ハナツクバネウツギ 花衝羽空木

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Flora of Mikawa

スイカズラ科 Caprifoliaceae アベリア属

別 名 ハナゾノツクバネウツギ、アベリア
中国名 大花糯米条 da hua nuo mi tiao
英 名 glossy abelia
学 名 Abelia ×grandiflora (Rovelli ex Andre) Rehder
ハナツクバネウツギの蕾
ハナツクバネウツギの花
ハナツクバネウツギの花の下唇の裂片
ハナツクバネウツギの花横
ハナツクバネウツギの幹
ハナツクバネウツギ
ハナツクバネウツギ葉表
ハナツクバネウツギ葉裏
花 期 6~10月
高 さ 1~2m
生活型 半常緑低木
生育場所 公園、街路、庭
分 布 栽培種 中国原産
撮 影 豊田市 03.5.10
ハナツクバネウツギはスイカズラ科アベリア属の園芸種。ともに中国原産である Abelia chinensis と Abelia uniflora との交配種。広義のツクバネウツギ属(Abelia)はツクバネウツギ属(Diabelia)、アベリア属(Abelia)、イワツクバネウツギ属(Zabelia)に分けられている。
 多くの園芸品種があり、公園、街路などによく植えられている。園芸品種はNana(小型、白花)、Edward Goucher(小型、ピンク花)=モモイロアベリア、 Francis Mason(葉が黄色の斑入、白花)、Confetti(小型、葉が淡ピンク~白色の斑入、新芽が紅色)、Kaleidoscope(葉が黄色の斑入、若葉は赤色を帯びる、淡紅花)、Hopleys(小型、葉が黄色の斑入、白花)、Variegatum(葉が白色の斑入)、Jackpot(葉が淡黄色の斑入、淡ピンク花)、Rose Cree(小型、丸い花序、萼がローズピンク色、白花)など。
 葉は対生し、長さ2~5㎝、幅1~2㎝の卵形~惰円形、先が尖り、縁に粗い鋸歯がある。葉表は光沢があり、葉裏の主脈に白色の開出毛がある。冬にもほとんど落葉しない。枝先の円錐花序に花を多数つける。花は白色~やや淡紅色を帯び、長さ1.5~2㎝の漏斗状の唇形花。下唇に網目状の模様はない。萼片は2~5個、浅く2~3裂するものもある。果実は結実しない。
 Abelia chinensis(アベリア・キネンシス=シナツクバネウツギ)は中国、台湾に分布し、中国名は糯米条 nuo mi tiao。中国ではよく栽培されている。葉は先が鋭形~長い尖鋭形。萼片は5個、先は鈍形または鋭形。
 Abelia uniflora(アベリア・ユニフローラ)はA. macrotera と A. parvifoliaの中間型である。葉先が短く尖り、萼片の先端は丸みを帯びる。

アベリア属

  family Caprifoliaceae - genus Abelia

 低木、落葉または半常緑。冬芽は露出し、卵状球形、小さく、鱗片は数対ある。葉は対生し、まれに3又は4輪生する。葉柄は短く、葉柄間線(interpetiolar line)があり、托葉は無く、葉縁は全縁~歯状~円鋸歯状鋸歯。花は腋生、円錐花序に1個又は対につく(続けて連続的に開花する)。対の花は6個の苞をもち(Abelia chinensis)、単生の花は子房の基部に苞を4個もつ(A. uniflora , A. forrestii)。苞は小さく、開花後に大きくならない。萼片は2~5個、広がり、狭長円形~楕円形、宿存する。花冠筒部は基部の腹部が凸月形(gibbous)に膨らみ、密な腺毛の蜜腺(nectaria trichomalia)を含む。雄しべは2強雄しべ(didynamous)、花冠筒部につき、突き出ない又は突き出る。葯は内向き。子房は狭長円形、3室、不稔の胚種を2列持つ。1室は1個の稔性の胚珠を持つ。花柱は糸状。柱頭は頭状、白色でパピラがある。果実は長楕円形、革質の痩果、宿存する萼片を冠状につける。種子は類円柱形、種皮は膜質、胚乳は肉質。x=8。
 世界に約6種があり、日本、中国に分布する。中国名は糯米条属 nuo mi tiao shu。

