イワニガナ 岩苦菜

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae  タカサゴソウ属

別 名 ジシバリ
中国名 圆叶苦荬菜 yuan ye ku mai cai
英 名 creeping lettuce, Japanese hawthorn, Yeddo Hawthorn, Indian Hawthorn
学 名 Ixeris stolonifera A. Gray.
イワニガナの花
イワニガナの総苞
イワニガナの雄しべと雌しべ
イワニガナの匐枝
イワニガナの冠毛
イワニガナの冠毛を取った痩果
イワニガナ
イワニガナ葉表
イワニガナ葉裏
イワニガナ葉表2
イワニガナ葉裏2
花 期 4~5月
高 さ 8~15㎝
生活型 多年草
生育場所 山野の道端、畦道、石垣
分 布 在来種 日本全土、東アジア、朝鮮、中国、台湾
撮 影 設楽町 13.5.15
北アメリカに帰化している。
 茎はやや赤味を帯び、地上を匐枝が這って広がる。葉身は長さ7~20㎜の卵円形~卵形で、基部が急に狭まり長い柄がある。花柄は少数、枝分かれし、枝先に黄色の頭花をつける。花柄には普通、葉をつけない。頭花は直径2~2.5㎝。花弁の先はタンポポ亜科の特徴である5歯がある。総苞は長さ8~10㎜。総苞外片は小さく、総苞内片は長く、9~10個。果実は長さ4~6㎜、10稜があり、嘴の先に長い冠毛がある。2n=16
 オオジシバリは全体が大きく、花の直径が2.5~3㎝、果実の長さ7~8㎜、葉がヘラ形。

タカサゴソウ属

  family  Asteraceae - genus  Ixeris

 1年草又は多年草、しばしばロゼットになる。茎はほぼ直立、ときに長く這い、花をつける枝が直立する。合成花序は普通、散房花序。頭花は小花が(12~)15~25(~40)個つく。総苞は円筒形~狭鐘形。総苞片は数列につき、無毛。外塩生苞片は数個、最も長いものは内総苞片の長さの1/4~1/2.。内総苞片は普通、8個、線状披針形~披針形、等長、無毛、縁は普通、薄膜質。花托は裸。小花は黄色、まれに帯白色又は帯紫色。痩果は褐色、ほぼ紡錘形、扁平で無く、10本(5本の主うねが互生する5本の2次うねをもつ)の目立つ翼のようなうねがあり、うねの間の隙間はV形又はU形、先は細くなり又は漸尖し、糸状又は細い嘴になる。冠毛は白色、ざらつく剛毛。
 世界に約8種あり、アジア東部、南部に分布する。

タカサゴソウ属の主な種

1 Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai
 日本、朝鮮、中国、台湾、モンゴル、ロシア、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム原産。中国名は中华苦荬菜 zhong hua ku mai cai 。
 多年草、高さ 5~50㎝。ロゼットになり、無毛。直根はしばしばシュートをつける側根をもつ。茎は普通、少数~数本、まれに1本、斜上状直立~直立、基部又は上部まで分枝する。ロゼットの葉は倒披針形、楕円形、狭楕円形、又はほぼ線形、長さ6~24㎝×幅1~2㎝、不分裂又は羽状中列~羽状深裂、基部は漸尖形、縁は全縁又は波状の歯があり、先は鈍形~鋭形~漸尖形、側裂片は2~7対、狭三角形、線状三角形、又は線形。茎葉は(0~)1~4個、狭披針形~線状披針形、ほとんど分裂せず又はまれに羽状中裂、基部は半抱茎で、横に向く基部の抱く裂片の対は無いか又はまれ、仏は全縁、先は尖鋭形。合成花序は緩い散房花序、頭花は少数~多数。頭花は小花が15~25個つき、花序柄は針金状、長さ約1~数㎝。総苞は円筒形、長さ6~11㎜。総苞片は外面が無毛、先は鋭形。外総苞片はほぼ卵形、最も長いものは長さ1~1.5㎜。内総苞片は8個。小花は明るい黄色、淡黄色、白色、又は帯紫色。葯筒と花柱は帯緑色~乾くと上側が帯黒色。痩果は褐色、類紡錘形、長さ4~6㎜、先は漸尖し細い長さ2.5~3㎜の嘴になる。冠毛は長さ約5㎜。花期と果期は6~10月。
1-1 Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai subsp. chinensis  ウサギソウ 兎草
  synonym  Ixeris lacerrima (Hayata) Kitag.  キレバタカサゴソウ
  synonym Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai subsp. chinensis f. lacerrima (Hayata) Yamam.
 朝鮮、中国、台湾、ロシア、ラオス、カンボジア、タイ、ベトナム原産。中华苦荬菜 zhong hua ku mai cai
 高さ20~35㎝。茎は普通、数本、斜上~直立。ロゼットの葉は長さ15㎝以下。茎葉は普通、2~4個。頭花は小葉アを20~25個もつ。総苞は長さ6~8㎜。小花は淡黄色~明るい黄色。痩果は長さ4~6㎜。花期と果期は5~10月。2n = 16。.

