コマツナギ 駒繋ぎ

mark

Flora of Mikawa

マメ科 Fabaceae  コマツナギ属

別 名 トウコマツナギ 唐駒繋ぎ
中国名 河北木蓝 he bei mu lan.
英 名 false Indigo , dwarf false-indigo
学 名 Indigofera pseudotinctoria Matsumura
 synonem Indigofera bungeana Walp.
コマツナギの花序
コマツナギの花
コマツナギの花横
コマツナギの萼
コマツナギの果実
コマツナギの果実内部
コマツナギ
コマツナギの花
コマツナギの葉
コマツナギの小葉
コマツナギの種子
花 期 7~9月
高 さ 40~80㎝
生活型 落葉小低木
生育場所 日当たりのよい、乾燥した場所
分 布 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国
撮 影 幡豆町  01.6.17
和名の由来は茎が馬をつなげるほど丈夫という意から。日本の在来種をコマツナギIndigofera pseudotinctoria 、中国のものをトウコマツナギIndigofera bungeana と分ける見解があるが、POWOでは同一種とし、Indigofera bungeanaとする見解である。YListでは別種としている。
 落葉小低木。道端、草地、土手に生える。高さ40~80cm。多数分枝し、枝は細く、緑色。茎や葉にまばらに伏毛がある。葉は葉柄が短く、奇数羽状複葉。小葉は7~13個あり、長さ.8~15㎜×幅5~12㎜、長楕円形~倒卵形、全縁、両面に伏毛がある。総状花序は腋生、長さ4~10㎝、花をやや密につける。花は花序の下側から咲く。花は淡紅紫色、長さ4~5㎜。花柄は萼より短い。萼は5歯、有毛。豆果は真っすぐ、円筒形、長さ2.5~3㎝×幅2.5~3㎜、茶褐色に熟す。種子は3~8個、緑黄色。花期は7~9月。
 トウコマツナギ Indigofera bungeanaは高さが高くなる以外に差がない。

コマツナギ属

  family Fabaceae - genus Indigofera

 低木、亜低木、多年草、まれに1年草又は小高木。毛状突起は典型的な中着毛(T形)、2枝は等長~不等長、ときに縮れ、まれに多細胞の単純毛があり、先に腺がある。托葉は宿存又は早落性。葉は普通、奇数羽状複葉、しかし単葉又は1小葉の場合もある。托葉は有又は無。小葉の葉身は普通、対生、ときに類対生又は互生、まれに腺があり、全縁。総状花序は腋生。苞は普通、早落性。萼は鐘形又は杯形、萼歯は5個、ほぼ等長又は外側の萼歯は長い。花冠は普通、帯赤色、ときに白色又は黄色。旗弁は普通、外面が伏した毛状突起で被われ、たまに無毛、基部には短く、爪部があり、先は普通、鈍形~凹形で微突形。翼弁は狭く、基部に耳がある。竜骨弁はかま形又はへら形。翼弁につく距をもつ。雄しべは10個、2体雄しべ、旗弁の雄しべだけが離生。葯は等形、底着又は類底着、ときに両端に毛があり、先は微突頭。花粉は3溝孔型。子房は無柄、1~多数の胚珠をもつ。花柱は線形、普通、無毛。柱頭は頭状。豆果は線形~長楕円形~卵形、円筒形又は断面で4辺形、2バルブ、隔壁があり、裂開する。内果皮にはしばしば斑点があり、タンニンが蓄積する。種子は球形~長方形。へそは小さい。子葉は不等長、幼根は斜め。
 世界に約750種があり、熱帯、亜熱帯に分布する。

コマツナギ属の主な種と園芸品種

1 Indigofera atropurpurea Buch.-Ham. ex Hornem. オオコマツナギ 大駒繋

 中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖南省、江西省、四川省、西蔵、雲南省)、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は深紫木蓝 shen zi mu lan 。標高300~1900mの山地の低木、まばらな森林、歩道や小川沿いの草原に生える。
 低木または小高木、高さ1.5~5m。幹は褐色で円柱形、丸い皮目がある。若い枝は緑色で角張り、白色または褐色の中着の対称的な2分岐の毛状突起がある。托葉は披針状錐形、長さ3~5mm、脱落性。葉は長さ約2.4cm、小葉は(7~)11~19(または21)枚。葉柄と葉軸には伏した白色および褐色の中着の毛状突起がある。葉柄は長さ2.5~3.5cm。葉軸は平らで、または軸の上面にわずかに溝がある。托葉は錐形、小葉柄と同長。小葉柄は長さ1.5~2.5mm。小葉は対生し、卵形~楕円形、長さ1.5~6.5(~8)cm×幅1~2.5cm、膜質、両面に中着の毛状突起があるか、または上面は無毛、中脈は下面に突出し、上面では凹み、中脈の両側に2次脈が8~10本ずつあり、基部は広楔形~円形、先は鈍形、凹形、または鋭形で微突形。総状花序は長さ8~15(~28)cm、花序柄と花序軸にはまばらに中着の毛状突起がある。花序柄は長さ1.5~2.5cm。苞は卵形~卵状披針形、長さ2.5~3.5(~5)mm、面面に褐色の伏した毛状突起がある。小花柄は長さ約1.5mm。萼は長さ約2.5mm、灰褐色の中着の伏毛が密にある。萼歯は三角形、長さ約0.5mm。花冠は暗紫色で、旗弁は楕円形、長さ7~8.5mm×幅4.5~5.5mm、無毛。翼弁は長さ7~8mm、先に縁毛がある。竜骨弁は長さ7.5~8.5mm、外側の先に毛があり、縁には縁毛がある。雄しべは長さ6~7mm。葯は球形、基部に少数の毛がある。子房は無毛、6~9個の胚珠がある。豆果は円筒形、長さ2.5~5cm、若いときはまばらに伏毛があり、成熟すると無毛になり、縫合線は太くなり、内果皮には斑点がない。種子は豆果1個につき6~9個、赤褐色、立方体、約・長さ1.8mm×幅1.5mm。花期は5~9月。果期は8~12月。2n=16, 32。

