ハナウド 花独活
Flora of Mikawa
セリ科 Apiaceae ハナウド属
別 名 | ゾウジョウジビャクシ(増上寺白芷) |
学 名 | Heracleum sphondylium L. var. nipponicum (Kitag.) H.Ohba synonym Heracleum nipponicum Kitag. |
花 期 | 5~6月 |
高 さ | 0.5~2m |
生活型 | 2年草、ときに多年草 |
生育場所 | 河岸、林縁 |
分 布 | 在来種(日本固有変種) 本州(関東地方以西)、四国、九州 |
撮 影 | 蒲郡市竹谷町 09.5.21 |
シシウドは開花が夏から秋。周辺花の花弁が大きくならない。
ハナウド属
family Apiaceae - genus Heracleum多年草生、まれに2年草。根は紡錘形または円筒形、太く、まれにひげ根になる。茎は直立し、円柱形でしばしば肋または条線があり、分枝する。根生葉と下部の葉は葉柄がある。葉柄の鞘は普通、著しく広い。葉身は3出複葉または羽状複葉、有毛または無毛。散形花序は緩い複合、頂生および側生、頂生の散形花序は両性花をもち、側生の散形花序はしばしば雄花のみをもつ。苞は少数または無く、しばしば早落性。大散形花序の枝(ray)は多数、開出斜上する。小苞は数個、線形または披針形、全縁。小散形花序(umbellules)は多数の花がつく。萼歯は三角形、披針形、または廃れる。花弁は白色、まれに帯ピンク色または淡黄色、倒卵形または倒心形、基部はくさび形、先はノッチがあり、小裂片が狭く内曲する。散形花序の外側の花はしばしば放射状(radiant)で、外側の花びらは大きく、広卵形になり、先は深く2裂する。柱下体(stylopodium)は円錐形。花柱は短く、直立または後屈する。果実は倒卵形、卵形、広卵形、またはほぼ円形、強く背側が扁平で、有毛または無毛。背隆条側および中間隆条(intermediate ribs)は糸状で、ときに隆起し、側隆条には普通、翼がある。油管(vittae)は各溝に1(~2)個、合成面(commissure)に2(~6)個または無く、細くて分果の基部に届くか、またはこん棒形で分果よりもはるかに短い。種子は表面が平坦、まれにわずかに凹面になる。分果柄(carpophore)は基部まで分岐し、普通、宿存する。
世界に約70種あり、主にアジアとヨーロッパに分布し、北アメリカに1種、東アフリカに数種、中国には29種(21種が固有種)ある。
ハナウド属の主な種と園芸品種
1 Heracleum akasimontanum Koidz. ホソバハナウド 細葉花独活synonym Heracleum lanatum Michx. subsp. akasimontanum (Koidz.) Kitam.
synonym Heracleum moellendorffii Hance var. akasimontanum (Koidz.) H.Hara ex T.Shimizu
synonym Heracleum sphondylium L. var. akasimontanum (Koidz.) H.Ohba
synonym Heracleum dulce Fisch. var. akasimontanum (Koidz.) Kitag.synonym Heracleum lanatum Michx. subsp. moellendorffii (Hance) H.Hara var. akasimontanum (Koidz.) H.Hara
synonym Heracleum nipponicum Kitag. var. akasimontanum (Koidz.) Kitag.
日本固有種。本州中部に分布。和名は南アルプス赤石岳に因む。亜高山帯の渓流沿いに生得る。多年草、高さ80~150(~200)㎝。全体に毛が少なく、茎は多少分枝する。葉は3出羽状複葉、小葉は卵形、3深裂し、裂片は幅1~2㎝の披針形、先は尖鋭形、縁は規則的な鋸歯がある。大型の複散形花序に多数花をつける。花序の周辺の花は大きく、外側の花弁が大きく、2裂する。花期は夏。
2 Heracleum dissectum Ledeb. アラゲハナウド 荒毛花独活
synonym Heracleum barbatum Ledeb.
