クララ 眩草、苦参

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Flora of Mikawa

マメ科 Fabaceae クララ属

別 名 マトリグサ、クサエンジュ
中国名 苦参 ku shen
英 名 shrubby sophora
学 名 Sophora flavescens Aiton
クララの花
クララの白花
クララの赤花
クララの果実
クララの小葉
クララ
クララとアゲハ
クララ葉裏
クララ種子
花 期 6~7月
高 さ 80~150㎝
生活型 多年草
生育場所 山野、土手、河原
分 布 在来種 日本、朝鮮、中国、ロシア、インド
撮 影 蒲郡市  06.7.1
和名の由来はこの草の根をかむと目がくらむほど苦いため、眩草(くららぐさ)といわれていたものが略されたものという。根はクジン(苦参) という薬草になる。全草にアルカロイド(マトリンなど)を含み有毒。
 茎は直立して、分枝する。茎、葉裏、果実などに短い伏毛がある。葉は奇数羽状複葉、小葉が15~35個つく。小葉は長さ2~4㎝。花は長さ20~25㎝の総状花序につき、長さ約15㎜の蝶形花、普通、淡黄色、まれに赤みを帯びるものが見られる。雄しべは10個、互いに離生する。果実は細長く、長さ7~8㎝、種子は1列に入り、中間付近でくびれることも多く、熟すと数珠状になり、裂開しない。種子は長さ4~5㎜。2n=18。

クララ属(ソフォラ)属

  family Fabaceae - genus Sophora

 落葉又は常緑、高木、低木、亜低木又は多年草、まれに絡みつく。葉は奇数羽状複葉。托葉は有又は無。小葉は多数、全縁、まれに小葉柄がある。総状花序は頂生又は腋生。花は白色、黄色又は紫色。苞は小さく、線形又は無。萼は鐘形又は杯形、5裂。上側の2裂片は等長、2唇形に近い。旗弁は円形~長円形~楕円形~倒卵形~倒披針形。翼弁は対称又は非対称。竜骨弁は翼弁に似る。雄しべは10個、離生又は基部が融合する。葯は多方向。子房は短柄があるか又は無。胚珠は数個~多数。柱頭は小さく、球形。豆果は円筒形、数珠形、肉質又は革質、ときに翼があり、非裂開又はゆっくり裂開する。種子は1個~多数、楕円形~楕円形~類球形、黒色~褐色~薄赤色。
 世界に約70種あり、熱帯~温帯に広く分布する。

クララ属の主な種と園芸品種

1 Sophora cassioides (Phil.) Sparre ソフォラ・カッシオイデス

  synonym Sophora microphylla 'Goldilocks'
 チリ、ゴフ島原産。ニュージーランドに帰化している。
 低木又は高木、高さ16m以下。枝はまばら、やや曲がりくねる。小枝は鉄さび色の絹毛で覆われ、後に無毛になる。葉は落葉、奇数羽状複葉、革質、上面は無毛、下面は鉄さび色の毛があり、長さ4~11㎝×幅1.5~2㎝、小葉は17~31個つき、類対生、楕円形~卵形、長さ0.6~1.1㎝×幅0.3~0.6㎝、先は鋭形~円形~わずかにノッチがあり、全縁。葉柄と葉軸は上面に連続した縦溝がある。托葉は早落性。花序は頂生の総状花序、黄金色の3~7個の花をつける。花は春の葉の展開と同時に開花する。花は広く広がり、萼は萼歯が広く、黄色。花弁は黄色、旗弁は翼弁より短い。果実は数珠形の豆果、黄色の種子を1~6個入れ、膨れた種子の入った部分に小円鋸歯縁の4翼をもつ。莢の先に長さ9㎝以下の木質の嘴がある。花期は8~9月春(チリ)。
品種) 'Goldilocks' , 'Goughensis'

