キツネノマゴ 狐の孫

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Flora of Mikawa

キツネノマゴ科 Acanthaceae キツネノマゴ属

中国名 爵床 jue chuang
英 名 rat-tall willow
学 名 Justicia procumbens L. var. procumbens
Justicia procumbens L. var. leucantha Honda form. japonica (Thunb.) H.Hara 狭義
キツネノマゴの花
キツネノマゴの雄しべ
キツネノマゴの葯
キツネノマゴ萼
キツネノマゴ苞と萼
キツネノマゴ果実
キツネノマゴ茎
キツネノマゴ
キツネノマゴ雌しべと雄しべ
キツネノマゴ果実の中
キツネノマゴの葉
花 期 8~10月
高 さ 10~40㎝
生活型 1年草
生育場所 道端、草地、畑地
分 布 在来種  本州、四国、九州、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、インドネシア、ミャンマー、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム
撮 影 蒲郡市 05.8.25
道端で普通に見られる。草本、高さ20~50㎝。茎は4稜があり、下向きの曲った短毛が生える。葉柄は長さ3~8㎜、短毛がある。葉は対生し、全縁、葉身は長さ1.5~4㎝、幅0.8~1.5㎝、楕円形~卵状楕円形、ほぼ無毛~まばらに剛毛があり、鐘乳体は多数、側脈は3~6対、明瞭。葉の基部は広楔形~類円形、葉柄にわずかに沿着し、縁は全縁又はわずかに波打ち、先は鋭形~鈍形。穂状花序は頂生又は上部の葉に腋生、円柱形、長さ1~3(6)㎝、幅6~12㎜、花が密につく。花序柄は長さ0.5~7㎝、密に軟毛で覆われる。苞は卵形~楕円状披針形、長さ2.5~8㎜、幅0.6~1.3㎜、内面には軟毛があり、縁には縁毛がある。小苞は披針形、長さ2.5~5㎜、内面には軟毛があり、縁には縁毛がある。萼は長さ4~6㎜、基部まで4裂又は5裂(萼が5深裂し、萼片の1個は退化して小さく糸状又は無)、線形、外面は1脈があり、脈に軟毛があり、縁は黄白色で縁毛がある。花冠は長さ5~8.5㎜、ピンク色又は白色、下唇に帯赤色の斑紋(白色の斑紋の周りが紅紫色)がある。下唇は長さ約3㎜、幅約3.5㎜、3裂し、裂片は卵形、中裂片はわずかに長く、長さ約1㎜、幅1~1.5㎜。上唇は長さ約3㎜、先は凹形。雄しべは突き出し(上唇よりやや短い)、花糸は扁平、長さ約4㎜、無毛。葯は葯室が対生(縦に並ぶ)、下側の葯室は基部に距がつき、上側の葯室は無突起 (属の特徴)。子房は有毛、花柱は先以外は花冠内部の溝の中に埋め込まれ、長さ約5㎜、毛がある。柱頭はわずかに2裂。蒴果は長さ4~6㎜、種子は4個入る。種子は卵形、長さ約1㎜、幅約1㎜、しわがある。種子の基部に鈎状の柄があり、種子を射出する。花期、果期は通年。2n=18,36

キツネノマゴ属

  familiy  Acanthaceae - subfamily: Acanthoideae - tribe Justicieae - genus Justicia

 草本、亜低木、低木、鐘乳体(cystoliths)がある。葉は無柄又は有柄。葉身は、普通、全縁、ときに深波状又はわずかに鋸歯状、花序は2出集散花序(ときに花が単生)、腋生又は頂生の穂状花序、総状花序、又は密穂花序、ときに分枝して円錐花序になる。苞は形が様々、ときに色が鮮やかになり目立つ。小苞は2個、苞と類似か又は小さい。萼は4~5深裂、裂片は同形~ほぼ同形。花冠は筒形又は漏斗形。拡大部は2唇形、下唇は3裂、上唇は全縁~2裂、内部は皺紋状(rugulate)。裂片は蕾のときは渦巻き形。雄しべ2個。葯は2葯室。葯室は等形又は非等形、平行又は垂直につき、片側又は両方の基部に距がつき、又はときに基部の付属体を欠く。仮雄しべは無い。子房は室に2胚珠。柱頭はわずかに2裂。蒴果は基部に柄がある。種子は2~4個、基部に柄のような組織体(jaculator[射出機] 又は retinaculum[支持帯]と呼ばれる:日本語では弾糸ともいわれる)がつく。この柄により蒴果から種子が飛び出す。種子は扁球形~球形。
 世界の熱帯、亜熱帯に約700種が分布する。