中国(黒龍江省、吉林省、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン原産。中国名は兴安独活 xing an du huo。標高2200m以下の山地林、林縁、湿った草原い生える。
高さ50~150cm、丈夫。根は紡錘形。茎は単生、枝分かれし、広がる毛がある。根生葉と下部の葉は羽状複葉、約・長さ40㎝×幅30㎝。羽片は2~3対、広卵形、卵状長円形、羽状中裂し、上面に伏した微軟毛があり、下面に密に帯灰色の微軟毛があり、基部はほぼ心形で斜め、縁は鋸歯状。上部の葉は小さくなり、無柄、鞘は広卵形。葉身は3裂する。花序柄は長さ10~17㎝。頂生の散形花序は幅約20㎝、苞はない。大散形花序の柄(rays)は20~30本、長さが不揃いで、長さ6~11㎝、内側は無毛またはまばらに軟毛がある。小苞は4~7個、線形、小花柄とほぼ同じ長さで、長さ13㎜以下。萼歯は三角形で小さい。花弁は白色、散形花序の外側の花は輻射型(radiant)、拡大した花弁は広倒心形で深く裂ける。果実は倒卵形、長さ8~10㎜×幅5~7㎜、無毛またはまばらに微軟毛がある。油管は各溝に1個ずつあり、棍棒形、分果の長さの2/3の長さまで伸び、合成面に2個、分果の長さの1/2の長さ。種子の面は平面。花期は7~8月。果期は8~9月。
3 Heracleum maximum W.Bartram オオハナウド 大花独活
synonym Heracleum lanatum Michx.
synonym Heracleum lanatum var. asiaticum (M.Hiroe) H.Hara オオハナウド
synonym Heracleum lanatum f. dissectum (H.Ohba) T.Yamaz. キレハオオハナウド
synonym Heracleum lanatum f. rubriflorum (H.Ohba) T.Yamaz. ベニバナオオハナウド
synonym Heracleum sphondylium subsp. montanum (Schleich. ex Gaudin) Briq.[American cow-parsnip]
synonym Heracleum montanum Schleich. ex Gaudinsynonym Heracleum lanatum var. asiaticum Hiroe
synonym Heracleum dulce Fisch.
synonym Heracleum moellendorffii var. turugisanense (Honda) Ohwi ツルギハナウド
synonym Hertacleum tsurugisanense Honda日本(北海道、本州の兵庫県以北)、千島列島、サハリン、ロシア(シベリア、カムチャツカ半島)、北アメリカ(アラスカ。カナダ、USA)原産。英名はcowparsnip. cow parsnip, giant hogweed, American cow-parsnip。標高2900m以下の湿った場所、樹木が生い茂った場所または開けた場所に生える。
Heracleum lanatum subsp. montanum (Sch1eich. ex Gaudin) Briq.は東ロシアから中部ヨーロッパ、さらにシシリアと南スペイン(Heracleum sphondylium subsp. montanum はオーストリア、ブリヤート共和国、東ヨーロッパロシア、フランス、ドイツ、イタリア、キルギスタン、シチリア、スペイン、スイス)に分布するとされていた。この subsp.montanumは、カムチッャカからアラスカを経て北アメリカ西部~東部まで広く北アメリカに分布するH. lanatum(狭義)と区別することはむずかしく、H. lanatumに含められるようになった。日本、サハリンに分布するHeracleum lanatum subsp. asiaticum は葉裏に毛が少ないとして区別されていたが、毛の量は変化があり区別できない。POWO(Kew Science)では現在の学名をHeracleum maximum W.Bartramとし、分布域は北アメリカのほとんどに拡大している。
高さ1~3m、上部、綿毛があり、強い香りをもつ。葉は円形~腎形。葉柄は長さ10~40㎝、幅広い鞘があり、茎上部の鞘は広がり、葉身が無い。葉身は幅20~5 0㎝、3出複葉、小葉は幅10~40㎝、卵形~円形、基部は心形、分裂し、縁に粗い鋸歯がある。花序は綿毛または長い毛がある。花序柄は長さ5~20㎝。大散形花序の柄(rays)は15~30本、長さ5~10㎝、不等長。小花柄は長さ8~20㎜。花は花弁が倒卵形、白色。果実は長さ8~12㎜、倒卵形~倒心形、毛が多少ある。2n=22。花期は4~7月。
POWOでは下位分類を認めていない。以下はsynonymとされている。
(1) Heracleum sphondylium L. subsp. montanum (Schleich. ex Gaudin) Briq.
