フキ(雌花茎) 蕗
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae フキ属
中国名 | 蜂斗菜 feng dou cai |
英 名 | Japanese sweet coltsfoot, butterbur |
学 名 | Petasites japonicus (Sieb. et Zucc.) Maxim. |
花 期 | 3~5月 |
高 さ | 25~70㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山野 |
分 布 | 在来種 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、ロシア |
撮 影 | 新城市 16.3.16 15.4.16(果実) |
雄花茎に混じり、雌花茎があるものや、山道脇に雌花茎が1本だけ出ているものが見られた。
観察した雌花茎
雄花茎の花はやや黄色を帯びているが、雌花茎の花は白色又はやや淡紅色を帯びる。ほとんど雌小花だけで両性花が中央に3個ほどあり、すべて雌小花だけの頭花はない。この両性花は葯筒が不完全で、痕跡だけのものもあり、あってもやや細く、花粉を出すものは無く、花筒に、多量の蜜がある。また、子房は幅が広いが、短く、退化している。虫の誘引のための小花と考えられる。雌小花も花冠がやや太いものが両性花の周りに数本見られる。雌小花の花柱は細く、花冠から長く突き出て、柱頭が小さく2裂する。
(Flora of Chinaなどの解説)
根茎は地中を這い、地中に枝を伸ばし、膜状の惰円形の鱗片があり、多くのひげ根をつける。葉は花後に出る。根出葉は長柄があり、長さ15~30㎝、幅15~30㎝の円形~腎円形、紙質、基部は心形。葉は幅が15~30㎝の腎円形、縁に細かい歯がある。葉表は緑色、幼時は縮れ毛があり、葉裏はクモ毛状、後に無毛。長さ60㎝ほどになる中空の葉柄が食用となる。若い花茎がフキノトウである。花茎は高さ15~30㎝、中空、縦肋があり、基部の直径7~10㎜、単一、濃くまたは疎らに褐色の軟毛がある。花茎の葉は苞状、長さ3~8㎝、長楕円形~卵状長惰円形、脈は平行、先は鈍形。雌雄異株。雄花茎(male scape)は高さ10~25㎝、茎頂の散房花序に密に20~30個の均質の頭花をつける。頭花は総苞が狭い長楕円形、長さ約6㎜、幅7~8(10)㎜、基部に先の尖った披針形の苞をつけ、総苞片は2列、ほぼ同形、無毛、鈍頭。小花はすべて筒状、雄性・不稔の両性花。花冠は白色~黄白色、長さ7~7.5㎜、筒部は長さ約4.5㎜、裂片はほぼ平開する。 葯は黄白色、基部が鈍角、5個が合着して葯筒になり、こん棒状の花柱を葯筒から突き出し、花冠から高く突き出る。花柱が葯筒の間を伸びるときに白色又は黄色の花粉を花柱に集めてしまう。柱頭の下に小さな環があり、先端は2分岐するが先が開かない。雌花茎(female scape )は高さ15~20㎝、密に苞状の葉をつけ、花後は45~70㎝にもなる。頭花が散房花序に密につき、まれに分枝する。頭花は均質、多数の小花がつく。小花は雌性、花冠は白色、線形、長さ6.5~7.5㎜、先は斜めの切形。柱頭は明瞭に花冠から突き出て、頭部は2分岐して開き、細く、乳頭状。原色野草観察図鑑の解説では、雌花茎の頭花の小花は雌花だけでなく、雄花茎の雄花と似た小花(花粉を出さない両性花)が小数混じるとされている。雌花は花冠が細い管状、白色~帯紫色、花柱の先が開く。両性小花は花冠が雄花と似ているが、葯筒は退化して褐色であり、花粉をつくらない。痩果は長さ約3.5㎜、円筒形、無毛。冠毛は多数つき、白色、長さ約12㎜。2n=58 , 87。
古くから栽培されているのはアキタブキ subsp. giganteus で、全体に大きい。現在、栽培されている品種は「愛知わせ」といわれる大型のものがほとんどである。これは雌株だけで雄株ができない。
観察した雌花茎
雄花茎の花はやや黄色を帯びているが、雌花茎の花は白色又はやや淡紅色を帯びる。ほとんど雌小花だけで両性花が中央に3個ほどあり、すべて雌小花だけの頭花はない。この両性花は葯筒が不完全で、痕跡だけのものもあり、あってもやや細く、花粉を出すものは無く、花筒に、多量の蜜がある。また、子房は幅が広いが、短く、退化している。虫の誘引のための小花と考えられる。雌小花も花冠がやや太いものが両性花の周りに数本見られる。雌小花の花柱は細く、花冠から長く突き出て、柱頭が小さく2裂する。
(Flora of Chinaなどの解説)
根茎は地中を這い、地中に枝を伸ばし、膜状の惰円形の鱗片があり、多くのひげ根をつける。葉は花後に出る。根出葉は長柄があり、長さ15~30㎝、幅15~30㎝の円形~腎円形、紙質、基部は心形。葉は幅が15~30㎝の腎円形、縁に細かい歯がある。葉表は緑色、幼時は縮れ毛があり、葉裏はクモ毛状、後に無毛。長さ60㎝ほどになる中空の葉柄が食用となる。若い花茎がフキノトウである。花茎は高さ15~30㎝、中空、縦肋があり、基部の直径7~10㎜、単一、濃くまたは疎らに褐色の軟毛がある。花茎の葉は苞状、長さ3~8㎝、長楕円形~卵状長惰円形、脈は平行、先は鈍形。雌雄異株。雄花茎(male scape)は高さ10~25㎝、茎頂の散房花序に密に20~30個の均質の頭花をつける。頭花は総苞が狭い長楕円形、長さ約6㎜、幅7~8(10)㎜、基部に先の尖った披針形の苞をつけ、総苞片は2列、ほぼ同形、無毛、鈍頭。小花はすべて筒状、雄性・不稔の両性花。花冠は白色~黄白色、長さ7~7.5㎜、筒部は長さ約4.5㎜、裂片はほぼ平開する。 葯は黄白色、基部が鈍角、5個が合着して葯筒になり、こん棒状の花柱を葯筒から突き出し、花冠から高く突き出る。花柱が葯筒の間を伸びるときに白色又は黄色の花粉を花柱に集めてしまう。柱頭の下に小さな環があり、先端は2分岐するが先が開かない。雌花茎(female scape )は高さ15~20㎝、密に苞状の葉をつけ、花後は45~70㎝にもなる。頭花が散房花序に密につき、まれに分枝する。頭花は均質、多数の小花がつく。小花は雌性、花冠は白色、線形、長さ6.5~7.5㎜、先は斜めの切形。柱頭は明瞭に花冠から突き出て、頭部は2分岐して開き、細く、乳頭状。原色野草観察図鑑の解説では、雌花茎の頭花の小花は雌花だけでなく、雄花茎の雄花と似た小花(花粉を出さない両性花)が小数混じるとされている。雌花は花冠が細い管状、白色~帯紫色、花柱の先が開く。両性小花は花冠が雄花と似ているが、葯筒は退化して褐色であり、花粉をつくらない。痩果は長さ約3.5㎜、円筒形、無毛。冠毛は多数つき、白色、長さ約12㎜。2n=58 , 87。
古くから栽培されているのはアキタブキ subsp. giganteus で、全体に大きい。現在、栽培されている品種は「愛知わせ」といわれる大型のものがほとんどである。これは雌株だけで雄株ができない。