コウゾリナ 髪剃菜
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae コウゾリナ属
| 中国名 | 日本毛连菜 ri ben mao lian cai |
| 学 名 | Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov synonym Picris japonica Thunb. synonym Picris japonica subsp. japonica |
| 花 期 | 5～10月 |
| 高 さ | 30～100㎝ |
| 生活型 | 越年草 |
| 生育場所 | 山野に普通 |
| 分 布 | 在来種 本州、四国、九州、中国、カザフスタン、モンゴル、ロシア |
| 撮 影 | 設楽町 07.5.20 |
和名はカミソリのように手が切れそうなことに由来する。道端、土手などで普通に見られ、春～秋までと花期が長い。秋に芽を出してロゼットで越冬する。
茎や葉に短くて鋭い剛毛が生え、剛毛の先がいかりのようになっているのが特徴。葉は長さ5～15㎝、茎上部は無柄、下部では基部が細くなって翼のある葉柄となる。葉縁や葉裏の毛も先がいかり状。花は茎上部で枝分かれして多数つき、直径2～2.5㎝。頭花は舌状花のみで、筒状花はない。総苞は筒形～鐘形。総苞片は先が尖り、背には黒色の鋭い剛毛がほぼ1列につく。果実は嘴がなく、長さ約5㎜赤褐色、多数の縦肋と細かい横肋が多数ある。冠毛はやや褐色を帯び、羽状に枝分かれする。2n=10。
アザミ類、キツネアザミ、オクモミジハグマなどは冠毛に枝分かれがあるが、日本で見られるタンポポ亜科のうち、冠毛の枝分かれのあるものは少ない。本州で見られるものはコウゾリナ類とエゾコウゾリナ属のブタナ、ヒメブタナだけである。
1年草又は多年草、ロゼットになり又はならない。硬い 2(～4)個の鈎のついた毛又はまれに単純毛をもつ。茎は単生で普通、分枝し、まれに少数つき、弱い。合成花序は散房花序、ときに弱い散房花序になる。頭花は、普通、小花が20～50個。総苞は鐘形～つぼ形。総苞片は±無毛又は剛毛がある。外総苞片は数列、求心的に次第に長くなり、±覆瓦状、ほとんどが内総苞片の長さの1/2～2/3。内総苞片は±線状披針形～線形、長さが±等しい。花托は裸。小花は黄色。痩果は±同形、果体は紡錘形～狭楕円形、しばしばやや曲がり、細かい2次うねがある5本の主うねをもち、横しわがあり、先は切形又は収縮して短い嘴になり、果体と同じように凸凹模様がある（=尖り）。冠毛は白色又は汚白色、硬い線毛状の羽毛状の剛毛(plumose bristles)、しばしば最も外側の剛毛が短くなり、±ザラつく(縁の痩果ではときに、小さな王冠状の構造になる)。x=5。
世界に約50種あり、アフリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパに分布する。
synonym Picris daurica Link
アルタイ山脈(中国・モンゴル・ロシア)、アムール川(中国・ロシア)、ロシア、カザフスタン、モンゴル原産。
グフリヤコウゾリナは葉が一体に軟質で、淡緑色をなし、枝は上向してあまり開出せず、総苞片の毛が少い点が異っている。2n=10。
現在、Kewscienceでは独立種としているが、YListではチョウセンコウゾリナに含める。
2 Picris echinoides L. ハリゲコウゾリナ 針毛髪剃菜
1年草又は2年草。茎は粗く、高さ30～200㎝。根生葉は楕円形～倒披針形、長さ4～25㎝×幅1～10㎝、葉柄状の基部まで狭くなる。下部の茎葉は似ているが基部で茎を抱く。上部の茎葉は披針形～卵形、無柄、茎を抱く。頭花は多数つき、直径2～4㎝。束生し、円錐花序状になる。花序柄は短又は長。総苞は長さ15～20㎜。外総苞片は開出～斜上、葉状、広卵形、心形、しばしば、内総苞片を覆い、内総苞片は直立、披針形、先細。花冠は黄色、ときに外面に赤色の縞模様をもつ。痩果は嘴を含めて長さ5～7.5㎜(果体が楕円形、長さ約3㎜、細い、長さ約3㎜の嘴をもつ)、果体は嘴の長さとほぼ同長。外側はほぼ白色～わら色～タン色、内面に±毛があり、内側は±褐色、横に粗くなり、無毛。嘴は細い。冠毛は長さ4～7㎜、羽毛状、白色。2n=10。花期は通年。
3 Picris hieracioides L. セイヨウコウゾリナ 広義
高さ16～120㎝。1年草又は短命な多年草。直根は丈夫。茎は直立、分枝し、特に上部3/1で分枝が多く、粗毛があり、開出する硬い2鈎のある毛をもち、葉がつく。根生葉（花時前に枯れる）と下部の茎葉は狭楕円形～広披針形、長さ8～20㎝×幅2～4㎝、上面と特に脈上に開出する硬い2鈎のある毛をもち、基部は漸尖し、翼のある葉柄状の部分になり、縁は全縁～粗く鋭い歯状、先は尖鋭形、鋭形、又は鈍形。中間と上部の茎葉は無柄、披針形～線形、小さく、基部は半抱茎～抱茎、縁は乏しい歯状又は全縁、他は下部の茎葉に似る。合成花序は散房花序～散房花序状の円錐花序、数個～多数の頭花をもつ。花序柄は細い。総苞は円筒状鐘形～卵形、長さ0.9～1.2㎝。総苞片は外面の中肋に帯白色の硬い2鈎のある毛をもつ。外総苞片と内総苞片は±線状披針形、先は鋭形～尖鋭形。小花は黄色。痩果は褐色、紡錘形、長さ3～5㎜、先は切形。冠毛は長さ5～6㎜、脱落性。花期と果期は6～10月。2n=10。
synonym Picris koreana (Kitam.) Vorosch.