2 Sophora davidii (Franchet) Skeels ソフォラ・ダビディー
  synonym Sophora moorcroftiana var. davidii Franch.
 中国(甘粛省、広西チワン族自治区、貴州省、河北省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、陝西省、四川省、西蔵、雲南省、浙江省)原産。中国名は白刺槐 bai ci huai。標高3400m以下の谷間の低木地、丘陵斜面、谷間の砂地に生える。
 低木または小高木、高さ1~2m、稀に3~4mになる。枝は無毛。不稔の枝は先端に刺があり、刺は分岐することもある。葉は長さ2~6.5(~8)cm。托葉は錐形、刺のあるものもあり、まばらに毛があり、宿存する。小葉は11~19枚、通常、楕円状卵形または倒卵状長円形、長さ5~20mm、下面にまばらに絨毛があり、上面は無毛、先は円形または微凹形、通常、微突がある。総状花序は小枝の頂部につく。花は小さく、長さ約15mm以下。萼は鐘形、青紫色、不等の5歯があり、無毛。花冠は白色または薄黄色、旗弁は赤紫色のものもあり、稀に青紫色。旗弁は倒卵状長円形、約・長さ14mm×幅6mm、先端は丸く、基部に細い爪部があり、後屈する。翼弁は旗弁と同長、倒卵状長円形、幅約3mm、片側に耳状突起がある。竜骨弁は翼弁よりわずかに短く、鎌状倒卵形、耳がある。雄しべは10本、等長で基部がわずかに融合する。子房は雄しべより長く、黄褐色の毛が密にあり、多数の胚珠を持つ。花柱は湾曲し、無毛。豆果はわずかに扁平、長さ6~8cm×幅0.6~0.7cm、縫合部に沿って2バルブがあり、まばらに毛がある。種子は3~5個、暗褐色、卵形、長さ約4mm。花期は3~8月。果期は6~10月。
品種) 'Hans Fliegner'

2-1 Sophora davidii var. chuansiensis (C.Y.Ma) C.Y.Ma & B.J.Bao ex B.J.Bao & Vincent

  synonym Sophora viciifolia var. chuansiensis C.Y.Ma
 中国(四川省、西蔵、雲南省)原産。中国名は川西白刺槐 chuan xi bai ci huai。標高2500~3400mの乾燥した丘陵斜面、谷間の砂地に生える。
 小葉は非常に小さく、通常は倒卵形、長さ5~6mm×幅2~4mm、側脈は明瞭ではない。花冠は青紫色。豆果は種子間で短くくびれる。
2-2 Sophora davidii var. davidii
  synonym Sophora moorcroftiana var. viciifolia Yakovlev
  synonym Sophora viciifolia Hance
 中国(甘粛省、広西チワン族自治区、貴州省、河北省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、陝西省、四川省、雲南省、浙江省)原産。中国名は白刺槐 bai ci huai。標高2500m以下の谷間の低木林、丘陵斜面に生える。
 小葉は11~19枚、楕円状卵形または倒卵状長円形、長さ10~15mm、側脈は明瞭ではない。花冠は白色または乳白色。豆果はわずかに扁平、種子間のくびれは明瞭ではない。種子は3~5個。
2-3 Sophora davidii var. liangshanensis (C.Y.Ma) C.Y.Ma ex B.J.Bao & Vincent
  synonym Sophora viciifolia var. liangshanensis C.Y.Ma
 中国()原産。中国名は凉山白刺槐 liang shan bai ci huai。標高700~800mに生える。
 小葉は大きく、長円形で、長さ15~20mm。側脈は明瞭で、灰白色の細柔毛がある。豆果は数珠形、種子間には長いくびれがある。種子は2~3個、まれに5個ある 。

3 Sophora flavescens Aiton クララ 眩草

  synonym Sophora flavescens Aiton var. angustifolia (Siebold et Zucc.) Kitag.

