Carpobrotus rossii (Haw.) Schwantes
Carpobrotus virescens (Haw.) Schwantes
カルポプロツス属の主な種と園芸品種
1 Carpobrotus chilensis (Molina) N.E. Br. バクヤギク 莫邪菊synonym Mesembryanthemum chilense Molina
アルゼンチン、チリ原産。英名はsea-fig。
茎は長さ2m以下、樹皮が灰色で割れ目があり、下面がマホガニー色(赤褐色)。葉は粉白色を帯び、葉身は断面が丸みを帯びた三角形、上部~中間で最も幅が広く、長さ4~7㎝×幅0.5~1.2㎝、外側の角は平滑。花柄は長さ10~50㎜。花は直径3~5㎝。萼片は断面がわずかに三角形、長さ10~20㎜、外側の角は平滑。花弁は100~140個、ローズマゼンタ色(rose-magenta)、2~3列につき、長さ10~25㎜。雄しべは100~250個、白色、3~4列につき、長さ4~7㎜、下部にはパピラがある。葯は黄色。柱頭は長さ2~3㎜、雄しべより下にあり、内側にパピラがある。果実は緑色~黄色、楕円形~類球形、長さ17~20㎜。花托は花柄に向かって幅が狭くなる。種子は200~350個。花期は通年、主に早春~夏。花は朝、開き、夜、閉じる。カリフォルニア、オレゴンメキシコ、スペインなどの海岸に帰化している。花が黄色のCarpobrotus edulis と他の紅紫色の交雑種と推定されている。(Flora of North America)
2 Carpobrotus edulis (L.) L. Bolus カルポプロツス・エドゥリス
南アフリカ原産。ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどで野生化。英名はHottentot-fig , sour fig , Cape fig。
茎は長さ3m以下、樹皮は宿存し、革質。葉は緑色、葉身は断面が鋭い三角形、下部~中間の幅が最も広く、上面が凹面、外側の角の先近くに、鋸歯があり、長さ5~11㎝×幅1~15㎝。花柄は長さ20~60㎜。花は直径8~10㎝[アフリカの原種 subsp. edulisは10~15㎝]。萼片は長さ10~60㎜、外側の2個の萼片は断面が鋭い三角、内側の角は上部近くに鋸歯があり、長さ30~60㎜。内側の3個の萼片は小さく、縁が膜質。花弁(花弁状の仮雄しべを含む)は100~200個、黄色、古くなるとピンク色になり、2~4(~5)列につき、長さ30~40㎜。雄しべは列に100個、黄色、4(~7)列につき、単純~羽毛があり、長さ6~8(~12)㎜。葯は黄色。柱頭は花の中心に放射状につき(starfish-like)、長さ8~15㎜。果実は黄色、棍棒形~類球形、先が落ち込み、長さ20~35㎜。果実は食べられる。種子は約1000個。2n=18。花期は通年、主に春。他種と交雑しやすい。ピンク色の花を持つ植物が野生で見られるのは、C. edulis が紫色の花を持つ Carpobrotus の種と交雑した場合だけである。
2-1 Carpobrotus edulis subsp. edulis
南アフリカ(ケープ州)に分布。花は黄色、直径10~15㎝。
2-2 Carpobrotus edulis subsp. parviflorus Wisura & Glen
南アフリカ(ケープ州)の西ケープ州の最高峰Du Toitskloof Mountainsに生える。花の直径が5㎝しかない。