synonym Picris japonica subsp. japonica [Kewscience]
全体剛直で、葉の色はやや淡く、上部の葉は基部が拡がって抱茎状をなす。枝は太くてよく開出し、上部では簇生(ぞくせい)して散形状をなす事が多い。総苞は広く、鐘形。総苞片は緑色で黒味を帯びず、緑色で淡黄色の剛毛が多い。また、頭花の花冠は常に淡黄色～黄白色で、濃黄色を呈することは絶対にない。
2年草又は短命の多年草、高さ30～120㎝、直根がある。茎は直立、ほとんど先で分枝し、粗毛があり、暗緑色～帯黒色の硬い2鈎がある毛をもち、葉がある。根生葉(花時に枯れる)と下部の茎葉は倒披針形、楕円状披針形、又は楕円状倒披針形、長さ12～20㎝×幅1～3㎝、両面に硬い2鈎のある毛があり、基部は漸尖し、葉柄状の部分になり、縁には鋭い歯～波状の歯があり、先は鋭形～尖鋭形。中間の茎葉は無柄、披針形、基部は半抱茎、小さいが、他は下部の茎葉と同じ。上部の茎葉は線状披針形。合成花序は散房花序～円錐花序状の散房花序、多数の頭花をもつ。花序柄は細く、茎や枝のような粗毛がある。総苞は円筒状鐘形～卵形、長さ1～1.2㎝。総苞片は緑色～黒緑色、外面は帯暗色～暗色の粗毛があり、2鈎の毛を主に中脈にもち、先は鋭形～尖鋭形。外と内総苞片は線状披針形。小花は黄色。痩果は赤褐色、紡錘形、長さ3～5㎜、先は切形。冠毛は長さ約7㎜、脱落性。2n=10。花期は5～10月
2年草。茎は叢生又は根元でよく分枝し、斜上するものが多く、枝は長さ10～25㎝、あまり高くならない。茎や葉に短くて鋭く硬く、先が2又に開出する剛毛がある。根生葉は花時にもあり、ロゼットになり、倒披針形～披針形、長さ12～20㎝、基部には翼のある葉柄がつく。茎葉は根生葉より小さく、中部の茎葉は狭い頂円形、基部は半抱茎。上部の葉は基部が抱茎。葉の縁には浅い歯牙状の鋸歯があり、両面にやや剛毛がある。頭花はコウゾリナよりやや小さく、直径約2㎝。花序柄は長さ2～4㎝。総苞は長さ11～12㎜×幅11～14㎜。内総苞片は長さ11～12㎜、外総苞片は長さ3～4㎜、背の毛は長さ0.5～0.8㎜の硬い剛毛痩果は長さ(3.5)4.5～5㎜、紡錘形、赤褐色。冠毛は長さ約7㎜、やや褐色を帯び、羽状に枝分かれする。花期は10～11月。花期はコウゾリナより遅い。
日本(長野県)の中部地方の赤石山に分布する。
葉が細く、線状披針形、幅6～9㎜。 頭花が小さく、総苞は長さ6～9㎜、剛毛が少ない。
synonym Picris japonica Thunb. var. jessoensis (Tatew.) Ohwi
北海道固有。空知、上川、宗谷、網走の蛇紋岩地に分布する。
コウゾリナよりも小さく、高さ40-60cm。葉はコウゾリナよりも細い。剛毛は少ない。花期は7～8月。2n=10。
synonym Picris hieracioides L. subsp. mayebarae Kitam.
九州に分布。
花は濃黄色.痩果は長さ約4.5㎜。花期は12月。
多年草、直立し、茎は高さ40～90㎝、硬い剛毛があり、毛は先が錨形。下部の茎葉はほぼ無柄、狭倒卵形～へら形、長さ 8～15㎝×幅1～3 ㎝、先は鋭形又は鈍形、縁は粗く歯があり、基部は楔形、両面に短剛毛がある。上部の茎葉は下部の茎葉より短く、長円形～披針形。花期は7～9月。頭花は数個、散房花序につく。総苞は卵状つぼ形、長さ10～11㎜。総苞片は3列。外総苞片は披針形、長さ3～5㎜×幅約1㎜、先は鋭形、外側は剛毛とまばらに綿毛があり、内側は無毛。内総苞片は長さ9～11㎜×幅1～1.3㎜、縁は薄膜質、外側は剛毛とまばらな綿毛があり、内側は無毛。花は舌状花、2形。小舌は黄色、狭長円形、長さ5～6㎜×幅約1㎜。筒部は3.5～4㎜、上部に毛がある。子房は狭長円形、長さ約2㎜×幅約0.7㎜、無毛。冠毛は白色、長さ5～6㎜。痩果は褐色、長さ4～5㎜×幅約1㎜、縦に溝があり、横に小しわがある。
synonym Picris japonica Thunb. var. alpina (Koidz.) Ohwi
synonym Picris hieracioides L. var. alpina Koidz.