DiabeliaとAbeliaの区別


 YListではDiabeliaを区別せず、Abeliaに含めているがFlora of China(FOC)やPlants of the World Online(WOPO)では明瞭に区別している。
a. 花は頂生で双生(paired)、同時開花(simultaneously)。小苞の腋生の過剰花により1~3(~8)花の場合もある。繰り返し咲く長い枝ではより多く見られる。春咲き
........................................................... ツクバネウツギ属(Diabelia) 
a' 花は腋生、円錐花序、単生または双生、順次開花(consecutively)、夏または秋咲き
............................................................. アベリア属(Abelia)

アベリア属(Abelia)の主な種と園芸品種

1 Abelia chinensis R.Br. アベリア・キネンシス 広義
  synonym Linnaea chinensis (R.Br.) A.Braun & Vatke
 沖縄、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾、バトナム原産。中国名は糯米条 nuo mi tiao。英名はChinese abelia。別名はシナツクバネウツギ。標高200~1500mの山地に生える。中国で広く栽培されている。
 落葉から半常緑、高さ2mまでの低木で、枝分かれが激しい。若い枝は細く、毛がある。葉は対生し、ときに3枚が輪生する。葉身は卵形、長さ2~5cm×幅1~3.5cm、下面にはまばらに毛があり、中脈と側脈の基部に白色の絨毛が密生し、基部は円形または心形、縁は離れた円鋸歯状鋸歯があり、先は鋭形~長い尖鋭形。花序は頂生の大きな円錐花序で、花が対につく(順に開花する)。花には芳香があり、苞は6個、対生する子房の基部つき、長円形または披針形。萼片は5個、楕円形、長さ5~6mm、果時には赤くなる。花冠は5裂し、白色~ピンク色、漏斗形、長さ10~12mm、萼片の長さの約2倍で、外側は毛があり、筒部の基部は凸月形(gibbous)である。雄しべと花柱は長く突き出る。花糸は細く、長さが等しく、花冠筒部の基部に挿入される。子房は円筒形、わずかに扁平、毛があり、縦に条線がある。柱頭は頭状。痩果は、わずかに大きくなった宿存する萼片で覆われる。花期は8~9月。果期は10~11月。2n=32。
品種) 'China Rose' , Ruby Anniversary™' , Raspberry Perfection'

1-1 Abelia chinensis var. aschersoniana (Graebn.) Landrein

  synonym Abelia aschersoniana (Graebn.) Rehder
  synonym Linnaea aschersoniana Graebn.
 中国(広東省、 広西省、貴州省、雲南省)原産。標高700~1500mの山地や丘陵地帯に生える。
 葉は長さ40~52mm。花序は緩い散房花序状の密錘花序(corymbose thyrse)。小花柄は長い。茎は無毛。萼片は先が鋭系。花冠は長さ7mmまでで、萼片よりわずかに長い。花柱の先には毛がある。子房は紡錘形。花期は10~11月。果期は9~11月。

1-2 Abelia chinensis var. chinensis アベリア・キネンシス

  synonym Abelia cavaleriei H.Lév.
  synonym Abelia rupestris Lindl.
  synonym Linnaea rupestris (Lindl.) A.Braun & Vatke
 中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾、バトナム原産。中国名は糯米条 nuo mi tiao。英名はChinese abelia。

1-3 Abelia chinensis var. hanceana (Mart. ex Hance) Landrein

  synonym Abelia hanceana Mart. ex Hance
 中国原産。Abelia chinensisのsynonymとされている。詳細不明。

1-4 Abelia chinensis var. ionandra (Hayata) Masam. タイワンツクバネウツギ 台湾衝羽空木

  synonym Abelia ionandra Hayata
 日本(奄美大島,沖縄島,石垣島 )、台湾原産。中国名は台灣糯米條。海岸や山地の岩地にまれに生える。
 半常緑の低木。高さ1mになり、密に分枝する。樹皮は灰褐色、縦に裂ける。若枝は密に短毛が開出する。葉は対生し、葉柄は長さ1~3mm、葉身は菱状卵形、卵形、または長円形、長さ7~20mm×幅3~10mm、縁には2~3対の低い鋸歯があるかまたは全縁、上面は短毛がまばらにあるかまたは無毛、下面は無毛。枝先や葉腋に、花が2~3個の集散花序をつけ、密な短い円錐花序になり多数の花をつける。小花柄状の子房は円柱形、長さ3~5mm、縦に稜がありわずかに毛が生える。萼片は5個、同長、長さ3~4mmのへら形、先は鈍形または鋭形、基部は漸尖形。花冠は漏斗形、長さ5~10mm、白色、先は5裂し、芳香がある。雄しべは4本、長く突き出る。雌しべは花冠よりわずかに突き出る。痩果は細長い紡錘形、長さ4~4.5mm、宿存する萼片が冠状に残る。花期は7~9月。果期は10~11月。