 日本、朝鮮、中国、ロシア、インド原産。中国名は苦参 ku shen 。
 多年草。高さ80~150㎝。茎は直立して、分枝する。茎、葉裏、果実などに短い伏毛がある。葉は奇数羽状複葉、小葉が15~35個つく。小葉は長さ2~4㎝。花は長さ20~25㎝の総状花序につき、長さ約15㎜の蝶形花、普通、淡黄色、まれに赤みを帯びるものが見られる。雄しべは10個、互いに離生する。果実は細長く、長さ7~8㎝、種子は1列に入り、中間付近でくびれることも多く、熟すと数珠状になり、裂開しない。種子は長さ4~5㎜。2n=18。花期は6~7月。

3-1 Sophora flavescens Aiton f. purpurascens (Makino) Sugim. ムラサキクララ

 花が紫色の品種。

4 Sophora franchetiana Dunn ツクシムレスズメ 筑紫群雀
 日本(熊本県、宮崎県、鹿児島県)、中国(福建省)原産。中国名は闽槐 min huai 。
 低木又は小高木、高さ1~3m。小枝は密に褐色に綿毛がある。葉は長さ10~15㎝。托葉は錐形、長さ約4㎜。葉柄は長さ1~2㎝。小葉は11~15個、楕円状長円形又は卵状長円形、長さ3~4㎝×幅1.5~2㎝、紙質、下面は綿毛があり、上面は薄緑色、側脈は不明瞭、基部は円形又は狭くなり、先は鋭形又は尖鋭形、総状花序は頂生、長さ約6㎝、密に綿毛がある。花序軸は長さ約2㎝。花は長さ12~15㎜。萼は長さ2~3㎜×幅4~5㎜、密に綿毛がある。萼歯は5個、等、三角形。花冠は白色。旗弁は倒卵状長円形又は円形、約長さ10㎜×幅6㎜、基部は急に爪部になり、先は微凹形。翼弁は長円形、弁部は約長さ7㎜×幅3.5㎜、耳はほとんど無く、爪部は細い。竜骨弁はかま形に近く、先は鈍形、弁部は約長さ6㎜×幅4㎜、爪部は長さ約3㎜。雄しべは10本、離生又は基部が融合する。子房はまばらに褐色の毛がある。胚珠は4個。豆果は円柱形、長さ4~6㎝、褐色、有毛、細い嘴があり、種子が複数なら種子の間がくびれる。種子は1個まれに、2~3個、黄色、卵形、長さ約8㎜、光沢がある。花期と果期は4~9月。

5 Sophora fulvida (Allan) Heenan & de Lange ソフォラ・フルビダ
 ニュージーランド原産。英名はwest coast kowhai, kōwhai。マキ科と広葉樹の混合林内の基盤の豊富な火山岩、瓦礫、露頭の上にある開けた場所または乱れた場所に生える。
高さ10mにもなる小型のコウハイノキ(kowhai tree)。葉は黄緑色または灰色で、毛深く、小さな小葉が密につく。若い枝にも毛があり、幼木は分岐しない。成木の葉は長さ140mmまで成長し、60~90枚のほぼ楕円形の小葉をつける。小葉は長さ1.8~7.5mm×幅1.2~4.5mm。若い葉は大きく、ほとんど毛がなく、楕円形、長さ2~3mm×幅4~6mm。花は黄色。2n=18。花期は1~11月。果期は4~5月。
品種) 'Whatipu'