synonym Picris echioides var. kamtschatica (Ledeb.) B.Boivin
日本(北海道、本州)、ロシア原産。北アメリカに帰化。別名はタカネコウゾリナ。亜高山帯～高山帯に分布する。Flora of North AmericaではPicris hieracioides L.に含めている。
茎は高さ25～40㎝、かなり密に粗毛(剛毛)がある。花時にも根生葉が残ることが多い。下部の茎葉は倒披針形、長さ8.5～9.5㎝×幅1.5～2㎝、先は鋭形又は鈍形、基部は狭くなり、翼のある葉柄がある。中部の茎葉は長円状披針形、長さ6.5～7㎝、鋸歯があり、先は鋭形、無柄、半抱茎。頭花は直径2.5～3㎝、緩い散房花序につく。総苞は長さ12～13㎜、直径12～17㎜、黒緑色。小花は全て舌状花。小舌は黄色、長さ14～17㎜×幅1.6～2㎜、筒部は長さ約5㎜。痩果は長さ4.5～6㎜。冠毛は長さ7～8㎜。花期は6～8(9)月。
台湾原産。中国名は台湾毛连菜 tai wan mao lian cai。標高1400～3500の山地の牧草地や開けた場所に生える。
多年草、高さ20～70㎝、直立し、直根がある。茎はほとんど単生、直立し、特に先端で分枝し、多毛があり、先端に2鈎のある堅い粗毛が開出し、葉がある。根生葉と下部の茎葉は狭楕円形～狭披針形、長さ6～16㎝×幅0.5～0.8(～1.1)cm、剛毛があり、先端に2鈎のある堅い粗毛が開出し、基部は漸尖し、縁は粗く～浅い波状歯があり、先は尖鋭形。 中部および上部の茎葉は、下部および基部の茎葉よりも小さく、それ以外は類似し、狭披針形～線状披針形、基部は切形、先は鈍形～尖鋭形。合成花序は緩い散房状で、数個～多数の頭花を持つ。花序柄は通常長さ3～7㎝、細く、茎と枝と同じ様な毛がある。総苞は円筒形～鐘形～卵形、長さ0.9～1.2㎝。総苞片は2鈎のあるかぎ状の堅い毛を中肋にもち、先は鋭形～尖鋭形。 外側と内側の総苞片は線状披針形。小花は黄色。痩果は赤褐色、紡錘形、長さ4～5㎜、先は細くなり、先端の尖りは長さ約0.5㎜。冠毛は長さ5～7㎜。花期は4～11月。2n=10。
台湾(大観山、南湖大山)原産。中国名は黄毛毛连菜 huang mao mao lian cai。標高3400m以上の亜高山帯の開けた石や岩の多い場所に這える。
多年草、高さ7～20㎝、直根がある。 茎は基部から散開状に分枝し、粗毛があり、先端に2鈎のある黄緑色の堅い毛があり、葉は無～まばらにある。ロゼットの葉は披針形～倒披針形、長さ3～9㎝×幅0.5～2㎝、両面に毛があり、基部は漸尖し翼のある葉柄のような部分があり、縁は不規則に波状の歯があり、先は鈍形～鋭形。茎葉はロゼットの葉に似ているが、やや小さく、基部が切形。上部の茎葉は小さくなり、線状披針形の苞葉になる。合成花序は緩やかな散房花序を形成し、頭花は少数～数個つく。花序柄は通常長さ3～6㎝で、細く、茎や枝と同じように毛がある。総苞は円筒形～鐘形～卵形、長さ1.5～1.7㎝。総苞片は外面に2鈎のある黄緑色の堅い毛が中肋に沿ってある。外総苞片は黒緑色、線状披針形、不等長、先は鋭形～尖鋭形。 内総苞片は緑色、線状披針形、先は鋭形～尖鋭形。小花は黄色。痩果は赤褐色、紡錘形、長さ5～6㎜、先は細くなり約0.5㎜の尖端がある。冠毛は7～8㎜、脱落性。花期は4～9月。2n=10。
1 Picris japonica Thunb. コウゾリナ 髭剃菜
synonym Picris hieracioides subsp. japonica (Thunb.) Krylov
synonym Picris hieracioides var. japonica (Thunb.) Regel ex Herder
日本、千島列島、韓国、中国(青海省、内モンゴル、チベット、新疆ウイグル自治区、満州、)、モンゴル、ロシア(カムチャツカ、ハバロフスク、沿海州、サハリン)ベトナム原産。
synonym Picris jessoensis Tatew.
synonym Picris koreana (Kitag.) Vorosch.
synonym Picris mairei H.Lév.