1-1-1 Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai subsp. chinensis var. taitoensis (Hayata) Kitag.  タイトウタカサゴソウ
  synonym Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai subsp. chinensis f. taitoensis (Hayata) Yamam.

1-2 Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai subsp. versicolor (Fisch. ex Link) Kitam.  マンシュウタカサゴソウ 満州高砂草
  synonym Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai subsp. hallaisanensis sensu Kitag.
 朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は多色苦荬 duo se ku mai 。
 高さ10~20㎝。茎は数本、斜上~直立。ロゼットの葉は長さ17㎝以下。茎葉は普通 (0~)1~ 2個。頭花は小花が15~25個。総苞は長さ8~9㎜。小花は色が様々、白色、帯紫色、淡黄色、まれに明るい黄色。痩果は長さ4~6㎜。.花期と果期は3~9月

1-3 Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai subsp. strigosa (H.Lev. et Vaniot) Kitam.  タカサゴソウ 高砂草
  synonym Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai subsp. versicolor (Fisch. ex Link) Kitam. f. strigosa (H.Lev. et Vaniot) Kitag.
  synonym Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai var. strigosa (H.Lev. et Vaniot) Ohwi 
  synonym Ixeris strigosa (H.Lev. et Vaniot) Pak et Kawano 
 日本、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は光滑苦荬 guang hua ku mai 。
 高さ25~50㎝。茎は1本又は少数、直立する。ロゼtットの葉は長さ24㎝以下。茎葉は1~2個、まれにそれ以上。頭花は小花が20~25個。総苞は長さ9~11㎜、小花は白色~淡紫色。痩果は長さ5~6㎜。花期と果期は4~7月。2n = 24, 32。

2 Ixeris japonica (Burm.f.) Nakai  オオジシバリ  大地縛り
  synonym Ixeris debilis (Thunb.) A.Gray
  synonym Ixeris debilis (Thunb.) A.Gray subsp. liukiuensis Kitam.
  synonym Ixeris debilis (Thunb.) A.Gray var. salsuginosa (Kitag.) Kitag.
 日本全土、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は剪刀股 jian dao gu
多年草。高さ10~45㎝。茎はやや赤味を帯び、地を這って広がる。葉は長さ6~20㎝、幅1.5~3㎝の倒披針~へら形で、基部が次第に狭まり葉柄に続く。葉縁は羽状浅裂。花柄は少数、枝分かれし、枝先に黄色の頭花をつける。花柄には普通、葉をつけない。頭花は直径2.5~3㎝。花弁の先はタンポポ亜科の特徴である5歯があり、歯裏が赤い。総苞は長さ1~1.3㎝。総苞外片は小さく、総苞内片は長く、8~10(普通8)個。果実は長さ7~8㎜、10稜があり、嘴の先に長い冠毛がある。2n=48。花期は4~5月。
2-1 Ixeris japonica (Burm.f.) Nakai f. dissecta Nakai  キクバジシバリ
  synonym Ixeris debilis (Thunb.) A.Gray f. sinuata (Franch. et Sav.) Kitam
2-2 Ixeris japonica (Burm.f.) Nakai subsp. litoralis Kitam.  ホソバジシバリ