2 Indigofera bungeana Walp. トウコマツナギ[コマツナギ] 唐駒繋
  synonem Indigofera pseudotinctoria Matsumura.
 日本、朝鮮、中国(安徽省、重慶、福建省、甘粛省、広西東省、貴州省、河北省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、遼寧省、内モンゴル、寧夏、青海省、陝西省、山東省、山西省、四川省、西蔵、雲南省、浙江省)原産。中国名は河北木蓝 he bei mu lan 。台湾に帰化している。標高500~2300mの草原、河川敷、斜面に生える。
 POWO、Flora of ChinaではコマツナギIndigofera pseudotinctoria Matsumura.はIndigofera bungeana Walp.のsynonymとしている。YListでは別種としている。
 低木、直立し、高さ40~100㎝(250㎝)。茎は褐色、円柱形。枝は白灰色、伏した白色の中着の対称的に2分岐する毛状突起がある。托葉は三角形、長さ約1㎜、脱落性。葉は長さ2.5~5㎝、小葉が5~9(又は11)個つく。葉柄と葉軸に伏した中着の毛状突起がある。葉柄は長さ 0.4~1.6(~2)㎝。小托葉はごく小さく、 小葉柄は長さ約0.5㎜。小葉の葉身は対生し、楕円形、長さ5~15(~25)㎜×幅3~10(~15)㎜、下面は淡緑色、長い中着の毛状突起があり、上面は緑色でまばらに伏した中着の毛状突起があるか又は無毛になり、基部は円形、先は鈍形。総状花序は長さ4~6(~10)㎝。花序柄は長さ1~5㎜。苞は線形、長さ約1.5㎜。小花柄は長さ1~2㎜。萼は長さ2~2.5㎜、伏した白色の中着の毛状突起があり、萼歯は三角状披針形、等長、萼筒の長さの約2倍。花冠は紫色~紫赤色。旗弁は広倒卵形、長さ5~6㎜、外側に伏した中着の毛状突起がある。翼弁と竜骨弁は等長、長さ約5.5㎜。竜骨弁は中間に距をもつ。雄しべは長さ4~5㎜。葯は球形、先は微突形。子房は線形、まばらに毛がある。豆莢は円筒形、真っすぐ、長さ2~2.5㎝、伏した白色の中着の毛状突起がある。内果皮は赤色のしみがある。種子は楕円形、長さ約2㎜。花期は5~7月。果期は8~10月。2n=16。
 新たに道路整備した土手など緑化目的に導入されたのが、このトウコマツナギとされている。在来のコマツナギより明らかに大きく、高さ2mを超えるものも見られる。大きくなる以外はコマツナギとはほとんど変わらない。
(1) Indigofera pseudotinctoria Matsum. コマツナギ 
  synonem Indigofera bungeana Walp.
 日本(本州の関東地方から西日本、四国、九州)、中国原産。英名はdwarf false-indigo。
 亜低木性の亜低木(suffrutescent subshrub)、高さ30~50cm、多数の細い枝をもつ。葉は長さ4~8cm。托葉は小さく、錐形、落葉する。小葉は長円形、長さ8~25mm×幅5~12mm、両面に緩く伏した細柔毛(appressed-pilose)があり、下面は粉白色。托葉は小さい。総状花序は短い花序柄があり、花序柄を含めて長さ4~10cm、密に多数の花がつく。花は長さ約4mmで、淡赤色~ほぼ白色。萼は白色の微軟毛があり、長さ約2mm。豆果は狭円筒形、真っすぐ、わずかに垂れ下がり、長さ25~30mm×幅2.5~3mm、短い伏せた小細柔毛(appressed-pilosulous)がある。種子は数個、楕円形、緑黄色。花期は7~9月。低地の草地の斜面や川岸。本州(関東地方および西日本)、四国、九州。中国中部に非常によく見られる。[Flora of Japan 1953]
品種) Indigofera 'Rose Carpet'
(2) Indigofera pseudotinctoria Matsum. f. albiflora (Honda) Okuyama シロバナコマツナギ

3 Indigofera byobiensis Hosok. ハイコマツナギ 這駒繋
 台湾原産。中国名は屏东木蓝 ping dong mu lan 。標高100m以下の乾燥した開けた野原に生育する。
 高さ30~50cmの低木で、枝は匍匐する。茎は細く円筒形、対称的に2分枝した柱着の伏毛がある。托葉は剛毛があり、長さ1~2mm。葉は5~7小葉、葉柄は長さ約2cm。小葉は対生し、長円形~楕円形、長さ7~10mm、両面に伏した中着毛があるが、特に薄緑色の下面に密にあり、上面は緑色、基部は鈍形~楔形、先は鈍形で、長さ約0.3mmの微突がある。総状花序は長さ5~7cm、葉よりかなり長い。小花柄は長さ約1mm。萼は長さ約3mm、伏毛がある。萼筒は長さは約1mm、萼歯は長さ約2mm、披針形。花冠は赤色、旗弁は広倒卵状菱形、約・長さ4.5mm×幅5mm。翼弁は倒卵状菱形、約・長さ5×幅2mm。竜骨弁はへら形、約・長さ3mm×幅1.5mm、縁は縁毛がある。雄しべは長さ3~4mm。子房は線形、長さ約3mm、胚珠は7個。花柱は上向きに曲がり、長さ約1mm。豆果は直立し、横断面は4角形、長さ約2.5cm、中着の毛状突起を持つ。種子は豆果1個につき5~7個、約・長さ1.5mm×幅1.5mmの立方体、両端は切形。花期は7~11月。果期は8~12月。2n=16。

4 Indigofera decora Lindl. ニワフジ 庭藤

  synonem Indigofera decora var. chalara (Craib) Y.Y.Fang & C.Z.Zheng

  synonem Indigofera decora var. cooperi (Craib) Y.Y.Fang & C.Z.Zheng

  synonem Indigofera alba Gouault
  synonem Indigofera chalara Craib
  synonem Indigofera cooperi Craib
 日本、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、浙江省)、マレーシア、フィリピン原産。中国名は庭藤 ting teng 。英名はChinese indigo , poor man's wisteria , bush wisteria。標高200~1800mの渓流、渓谷、森林、低木林、道端付近に生える。
 低木、高さ0.4~2m。茎は円柱形、条線があり、無毛。托葉は早落性。葉は長さ8~25cm、小葉は5~15(~23)枚。葉柄と葉軸は無毛、またはまばらに伏した中着毛がある。葉柄は長さ1~2.5cm。葉軸は上面に溝がある。托葉は錐形、長さ約1.5mm。小葉柄は長さ約2mm。小葉は対生、まれに互生、または葉の基部のみで互生し、普通は卵状披針形、卵状長円形、または披針形、長さ2~7.5(~10)cm×幅1~3.5cm、紙質、下面は白色の伏せた中着毛があり、上面は無毛または有毛、基部は楔形~広楔形、先は尖鋭形、鋭形、まれに鈍形で微突形。総状花序は長さ13~21cm、花序柄は長さ2~4cm、葉軸は条線があり、無毛。苞は線状披針形、長さ約3mm、早落性。小花柄は長さ3~6 mm、無毛。萼は杯形、長さ2.5~3.5mm、短い伏毛があるかまたは無毛。萼筒は長さ1.5~2mm、萼歯は三角形、長さ約1.5~2mm×幅約1mm、最も外側の萼歯は筒部と同長。花冠は淡紫色、ピンク色、稀に白色。旗弁は楕円形、長さ1.2~1.8cm×幅約0.7cm、外側には白色の小直剛毛状軟毛(strigillose-pubescent)があり、ときに褐色の毛がある。翼弁は長さ1.2~1.4cm、縁には縁毛がある。竜骨弁は翼弁と同長、距は長さ約1mm。雄しべは長さ(1.1~)1.3~1.4cm。葯は卵形、両端に毛がある。子房は無毛、10個以上の胚珠を持つ。豆果は褐色、円筒形、長さ2.5~6.5(~8)cm、無毛、内果皮にはしみがある(blotched)。種子は豆果1個につき7~8個、楕円形で長さ4~4.5mm。花期は4~6月。果期は6~10月。
(1) Indigofera decora Lindl. f. alba (Sarg.) Honda  シロバナニワフジ