日本、千島列島、サハリン、カムチャッカ原産。
1年草、2年草、多年草、直根がある。2～4(5)の鈎がある硬い腺のない毛や刺をもつ（ときに鈎をもつものもある）。茎は円柱形、普通、単生、上部で分枝する。葉は根生葉と茎葉、互生し、平ら、縁は全縁又は±歯状～羽状全裂。頭花は緩い頂生の散房花序に、少数から多数つき（単生又は集散花序～円錐花序状に束生）、円筒形。総苞片は草質、2(～3)列覆瓦状につく。外総苞片は卵形、葉状。内総苞片は長く、披針形、先端に刺がある。花托は平ら、微細な毛があり、パレアは無く、穴がある。小花は全て舌状花、多数つき、両性、稔性、たまに外側が不稔。花弁は線形。葯は基部が矢じり形、先の付属体は小さい。痩果は円柱形、普通、5～10本のうねがあり、横しわがあり、鋭くなった糸状の嘴がある。冠毛は羽毛状の剛毛、1（～2）列につき、外側に少数の短いひげ状の剛毛がある。
世界に5種あり、ヨーロッパ、アジア、アフリカに分布する。
Picris 属に密接に関係する。英名はox-tongue。中国名は牛舌苣属。
【Helminthotheca属の種】
(1) Helminthotheca aculeata (Vahl) Lack. - イタリア、アルジェリア、モロッコ、シリア、チュニジア
(2) Helminthotheca balansae (Coss. & Durieu) Lack - アルジェリア
(3) Helminthotheca comosa (Boiss.) Holub - スペイン、アルジェリア、モロッコ
(4) Helminthotheca echioides (L.) Holub － ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ
syn. Picris echioides - アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど世界に広く帰化
(5) Helminthotheca glomerata (Pomel) Greuter - アルジェリア、モロッコ
Picris
Picris
Picris
Picris
Helminthotheca echioides
Helminthotheca
日本植物分類学会 北村 四郎 コウゾリナの変種ハマコウゾリナ
Picris kaimaensis
北川政夫：東亜植物断想録(22)
コウゾリナの変種ハマコウゾリナ
茎や葉に短くて鋭い剛毛が生え、剛毛の先がいかりのようになっているのが特徴。葉は長さ5～15㎝、茎上部は無柄、下部では基部が細くなって翼のある葉柄となる。葉縁や葉裏の毛も先がいかり状。花は茎上部で枝分かれして多数つき、直径2～2.5㎝。頭花は舌状花のみで、筒状花はない。総苞は筒形～鐘形。総苞片は先が尖り、背には黒色の鋭い剛毛がほぼ1列につく。果実は嘴がなく、長さ約5㎜赤褐色、多数の縦肋と細かい横肋が多数ある。冠毛はやや褐色を帯び、羽状に枝分かれする。2n=10。
アザミ類、キツネアザミ、オクモミジハグマなどは冠毛に枝分かれがあるが、日本で見られるタンポポ亜科のうち、冠毛の枝分かれのあるものは少ない。本州で見られるものはコウゾリナ類とエゾコウゾリナ属のブタナ、ヒメブタナだけである。
コウゾリナ属
family Asteraceae － genus Picris1年草又は多年草、ロゼットになり又はならない。硬い 2(～4)個の鈎のついた毛又はまれに単純毛をもつ。茎は単生で普通、分枝し、まれに少数つき、弱い。合成花序は散房花序、ときに弱い散房花序になる。頭花は、普通、小花が20～50個。総苞は鐘形～つぼ形。総苞片は±無毛又は剛毛がある。外総苞片は数列、求心的に次第に長くなり、±覆瓦状、ほとんどが内総苞片の長さの1/2～2/3。内総苞片は±線状披針形～線形、長さが±等しい。花托は裸。小花は黄色。痩果は±同形、果体は紡錘形～狭楕円形、しばしばやや曲がり、細かい2次うねがある5本の主うねをもち、横しわがあり、先は切形又は収縮して短い嘴になり、果体と同じように凸凹模様がある（=尖り）。冠毛は白色又は汚白色、硬い線毛状の羽毛状の剛毛(plumose bristles)、しばしば最も外側の剛毛が短くなり、±ザラつく(縁の痩果ではときに、小さな王冠状の構造になる)。x=5。
世界に約50種あり、アフリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパに分布する。
コウゾリナ属の主な種と園芸品種
1 Picris davurica Fisch. ex Hornem. グフリヤコウゾリナsynonym Picris daurica Link
アルタイ山脈(中国・モンゴル・ロシア)、アムール川(中国・ロシア)、ロシア、カザフスタン、モンゴル原産。
グフリヤコウゾリナは葉が一体に軟質で、淡緑色をなし、枝は上向してあまり開出せず、総苞片の毛が少い点が異っている。2n=10。
現在、Kewscienceでは独立種としているが、YListではチョウセンコウゾリナに含める。
2 Picris echinoides L. ハリゲコウゾリナ 針毛髪剃菜
synonym Helminthotheca echioides (L.) Holub [Kewscience]
ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ原産。英名はbristly oxtongue。北アメリカ、オーストラリアなどに帰化。日本にも野生化している。現在はヘルミントテカ属(Helminthotheca)に分類されている。1年草又は2年草。茎は粗く、高さ30～200㎝。根生葉は楕円形～倒披針形、長さ4～25㎝×幅1～10㎝、葉柄状の基部まで狭くなる。下部の茎葉は似ているが基部で茎を抱く。上部の茎葉は披針形～卵形、無柄、茎を抱く。頭花は多数つき、直径2～4㎝。束生し、円錐花序状になる。花序柄は短又は長。総苞は長さ15～20㎜。外総苞片は開出～斜上、葉状、広卵形、心形、しばしば、内総苞片を覆い、内総苞片は直立、披針形、先細。花冠は黄色、ときに外面に赤色の縞模様をもつ。痩果は嘴を含めて長さ5～7.5㎜(果体が楕円形、長さ約3㎜、細い、長さ約3㎜の嘴をもつ)、果体は嘴の長さとほぼ同長。外側はほぼ白色～わら色～タン色、内面に±毛があり、内側は±褐色、横に粗くなり、無毛。嘴は細い。冠毛は長さ4～7㎜、羽毛状、白色。2n=10。花期は通年。
