イトツメクサ 糸爪草

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Flora of Mikawa

ナデシコ科 Caryophyllaceae ツメクサ属

英 名 annual pearlwort, dwarf pearlwort
学 名 Sagina apetala Ard.
Sagina apetala var. barbata Fenzl ex Ledebour
イトツメクサの蕾
イトツメクサの未熟な果実
イトツメクサの果実
イトツメクサの萼片4
イトツメクサの萼片5
イトツメクサの葉、腺毛
イトツメクサの種子
イトツメクサ
イトツメクサ花期
イトツメクサ果期2
花 期 4~5月
高 さ 1.5~8㎝
生活型 1年草
生育場所 道端、空き地
分 布 帰化種 ヨーロッパ原産
撮 影 蒲郡市 06.4.29
学名はアメリカなどに広く帰化しているSagina apetalaとされ、変種のSagina apetala var. barbataにあたり、dwarf pearlwort などと呼ばれている。
 やや乾いた場所に多く、三河の沿海地では、道端などで普通に見られる。開花しても白色の花弁を欠くため、茎などが赤くなって、萼片が開出しないと気づきにくい。また、ツメクサの花は夏まで見られるが、イトツメクサは花期(果期)が春に限られる。
 茎は糸状で、赤味を帯びることが多く、根元から分枝して株立ちになり、萼や茎の上部の花柄に腺毛が生える。葉は対生し、線形で、ツメクサと同じように先端に短い刺(透明尖)があり、長さ3~9(12)㎜、基部で膜状に合着し、膜部の上の縁が毛状になる。閉鎖花が多い。花弁は微小または無。雄しべは4個(又は5個)。萼片はやや赤味を帯びることも多く、果期には蒴果に接し、長さ1.5~2(1.7~2.2)㎜の卵状楕円形で4個(又は5個)。完熟すると萼片は赤味が増して斜開~開出する。蒴果は直立し、萼片の長さの1~1.2倍、熟すと4又は5裂する。種子は長さ0.2~0.3㎜の丸みを帯びたゆがんだ三角形で褐色~灰黒褐色、表面の凹凸が少なく、光沢がある。(右側写真の種子 長さ0.32㎜)2n=12
 ヨーロッパに広く分布するのはSagina apetala subsp. erecta=Sagina micropetala=Sagina filicaulisであり、Sagina apetalaとは異なるもので fringed pearlwort , slender pearlwortなどと呼ばれている。成長した果実は萼片から長さの12%以上突き出る。(10%以下ではない。)萼片は長さ1~1.6㎜、萼片の縁が赤くなり、白くならない。混同されやすいものである。2n=12
 アライトツメクサSagina procumbens は萼片が開出して4数性であり、よく似ている。湿った場所を好み、無毛で、花が上方の葉腋に単生する。2n=22
 キヌイトツメクサ Sagina decumbens は茎が細くて赤くなり、よく似ている。キヌイトツメクサは白色の花弁が5個あり、萼片が開出しない。