【節分類】
 7節 Sectionesに分けられる。
1 J. sect. Betonica
  J. betonica(シロバナコエビソウ) , J. montis
2 J. sect. Grossa
   J. grossa
3 J. sect. Justicia
   J. orchioides , J. cuneata , J. guerkeana , J. platysepala , J. thymifolia , J. bolusii , J. anselliana
4 J. sect. Mesoamericanae
   J. calliantha , J. nicaraguensis , J. sulfurea , J. torresii
5 J. sect. Orthotactus
   J. aequilabris , J. fulvohirsuta , J. macarenensis , J. scheidweileri
6 J. sect. Plagiacanthus
7 J. sect. Rostellaria
   J. abyssinica , J. adenostachya , J. andamanica , J. ardjunensis , J. assamica , J. backeri , J. bankaoensis , J. blancoi , J. bonthainensis , J. brachystachya , J. chiengmaiensis , J. ciliata , J. cradengensis , J. crenulata , J. elegans , J. glandulosa , J. gracilis , J. haplostachya , J. hayatae , J. hedyotidifolia , J. hijangensis , J. humilis , J. khasiana , J. lanceolata , J. latispica , J. linearifolia , J. magnifolia , J. mollissima , J. neesii , J. neglecta , J. obtusa , J. ovata , J. palustris , J.procumbens(キツネノマゴ) , J. pogonanthera , J. prostrata , J. psychotrioides , J. pumila , J. quadrifaria(タロコキツネノマゴ) , J. rachaburensis , J. ramosissima , J. reptans , J. rotundifolia , J. royeniana , J. sarmentosa , J. serpyllifolia , J. simplex , J. smeruensis , J. sundana , J. tenella , J. trichochila

キツネノマゴ属の主な種と園芸品種

1  Justicia adhatoda L.  マラバールナッツ(アドハトダ)
 インド、ネパール、ブータン、スリランカ、インドネシア、マレーシア原産。英名はMalabar-nut , Malabar-nut-tree , adhatoda , pavettia。中国名は鸭嘴花(ya zui hua )。中国で栽培されている。葉や根が薬用。
 低木、高さ2~4m。枝は太く、4稜形、皮目があり、若い時に有毛、すぐに、無毛になる。葉柄は長さ0.8~3㎝、微軟毛がある。葉身は卵形~楕円状卵形、長さ 7~18㎝×幅2~7㎝、上面は微軟毛がり、下面は若い時に密に綿毛があり、脈上の綿毛を除いて無毛になり、2次脈は9~12対、縁近くで結合し、基部は広楔形、全縁、先は尖鋭形、ときにわずかにかま形になる。 穂状花序は頂生又は腋生、卵形~広卵形、長さ3~7㎝。花序柄は長さ3~7㎝。苞は覆瓦状、線状披針形、長さ1~2㎝×幅0.5~1.5㎝、微軟毛があり、3~7脈があり、縁毛があり、先は鋭形。咢は5裂、裂片は線状長円形、約長さ10㎜×幅3㎜、縁は狭い薄膜質、縁毛がある。花冠は直径約3㎝、白色又はピンク色、外側に帯紫色又は帯ピンク色の縞模様があり、広筒形、長さ2.5~3㎝、外側に軟毛がある。筒部の基部は円筒形、幅約5㎜、約5㎜がわずかに膨れ、上側に曲がる。る。 上唇は卵状長円形、長さ約1.8㎝、直立、浅く2裂する。下唇は長円状円形、広がり、3裂する。中裂片は類円形、約長さ9㎜×幅5㎜。側裂片は卵形、約長さ8㎜×幅4.5㎜。雄しべは突き出る。花糸は長さ約1.5㎝、下向きに曲がり、基部の絹毛を除き無毛。葯の半葯は楕円形、長さ約3.5㎜、等長、対生、下側の半葯は基部に距がある。子房は毛があり、先端に多い。花柱は長さ約2.5㎝、反曲し、基部に毛がある。柱頭は1個。蒴果は倒卵形、長さ2.5~4㎝×幅約0.5㎝。種子は外形が円形。2n = 34.。花期は6~7月。

2 Justicia betonica L. シロバナコエビソウ
 アフリカ、熱帯アジア(インド、スリランカ、マレーシア)原産。英名はsquirrel's-tail , white shrimp-plant。
 高さ2.5m以下。花序が直立し、苞が白色、緑色の脈が目立つ。花冠はフジ色、斑紋は白色。