3 Picris hieracioides L. セイヨウコウゾリナ 広義
3-1 Picris hieracioides L. subsp. hieracioides セイヨウコウゾリナ 西洋髪剃菜
アジア、ヨーロッパ原産。中国名は毛连菜 mao lian cai 。英名は英名はhawkweed oxtongue , hawkweed oxtongue。セイヨウコウゾリナの果実は褐色、黒褐色、黄褐色で赤味を帯びない。高さ16～120㎝。1年草又は短命な多年草。直根は丈夫。茎は直立、分枝し、特に上部3/1で分枝が多く、粗毛があり、開出する硬い2鈎のある毛をもち、葉がつく。根生葉（花時前に枯れる）と下部の茎葉は狭楕円形～広披針形、長さ8～20㎝×幅2～4㎝、上面と特に脈上に開出する硬い2鈎のある毛をもち、基部は漸尖し、翼のある葉柄状の部分になり、縁は全縁～粗く鋭い歯状、先は尖鋭形、鋭形、又は鈍形。中間と上部の茎葉は無柄、披針形～線形、小さく、基部は半抱茎～抱茎、縁は乏しい歯状又は全縁、他は下部の茎葉に似る。合成花序は散房花序～散房花序状の円錐花序、数個～多数の頭花をもつ。花序柄は細い。総苞は円筒状鐘形～卵形、長さ0.9～1.2㎝。総苞片は外面の中肋に帯白色の硬い2鈎のある毛をもつ。外総苞片と内総苞片は±線状披針形、先は鋭形～尖鋭形。小花は黄色。痩果は褐色、紡錘形、長さ3～5㎜、先は切形。冠毛は長さ5～6㎜、脱落性。花期と果期は6～10月。2n=10。
3-2 Picris hieracioides L. subsp. davurica (Fisch. ex Hornem.) Kitam. var. koreana (Kitam.) Kitam. チョウセンコウゾリナ 朝鮮髪剃菜
synonym Picris davurica Fisch. ex Hornem. var. koreana (Kitam.) Kitag.
synonym Picris davurica Fisch. ex Hornem. [The Plant List]synonym Picris koreana (Kitam.) Vorosch.
synonym Picris japonica subsp. japonica [Kewscience]
synonym Picris hieracioides subsp. koreana (Kitam.) Vorosch
朝鮮、中国（満州）、ロシア原産。KewscienceではPicris japonica subsp. japonicaに含め、日本、モンゴル、ベトナムを分布域に含める。全体剛直で、葉の色はやや淡く、上部の葉は基部が拡がって抱茎状をなす。枝は太くてよく開出し、上部では簇生(ぞくせい)して散形状をなす事が多い。総苞は広く、鐘形。総苞片は緑色で黒味を帯びず、緑色で淡黄色の剛毛が多い。また、頭花の花冠は常に淡黄色～黄白色で、濃黄色を呈することは絶対にない。
3-3 Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov コウゾリナ 髪剃菜
synonym Picris hieracioides L. var. japonica (Thunb.) Regel ex Herder
basionym Picris japonica Thunb. [Kewscience, Flora of China]synonym Picris hieracioides L. var. glabrescens (Regel) Ohwi
日本、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン原産。中国名は本毛连菜 ri ben mao lian cai 。山の斜面、森林、林内の開けた場所、山の斜面、森、森の中の開けた場所、森の中の荒れ地、野原、川端、高山の牧草地に生える。2年草又は短命の多年草、高さ30～120㎝、直根がある。茎は直立、ほとんど先で分枝し、粗毛があり、暗緑色～帯黒色の硬い2鈎がある毛をもち、葉がある。根生葉(花時に枯れる)と下部の茎葉は倒披針形、楕円状披針形、又は楕円状倒披針形、長さ12～20㎝×幅1～3㎝、両面に硬い2鈎のある毛があり、基部は漸尖し、葉柄状の部分になり、縁には鋭い歯～波状の歯があり、先は鋭形～尖鋭形。中間の茎葉は無柄、披針形、基部は半抱茎、小さいが、他は下部の茎葉と同じ。上部の茎葉は線状披針形。合成花序は散房花序～円錐花序状の散房花序、多数の頭花をもつ。花序柄は細く、茎や枝のような粗毛がある。総苞は円筒状鐘形～卵形、長さ1～1.2㎝。総苞片は緑色～黒緑色、外面は帯暗色～暗色の粗毛があり、2鈎の毛を主に中脈にもち、先は鋭形～尖鋭形。外と内総苞片は線状披針形。小花は黄色。痩果は赤褐色、紡錘形、長さ3～5㎜、先は切形。冠毛は長さ約7㎜、脱落性。2n=10。花期は5～10月
3-3-1 Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov f. laevicaulis M.Mizush. ex T.Shimizu ナメラコウゾリナ 滑髪剃菜
長野県から報告された。茎は円柱形、剛毛は少なく、突起がなく、触感は平滑。3-3-2 Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov f. maritima Sugim. ハマコウゾリナ 浜髭剃菜
synonym Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov var. litoralis Kitam.