6 Sophora godleyi Heenan & de Lange ソフォラ・ゴドレイー
 ニュージーランド原産。英名はGodley's kowhai , papa kowhai , Rangitikei kowhai。主に石灰岩、石灰質泥岩、シルト岩、砂岩、およびこれらの母岩から生じた沖積層の上に生える。また、ブルズ湖やアリス湖周辺の古い砂丘にも生える。
 小型から大型の高木、高さは25mに達することが多く、1本の主幹または数本の顕著な主枝を持つ。主枝は直立または広がり、散開および/または強くジグザグに曲がり、若い小枝はない。小枝には密に毛が生え、成長すると無毛になる。毛は伏せ、広がるかまたは開出し、主に巻き毛、曲がり、または捻じれており、真っ直ぐなこともある。実生および若い木の葉は中程度~密につき、葉の小葉の数は増加する。若い木の小葉は長さ6.0~9.0mm×幅3.5~6.0mm、卵形、±円形~楕円形、無毛からまばらに毛が生え、毛は中程度になり、密集したり重なり合ったりしない。成木の葉は長さ170mm以下で、奇数羽状複葉、葉柄と葉軸には上面に溝があり、小葉は47~75枚。成葉の小葉は長さ2.0~8.0mm×幅2.0~5.0mm、卵形~広楕円形、ときに±円形、上部の小葉は通常下部の小葉より小さく、ときに混み合うが重なり合わず、上面は灰色~緑色、灰色で、下面は上面より色が薄く、しばしば凹面形であり、先は微凹形~ときに円形、基部は鈍形。小葉柄は長さ2mmまで、長さ 3mm未満の小葉ではしばしば長さ0.5mmまでしかなく、葉柄、葉軸、小葉柄、小葉には通常細柔毛があり、ときに絨毛があり、毛は長さ0.2~0.6mm。伏せ、傾伏、広がるか開出し、主に縮れ、曲がり、捻じれているが、真っすぐなこともある。花序は総状花序、花は最大7個まで。花序柄と花序軸は長さ20~40mm。小花柄は長さ20mmまで、それぞれ基部に苞がつく。苞は長さ1.5~3.5mm。花序柄、花序軸、小花柄、苞、萼には中程度~密に毛が生え、毛は褐色で伏せ、傾伏、または広がり、または開出する。萼は長さ9~13mm×幅10~16m、杯形、縁は浅く裂け、旗弁に隣接してより深いノッチがある。花冠は黄色。竜骨弁は長さ34~50mm×幅9~14mm、翼弁は長さ25~18mm×幅6~9mm、旗弁は長さ20~35mm×幅1.1~2.1mm。花弁には明確な爪部があり、長さ5.0~6.5mm。柄は長さ6~1.1mmで、±無毛。子房は長さ17~23mm、密に毛があり、毛は長さ0.4~0.7mm、オフホワイト~薄褐色、伏せ、広がるか、または開出し、真っすぐ、湾曲、または捻じれる。花柱は長さ12~14mm、葯より突出し、無毛または少数の捻じれた毛がある。柱頭は短毛で縁取られる。花糸は長さ25~40mm。葯は長さ1.8~2.0mm×幅0.9~1.0mm。果実は長さ60~120mm、4翼があり、褐色、まばらから中程度の毛があり、最大11個の種子を含む。種子は長さ5~8mm×4~5mm、長円形、黄色~黄褐色。花期は10~12月。果期は1​​~5月。2n=18。
品種) 'Goldie's Mantle' , 'Ohingaiti'

7 Sophora koreensis Nakai イヌムレスズメ 犬群雀
  synonym Echinosophora koreensis (Nakai) Nakai
 朝鮮原産。 ムレスズメに似て花が橙色に変わる。別名イヌクララ(狗苦参)。
 落葉低木。高さ0.5~1m。樹皮は暗褐色。枝は帯暗褐色、毛がある。葉は互生し、 小葉は13~27個つき、楕円形、長さ4~6㎝、下面には白毛が密にある。新枝の先の総状花序に花を5~6個つける。花は鮮やかな黄色、次第に赤色を帯び、橙色になる。花期は4~6月。