5 Indigofera fortunei Craib インディゴフェラ・フォルテュネイ
  synonem Indigofera subnuda Craib
 中国(安徽省、河南省、湖北省、江蘇省、江西省、陝西省、浙江省)原産。中国名は华东木蓝 hua dong mu lan。標高200~800mの低木地、森林地帯に生える。
 低木、高さ1mまで。茎は灰褐色または灰色。若い枝は条線があり、無毛。托葉は狭披針形、長さ3.5~4(~8)mm、早落性。葉は長さ10~15(~20)cm、小葉は7~15枚、葉柄と葉軸は上面に溝があり、無毛。葉柄は長さ1.5~4(~5)cm。托葉は錐形、長さ約1mm。小葉柄は長さ約1mm、無毛。小葉は対生または稀に互生、卵形、広卵形、卵状楕円形、または卵状披針形、長さ1.5~4(~5.5)cm×幅0.8~2.8cm、下面には中脈と縁にまばらに伏した中着毛があるが若いときは無毛、上面は無毛、中脈は下面に突出し、上面は凹み、2次脈は明瞭、基部は円形~広楔形、先は鈍形~鋭形で凹形、長さ約2mmの微突がある。総状花序は長さ8~18cm、花序柄は長さ約3cm、無毛。苞は卵形、長さ約1mm、脱落性。小花柄は長さ約3mm、無毛。萼は長さ2.5~3.5mm、伏した中着毛がある。萼歯は三角形、長さ約0.5mm、萼筒より短い。花冠は紫色~ピンク色。旗弁は倒卵形、長さ8~10mm×幅6~8.5mm、外側には密に伏毛があり、先は凹形。翼弁は長さ8~10mm×幅約2.5mm、縁には縁毛があり、爪部は長さ約1mm。竜骨弁は長さ9~10mm×幅4~4.5mm、外側の先には毛があり、縁には縁毛があり、距は非常に短い。雄しべは長さ7~9mm。葯は卵形、両端には毛がある。子房は無毛、胚珠は10個以上ある。豆果は褐色、円筒形、長さ3~4(~5)cm、無毛、内果皮にはしみがある。花期は4~5月。果期は5~9月。
品種) 'Alba'

6 Indigofera galegoides DC. マンスコマツナギ
 中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、雲南省)、台湾、インド、スリランカ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム原産。中国名は假大青蓝 jia da qing lan。標高600~1700mの開けた場所、谷間に生える。
 低木または小低木、高さ1~2m。若い枝は角張り、白色または灰褐色の中着の対称的に2分岐する伏毛があり、無毛になる。托葉は線形、長さ3~4mm。葉は長さ約20cm、小葉は11~25枚、葉柄と葉軸には白色混じりの灰褐色の中着の伏毛がある。葉柄は長さ1.5~3cm、葉軸には上面に溝がある。托葉は錐形、長さ0.5~1mm。小葉柄は長さ約2mm、褐色の毛状突起がある。小葉は対生またはほぼ対生し、長円形~倒披針状長円形、長さ2~4cm×幅0.7~1.6cm、膜質、両面に褐色と白色の伏した中着毛があり、中脈は下面に突出し、上面に陥入し、中脈の両側に2次脈が11本あり、基部は広楔形~円形、先は円形~鋭形で微突頭。総状花序は長さ5~12cm、花が密につく。花序柄と花序軸には白色の伏した中着毛があり、花序柄は長さ7~10mm、苞は錐形、長さ1~2mm。小花柄は苞と同長、伏した中着毛がある。萼は鐘形、長さ約2mm、毛はわずかに伏せ、萼筒は長さ1~1.5mm、萼歯は三角形、長さ約0.5mm。花冠はピンク色、旗弁は卵状長円形、長さ8~9mm×幅約5mm、外側は褐色の伏毛が密にある。翼弁は長さ約8mm、縁には縁毛がある。竜骨弁は翼弁と同長、外側の先には褐色の伏毛が密にあり、距は長さ約1.5mm。雄しべは長さ5~7mm。葯は卵状楕円形、無毛。子房は無毛、胚珠は20個。豆果は円筒形、斜上~直立し、長さ6~9cm、若い時は褐色の伏毛がわずかにあり、無毛になり、内果皮にはしみがある。種子は豆果1個につき15~18個。花期は4~8月。果期は9~10月。

7 Indigofera grandiflora B.H.Choi et S.K.Cho オオバナニワフジ 大花庭藤

 韓国固有。韓国南部のの慶尚南道(Gyeongsangnam-do Province)のガヤ山(Gayasan Mountain)に分布する。山地の斜面や日光が比較的良く当たる森林縁に生える。
 亜低木または低木、高さ約1.5mになる。葉は対生し、奇数羽状複葉、小葉は7~11個つく。小葉は長さ4〜6cm×幅2〜3cm、狭楕円形、両面に毛があり、先端が尖り、葉脈が不明瞭。葉柄は長さ4〜7cm。花序は腋生の総状花序、花が8~17個つく。花はピンク色、花冠は大きい蝶形花、長さ1.7〜2.2cm、花弁は5個。雌しべは1本。雄しべは10本で9本が合着する。豆果は線形、無毛、長さ5~6cm。種子は腎形。花期は5~6月。2n=32, 48。
 この種は極東に分布するI. kirilowi​​iおよびI. koreanaと近縁であるが、花と小葉が大きく、小葉に毛があることでこれら2種とは区別される。また、中国南部および日本に分布するI. decoraとも近縁であるが、花が大きく、花序が短く、小葉に毛があることで明確に区別される。

8 Indigofera hendecaphylla Jacq. アフリカコマツナギ
  synonym Indigofera spicata auct. non Forssk.
 日本(沖縄)、中国(広東省、広西チワン族自治区の栽培地、雲南省)、台湾、インド、インドネシア、カンボジア、スリランカ、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン原産。中国名は穗序木蓝 sui xu mu lan。標高800~1100mの開けた露地、湿潤な日当たりの良い歩道脇に生える。アフリカ、アジア南西部原産とされていたのは誤り。
 多年草、匍匐性または弱斜上性、高さ20~100cm。小枝は節で根を張り、若い枝は暗赤色で円筒形、白色の中間部がまばらに密着し、対称的に2分枝する無毛毛を持つ。托葉は披針形から狭三角形、長さ4~6mm×幅1.5~2mm、膜質で無毛、先は尾状。葉は長さ2.5~7.5cm、小葉5~9枚。葉柄と葉軸にはまばらに伏した中着毛があり、無毛になる。葉柄は長さ0.5~2mm、葉軸は長さ1~2.2cm。托葉は棘状、長さ約0.5mm、小葉柄は長さ1~1.5mm。小葉は互生し、倒卵形、狭倒卵形、または倒卵状長円形、長さ5~22mm×幅3~10mm、下面には中着毛があり、上面は無毛、2次脈は見えず、基部は楔形、先は円形で長さ約0.2mmの微突がある。総状花序は長さ5~16cm、花序柄は長さ1.8cmまで。苞は卵形~卵状披針形、長さ2.5~3mm、早落性、先は尾状。花序柄、苞、小花柄、萼にはまばらに伏した中着毛がある。小花柄は長さ0.5~1mm、果時には反り返る。萼筒は長さ0.5~1mm、萼歯は狭三角形、長さ2~2.5mm。旗弁は広卵形、長さ4~5.5mm×幅3~4mm、外側は伏した中着毛があり、花時には無毛になる。翼弁は長さ3~4.5mm×幅1.5~2mm、無毛、縁は上側の耳に沿って縁毛がある。竜骨弁は長さ4~5.5mm×幅2~2.5mm、蕾の外側には中着毛があり、花時には無毛になり、縁には縁毛があり、側部の距は長さ約1mm。雄しべは長さ4~5mm、葯は卵形、無毛。子房は微細な伏毛があり、胚珠は8個または9個。豆果は線形、横断面は4面形、長さ1~2.5cm×幅2~2.5mm、中着毛があり、先には長さ約2mm の嘴を持つ。内果皮にはしみがない。種子は豆果1個につき7~9個、暗褐色、球形、長さ1.5~2mm×幅1~1.2mm。花期は9~11月。果期は11~1月。