本州（千葉県、神奈川県、静岡県、愛知県）の関東地方南部～愛知県）の太平洋岸の海岸に分布。2年草。茎は叢生又は根元でよく分枝し、斜上するものが多く、枝は長さ10～25㎝、あまり高くならない。茎や葉に短くて鋭く硬く、先が2又に開出する剛毛がある。根生葉は花時にもあり、ロゼットになり、倒披針形～披針形、長さ12～20㎝、基部には翼のある葉柄がつく。茎葉は根生葉より小さく、中部の茎葉は狭い頂円形、基部は半抱茎。上部の葉は基部が抱茎。葉の縁には浅い歯牙状の鋸歯があり、両面にやや剛毛がある。頭花はコウゾリナよりやや小さく、直径約2㎝。花序柄は長さ2～4㎝。総苞は長さ11～12㎜×幅11～14㎜。内総苞片は長さ11～12㎜、外総苞片は長さ3～4㎜、背の毛は長さ0.5～0.8㎜の硬い剛毛痩果は長さ(3.5)4.5～5㎜、紡錘形、赤褐色。冠毛は長さ約7㎜、やや褐色を帯び、羽状に枝分かれする。花期は10～11月。花期はコウゾリナより遅い。
3-3-3 Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov var. akaishiensis Kitam. アカイシコウゾリナ 赤石髭剃菜
synonym Picris japonica Thunb. var. akaishiensis (Kitam.) Ohwi日本(長野県)の中部地方の赤石山に分布する。
葉が細く、線状披針形、幅6～9㎜。 頭花が小さく、総苞は長さ6～9㎜、剛毛が少ない。
3-3-4 Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov var. jessoensis(Tatew.) Kitam. ホソバコウゾリナ 細葉髭剃菜
synonym Picris hieracioides L. subsp. jessoensis (Tatew.) Kitam.synonym Picris japonica Thunb. var. jessoensis (Tatew.) Ohwi
北海道固有。空知、上川、宗谷、網走の蛇紋岩地に分布する。
コウゾリナよりも小さく、高さ40-60cm。葉はコウゾリナよりも細い。剛毛は少ない。花期は7～8月。2n=10。
3-3-5 Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov var. mayebarae (Kitam.) Ohwi ヒゴコウゾリナ 肥後髭剃菜
synonym Picris japonica Thunb. var. mayebarae (Kitam.) Ohwisynonym Picris hieracioides L. subsp. mayebarae Kitam.
九州に分布。
花は濃黄色.痩果は長さ約4.5㎜。花期は12月。
3-4 Picris hieracioides L. subsp. kaimaensis (Kitam.) Kitam. カイマコウゾリナ
synonym Picris kaimaensis Kitam.synonym Picris japonica var. kaimaensis (Kitam.) H. S. Pak
中国(チベット)、インド(アッサム)、パキスタン、ネパール、東ヒマラヤ(ブータン、シッキム)原産。多年草、直立し、茎は高さ40～90㎝、硬い剛毛があり、毛は先が錨形。下部の茎葉はほぼ無柄、狭倒卵形～へら形、長さ 8～15㎝×幅1～3 ㎝、先は鋭形又は鈍形、縁は粗く歯があり、基部は楔形、両面に短剛毛がある。上部の茎葉は下部の茎葉より短く、長円形～披針形。花期は7～9月。頭花は数個、散房花序につく。総苞は卵状つぼ形、長さ10～11㎜。総苞片は3列。外総苞片は披針形、長さ3～5㎜×幅約1㎜、先は鋭形、外側は剛毛とまばらに綿毛があり、内側は無毛。内総苞片は長さ9～11㎜×幅1～1.3㎜、縁は薄膜質、外側は剛毛とまばらな綿毛があり、内側は無毛。花は舌状花、2形。小舌は黄色、狭長円形、長さ5～6㎜×幅約1㎜。筒部は3.5～4㎜、上部に毛がある。子房は狭長円形、長さ約2㎜×幅約0.7㎜、無毛。冠毛は白色、長さ5～6㎜。痩果は褐色、長さ4～5㎜×幅約1㎜、縦に溝があり、横に小しわがある。
3-5 Picris hieracioides L. subsp. kamtschatica (Ledeb.) Hulten カンチコウゾリナ 寒地髭剃菜
synonym Picris japonica subsp. kamtschatica (Ledeb.) Hultén [Kewscience]
synonym Picris kamtschatica Ledeb.synonym Picris japonica Thunb. var. alpina (Koidz.) Ohwi
synonym Picris hieracioides L. var. alpina Koidz.