8 Sophora microphylla Aiton ソフォラ・ミクロフィラ
  synonym Sophora tetraptera var. microphylla (Aiton) Hook. f.
 ニュージーランド原産。英名はsmall-leaved kowhai , kowhai , common kowhai , weeping kowhai。
 高木、中型~大型、高さ25m以下。1本の主幹又は数本の明瞭な枝をもち、枝は枝垂れ、広がり又は斜上する。若い小枝は開出又は強く屈曲し、小枝がしばしば強く絡み合い、黄褐色~橙褐色、無毛~まばらに毛があり、成長すると毛が増し、毛は伏せ、真っすぐ。若枝は葉が中程度~まばらで、葉の小葉が増してくる。若枝の小葉は長さ3.0~5.8㎜×幅2.3~4.9㎜、広卵形~円形、±無毛~まばらに毛があり、離れ、密にならず、重ならない。成長すると葉は長さ15㎝以下、奇数羽状複葉、葉柄と葉軸の上側に溝があり、小葉は30~50個つく。成長すると小葉は長さ4.5~12.5㎜×幅2.3~5.7㎜、楕円形~広楕円形~倒卵形~卵形、ときに±円形、上部と下部の小葉は普通、小さく、密でなく、重ならず、離れ、上面と下面は±平面であり、上面は薄緑色~緑色、下面は薄緑色、先は微凹形~円形、基部は楔形~鈍形。小葉柄は長さ0.4~1.1㎜、明瞭。葉柄、葉軸、小葉柄及び小葉にはまばら~中程度に毛があり、毛は長さ0.2~1㎜、伏せ、真っすぐ。花序は総状花序、7個以下の花がつき、花序柄と花序軸は長さ10~25㎜。花柄は長さ16㎜以下、基部を苞が抱く。苞は長さ1.8~3.4㎜。花序柄、花柄、苞及び萼は中程度~密に毛があり、毛は褐色~黄褐色、普通、伏せるが、ときに弱く、開出する。萼は長さ5~11㎜×幅7~10㎜、杯形、縁は浅裂し、旗弁に隣接して深いノッチをもつ。花冠は黄色。竜骨弁は長さ18~50㎜×幅7~13㎜。翼弁は長さ18~50㎜×幅6~11㎜。旗弁は長さ20~35㎜×幅14~25㎜。花弁は明瞭な長さ4~8㎜の爪部をもつ。柄は長さ7~10㎜、無毛~中程度に毛がある。子房は長さ8~17㎜、密に毛があり、毛は長さ0.5㎜以下、鈍白色~薄褐色、伏せ~開出、真っすぐ。花柱は長さ10~15㎜、無毛~まばらに毛がある。柱頭は無毛又は少数の縁毛をもつ。花糸は長さ20~35㎜。葯は長さ2.0~2.5㎜×幅1.0~1.3㎜。果実は長さ50~200㎜、4翼蛾あり、褐色、まばら~中程度に毛があり、12個以下の種子をもつ。種子は長さ5.5~8.5㎜×幅4.0~5.5㎜、長円形~±球形、黄色~薄黄褐色。花期は(5~)8~10月。果期は10~5月。
品種) 'Sun King'' = 'Hilsop' (PBR)
 常緑。高さ3m以下。花が大きく、美しい。