synonym Heracleum lanatum Michx. var. lanatumsynonym Heracleum sphondylium L. subsp. lanatum (Michx.) A. et D.Löve
synonym Heracleum dulce Fisch.シベリア、カムチャツカ半島、北アメリカ北部地域に分布。英名はcowparsnip . cow parsnip , American cow-parsnip。
多年草。高さ1~3m。茎は丈夫、1本、普通、±毛があり、またはさらに綿毛がある。葉は3出複葉、幅が広く、小葉柄があり、粗い歯あり、掌状分裂の小葉はほとんどが長さと幅が10~30(~40)㎝で、側小葉はしばしば頂小葉よりも狭く、非対称になる。頂生の散形花序は、普通、花時に幅10~20㎝で、ほとんど大散形花序の枝(ray)が15~30本である。苞は5~10個、狭く、脱落性。 花柄は果時に長さ8~20mm、果実は倒卵形~倒心形、長さ7~12㎜、しばしば毛がある。2n=22。花期は6~7月(H. sphondylium ssp. montanum; H. maximum)。
(2) Heracleum lanatum Michx. subsp. asiaticum M.Hiroe オオハナウド 大花独活
synonym Heracleum lanatum Michx. var. asiaticum (M.Hiroe) H.Hara オオハナウド
synonym Heracleum sphondylium subsp. montanum (Schleich. ex Gaudin) Briq.
※subsp. lanatumはsubsp. asiaticumと異なり、密に白色の毛で覆われ、粉白色のように見えことがあるとして区別されていたが、両者とも毛の量は変化し区別できない。今ではsubsp. asiaticum、var. asiaticumはHeracleum lanatum Michx.に含まれる。アメリカではHeracleum lanatumはHeracleum maximumのsynonymとされ、Kew Scienceもこれを採用している。日本(北海道、本州の兵庫県以北)、千島列島、サハリン。山地帯~亜高山帯の開けた草地に生える。別名はウラゲハナウド(裏毛花独活)。
多年草。高さ1.5~2m。全体に毛が多い。茎は太く、中空、節に密毛があり、上部で分枝する。根出葉や茎の下方から出る葉は長い葉柄をもち、3出複葉。小葉は大きく、長さ20~30㎝、3~5中裂する。終裂片は広卵形~卵状長楕円形で縁は不規則な深い切れ込みと鋸歯があり、先は鋭形~尖鋭形。複散形花序は幅10~20㎝、白色の花を多数つける。花弁は5個ある。小散形花序の中心部の花は直径約5mmほどで放射相称。小散形花序の周辺部の花は左右相称、外側の花弁が大きく、長さが約8mm、先が深く切れ込む。総苞片はないか、あっても糸状で目立たない。小苞は数個あり糸状。分果は扁平で薄く、長さ8~10㎜、広倒卵状円形。背隆条は糸状で突起しない。油管は背隆条の各溝に1個、合生面に2個あり、分果の基部まで届かずに途中で消える。花期は7~8月。
(3) Heracleum lanatum Michx. var. lanatum f. dissectum (H.Ohba) T.Yamaz. キレハオオハナウド
synonym Heracleum sphondylium L. subsp. montanum (Schleich. ex Gaudin) Briq. f. dissectum H.Ohba
葉の切れ込みは明らかに他とは異なり 2回羽状深裂でさらに裂片が不規則に切れ込む。果実は楕円形で油管が 2本しかない。(4) Heracleum lanatum Michx. var. lanatum f. rubriflorum (H.Ohba) T.Yamaz. ベニバナオオハナウド
synonym Heracleum sphondylium L. subsp. montanum (Schleich. ex Gaudin) Briq. f. rubriflorum H.Ohba
北海道見能取で発見された。花が紅紫色。(5) Heracleum sphondylium L. var. turugisanense (Honda) H.Ohba ツルギハナウド 剣花独活
synonym Heracleum lanatum Michx. subsp. moellendorffii (Hance) H.Hara var. turugisanense (Honda) H.Hara
synonym Heracleum moellendorffii Hance var. turugisanense (Honda) Ohwi
synonym Heracleum barbatum Ledeb. subsp. moellendorffii (Hance) M.Hiroe var. turugisanense (Honda) M.Hiroe
四国の固有種。高所の谷間の岩場に生える。和名は四国の剣山に因む。Kew ScienceではHeracleum maximum W.Bartramのsynonymとしている。多年草。茎は中空、まばらに分枝する。葉は互生し、葉柄は鞘となって茎を抱く。葉身は3出複葉。小葉は縁に鋸歯があり、表面には軟毛がある。花は白色、多数つく。花期は夏。