3 Justicia brandegeeana Wassh. et L.B.Sm コエビソウ
 メキシコ原産。英名はfalse hop , Honolulu-salvia , Mexican shrimp-plant , shrimpbush , shrimp-plant , red shrimp-plant。中国名は虾夷花 xia yi hua。
 常緑低木、高さ1~1.5m、幅60~90㎝。若枝や葉の裏面に柔らかい綿毛がある。葉は対生し、葉柄は長さ2~3㎝、枝に上向きにつく。葉身は卵形~楕円形、長さ5~8㎝、淡緑色、全縁。穂状花序は頂生し、アーチ状に垂れ下がり、長さ7.5~15㎝、花序が大エビに似ている。苞はハート形、薄膜質、クサリ状に並び、暗赤色~銹褐色、未熟の先端部分や重なった部分は緑色~黄緑色、長さ2㎝以下。それぞれの苞に花が1個つく。花序が下側から順に成熟して長くなっていき、成熟した上側の花の1~2(4)個だけが咲く。花の下部を包むように帯赤色の苞1個が外側につき、内側(花序軸側)に淡色の小苞2個がつく。花は長さ2~3㎝、白色、2唇形の筒状花。下唇は3浅裂し、赤色~栗色の斑紋がある。果実は蒴果、長楕円形、長さ1~2㎝。種子は卵形、長さ約3㎜。花期は5~10月。
品種) 'Fruit Cocktail' , 'George Davey' , 'Green Glow' , 'Lutea' , 'Red Pinecone' , 'Variegata' , 'Yellow Queen'

4 Justicia carnea Lindl. サンゴバナ 珊瑚花
 ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ原産。英名はBrazilian plume flower , flamingo-flower , Jacobinia, flamingo plant , king's-crown , plume flower。
 常緑多年草、高さ1~2m。茎は直立又は攀縁性、角(かど)張り、緑色又は濃赤色、分枝し、綿毛がある。葉は対生、葉柄がある。葉身は卵状長楕円形~披針形、長さ15~20㎝×幅5㎝以下、普通、全縁、羽状脈、わずかに綿毛がある。苞は緑色、卵形、長さ2㎝以下。小苞は披針形、長さ1.2㎝以下。咢は5深裂し、裂片は披針形、長さ1㎝以下、先は鋭形、微軟毛がある。頭状花序(総状花序)は頂生し、直径10~20㎝、花が密に多数、束生し、羽根飾り(plume)状。花冠は淡ピンク色~濃ピンク色又は白色、2唇形、上唇は長さ6㎝以下、フード形、2裂する。下唇は3裂し、コイル状に巻く。雄しべは2個、上唇の下に位置する。葯は2半葯、半葯は高さが異なり、下側の半葯は微突頭。蒴果は種子が4個以下。花期は5~9月。
品種) 'Alba' , 'Hollandica' (PBR) , 'Huntington' , 'Pink Flamingo' , 'Radiant' , 'Thelma's Pink'

5 Justicia gendarussa Burm.f. キダチキツネノマゴ
 中国原産。アフリカ、アジア熱帯地域に帰化。東南アジア(タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾)は不確定。インド、パキスタンで栽培されている。中国名は小驳骨( xiao bo gu )。
  高さ0.7~1.5m。葉は狭披針形、長さ6~10㎝、幅1~1.5㎝。花はクリーム白色、長さ1.2~1.5㎝。下唇の斑紋は紫色。上唇に紫色のしみがある。 2n = 28, 30.。花期は1~4月。

6 Justicia hayatae Yamam.  キツネノメマゴ
  synonym Justicia procumbens L. var. hayatae (Yamam.) Ohwi
  synonym Justicia diffusa auct. non Willd.
 台湾、香港原産。中国名は早田氏爵床 zao tian shi jue chuang 。
 茎、葉に長剛毛がある。葉は無柄、卵形~ほぼ円形、長さ15~35㎜×幅8~20㎜、下面は鍾乳体(cystoliths)は無く、淡緑色、上面は緑色、多数、鍾乳体がある。