synonym Picris echioides var. kamtschatica (Ledeb.) B.Boivin
日本(北海道、本州)、ロシア原産。北アメリカに帰化。別名はタカネコウゾリナ。亜高山帯～高山帯に分布する。Flora of North AmericaではPicris hieracioides L.に含めている。
茎は高さ25～40㎝、かなり密に粗毛(剛毛)がある。花時にも根生葉が残ることが多い。下部の茎葉は倒披針形、長さ8.5～9.5㎝×幅1.5～2㎝、先は鋭形又は鈍形、基部は狭くなり、翼のある葉柄がある。中部の茎葉は長円状披針形、長さ6.5～7㎝、鋸歯があり、先は鋭形、無柄、半抱茎。頭花は直径2.5～3㎝、緩い散房花序につく。総苞は長さ12～13㎜、直径12～17㎜、黒緑色。小花は全て舌状花。小舌は黄色、長さ14～17㎜×幅1.6～2㎜、筒部は長さ約5㎜。痩果は長さ4.5～6㎜。冠毛は長さ7～8㎜。花期は6～8(9)月。
3-6 Picris hieracioides L. subsp. morrisonensis (Hayata) Kitam. ニイタカコウゾリナ 新高髭剃菜
synonym Picris morrisonensis Hayata [Flora of China]台湾原産。中国名は台湾毛连菜 tai wan mao lian cai。標高1400～3500の山地の牧草地や開けた場所に生える。
多年草、高さ20～70㎝、直立し、直根がある。茎はほとんど単生、直立し、特に先端で分枝し、多毛があり、先端に2鈎のある堅い粗毛が開出し、葉がある。根生葉と下部の茎葉は狭楕円形～狭披針形、長さ6～16㎝×幅0.5～0.8(～1.1)cm、剛毛があり、先端に2鈎のある堅い粗毛が開出し、基部は漸尖し、縁は粗く～浅い波状歯があり、先は尖鋭形。 中部および上部の茎葉は、下部および基部の茎葉よりも小さく、それ以外は類似し、狭披針形～線状披針形、基部は切形、先は鈍形～尖鋭形。合成花序は緩い散房状で、数個～多数の頭花を持つ。花序柄は通常長さ3～7㎝、細く、茎と枝と同じ様な毛がある。総苞は円筒形～鐘形～卵形、長さ0.9～1.2㎝。総苞片は2鈎のあるかぎ状の堅い毛を中肋にもち、先は鋭形～尖鋭形。 外側と内側の総苞片は線状披針形。小花は黄色。痩果は赤褐色、紡錘形、長さ4～5㎜、先は細くなり、先端の尖りは長さ約0.5㎜。冠毛は長さ5～7㎜。花期は4～11月。2n=10。
3-7 Picris hieracioides L. subsp. ohwiana (Kitam.) Kitam. チャボコウゾリナ 矮鶏髭剃菜
synonym Picris ohwiana Kitamura [Flora of China]台湾(大観山、南湖大山)原産。中国名は黄毛毛连菜 huang mao mao lian cai。標高3400m以上の亜高山帯の開けた石や岩の多い場所に這える。
多年草、高さ7～20㎝、直根がある。 茎は基部から散開状に分枝し、粗毛があり、先端に2鈎のある黄緑色の堅い毛があり、葉は無～まばらにある。ロゼットの葉は披針形～倒披針形、長さ3～9㎝×幅0.5～2㎝、両面に毛があり、基部は漸尖し翼のある葉柄のような部分があり、縁は不規則に波状の歯があり、先は鈍形～鋭形。茎葉はロゼットの葉に似ているが、やや小さく、基部が切形。上部の茎葉は小さくなり、線状披針形の苞葉になる。合成花序は緩やかな散房花序を形成し、頭花は少数～数個つく。花序柄は通常長さ3～6㎝で、細く、茎や枝と同じように毛がある。総苞は円筒形～鐘形～卵形、長さ1.5～1.7㎝。総苞片は外面に2鈎のある黄緑色の堅い毛が中肋に沿ってある。外総苞片は黒緑色、線状披針形、不等長、先は鋭形～尖鋭形。 内総苞片は緑色、線状披針形、先は鋭形～尖鋭形。小花は黄色。痩果は赤褐色、紡錘形、長さ5～6㎜、先は細くなり約0.5㎜の尖端がある。冠毛は7～8㎜、脱落性。花期は4～9月。2n=10。
Plants of the World Online | Kew Science Picris japonica
1 Picris japonica Thunb. コウゾリナ 髭剃菜
synonym Picris hieracioides subsp. japonica (Thunb.) Krylov
synonym Picris hieracioides var. japonica (Thunb.) Regel ex Herder
日本、千島列島、韓国、中国(青海省、内モンゴル、チベット、新疆ウイグル自治区、満州、)、モンゴル、ロシア(カムチャツカ、ハバロフスク、沿海州、サハリン)ベトナム原産。
1-1 Picris japonica Thunb. var. akaishiensis (Kitam.) Ohwi アカイシコウゾリナ 赤石髭剃菜
synonym Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov var. akaishiensis Kitam.1-2 Picris japonica subsp. japonica コウゾリナ 髭剃菜
synonym Aster esquirolii H.Lév.synonym Picris hieracioides subsp. koreana (Kitam.) Vorosch.
