フキ(雄花茎) 蕗

mark

Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae  フキ属

中国名 蜂斗菜 feng dou cai
英 名 Japanese sweet coltsfoot, butterbur
学 名 Petasites japonicus (Sieb. et Zucc.) Maxim.
フキノトウ
フキノトウ
フキ雄花茎の頭花
フキ雄花茎の小花
フキ雄花茎2の頭花
フキ雄花茎3の頭花
フキ倒花の総苞
フキ雄花茎2の葯
フキ雄花茎2の花柱
フキの果実
フキ雄花茎
フキ雄花茎2
フキ雄花茎2の小花
フキの葉
花 期 3~5月
高 さ 25~70㎝
生活型 多年草
生育場所 山野
分 布 在来種 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、ロシア
撮 影 設楽町 12.3.23
蒲郡市 02.3.3(フキノトウ)
山野に生え、また古くから食用のために栽培されている。栽培種のアキタブキ subsp. giganteus は全体に大きい。現在、栽培されている品種は「愛知わせ」といわれる大型のものがほとんどである。これは雌株だけで雄株ができない。雌雄異株。雄株の雄花茎は雌株の雌花茎より低く、花が普通、黄色を帯びている。雌花茎の花は白色~帯紫色。
 根茎は地中を這い、地中に枝を伸ばし、膜状の惰円形の鱗片があり、多くのひげ根をつける。葉は花後に出る。根出葉は長柄があり、長さ15~30㎝、幅15~30㎝の円形~腎円形、紙質、基部は心形。葉は幅が15~30㎝の腎円形、縁に細かい歯がある。葉表は緑色、幼時は縮れ毛があり、葉裏はクモ毛状、後に無毛。長さ60㎝ほどになる中空の葉柄が食用となる。若い花茎がフキノトウである。花茎は高さ15~30㎝、中空、縦肋があり、基部の直径7~10㎜、単一、濃くまたは疎らに褐色の軟毛がある。花茎の葉は苞状、長さ3~8㎝、長楕円形~卵状長惰円形、脈は平行、先は鈍形。雌雄異株。雄花茎(male scape)は高さ10~25㎝、茎頂の散房花序に密に20~30個の均質の頭花をつける。頭花は総苞が狭い長楕円形、長さ約6㎜、幅7~8(10)㎜、基部に先の尖った披針形の苞をつけ、総苞片は2列、ほぼ同形、無毛、鈍頭。小花はすべて筒状、雄性・不稔の両性花。花冠は白色~黄白色、長さ7~7.5㎜、筒部は長さ約4.5㎜、裂片はほぼ平開する。 葯は黄白色、基部が鈍角、5個が合着して葯筒になり、こん棒状の花柱を葯筒から突き出し、花冠から高く突き出る。花柱が葯筒の間を伸びるときに白色又は黄色の花粉を花柱に集めてしまう。柱頭の下に小さな環があり、先端は2分岐するが先が開かない。雌花茎(female scape )は高さ15~20㎝、密に苞状の葉をつけ、花後は45~70㎝にもなる。頭花が散房花序に密につき、まれに分枝する。頭花は均質、多数の小花がつく。小花は雌性、花冠は白色、線形、長さ6.5~7.5㎜、先は斜めの切形。柱頭は明瞭に花冠から突き出て、頭部は2分岐して開き、細く、乳頭状。原色野草観察図鑑の解説では、雌花茎の頭花の小花は雌花だけでなく、雄花茎の雄花と似た小花(花粉を出さない両性花)が小数混じるとされている。雌花は花冠が細い管状、白色~帯紫色、花柱の先が開く。両性小花は花冠が雄花と似ているが、葯筒は退化して褐色であり、花粉をつくらない。痩果は長さ約3.5㎜、円筒形、無毛。冠毛は多数つき、白色、長さ約12㎜。2n=58 , 87。(Flora of Chinaなど)