3 Ixeris longirostra Nakai  ツルワダン 蔓海菜
 日本固有種(小笠原諸島)。海岸の崖地、砂地、草地に生える。
 多年草、高さ10~20㎝、ロゼットの葉は長円状楕円形、長さ3~8㎝×幅1.5㎝以下、全縁、先は鈍形、基部は漸尖形、無毛。茎葉は少数つき、長さ1~8㎝×幅0.8~2.㎝、基部は心形。合成花序は散房花序、頭花は5~20個つく。外総苞片は長さ2㎜以下。内総苞片は長さ9~10㎜。舌状花冠は黄色。痩果は長さ約4㎜、約10うねがあり、糸状の長さ2~2.5㎜の嘴をもつ。冠毛は白色、長さ約5㎜。

5 Ixeris polycephala Cass.  ノニガナ 野苦菜
 日本(本州、四国、九州)、中国、台湾、インド、カシミール、ネパール、ブータン、アフガニスタン、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は苦荬菜 ku mai cai 。水田、川原など湿った場所に生える。
 1年草。高さ10~50㎝。茎は1本、直立し、下半部又は上部で分枝し、無毛、葉がつく。根生葉は花時にあり、狭倒披針形~披針形~線状披針形~線形、長さ6~22㎝×幅0.3~1.5㎝、不分裂又は羽状深裂~羽状全裂又は後ろ向きの鋸歯(runcinately)に全裂、基部は漸尖してよく発達した葉柄部分があり、±半抱茎、縁は全縁~歯状、先は鋭形、側裂片は(もし、あれば)葉身の基部の1/2~2/3に2~5対ある。茎葉は披針形~線状披針形、小さく、むしろ分裂せず、基部は強く矢じり状に抱き、縁はほぼ全縁、他は根生葉に似る。愚性花序は散房花序、頭花は少数~数個。頭花は小花が20~25個。花序柄は細管状。総苞は円筒形、花時に長さ5~6㎜×幅2~3㎜、果時には広鐘形、長さ7~8㎜×幅4~5㎜になる。総苞片は外面が無毛。外総苞片は4~6個、卵形、最も長いものが1㎜以下、先は鋭形。内総苞片は8個、先は鋭形~鈍形。小花は黄色又はまれに、白色。葯筒と花柱は帯緑色~乾くと帯黒色。痩果は褐色~赤褐色、楕円形、長さ約4㎜、先は縮小して長さ1~1.5㎜の細い嘴になる。冠毛は長さ約4㎜。花期と果期は2~10月。2n = 16。
5-1 Ixeris polycephala Cass. f. dissecta (Makino) Ohwi  キクバノニガナ
  synonym Ixeris polycephala Cass. var. dissecta (Makino) Nakai
  synonym Ixeris dissecta (Makino) C.Shih 
 葉が羽状全裂するもの、葉の分裂は変化が多く、品種に分けない。

6 Ixeris repens (L.) A.Gray  ハマニガナ 浜苦菜
 日本全土、朝鮮、中国、台湾、ロシア、ベトナム原産。中国名は沙苦荬菜 sha ku mai cai 。別名はハマイチョウ。
 多年草、高さ10㎝以下、無毛。茎は数本、むち状(flagelliform)、這い、長さ2m以下、砂に埋まる。節間は2~7㎝、節から不定根を出し、ほとんど葉を1個つける。葉は直立。葉柄は長さ1.5~9㎝。葉身は広卵形、長さ1.5~3㎝×幅1.5~5.5㎝、肉質、 掌状浅裂、掌状深裂又は掌状全裂、基部は漸尖し、切形又は心形。裂片は3(~5)個、無柄、又は長さ1(~1.5)㎝の翼のある又は翼の無い葉柄があり、楕円形~ほぼ円形、基部は狭くなり、縁は微突状に波状の歯があるか、ほぼ全縁、先は円形~鈍形。花枝は葉腋につき、直立し、長さ10㎝以下、葉が0~1個あり、主軸の葉に似るが小さく又は減じる。合成花序は緩い散房花序、頭花が2~8個つく。頭花は小花が12~20個。花序柄は針金状、長さ0.5~3㎝、卵形の苞をもつ。総苞は花時に円筒形、長さ10~12㎜×幅4~5㎜、果時に長さ1.4㎝以下になる。総苞片は外面が無毛。外総苞片は卵形~披針形、最も長いものは長さ4~6㎜、先は鋭形。内総苞片は8個、先は鋭形。小花は黄色。葯筒と花柱は帯緑色~乾くと帯黒色。痩果は褐色、紡錘形~ほぼ紡錘形、長さ5~7㎜、先は漸尖し、中程度に細く長さ0.5~2㎜の嘴になる。冠毛は長さ5~6㎜。花期と果期は4~10月。2n = 16。