synonym Picris japonica var. koreana Kitam.synonym Picris jessoensis Tatew.
synonym Picris koreana (Kitag.) Vorosch.
synonym Picris mairei H.Lév.
1-3 Picris japonica subsp. kamtschatica (Ledeb.) Hultén カンチコウゾリナ 寒地髭剃菜
synonym Picris echioides var. kamtschatica (Ledeb.) B.Boivinsynonym Picris hieracioides var. kamtschatica (Ledeb.) B.Boivin
synonym Picris kamtschatica Ledeb.日本、千島列島、サハリン、カムチャッカ原産。
1-4 Picris japonica f. laevicaulis ナメラコウゾリナ 滑髭剃菜
synonym Picris hieracioides f. laevicaulis M.Mizush. ex T.Shimizu
1-5 Picris japonica var. litoralis ハマコウゾリナ 浜髭剃菜
synonym Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov var. litoralis Kitam. synonym Picris hieracioides var. litoralis Kitam.Helminthotheca属
family Asteraceae － genus Helminthotheca1年草、2年草、多年草、直根がある。2～4(5)の鈎がある硬い腺のない毛や刺をもつ（ときに鈎をもつものもある）。茎は円柱形、普通、単生、上部で分枝する。葉は根生葉と茎葉、互生し、平ら、縁は全縁又は±歯状～羽状全裂。頭花は緩い頂生の散房花序に、少数から多数つき（単生又は集散花序～円錐花序状に束生）、円筒形。総苞片は草質、2(～3)列覆瓦状につく。外総苞片は卵形、葉状。内総苞片は長く、披針形、先端に刺がある。花托は平ら、微細な毛があり、パレアは無く、穴がある。小花は全て舌状花、多数つき、両性、稔性、たまに外側が不稔。花弁は線形。葯は基部が矢じり形、先の付属体は小さい。痩果は円柱形、普通、5～10本のうねがあり、横しわがあり、鋭くなった糸状の嘴がある。冠毛は羽毛状の剛毛、1（～2）列につき、外側に少数の短いひげ状の剛毛がある。
世界に5種あり、ヨーロッパ、アジア、アフリカに分布する。
Picris 属に密接に関係する。英名はox-tongue。中国名は牛舌苣属。
【Helminthotheca属の種】
(1) Helminthotheca aculeata (Vahl) Lack. - イタリア、アルジェリア、モロッコ、シリア、チュニジア
(2) Helminthotheca balansae (Coss. & Durieu) Lack - アルジェリア
(3) Helminthotheca comosa (Boiss.) Holub - スペイン、アルジェリア、モロッコ
(4) Helminthotheca echioides (L.) Holub － ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ
syn. Picris echioides - アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど世界に広く帰化
(5) Helminthotheca glomerata (Pomel) Greuter - アルジェリア、モロッコ
参考
1) Flora of ChinaPicris
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=125392
2）GRIN Picris
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=5978
3) Plants of the World Online | Kew SciencePicris
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:10533-1
4) Flora of North AmericaPicris
http://floranorthamerica.org/Picris
5）The Jepson HerbariumHelminthotheca echioides
https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=81752
6）NEW SOUTH WALES FLORA ONLINEHelminthotheca
http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=gn&name=Helminthotheca
Helminthotheca echioides (L.) Holub
http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Helminthotheca~echioides
7）植物分類・地理 (Acta Phytotax．Geobot) vol.25, no.4, pp.188-189, 1973日本植物分類学会 北村 四郎 コウゾリナの変種ハマコウゾリナ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/25/4-6/25_KJ00001078121/_pdf/-char/en
8）Cichorieae Portal Picris kaimaensis
http://cichorieae.e-taxonomy.net/portal/cdm_dataportal/taxon/595bb3bb-6878-4bf3-a726-b72a31a116eb
9) 植物研究雑誌 第41巻第12号 363-371 (1966)北川政夫：東亜植物断想録(22)
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_041_363_371.pdf
10) 植物分類，地理(Acta Phytotax．Geobot.)1973年 25巻 4-6号 188-189コウゾリナの変種ハマコウゾリナ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/25/4-6/25_KJ00001078121/_pdf/-char/ja