 しかし、頭花に花粉を出さないと思われる両性花だけのものや、小数の雌小花が混じるだけのものがあった。雄花茎の頭花に少数の雌花が混じることもあるとの報告もあり、これに一致するものである。これらの雌小花は果実のできる雌花茎の小花と比べ、子房が短く、花冠から突き出る花柱も短い。
 観察した雄花茎(雌花をもつ)は次のとおり。
 この株は果実を全く作らない。頭花は散房花序に多数つき、下部では分枝した枝先につく。花茎の葉は先が鈍形、苞は鋭形。小花柄は長さ7~20㎜、苞が4~9個程度つき、腺毛がある。総苞は長さ8~12㎜、直径6~10㎜、鐘形、総苞片や苞の基部に曲がったクモ毛がある。総苞片は2列、腺毛がある。1頭花の雌小花は5個/全小花46個(6/36個の場合もあった)、花冠が線形、幅約0.25㎜、花柱は白色、先が2裂して開き線形、紫色を帯び、花冠から突き出るものとほとんど突き出ないものがある。花冠の幅が中間的なものが他に2個あり、花冠幅0.5㎜の1個は花冠の先がやや斜め切形でごく浅く5裂し、葯筒はなく、花柱の先は細く、雌小花に近い。花冠幅1㎜の1個は花冠の先が浅く5裂し、先端が紫色を帯び、やや短い淡褐色の葯筒が内部にあり、花柱の先は棍棒形、両性花に近い。両性花は39個/全小花46個中あり、幅1.5~1.8㎜、葯筒が全て淡褐色、花粉は認められない。花柱の先に環があり、その先の柱頭に割れ目があるが、普通、離れず、円錐状、白色、古くなると褐色になり2分岐する。他の頭花では左右の柱頭部分に1個所ずつ点状に紫色になる小花がわずかにあった。

フキ属

  family  Asteraceae - genus  Petasites

 多年草。類雌雄混株(subdioecious)。根茎をもち、茎は丈夫、節型、又は少なくとも下部で上部。根生葉は長い葉柄がある。葉身は広心形、又は腎状心形、縁は切れ込むか又は広く、分裂し、平行又は2又分裂。茎葉は苞形、無柄、類抱茎。頭花は放射状頭花(radiate) 、円盤型頭花(disciform)、中心小花頭花(discoid )、異形配偶又は同形配偶。総苞は鐘形、基部に小苞をもつ。総苞片は1~5列、等長。花托は平ら、無毛、盾状。雌頭花の小花は稔性、花冠は糸状、先は斜めの切形又は±不明瞭な放射状又は舌部は長い。機能的に雄性の小花は花冠が筒状、5歯をもち、葯は全縁又は基部が鈍形、又はまれに、短い矛形。花柱は先がこん棒形。2分岐。雌小花の花柱は糸状、2分岐。痩果は円筒形、無毛、うねがある。冠毛は多数の剛毛であり、白色。
 世界に約19種があり、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカに分布する。英名はbutterbur。

フキ属の主な種と園芸品種

1 Petasites frigidus (L.) Fr.
 ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。英名はArctic butterbur , Arctic sweet-coltsfoot , northern sweet-coltsfoot
1-1 Petasites frigidus var. palmatus
 北アメリカ原産。英名はwestern sweet-coltsfoot , Sweet Butterbur
品種) 'Golden Palms'

2 Petasites formosanus Kitam.  タイワンブキ
 台湾原産。中国名は台湾蜂斗菜 tai wan feng dou cai

3 Petasites pyrenaicus (L.) G. Lopez   ニオイカントウ
  synonym Petasites fragrans (Vill.) C.Presl
 ヨーロッパ(イタリア、ギリシャ)、アフリカ(アルジェリア、チュニジア)原産。英名はsweet-coltsfoot , winter-heliotrope。