※全く別種のSophora prostrata 'Little Baby' がソフォラ・ミクロフィラという名で盆栽に使われている。

9 Sophora molloyi Heenan & de Lange ソフォラ・モロイー
 ニュージーランド原産。英名はCook Strait kowhai , Molloy's kowhai , Stephen's Island kowhai。沿岸部(海抜0~300m)の崖、崖錐、活発な扇状地、または非常に風雨にさらされる場所に局地的に生える。
 低木、茂み状になり、広がるかまたは傾伏し、高さ3mにもなる。枝は、複数、匍匐、傾伏、および/または広がる主枝が地表または地表近くから発生し、分岐および/または屈曲する若い小枝はない。小枝は匍匐、傾伏、または広がり、中程度~密に毛が生え、成長すると無毛になり、毛は伏せ、真っすぐ。実生および若い植物は中程度~密に葉がつき、葉の小葉の数は増加する。若い植物の小葉は長さ2.5~3.5mm×幅2.0~2.5mm、円形~広楕円形で毛がまばら~中程度に生え、密集したり重なり合ったりしない。成木の葉は長さ100mm以下で、奇数羽状複葉、ほぼ二つ折り、葉柄と葉軸は上面に溝があり、小葉は23~37枚。成葉の小葉は長さ5.0~12.0mm×幅 2.0~6.0mm、楕円形~楕円状長円形~広楕円形、上部と下部の小葉は大きさが似ており、混み合ったり重なったりせず、離れており、上面は暗緑色、下面は薄緑色。先は円形~わずかに微凹形、基部は鈍形。小葉柄は長さ0.4~0.5mm。葉柄、葉軸、小葉柄、小葉には通常、軟毛があり、毛は長さ約0.2mmで、伏せ、真っすぐ。花序は総状花序、花は最大5個。花は通常、葉の間に隠れている。花柄と梗は長さ10~20 mm。花柄は最大15 mmで、それぞれに苞葉がある。苞葉は長さ1~2mm。花序柄、花序軸、小花柄、苞、萼には中程度~密に毛があり、毛は褐色で伏せている。萼は長さ9~12mm×幅10~16mm、カップ形、縁は浅く裂け、旗弁に隣接してより深い切れ込みがある。花冠は黄色、竜骨弁(ked Petal blade)は長さ26~30mm×幅7.5~11mm、翼弁は長さ25~30mm×幅6.5~8.5mm、旗は長さ20~23mm×幅18~21mm、花弁には明確な爪部があり、長さ4.5~7.5mm。柄は長さ5~7mm、無毛~まばらに毛がある。子房は長さ18~20mm、密に毛があり、毛は長さ0.2~0.4mm、オフホワイト~薄褐色、伏せている。花柱は1本、長さ1~12mm、無毛~まばらに毛がある。柱頭は短毛のフリンジがある。花糸は長さ24~30mm。葯は長さ1.7~2.1mm×幅0.8~0.9mm。果実は長さ50~100mm、4翼があり、褐色、まばら~中程度に毛があり、9個までの種子を含む。種子は長さ4.3~8.8mm×幅3.0~4.0mm、長円形、薄褐色~黄色。花期は4~10月。果期は6~5月。2n=18。
品種) 'Dragon's Gold' , 'Early Gold'

10 Sophora prostrata Buchanan ソフォラ・プロスタータ
 ニュージーランド原産。英名はprostrate kowhai , dwarf kowhai , south island kowhai
品種の'Little Baby' が盆栽に使われ、誤ってソフォラ・ミクロフィラと呼ばれている。
 常緑低木、茎は平伏~叢生し、高さ約2m以下。茎はジグザグに分枝し、密に枝が開出し、成熟した小枝は褐色、無毛。葉は奇数羽状複葉、長さ2.5㎝以下、小葉は8対以下つく。小葉は長さ約4㎜以下、長円形、成熟すると下面の中脈の上を除いて無毛、葉脈は明瞭。花は単生、双生又は3個つき、花序柄は細く、絹毛があり、橙色~褐黄色、まれに明るい黄色。萼は伏した毛があり、長さ約1㎝。旗弁は長さ1.5㎝以下、わずか又は明瞭に翼弁より短い。竜骨弁は長さ約2㎝。豆果の莢は通常、嘴を含めて長さ1.5㎝以下、若いときに絹毛があり、種子は5個以下、極狭い翼がある。種子は暗褐色~赤褐色、長さ約7㎜。花期は7~11月。
品種) 'Little Baby'