7 Justicia pictifolia Standl.
 チリ(Santiago)原産。 花はライラック・パープル色
品種)  'Zebra' (v)

8 Justicia procumbens L. var. procumbens   キツネノマゴ
  synonym Justicia procumbens L. var. leucantha Honda f. japonica (Thunb.) H.Hara 狭義
 日本(本州、四国、九州)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、インドネシア、ミャンマー、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は爵床 jue chuang。英名はrat-tall willow
 道端で普通に見られる。1年草、高さ20~50㎝。茎は4稜があり、下向きの曲った短毛が生える。葉柄は長さ3~8㎜、短毛がある。葉は対生し、全縁、葉身は長さ1.5~4㎝、幅0.8~1.5㎝、楕円形~卵状楕円形、ほぼ無毛~まばらに剛毛があり、鐘乳体は多数、側脈は3~6対、明瞭。葉の基部は広楔形~類円形、葉柄にわずかに沿着し、縁は全縁又はわずかに波打ち、先は鋭形~鈍形。穂状花序は頂生又は上部の葉に腋生、円柱形、長さ1~3(6)㎝、幅6~12㎜、花が密につく。花序柄は長さ0.5~7㎝、密に軟毛で覆われる。苞は卵形~楕円状披針形、長さ2.5~8㎜、幅0.6~1.3㎜、内面には軟毛があり、縁には縁毛がある。小苞は披針形、長さ2.5~5㎜、内面には軟毛があり、縁には縁毛がある。萼は長さ4~6㎜、基部まで4裂又は5裂(萼が5深裂し、萼片の1個は退化して小さく糸状又は無)、線形、外面は1脈があり、脈に軟毛があり、縁は黄白色で縁毛がある。花冠は長さ5~8.5㎜、ピンク色又は白色、下唇に帯赤色の斑紋(白色の斑紋の周りが紅紫色)がある。下唇は長さ約3㎜、幅約3.5㎜、3裂し、裂片は卵形、中裂片はわずかに長く、長さ約1㎜、幅1~1.5㎜。上唇は長さ約3㎜、先は凹形。雄しべは突き出し(上唇よりやや短い)、花糸は扁平、長さ約4㎜、無毛。葯は葯室が対生(縦に並ぶ)、下側の葯室は基部に距がつき、上側の葯室は無突起 (属の特徴)。子房は有毛、花柱は先以外は花冠内部の溝の中に埋め込まれ、長さ約5㎜、毛がある。柱頭はわずかに2裂。蒴果は長さ4~6㎜、種子は4個入る。種子は卵形、長さ約1㎜、幅約1㎜、しわがある。種子の基部に鈎状の柄があり、種子を射出する。花期、果期は通年。2n=18,36。花期は8~10月。

8-1 Justicia procumbens L. var. riukiuensis Yamam.   キツネノヒマゴ
  synonym Justicia simplex auct. non D.Don 
  synonym Justicia procumbens auct. non L.
 トカラ列島~南西諸島、台湾に分布。
 葉は広卵形、長さ1~2.5㎝、幅 0.6~1.5㎝、両面に毛が密生し、質が厚い。
8-2 Justicia procumbens L. var. hirsuta Yamam. ケブカキツネノマゴ  
 中国名は密毛(澎湖)爵床。
 茎、葉、苞、萼など全体が剛毛で覆われる。葉は卵形~披針形~楕円状披針形、長さ1~1.5㎝、幅0.5~1㎜。
8-3 Justicia procumbens L. var. leucantha Honda  シロバナキツネノマゴ
  synonym Justicia procumbens L. var. leucantha Honda 
 花が白色。
8-4 Justicia procumbens L. var. linearifolia Yamam.   ホソバキツネノマゴ
  synonym Rostellularia procumbens (L.) Nees var. linearifolia (Yamam.) S.S.Ying
 中国名は狭叶爵床。
 葉は線形~線状披針形、長さ1~2.5㎝、幅4~5㎜。

9 Justicia quadrifaria (Nees) T.Anders. タロコキツネノマゴ
 中国、インド、東南アジア原産。中国名は杜根藤 (du gen teng)。
 多年草、茎は傾伏し、先は直立する。葉は楕円形~披針形、長さ6~8㎝、幅2~3.5㎝。花は穂状花序に普通、3個つき、白色、斑紋は紫色。

10 その他
品種) 'Brazilian Fireworks Maracas' (v) , 'Fruit Salad' , 'Holanda' , 'Norgaard's Favourite' , 'Penrhosiensis' , 'Pink Parfait' , 'Sidicaro'

参考

1)中国植物誌
  爵床 Rostellularia procumbens (L.) Nees
  http://frps.eflora.cn/frps/Rostellularia%20procumbens
2)原色野草観察検索図鑑
  キツネノマゴ p179
3)野草図鑑⑤ すみれの巻
  キツネノマゴ p109
4)Flora of China
 Justicia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=116893
5) GRIN
 Justicia
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=6233
6) [PDF]Justicia carnea, Jacobinia, Flamingo Plant1 - UF-IFAS-EDISUF
 IFAS Extension University of Florida
 Justicia carnea, Jacobinia, Flamingo
 https://edis.ifas.ufl.edu/pdffiles/FP/FP30800.pdf