7 Ixeris stolonifera A.Gray  イワニガナ 岩苦菜
 日本全土、東アジア、朝鮮、中国、台湾原産。英名はcreeping lettuce, Japanese hawthorn, Yeddo Hawthorn, Indian Hawthorn。中国名は圆叶苦荬菜 yuan ye ku mai cai。別名はジシバリ。
 多年草。高さ8~15㎝。茎はやや赤味を帯び、地上を匐枝が這って広がる。葉身は長さ7~20㎜の卵円形~卵形で、基部が急に狭まり長い柄がある。花柄は少数、枝分かれし、枝先に黄色の頭花をつける。花柄には普通、葉をつけない。頭花は直径2~2.5㎝。花弁の先はタンポポ亜科の特徴である5歯がある。総苞は長さ8~10㎜。総苞外片は小さく、総苞内片は長く、9~10個。果実は長さ4~6㎜、10稜があり、嘴の先に長い冠毛がある。2n=16。花期は4~5月。
7-1 Ixeris stolonifera A.Gray f. albiflora Sugim.  シロバナイワニガナ
7-2 Ixeris stolonifera A.Gray f. sinuata (Makino) Ohwi  キクバヂシバリ
7-3 Ixeris stolonifera A.Gray var. capillaris (Nakai) T.Shimizu  ミヤマイワニガナ 深山岩苦菜
  synonym Ixeris stolonifera A.Gray f. capillaris (Nakai) Ohwi
  synonym Ixeris stolonifera A.Gray subsp. capillaris (Nakai) Kitam.
 イワニガナの高山型。匐枝が目立つ。最近では区別しない。

8 Ixeris tamagawaensis (Makino) Kitam.  カワラニガナ 河原苦菜
 日本(本州の中部地方以北)、朝鮮、台湾原産。中国名は泽苦荬 ze ku mai 。河川敷内の日当たりのよい砂礫地に生える。
 多年草、高さ15~30㎝。ロゼットをつくり、無毛、直根をもつ。茎は1本又は少数、直立、主に先で分枝し、上部に葉がつく。ロゼットの葉は線状披針形~線形、長さ6~15㎝×幅0.2~1㎝、不分裂、基部は漸尖し、縁は全縁又はまれに、ごく弱く波状の歯があり、先は鋭形。茎葉は1~3個つき、ロゼットの葉に似るが、小さく、基部は半抱茎。合成花序は緩い散房花序、頭花を数個もつ。頭花は小花が25~40個つく。総苞は狭円筒基、長さ7~9㎜。総苞片は外側が無毛。外総苞片は卵形~披針形、最も長いものは長さ約3㎜、先は鋭形。内総苞片は約8個、先はほぼ鋭形、小花は黄色。葯筒と花柱は帯緑色~乾くと上部が帯黒色。痩果は褐色、紡錘形、長さ5~6㎜、先は漸尖し、細い長さ約3㎜の嘴になる。花期と果期は5~8月。2n = 16。

9 ハイブリッド
(1) Ixeris x chinodebilis Kitam.
 マンシュウタカサゴソウ×オオジシバリ

(2) Ixeris x musashensis Makino et Hisauti  タカサゴニガナ
 タカサゴソウ×Ixeris sp.

(3) Ixeris x nakazonei (Kitam.) Kitam.  ミヤコジシバリ
 オオジシバリ×ハマニガナ

(4) Ixeris x nikoensis Nakai  ツルカワラニガナ
 イワニガナ×カワラニガナ

(5) Ixeris x sekimotoi Kitam.  ノヂシバリ
 ノニガナ×オオヂシバリ

参考

1) GRIN
 Lapsanastrum  
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=17858
2) Kewscience
 Lapsanastrum  
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:981299-1
3) Flora of North America
 Lapsanastrum  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=202453
4)Flora of China
 Ixeris  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=116668
5)Ixeris longirostra | Cichorieae Portal
 Ixeris longirostra  
http://cichorieae.e-taxonomy.net/portal/cdm_dataportal/taxon/d0a74a59-ef6c-498d-a6c4-00f3c8161fc2