9 Indigofera heterantha Wallich ex Brandis コダチノニワフジ 木立の庭藤
  synonym Indigofera gerardiana Wall
  synonym Indigofera gerardiana Graham ex Baker
 中国(南チワン族自治区)、インド、ネパール、ブータン、パキスタン、スリランカ、アフガニスタン、アフリカ原産。英名はHimalayan indigo。中国名は异花木蓝 yi hua mu lan 。標高約2300mの森林に覆われた斜面に生える。
低木、高さ1~2(~3)メートル。茎は灰褐色で円錐形で、丸い皮目があり、伏した中着毛で覆われる。若い枝は角張り、わずかに広がる白色の対称的に2分岐する中着毛ある。托葉は線形、長さ約3mm、脱落性、褐色の伏毛がある。葉は長さ6~7cm、小葉は(9~)13~25枚つく。葉柄と葉軸は上面に溝があり、伏した中着毛がある。葉柄は長さは1~9mm。托葉は錐形、長さ約1mm。小葉柄は長さ約1mm。小葉は対生し、楕円形、倒卵形または倒披針形、長さ5~15(~25)mm×幅2~10(~15)mm、紙質、両面に白色の中着の伏毛があり、中脈は下面に突出し、上面では平ら、二次脈は見えず、基部は広楔形~円形、先は鈍形~切形で微突形。総状花序は長さ3~8cm、花序柄は長さ(0.5~)1.4~2(~3)cm。蕾の若い花序は灰緑色、少数の褐色毛がある。花序軸には密に中着の伏毛がある。苞は微小で脱落性。小花柄は長さ1.5~3mm、毛があり、果時には屈曲する。萼は長さ2.5~3.5(~4)mm、中着の伏毛がある。萼筒は長さ約1.5~2.5cm。果冠は紫色~薄紫色、旗弁は楕円形、長さ7.5~9(~13)mm×幅4~5mm、外側は有毛。翼弁は長さ7.5~10mm、縁には縁毛がある。竜骨弁は長さ0.7~1.3cm、外側の先は有毛、縁には縁毛があり、距は長さ約1mm。雄しべは長さ(6~)7~11.5mm。葯は卵状球形、基部は有毛。子房は有毛、胚珠が10個。豆果は褐色、線形、円筒形、長さ1~1.5(~2)cm、無毛。内果皮は紫色のしみがある。種子は豆果1個につき6~10個、長楕円形、長さ約2.5mm。花期は5~6月。果期は7~10月。2n=16, 32, 48。
品種) 'Indigostruik' , 'Silk Road'

10 Indigofera hirsuta L. タヌキコマツナギ 狸駒繋
 中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、雲南省、浙江省)、台湾、バングラデシュ、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、オーストラリア、太平洋諸島原産。中国名は硬毛木蓝 ying mao mu lan。標高100m以下の開けた斜面、道端、河川沿いの草地、海岸近くの砂地に生える。
 低木または小低木。直立し、高さ30~100cm。茎は赤褐色、極めて非対称に2分枝する底着のさび色の毛が広がる。托葉は狭三角形、長さ1~1.2cm。葉は長さ2.5~10cm、小葉は5~9枚つく。葉柄と葉軸は上面に溝があり、基部にさび色の底着毛が開出する。葉柄は長さ0.8~1.2cm。托葉は長さ1~2mm。小葉柄は長さ1.5~2mm。小葉は対生し、楕円形~倒卵形、長さ1.5~3.5cm×幅0.7~2cm、両面に灰色の基部固定毛が密に生え、中脈は外側に突出し、中脈の両側に二次脈が 4~6 本ずつあり、基部は楔形、先は円形で、約 0.2 mm の微小毛がある。総状花序は長さ 10~20 cm、花が密につく。苞は線状三角形、長さ約4mm、脱落性。小花柄は長さ約2m で、花後に反り返る。萼片は長さ4~6mm、灰色の底着毛が広がる。萼筒は長さ約1mm。萼歯は剛毛状で、長さは萼筒の3~5倍。花冠は赤色、旗弁は基部に白色のしみがあり、倒卵状楕円形、長さ4~5mm×幅3~4mm。翼弁は長さ4~5mm×幅1.2~1.5mm、無毛、先の縁には毛がある。竜骨弁は白色、先が赤色。翼弁は長さ4~5mm×幅1.2~2.5mm、無毛、先の縁には毛があり、距は長さ約0.7mm。雄しべは長さ3~4.5 mm、葯は卵形。子房は毛があり、胚珠は6~9個。豆果は円筒形で真っ直ぐ、横断面は円形、長さ1.5~2cm×幅2~2.5mm、毛状突起が広がる。内果皮は黒色の斑点がある。種子は豆果1個につき6~9個、褐色で立方体。花期は7~9月。果期は10~12月。2n=16。

11 Indigofera howellii Craib & W.W.Sm. インディゴフェラ・ホウェリー

  synonym Indigofera deginensis Sanjappa
 中国(四川省、西蔵、雲南省)原産。中国名は长序木蓝 chang xu mu lan。標高800~3500mの丘陵斜面に生える。
 低木、高さ3mになる。茎は褐色、円柱形、帯黄色の皮目があり、対称的に2分枝した伏毛がある。托葉は狭披針形、長さ2~3mm、褐色の伏毛がある。葉は長さ9~11cm、小葉は7枚または9~17(~23)枚つく。葉柄と葉軸にはまばらに白色の伏毛と一部に褐色の伏毛がある。葉柄は長さ0.5~1~3(~)4cm。葉軸は円柱形、上面に狭い溝がある。托葉は微小。小葉柄は長さ約1mm、伏した中着毛がある。小葉は対生し、楕円形、長さ0.8~3(~3.5)cm×幅0.3~1.5(~2)cm、薄い紙質、両面に白色の中着の伏毛があり、中脈は下面に突出し、内面で凹み、二次脈は中脈の両側に4~5本あり、下面で明瞭。基部は広楔形、先は円形~切形で長さ約1mmの微突がある。総状花序は長さ10~20cm、花が密にある。花序柄と花序軸には毛がある。花序柄は長さ1~2cm。苞は卵形~卵状披針形、長さ2~3mm、脱落性、外側に褐色の毛がある。小花柄は長さ2~3mm。萼は杯形、長さ(2~)3~4mm、外側に毛がある。萼筒は長さ約2mm。萼歯は三角形~披針形、萼筒の長さの約1~2倍の長さ。花冠は紫色、旗弁は倒卵形~倒卵状楕円形、長さ8~10.5mm×幅5~6mm、外側には密に白色の毛があり、基部には短い爪部があり、先は鈍形。翼弁は長さ8~10mm×幅2.5mm。竜骨弁は長さ8~10.5mm、外側の先は毛がある。雄しべは長さ6.5~7~8mm。葯は卵形、基部に少数の毛がある。子房は無毛。花期は5~9月。果期は不明。
 イギリスで Indigofera potaninii(I. szechuensisのsynonym)として栽培されているほとんどは、I. howelliiである。
品種) 'Reginald Cory'