11 Sophora tetraptera J.F.Mill. ソフォラ・テトラプテラ
 ニュージーランド原産。英名は large-leaved kowhai , north island kowhai。沿岸地域の森林や低木地帯、河川や湖畔の低地、河川沿いの山地に生える。
 樹高は15mにも達し、幹の直径は0.6~1m。地上から複数本発生することが多い。枝は広がり、時に垂れ下がる。小枝はやや黄褐色(fulvellous:somewhat tawny)、黄金色または灰色の綿毛に覆われる。幼植物は分岐したり屈曲したりせず、発芽時から直立し、絡み合わない習性を示す。葉は長さ100~150(~220)mm、奇数羽状複葉、中程度の毛があり、毛は真っすぐで、伏せる。小葉は10~20(~25)対つき、長さ15~35(~40)mm×幅5~8mm、間隔が広く、重なり合ったり混み合ったりすることはなく、狭卵形~楕円状長円形。花序は総状花序で、花が4~10個つく。萼は長さ10~20mm×幅10~15mm、杯形。花は黄金色、竜骨弁は長さ20~50(~60)mm×幅10~16(~18)mm、翼弁は長さ25~50(~62)mm×幅10~16mm、旗弁は長さ30~35(~42)mm×幅18~30(~35)mm。花弁は長さ6~8mmの明瞭な爪部を持つ。果実は長さ(100~)200(~280)mm、幅の広い4翼があり、褐色、6~12個またはそれ以上の種子を含む。種子は長さ6.5~9(~10)mm×幅6~7.5mm、長円形~楕円形~円形、黄色~薄黄褐色。花期は(9~)10~12月。果期は10~5月。2n=18。
品種) 'Grandiflora'

12 Sophora tomentosa L. イソフジ 磯藤
 日本(奄美諸島以南の南西諸島)、中国、台湾、熱帯アジア、南太平洋諸島原産。英名は necklacepod , yellow necklacepod , silver bush 。中国名は绒毛槐 rong mao huai 。
 低木又は小高木、高さ2~4m。枝には短い綿毛がある。葉は長さ12~18㎝。托葉は無い。小葉は11~15(~19)個つき、楕円形又は円形、まれに卵形、長さ2.5~5㎝×幅2~3.5㎝、革質に近く、下面には密に灰白色の綿毛があり、上面は無毛、側脈は不明瞭、基部は円形、先は円形又は微凹形。総状花序は頂生、長さ10~20㎝、灰白色の綿毛がある。花は密につき、花柄は萼の長さと同長、長さ15~17㎜。苞は線形。萼は鐘形、長さ5~6㎜、短い綿毛がある。花冠は黄色又はクリーム色。旗弁は広卵形、約長さ17㎜×幅10㎜、弁部は長さ約3㎜。翼弁は長楕円形、1耳があり、爪部は細く、長さ約5㎜。竜骨弁は翼弁に似るが、わずかに短い。雄しべは10本、離生。子房は密に毛がある。花柱は短く、長さ2㎜以下。豆果は数珠形、長さ7~10㎝×幅0.9~1㎝、短毛がある。種子は多数、褐色、球形、光沢がある。花期は8~10月。果期は9~12月。

13 その他ハイブリッド
品種) 'Little Baby'

参考

1) Flora of China
 Sophora
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=130696
2) GRIN
 Sophora
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11294
3) New Zealand Plant Conservation Network
 Sophora
https://www.nzpcn.org.nz/flora/species/?genus=sophora
 Sophora microphylla
https://www.nzpcn.org.nz/flora/species/sophora-microphylla/
 Sophora tetraptera
https://www.nzpcn.org.nz/flora/species/sophora-tetraptera/
4) Flora of New Zealand | Taxon Profile
 Sophora microphylla Aiton
http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Sophora-microphylla.html
 Schizanthus pinnatus Ruiz & Pav.
http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:817918-1
5) Trees and Shrubs Online
 Sophora cassioides (F. Phil.) Sparre
https://treesandshrubsonline.org/articles/sophora/sophora-cassioides/
6)Vascular Plants of Williamson County Dermatophyllum secundiflorum ...
 Dermatophyllum secundiflorum(syn. Sophora secundiflora)
http://w3.biosci.utexas.edu/prc/K12/pdf/Dermatophyllum%20secundiflorum