4 Heracleum moellendorffii Hance マンシュウハナウド 花独活 広義
synonym Heracleum barbatum Ledeb. subsp. moellendorffii (Hance) M.Hiroe
synonym Heracleum lanatum Michx. subsp. moellendorffii (Hace) H.Hara
POWOではアジア東部産種をまとめ、ハナウドをHeracleum moellendorffii var. moellendorffiiとしている。World Flora OnlineやYListではハナウドをヨーロッパ産Heracleum sphondyliumの変種とする説を採用している。日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は短毛独活 duan mao du huo。
多年草、丈夫で、高さ1~2mで、全体に小剛毛がある。根は円筒形。茎は1本、分枝する。根生葉および下部の葉の葉柄は長さ10~30㎝。葉身は3出複葉または3出羽状複葉。小葉は3~5個、広卵形、長さ10~20㎝×幅7~18㎝、3~5裂し、縁は鋭鋸歯状。 上部の葉は広がった鞘につく。花序柄は長さ4~15㎝。苞は少数、線状披針形、または早落性。大散形花序の柄は12~30本、不等長。小苞は5~10個、披針形。小散形花序あたり花が20個以上つく。萼歯は廃れる。花弁は白色、散形花序の外側の花の花弁は放射状に、広がり、長さ約7mm。果実は倒卵形、長さ6~8mm×幅5~7mm、まばらに小剛毛があるかまたはほとんど無毛。 背隆条は糸状、側隆条には広い翼があり、翼は分果本体の幅よりも狭い。油管は各溝に1個、合成面に2個、こん棒形、分果の1/2の長さまで伸びる。種子の表面は平坦。花期は7~8月。果期は8~9月。
4-1 Heracleum moellendorffii var. moellendorffii ハナウド 花独活
synonym Heracleum sphondylium L. var. nipponicum (Kitag.) H.Ohba (1994) 日本のハナウド
synonym Heracleum nipponicum Kitag.synonym Heracleum moellendorffii auct. non Hance
synonym Heracleum lanatum Michx. subsp. moellendorffii auct. non (Hance) H.Hara
synonym Heracleum lanatum Michx. subsp. moellendorffii (Hance) H.Hara var. nipponicum (Kitag.) H.Hara
synonym Heracleum moellendorffii Hance var. subbipinnatum (Franch.) Kitag. ホソバノマンシュウハナウド
synonym Heracleum moellendorffii f. angustum (Nakai) Kitag. ホソバノマンシュウハナウド
日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は短毛独活 duan mao du huo。別名はゾウジョウジビャクシ(増上寺白芷)。河岸、林縁に生える。2年草、ときに多年草。高さ0.5~2m。茎は直立し、太くて中空で、上部で分枝し、まばらに長毛が生える。葉は互生し、葉柄の基部は大きな鞘になる。根生葉および下部の葉は葉身が3出複葉~1回羽状複葉。小葉は3~5(7)個、浅裂~中裂(深裂)し、先が尖り、粗い鋭い鋸歯がある。葉面にも多少、柔らかい毛が生える。茎頂の複散形花序は直径約18㎝、小さな白色の5弁花を多数つける。頂生の散形花序の花は両性で、結実するが、側生の花序の花は雄性で結実しない。大散形花序の柄は20~30本。苞は線形、早落性。小苞は線形、やや宿存性。周辺の花は内側の花より外側の花弁が大きく、最も外側の花弁が最大で先が2深裂するのが特徴。果実は扁平な長さ約8~10mm×幅約6.5㎜の広楕円形~倒卵形、両端がやや凹み、背隆条は糸状、隆起しない。油管は長さが分果の端に届かず、約半長、背隆条の各溝に1個、合生面に2個。2n=22。花期は5~6月。
4-2 Heracleum moellendorffii var. paucivittatum R.H.Shan & T.S.Wang
中国原産。中国名は少管短毛独活 shao guan duan mao du huo。根生葉および下部の葉は3出複葉または3出羽状複葉。小葉は3~5個。果実はほぼ円形、背面および側面の油管は、分果に併せて2個 (各溝に1個または0個)、合成面に2個。
4-3 Heracleum moellendorffii var. sagenifolium K.T.Fu
中国(陕西省、甘肃省)原産。短毛独活。詳細不明。4-4 Heracleum moellendorffii Hance var. subbipinnatum (Franch.) Kitag. ホソバノマンシュウハナウド
synonym Heracleum moellendorffii Hance f. angustum (Kitag.) Kitag.