12 Indigofera kirilowii Maxim. ex Palib. チョウセンニワフジ 朝鮮庭藤

 日本(九州)、朝鮮、中国(河北省、河南省、江蘇省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、陝西省、山東省、山西省)原産。中国名は花木蓝 hua mu lan。標高100~400mの斜面、森林地帯の低木に生える。
 低木。高さ30~10cm。茎は円柱形。若い枝は角張り、まばらに2分枝した中着の伏毛があり、無毛になる。托葉は披針形、長さ4~6mm、脱落性。葉は長さ6~15cm、小葉は(5または)7~11枚つく。葉柄と葉軸は平らで、上面にわずかに溝があり、無毛または中着の伏毛がある。葉柄は長さ0.1~2.5(~3)cm。托葉は棘状、長さ2~3mm、宿存する。小葉柄は長さ約2.5mm、密に毛がある。小葉は対生し、広卵形、卵状菱形、または楕円形、長さ1.5~4(~5)cm×幅1~2.3(~3)cm、紙質、両面に中着毛があり、下面は淡緑色、上面はより暗色、中脈は下面に明瞭に突出し、上面にはわずかに突出し、二次脈は明瞭、基部は楔形~広楔形、先は円形~鋭形。総状花序は長さ5~12(~20)cm、花序軸には条線があり、まばらに中着の白色の伏毛がある。苞は線状披針形、長さ2~5mm。小花柄は長さ3~5mm、無毛。萼は鐘形、長さ2.5~4mm、無毛。萼筒は長さ約1.5mm。萼歯は三角形、萼筒より短い~±同長、外側の歯はほとんど長さ約2mm、縁には縁毛がある。花冠はピンク色、稀に白色。旗弁は楕円形、長さ1.2~1.4(~1.8)cm×約0.8cm、外側は無毛、縁には縁毛があり、先は鈍形。翼弁は縁に縁毛がある。雄しべは長さ1.2~1.4cm。葯は広卵形、両端に毛がある。子房は無毛。豆果は褐色、円筒形、長さ3.5~7cm×約5mm、無毛。内果皮はしみがある。種子は豆果1個につき10個以上、赤褐色、長円形、約・長さ5mm×幅2.5mm。花期は5~7月。果期は8~10月。2n=16。

13 Indigofera linifolia (L.f.) Retz. ホソバコマツナギ 細葉駒繋
 中国(四川省、雲南省)、台湾、アフガニスタン、インド、アッサム、パキスタン、スリランカ、ネパール、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア(ジャワ、小スンダ列島、マルク)、ニューギニア、アフリカ(エリトリア、エチオピア、スーダン、イエメン)、オーストラリア(ニューサウスウェールズ、ノーザンテリトリー、クイーンズランド、南オーストラリア、西オーストラリア)原産。中国名は单叶木蓝 dan ye mu lan。標高1200m以下の乾燥した斜面や日当たりの良い川沿いの草地に生育する。
 低木または多年草、匍匐または直立し、多数枝分かれする。茎は通常、4角形、白色の中着の対称的な2分岐の伏毛がある。托葉は狭三角形、長さ2~3cm×幅約0.2mm、部分的に葉柄に付着する。葉は単葉または1小葉、葉柄は長さ2.5~3mm、密に中着の伏毛がある。托葉は線形、長さ約0.5mm、無毛。葉または小葉の葉身は通常、線形だが、楕円形~卵状楕円形になり、長さ0.5~3cm×幅2~4 mm、両面に中着の伏毛があるが、下面にはより密にあり、二次脈は見えず、基部は狭い楔形、先は尖鋭形で微突形である。総状花序は長さ1~1.5cm。花序柄は長さ約0.5mm。苞は約・長さ1mm×幅1mmの卵形、密に伏した中着毛がある。小花柄は長さ0.5~1mm。萼片は密に伏した中着毛がある。萼筒は長さ約0.5mm、萼歯は長さ約2mm、狭三角形。花冠は赤色、旗弁は楕円形、長さ4~4.5mm×幅2~2.5mm、外側に毛がある。翼弁は長さ3.5~4mmm×幅約1.5mm、無毛。竜骨弁は長さ3.5~4.5mm×幅1~1.5mm、無毛。雄しべは長さ3~4mm。葯は無毛。子房には微細な伏毛があり、胚珠が1個ある。豆果は卵形、約・長さ2mm×幅2mm、白色の2分岐の中着する伏毛が密にある。内果皮にはしみがない。種子は豆果に1個、約・長さ1mm×幅1mm、立方体。花期は4~9月。果期は5~10月。2n=16。

14 Indigofera nigrescens Kurz ex King et Prain ヤンバルコマツナギ

 中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、江西省、陝西省、四川省、西蔵、雲南省、浙江省)、台湾、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は黑叶木蓝 hei ye mu lan。標高500~2500mの丘陵地、低木林、疎林、日当たりの良い草原、野原、河岸に生える。
 低木、直立し、高さ1~2m。茎は赤褐色。若い枝は緑色で、条線があり、褐色の中着の対称的に2分岐する伏毛がある。托葉は線形、長さ5~8mm。葉は長さ8~18cm、小葉は11~23枚つき、葉柄と葉軸にはまばらに伏した中着毛がある。葉柄は長さ2~2.5cm。葉軸は円柱形またはわずかに扁平で、上面に溝がある。小葉は対生し、楕円形~倒卵状楕円形、長さ1.5~2.5cm×幅0.7~1.3cm、紙質、両面にまばらに中着の伏毛があり、下面は乾くと通常暗色または黒色になるか黒色の斑点がつき、基部は広楔形~円形、先は鈍形で微突形。総状花序は長さ約19cm、花が密につく。花序柄は長さ約2cm。苞は線形、長さ5~7(~9)mm、外側に褐色の中着毛がある。小花柄は長さ1~1.5mm、褐色の中着毛がある。萼は長さ3~5mm、褐色と白色の伏した中着毛がある。萼筒は長さ2.5~3mm。萼歯は三角形、最も外側の1個の歯は長さ約1mm。花冠は赤色~紫色、旗弁は倒卵形、長さ6.5~7mm×幅約4mm、外側に褐色と白色の中着の伏毛があり、内側は基部に毛があり、基部には爪部があり、先は鈍形。翼弁は長さ5.5~6mm、縁には縁毛がある。竜骨弁は翼弁と同長、外側の先に毛がある。葯は卵状球形、基部に少数の毛がある。子房は無毛、8~9個の胚珠を持つ。豆果は円筒形、長さ1.7~2.8cm、まばらに伏した中着毛があり、先は鈍形。内果皮はしみがある。種子は豆果1個につき7~8個、赤褐色、卵形、長さ約2.5mm。花期は6~9月。果期は9~10月。