4 Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim.  フキ 蕗
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は蜂斗菜 feng dou cai。英名はJapanese sweet coltsfoot, butterbur。
 多年草。高さ25~70㎝。根茎は地中を這い、地中に枝を伸ばし、膜状の惰円形の鱗片があり、多くのひげ根をつける。葉は花後に出る。根出葉は長柄があり、長さ15~30㎝、幅15~30㎝の円形~腎円形、紙質、基部は心形。葉は幅が15~30㎝の腎円形、縁に細かい歯がある。葉表は緑色、幼時は縮れ毛があり、葉裏はクモ毛状、後に無毛。長さ60㎝ほどになる中空の葉柄が食用となる。若い花茎がフキノトウである。花茎は高さ15~30㎝、中空、縦肋があり、基部の直径7~10㎜、単一、濃くまたは疎らに褐色の軟毛がある。花茎の葉は苞状、長さ3~8㎝、長楕円形~卵状長惰円形、脈は平行、先は鈍形。雌雄異株。雄花茎(male scape)は高さ10~25㎝、茎頂の散房花序に密に20~30個の均質の頭花をつける。頭花は総苞が狭い長楕円形、長さ約6㎜、幅7~8(10)㎜、基部に先の尖った披針形の苞をつけ、総苞片は2列、ほぼ同形、無毛、鈍頭。小花はすべて筒状、雄性・不稔の両性花。花冠は白色~黄白色、長さ7~7.5㎜、筒部は長さ約4.5㎜、裂片はほぼ平開する。 葯は黄白色、基部が鈍角、5個が合着して葯筒になり、こん棒状の花柱を葯筒から突き出し、花冠から高く突き出る。花柱が葯筒の間を伸びるときに白色又は黄色の花粉を花柱に集めてしまう。柱頭の下に小さな環があり、先端は2分岐するが先が開かない。雌花茎(female scape )は高さ15~20㎝、密に苞状の葉をつけ、花後は45~70㎝にもなる。頭花が散房花序に密につき、まれに分枝する。頭花は均質、多数の小花がつく。小花は雌性、花冠は白色、線形、長さ6.5~7.5㎜、先は斜めの切形。柱頭は明瞭に花冠から突き出て、頭部は2分岐して開き、細く、乳頭状。原色野草観察図鑑の解説では、雌花茎の頭花の小花は雌花だけでなく、雄花茎の雄花と似た小花(花粉を出さない両性花)が小数混じるとされている。雌花は花冠が細い管状、白色~帯紫色、花柱の先が開く。両性小花は花冠が雄花と似ているが、葯筒は退化して褐色であり、花粉をつくらない。痩果は長さ約3.5㎜、円筒形、無毛。冠毛は多数つき、白色、長さ約12㎜。2n=58 , 87。花期は3~5月。
4-1 Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim. f. purpurascens Makino  ベニブキ
 日本(本州、四国、九州)に分布する。別名はムラサキブキ。
 多年草。フキの花柱が紫色を帯びるもの。

4-2 Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim. subsp. giganteus (G.Nicholson) Kitam.  アキタブキ
  synonym Petasites amplus Kitam.
  synonym Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim. var. giganteus G.Nicholson
 栽培種。全体に大きい。現在、栽培されている品種は「愛知わせ」といわれる大型のものがほとんどである。これは雌株だけで雄株ができない。雌雄異株。雄株の雄花茎は雌株の雌花茎より低く、花が普通、黄色を帯びている。雌花茎の花は白色~帯紫色。
品種) 'Nishiki-buki' (v) , 'Variegatus'
4-3 Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim. subsp. japonicus f. glabrus Sugim.  オカブキ

5 Petasites rubellus (J.F.Gmel.) Toman  トウブキ
  synonym Petasites saxatilis (Turcz.) Kom.
  朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は长白蜂斗菜 chang bai feng dou cai

6 Petasites tatewakianus Kitam.  アイヌブキ
 中国、ロシア原産。中国名は掌叶蜂斗菜 zhang ye feng dou cai

7 Petasites tricholobus Franch.  モンジュブキ
 中国、インド、ネパール、ブータン、ベトナム原産。中国名は毛裂蜂斗菜 mao lie feng dou cai

8 ハイブリッド
品種)  'Cristata' , 'Okayama Nohshi B1 Gou' , 'Petzell' , 'Variegatus' (v)

参考

1) GRIN
 Petasites
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=9153
2) Kewscience
 Petasites
 http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:329075-2
3)Flora of China
 Petasites
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=124686