朝鮮、中国原産。中国名は狭叶短毛独活 xia ye duan mao du huo。POWOでは基本変種に含める。根生葉および下部の葉はほとんどが2回羽状複葉、1次の羽片は3~4対、最終裂片は卵状披針形。
5 Heracleum sphondylium L.
アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコスロバキア、デンマーク、フランス、ドイツ、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、シチリア、スペイン、スウェーデン、スイス、ウクライナ、ユーゴスラビア、アフリカ(アルジェリア、モロッコ)、トルコ原産。英名はhogweed, common hogweed , cow parsnip , meadow-parsnip。
2年草または短命の多年草。根茎は直径5㎝以下、多数、分枝。 茎は長さ280㎝×幅15cm・以下、無毛または有毛。葉は変化が多く、掌状分裂~羽状全裂、裂片は7~9個、±鋸歯があり、上面は±剛毛がある~ほぼ無毛、下面に白色の綿毛がある。大散開花序は直径17㎝以下。大散形花序の枝(小散形花序の花序柄)は10~32本、不等長、それらの端に両性花をつけ、側部には両性花および雄花、または雄花のみをつける。苞は0~7個。 小散形花序の枝(花柄)は9~10本、ほぼ同長。小苞は0~15個、しばしば後屈する。雄花は果時に明らかに短い花柄をもつ。萼歯は長さ0.8mm以下、早落性、三角形。子房は無毛または様々な毛がある。柱下体は円錐形。花柱は長さ2㎜以下。果実は長さ(5)6~10(11)㎜×幅5~7(8)㎜、倒卵形~ほぼ円形、無毛。分果は一次の背隆条がやや突出し、側隆条は広がり、最大幅2㎜の狭い翼になる。油管は長さ5mm×幅0.3mm・以下、楕円形、ときに長円形になる。2n=22(n=11)[Flora Iberica]。花期は6~9月。果期は7~10月。
多数の亜種に分類されている。
5-1 Heracleum sphondylium subsp. algeriense (Coss. ex Batt. & Trab.) Dobignard
アルジェリア原産。5-2 Heracleum sphondylium subsp. alpinum (L.) Bonnier & Layens
フランス原産。5-3 Heracleum sphondylium subsp. artvinense (Manden.) P.H.Davis
トルコ原産。5-4 Heracleum sphondylium subsp. aurasiacum (Maire) Dobignard
アルジェリア原産。5-5 Heracleum sphondylium subsp. elegans (Crantz) Schübl. & G.Martens
オーストリア、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、モロッコ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、シチリア、スペイン、スイス、トルコ、ユーゴスラビア原産。5-6 Heracleum sphondylium subsp. embergeri Maire
モロッコ原産。5-7 Heracleum sphondylium subsp. granatense (Boiss.) Briq.
モロッコ、スペイン原産。5-8 Heracleum sphondylium subsp. orsinii (Guss.) H.Neumayer
アルバニア、ブルガリア、イタリア、ユーゴスラビア原産。5-9 Heracleum sphondylium subsp. pyrenaicum (Lam.) Bonnier & Layens
アルバニア、ブルガリア、フランス、ギリシャ、イタリア、スペイン、ユーゴスラビア原産。5-10 Heracleum sphondylium subsp. sphondylium
アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコスロバキア、デンマーク、フランス、ドイツ、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、シチリア、スペイン、スウェーデン、スイス、ウクライナ、ユーゴスラビア、ヨーロッパのトルコ、アフリカ(モロッコ)原産。5-11 Heracleum sphondylium subsp. suaveolens (Litard. & Maire) Dobignard
モロッコ原産。5-12 Heracleum sphondylium subsp. ternatum (Velen.) Brummitt
アルバニア、ブルガリア、ギリシャ、イタリア、トルコ、ユーゴスラビア原産。5-13 Heracleum sphondylium subsp. transsilvanicum (Schur) Brummitt
ルーマニア、ウクライナ原産。5-14 Heracleum sphondylium subsp. trifoliolatum (Blanch.) Kerguélen
フランス原産。5-15 Heracleum sphondylium subsp. verticillatum (Pančić) Brummitt
アルバニア、ブルガリア、ギリシャ、ユーゴスラビア原産。参考
1) Flora of ChinaHeracleum
Heracleum
Heracleum
大場秀章 : キレハハナウドとベニバナオオハナウド
山崎敬 : 日本のセリ科植物Ⅲ
Heracleum maximum
SPECIES: Heracleum maximum
Heracleum - Descripción del género (pdf)