15 Indigofera pendula Franch. インディゴフェラ・ペンデュラ
 中国(四川省、雲南省)原産。中国名は垂序木蓝 chui xu mu lan。標高1900~3300mの山腹、谷、川岸、低木林、森林縁に生える。
 低木、高さ2~3(~4)m、しばしば攀縁性。幹は暗褐色、円柱形、明瞭な皮目がある。若い枝は薄褐色、角張り、褐色の中着の対称的に2分岐する伏毛があり、無毛になる。托葉は披針形、長さ2~3mm、早落性。葉は長さ10~20cm、小葉が(11または)13~23(~27)枚つく。葉柄と葉軸には中着に伏毛がある。葉柄は長さ1~5(~6)cm、葉軸には上面に溝がある。托葉は棘状、長さ0.5~1mm、宿存する。小葉柄は長さ1.5~2mm、有毛。小葉は対生し、楕円形~長円形だが、頂小葉は倒卵形、長さ1~2.5(~3.5)cm×幅0.5~1.5cm、紙質、外面にはまばらに白色の中着の伏毛があり、上面は無毛、中脈は上面で凹み、二次脈は中脈の両側に6本ずつ明瞭にあり、基部は楔形、広楔形、あるいは円形、先は鈍形~凹形。総状花序は長さ30~35cmで垂れ下がる。花序柄は1~2cm、伏した中着毛がある。苞は披針形、長さ約3mm。小花柄は長さ2~3mm。萼は杯形、長さ2.5~3mm、外側に中着の伏毛がある。萼筒は長さ約1.5 mm。萼歯は卵形~披針形、ほとんどが萼筒より短い。花冠はピンク色、旗弁は長円形、長さ9~11mm×幅約5mm、青みがかったピンク色、外側は密に白色の小直剛毛状微軟毛(strigillose-puberulent)があり、基部には短い爪部があり、翼弁は長さ約1cm、基部は耳と短い爪部があり、縁には縁毛があり、竜骨弁は翼弁と同長、外側の先には毛があり、縁には縁毛があり、距は長さ約1.5mm。雄しべは長さ8~9.5mm。葯は広卵形、基部に少数の毛状突起がある。子房は無毛、9~12個の胚珠がある。豆果は褐色、円筒形、長さ約5cm×幅3~4mm、まばらに伏した中着毛がある。内果皮にはしみがある。種子は豆果1個につき8~10個、赤褐色、楕円形、約・長さ3mm×幅2mm。花期は6~8月。果期は9~10月。
品種) 'Shangri-la'

16 Indigofera ramulosissima Hosok. タロココマツナギ 太魯閣駒繋
 台湾原産。中国名は多枝木蓝 duo zhi mu lan。標高700~1500mの乾燥した岩場斜面に生える。
 低木、矮性、多数枝分かれする。茎は硬く、やや角張り、白色の伏せた対称的に2分岐した中着毛がある。托葉は微細な針状。葉は長さ1~3cm、小葉は7枚。葉柄と葉軸には白色の伏した中着毛がある。葉柄は長さ約8mm、葉軸は円柱形。托葉は微細で剛毛状。小葉は対生し、倒卵形、長さ3~8mm×幅2~3mm。両面に伏した中着毛があり、下面はより密にあり、2次脈は見えず、基部は広楔形~円形、先は鈍形で微突形。総状花序は長さ1.3~2.5cm、花は緩くつく。花序柄は長さ約5mm。苞は長さ約1mm。小花柄は長さ1~1.5mm、毛があり、果時には広がるかまたは反り返る。萼は2~3mm、灰色の伏毛がある。萼歯は三角形、萼筒と同長。花冠は旗弁が広倒卵形、約・長さ3.5mm×幅3mm、外側に毛がある。翼弁は長円形、長さ約3.2mm、縁には縁毛がある。竜骨弁は倒卵形、長さ約3.5mm。雄しべは長さ3~4mm。葯は卵形。子房は線形、無毛。豆果は線形、円筒形、長さ約1.5cm。種子は豆果1個につき4~6個、腎形、長さ約2mm。花期は6~11月。果期は8~12月。

17 Indigofera suffruticosa Mill. ナンバンコマツナギ 南蛮駒繋
 熱帯アメリカ原産。アジアで広く栽培されている。中国名は野青树 ye qing shu 。
 低木又は小低木、直立、高さ0.8~1.5m。茎は灰緑色、伏した中着の対称的に2分岐する毛状突起がある。托葉は狭三角形、長さ約4㎜。葉は長さ5~10㎝、小葉は11~15(~19)個。葉柄と葉軸は上面に溝があり、伏した中着の毛状突起がある。葉柄は長さ約1.5㎝。小葉の葉身は長円形~倒披針形、長さ1~4㎝×幅0.5~1.5㎝、下面は淡緑色で伏した中着の毛状突起がある。上面は緑色で密に伏した中着の毛状突起があるか又は無毛になり、基部は広くさび形~円形、先は鋭形、まれに円形。総状花序は長さ2~3㎝、密に鼻がつき、花序柄はごく短いか又は無い。苞は線形、長さ約2㎜、早落性、外面に伏した中着の毛状突起がある。花柄は果時に後屈する。萼は長さ約1.5㎜、外側に毛があり、萼歯は広三角形、萼筒と同長。花冠は赤色。旗弁は倒卵形、長さ4~5㎜、外側に密に褐色の毛状突起がある。竜骨弁は翼弁の長さと同長、毛がある。雄しべは長さ3~4㎜。葯は球形、無毛、、先は微突形。子房は密に毛がある。豆莢は反曲し、上側にかま形、長さ1~1.5㎝、毛がある。内果皮はしみがある。種子は6~8個、褐色、短い円筒形、両端は切形。花期は3~5月。果期は6~10月。2n=16, 32。

18 Indigofera taiwaniana T.C.Huang et M.J.Wu インディゴフェラ・タイワニアナ

 台湾原産。中国名は台湾木蓝 tai wan mu lan。標高100m以下の岩の上の乾燥した開けた草地に生える。
 1年生または多年草、傾伏し、高さ30cmまで。茎は、対称的に2分枝した伏した中着毛がある。葉は小葉が4~6枚つく。小葉は互生し、倒披針形、長円形、または倒卵形、長さ8~18mm×幅2.5~5mm、膜質、上面に、上部の縁に伏した中着毛があり、2次脈は不明瞭、基部は楔形~狭楔形、先は鈍形で微突形。総状花序は長さ1.8~4.5cm、花が密につく。花序柄は長さ9~10mm。苞は狭三角形、約・長さ1.8mm×幅0.7mm。萼歯は狭三角形、長さ2~2.5mm×幅0.5~0.6mm。花冠は±血赤色。旗弁は広楕円形、長さ4.5~5mm×幅4~4.5mm、外側に毛がある。翼弁は長さ5~5.5mm×幅1.5~1.7mm、基部の縁には縁毛がある。竜骨弁は長さ5~6mm×幅1~1.2mm、縁には縁毛があり、距は長さ0.5~0.6mm。雄しべは長さ3~3.5mm。葯は楕円形。子房は毛があり、胚珠は9~10個。豆果は直立し、横断面は4角形で、長さ2.1~2.3cm×幅1.8~2mm、先には長さ1~1.5mmの嘴がある。内果皮は黄褐色でしみがある。種子は豆果1個につき7~10個、黄色、六角形、長さ1.2~1.5mm×幅約1.5mm。花期は6~9月。果期は8~11月。

19 Indigofera tinctoria L. タイワンコマツナギ 台湾駒繋
 熱帯アジア、アフリカに広く分布。中国名は木蓝 mu lan 。別名はナンバンアイ
 小さい低木。直立し、高さ50~100㎝。若枝には伏した中着の対称の2分岐の毛状突起がある。托葉は狭三角形、長さ約2㎜。葉は長さ2.5~11㎝。小葉は9~13個。葉柄と葉軸は上面に溝があり、伏した中着の毛状突起がある。葉柄は長さ1.3~2.5㎝。小托葉は微細。小葉柄は長さ約2㎜。小葉の葉身は対生し、倒卵状長円形~倒卵形、長さ1.5~3㎝×幅0.5~1.5㎝、両面に伏した中着の毛状突起があり、上面はときに、無毛になり、上面の中脈は凹み、2次脈は見えず、基部は広くさび形~円形、先は円形~凹形。総状花序は長さ2.5~5(~9)㎝、花が緩くつき、花序柄は無い。苞は剛毛状、長さ1~1.5㎜。 花柄は長さ4~5㎜、果時に後屈する。萼は長さ約1.5㎜、伏した中着の毛状突起があり、萼歯は三角形、咢筒の長さと同長。花冠は赤色、旗弁は倒卵形、長さ4~5㎜、外側に褐色の毛状突起がある。翼弁は長さ約4㎜。竜骨弁は翼弁と同長。雄しべは長さ4~5㎜。葯は心形。子房は無毛。豆莢は線形、 反曲して、真っすぐ~半円形だがかま形にならず、長さ2.5~3㎝、有毛又は無毛。内果皮は紫赤色のしみがある。種子は豆鞘に5~12個、立方体、長さ約1.5㎜。花期は通年。果期は10月。2n=16。

20 Indigofera trifoliata L. ミツバノコマツナギ 三つ葉の駒繋
  synonym Indigofera pedicellata auct. non Wight et Arn.
  synonym Indigofera trifoliata L. var. liukiuensis Matsum.
  synonym Indigofera glandulifera Hayata
 日本(沖縄)、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖北省、湖南省、江西省、四川、雲南省)、台湾、インド、アッサム、パキスタン、スリランカ、ネパール、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア(ジャワ、小スンダ列島、スラウェシ島、マルク)、ニューギニア、ビスマルク諸島、オーストラリア(ノーザンテリトリー、クイーンズランド、西オーストラリア)原産。中国名は三叶木蓝 san ye mu lan。別名はナハエボシグサ(那覇烏帽子草)。標高1900m以下の道端、草地、河川敷、耕作地に生える。
 低木または多年草。直立または斜上し、高さ15~60cm。茎には、白色の伏した対称的に2分枝する中着毛がある。托葉は狭三角形、長さ3~5mm×幅約0.2mm。葉は3小葉。葉柄は長さ6~10mm、伏した中着毛が密にある。托葉は線形、長さ約0.5mm、無毛。小葉柄は長さ1~2mm、ごく密に伏した中着毛がある。小葉は対生し、狭倒卵形~倒卵楕円形、長さ0.6~3cm×幅0.3~0.5(~1.2)cm、両面にまばらに伏した中着毛があり、下面には暗赤色の円盤形の腺がある。二次脈は見えず、基部は狭楔形、先は円形~凹形、長さ約0.2mmの微突起毛がある。総状花序は長さ5~10mm、花が密につく。花序柄は長さ2.5mmまで。苞は狭三角形、約・長さ1mm×幅0.2mm、伏した中着毛が密にある。小花柄は長さ0.5~1mm。萼は長さ2.5~3mm、伏した中着毛が密にある。萼筒は長さ0.5~1mm。萼歯は狭三角形、長さ1.2~1.5mm。花冠は赤色。旗弁は円形、約・長さ(2~)5mm×幅2~3mm、外側に毛がある。翼弁は約・長さ(2~)4mm×幅0.5mm、無毛。竜骨弁は約・長さ(2~)5mm×幅1mm、外側に毛がある。雄しべは長さ(2~)5~6mm。葯は球形で無毛。子房は無毛、3~6個の胚珠を持つ。豆果は真っすぐで、側部が平で、長さ10~15mm×幅約2.5mm、密に伏した中着毛があり、しばしば円盤形の腺を持ち、縫合部は肥厚する。内果皮にはしみがない。種子は約・長さ2mm×幅2mm。花期は6~9月。果期は9~10月。

20-1 Indigofera trifoliata var. duthiei (J.Drumm. ex Naik) Sanjappa

  synonym Indigofera duthiei J.Drumm. ex Naik
 インド原産。耕作地(雑草として)、休耕地、荒れ地、道路脇に生える。var. trifoliata と異なり、果実は1~4個の種子をもち、狭い翼がある。
 葉は3出複葉。托葉は長さ1~1.2mm、狭三角形、葉柄に接し、外側は毛深い。総状花序は長さ5~8mm、球形またはわずかに細長い。花はピンク色または赤色、長さ約5~6mm。苞は長さ約0.6mmで、外側に毛があり、脱落する。小花柄は長さ約1mmで毛がある。豆果の莢には細長い翼がある。花期と果期は8~12月。

20-2 Indigofera trifoliata subsp. trifoliata

  synonym Indigofera glandulosa Roxb.
  synonym Indigofera liukiuennsis Makino & Nemoto
  synonym Indigofera multicaulis DC.
  synonym Indigofera orixensis Roxb. ex Wight & Arn.
 日本(沖縄)、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖北省、湖南省、江西省、四川省、雲南省)、台湾、インド、アッサム、スリランカ、パキスタン、ミャンマー、ネパール、バングラデシュ、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア(ジャワ、小スンダ列島、スラウェシ島)、ニューギニア、ビスマルク諸島、オーストラリア(ノーザンテリトリー、クイーンズランド、西オーストラリア)原産。中国名は三叶木蓝 san ye mu lan。標高1900m以下の道端、草原に生える。
 雄しべ1本、長さ5~6mm。2n=16。

20-3 Indigofera trifoliata subsp. unifoliolata (Merr.) de Kort & G.Thijsse

  synonym Indigofera unifoliolata Merr.
 フィリピン原産。低地の草原に生える。

20-4 Indigofera trifoliata var. zhengkangensis H.Sun

 中国(雲南省)原産。中国名は镇康三叶木蓝 zhen kang san ye mu lan。標高1100~1200mの河川や耕作地の近くに生える。
 雄しべは長さ2~3mm。

21 Indigofera trita L.f. ミツバノコマツナギモドキ 三つ葉の駒繋擬
  synonym Indigofera arcuata Willd
 パキスタン、インド、アッサム州、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、フィリピン、インドネシア(ジャワ、小スンダ島)、オーストラリア(クイーンズランド州、西オーストラリア州、)、南西アジア(サウジアラビア、イエメン)、アフリカ(ボツワナ、ブルンジ、カメルーン、コンゴ、コスタリカ、ジブチ、コンゴ民主共和国、エリトリア、スワジランド、エチオピア、ガボン、ガーナ、ギニア湾、コートジボワール、ケニア、リベリア、マダガスカル、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、オマーン、ルワンダ、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、セネガル、ザンビア、ジンバブエ)原産。英名はAsian indigo , Three-leaved indigo。
 1年草または短命の多年草または低木、広がる~直立し、高さ30~90cm。枝は帯白色になる。葉は3出複葉、長さは約0.8~2.5cm。小葉は長さ約1.2~2.6cm、倒卵形または長円形、両面がビロード状。花序は花が6~12個つき、長さ4.5cm以下またはそれ以上。花はピンク色。萼は杯形、長さ2.5mm、萼歯は線形。果実は長さ約2.5~2.7cm、広がるかまたは後屈し、四角形、種子は6~10個。花期は7~9月。
21-1 Indigofera trita var. maffeii (Chiov.) Ali
  synonym Indigofera maffeii Chiov.
  synonym Indigofera oreophila Santapau & Panthaki
  synonym Indigofera spachii var. trifoliolata Schweinf.  ジブチ、エリトリア、エチオピア、インド、ケニア、モザンビーク、オマーン、パキスタン、サウジアラビア、ソマリア、スーダン、タンザニア、ウガンダ、イエメン原産。
 花序軸の長さが4.5cm以上である

21-2 Indigofera trita var. marginulata (Graham ex Wight & Arn.) Sanjappa

  synonym Anil marginulata (Graham ex Wight & Arn.) Kuntze
  synonym Indigofera marginulata Graham ex Wight & Arn.
 インド原産。英名はShort-Margined Indigo。
 亜低木、小枝は伏生で覆われる。葉は複葉で、長さ10cm以下。小葉は5枚、対生し、枝の先端で小葉は大きく、長さ4cm×幅2cm・まで、長円状倒卵形で、先端は鈍く微突形、膜質、細柔毛がある。托葉は長さ2mm、線形。花は葉腋の総状花序につき、長さ10cmまで。小花柄は長さ2mmまで。花はピンク色。萼筒は長さ1mm、鐘形で毛があり、萼片は長さ1.5mmと2mm、披針形で不等。雄しべ筒は長さ3mm。葯は小突起形。子房は長さ3mm、長円形、花柱は曲がり、長さ1.5mm。

21-3 Indigofera trita var. purandharensis Sanjappa

 インド原産。
 総状花序と花が長い。豆果が短く、幅が広く、小型で反り返る。
21-4 Indigofera trita var. trita
  synonym Indigofera cinerea Willd.
  synonym Indigofera timoriensis DC.
  synonym Indigofera rigida Willd.
 パキスタン、インド、アッサム州、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、フィリピン、インドネシア(ジャワ、小スンダ島)、オーストラリア(クイーンズランド州、西オーストラリア州、)、アフリカ(ボツワナ、ブルンジ、カメルーン、スワジランド、エチオピア、ガボン、ガーナ、ギニア湾、コートジボワール、ケニア、リベリア、マダガスカル、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、ルワンダ、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、セネガル、ザンビア、ジンバブエ)原産。
 低木、直立し、高さ60~100cm。枝は白色の灰白色(white canescent)。葉は3出複葉、長さ約8~25mm。小葉は長さ約1.2~2.6cm、倒卵形または長楕円形で、両面に毛がある。托葉はなく、托葉は小さな剛毛である。花序の軸は4.5cm以下で、6~12個の花が咲く。花冠はピンク色。萼片は長さ約2.5mmで、鋸歯は線形。托葉は長さ約5~5.5mm。果実は長さ約2.5~2.7cmで、広がるか反り返った四角形で、種子は6~10個。花期は9月。

22 Indigofera venulosa Champ. ex Benth. タイワンクサハギ 台湾草萩

 中国(広東省、浙江省)、台湾原産。中国名は脉叶木蓝 mai ye mu lan。標高約500mの谷間、森林斜面に生える。
 低木、高さ30~60cm。茎は円柱形で無毛。托葉は微細で脱落性。葉は長さ10~15cm、小葉は5~13個つく。葉柄と葉軸は円柱形または上面に溝があり無毛。葉柄は長さ1.5~3.5cm。托葉は葉柄と同長。章葉柄は長さ約2mm。小葉は対生し、卵形、卵状菱形、またはほぼ円形、長さ1.3~2.5cm×幅1~2.7cm、下面にはまばらに白色の伏せた中着毛があり、上面は無毛、中脈は下面で凹み、2次二脈と3次脈は上面で明瞭、基部は楔形~円形、先は鈍形~鋭形。総状花序は長さ約10cm、花は緩くつく。花序柄は長さ2~3cm、無毛。苞は卵状披針形、長さ2~2.5mm。小花柄は長さ約2.5mm。萼は長さ3~3.5mm、外側にまばらに中着の毛状突起がある。萼筒は長さ約2mm、萼歯は三角形、長さ1~1.5mm。花冠は淡紫色。旗弁は長円形~倒卵状長円形、長さ1.2~1.5cm、基部には短い爪部があり、外側に白色および褐色の中着毛があり、先は鈍形または凹形。翼弁は狭く、長さは旗弁と同長、縁には縁毛がある。竜骨弁は翼弁よりわずかに短く、外側の先に毛があり、縁にも縁毛がある。雄しべは長さ1.1~1.4cm。葯は卵状楕円形、両端に毛がある。子房は無毛。豆果は直立し、長さ4~5cm、無毛。種子は1株あたり10~12個。花期は3~5月。果期は7~8月。

23 Indigofera zollingeriana Miq. リュウキュウコマツナギ 琉球駒繋

  synonym Indigofera kotoensis Hayata var. liukiuensis (Matsum.) Ohwi

 日本(沖縄)、中国、台湾、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は尖叶木蓝 jian ye mu lan。標高400~600mの日当たりの良い場所、歩道脇、森林に生える。
 低木または小高木。直立し、高さ1~3m。茎はわずかに伏せた対称的に2分岐する毛状突起を持つ。托葉は狭披針形、長さ5~8mm、脱落性。葉は長さ20~25cm、11~19枚の小葉を持つ。葉柄と葉軸は白色または褐色の伏せた毛状突起がある。葉柄は長さ2~2.5cm。葉軸は扁平、上面に溝がある。托葉は棘状、長さ1.5~2mm。小葉柄は長さ2~3mm、伏毛がある。小葉は対生し、卵状披針形、長さ3~6cm×幅1.5~2cm、紙質、両面に中着の毛状突起があり、中脈が顕著、中脈の両側に13または14本の二次脈があり明瞭、基部は円形~広楔形、先は尖鋭形。総状花序は長さ7~13cm、花が密いつく。花序柄にはさび色の毛状突起が伏せまたは開出する。苞は披針形、長さ約1.5mm。小花柄は苞と同長、褐色の伏した毛状突起がある。萼は長さ1~2mm、灰褐色の伏毛が密にある。萼筒は長さ約1mm。萼歯は三角形、長さ約0.5mm。花冠は白色または紫色。旗弁は卵状披針形、長さ6.5~8mm。翼弁は旗弁とほぼ同長で、縁には縁毛がある。竜骨弁は長さ7~7.5mmで、外側には褐色の伏毛が密にある。雄しべは長さ5~6.5mm。葯は楕円形、基部に少数の毛がある。子房は無毛。豆果は円筒形、広がり、長さ2.5~4.5cm×幅5.5~6mm、まばらに毛があり、内果皮には斑点がある。種子は10~16個、直径約2mmの円盤形、コインの山のように並ぶ。花期は6~9月。果期は10~12月。2n=16。

24 その他
 Indigofera 'Claret Cascade'
 Indigofera 'Dosua'=Indigofera dosua Buchanan-Hamilton ex D. Don

参考

1) Flora of China
 Indigofera
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=116399
2)Flora of Pakistan
 Indigofera
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=116399
3) Plant Finder - Missouri Botanical Garden
 Indigofera decora
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?kempercode=e382
 Indigofera 'Rose Carpet'
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?kempercode=a237
4) GRIN
 Indigofera List of Species Records 365 in GRIN
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=6030
5) Flowers of India
 Asian Indigo
http://www.flowersofindia.net/catalog/slides/Asian%20Indigo.html