1-5 Abelia chinensis var. lipoensis (M.T.An & G.Q.Gou) Landrein

  synonym Abelia lipoensis M.T.An & G.Q.Gou
 中国(貴州省)原産。中国名は荔波六道木 li bo liu dao mu。
 枝と葉の裏面は無毛。花序は幅が広く、緩く、広円錐形。萼片はほぼ無毛。花冠は小さく、長さ6~9mm、白色、萼片とほぼ同長か、またはわずかに長い。

2 Abelia forrestii (Diels) W.W.Sm. アベリア・フォレスティー
 中国(四川省、雲南省)原産。中国名は细瘦糯米条 xi shou nuo mi tiao。標高1900~3300mの山地斜面の日当たりの良い場所、低木林に生える。本種は希少種である。
 落葉低木、高さ1~2m。若い枝は赤褐色で、黄褐色の短毛が密に生える。古い枝は灰色で、樹皮は剥がれる。葉は狭楕円形、長円形、または長円状披針形、長さ3~7cm×幅1~2cm、先は尖り、基部は鈍形、は全縁で、側脈は不明瞭。葉は上面が暗緑色、下面は灰緑色、やや赤色を帯びる。花は単生または双生し、または側枝の腋に3個集まってつく。花には芳香があり、小花柄は長さ3~4mm。苞は1対つき、線形。小苞は1~2対つき、錐形、萼筒の基部に密着する。萼の拡大部は5裂し、萼片は線状倒披針形、長さ6~8mm×幅約1.5mm、3脈があり、まばらに毛があり、果時には赤みを帯びる。花冠は白色またはバラ赤色、鐘状漏斗形、外側は毛または腺毛があり、内側にはまばらに絨毛がある。花冠筒部は長さ約2cm、上部は下部の2倍の幅に膨れ、基部の片側は浅い袋状に膨らむ。花冠裂片は5裂し、倒卵形または円形、長さ4~5mm、両面に毛がある。雄しべは4本、葯は長円形で長さ約2mm。花糸は花冠とほぼ同長。花柱はまばらに毛があり、柱頭は円盤形でわずかに露出する。果実は長さ約7mm、2個の大きくなった萼片が宿存する。花期は6~9月[中国植物志]。
 落葉低木、高さ2mまで。枝には密に毛がある。葉身は狭楕円形~披針形、長さ3~7cm×幅1~2cm、基部は鈍形、縁は全縁、先は鋭形。花は1個で腋生、ときにわずかに円錐花序をつける。花序柄は長さ3~4mm。子房は基部に4個の線形の苞を持つ。萼片は果時には赤みがかる。萼片は5個、倒披針形、長さ6~8mm×幅1~2mm、3脈があり、まばらに毛がある。花冠は白色~バラ色、2唇形、外側は毛または腺毛があり、内側にはまばらに絨毛がある。花冠筒部は長さ45mmまで、上部が広がり、基部は凸月形になる。花冠裂片は5個、円形、長さ4~5mm。唇弁には斑紋がない。雄しべは4本。花糸は花冠とほぼ同長。葯は楕円形、長さ2mm以下。花柱はまばらに毛がある。柱頭は頭状で、わずかに突き出る。痩果は長さ7mm以下で、5個の宿存す大きくなった萼片が冠状に付く。花期は5~9月。果期は10月[Flora of China]。

3 Abelia macrotera (Graebn. & Buchw.) Rehder アベリア・マクロテア
 中国(広西チワン族自治区、貴州省、河南省、湖北省、湖南省、陝西省、四川省、雲南省)原産。中国名は二翅糯米条 er chi nuo mi tiao。標高200~2000mの道路脇の茂み、森林に生える。
【Abelia uniflora 複合体】の1種。Abelia macrotera、Abelia parvifolia、中間型のAbelia unifloraの区別が困難となる。
 本種の識別特性は以下の通り:葉は先が長い尖鋭形で非対称。萼片は先が鋭形。花期は4~6月。果期は8~10月。
 落葉低木で、高さ1~2m。若い枝は赤褐色で平滑。葉は卵形~楕円状卵形、長さ3~8cm×幅1.5~3.5cm、先は尖鋭形または長い尖鋭形、基部は鈍円形または広楔形~楔形、縁はまばらに鋸歯があり、縁毛がある。葉の上面は緑色、葉脈は窪み、まばらに軟毛があり、下面は灰緑色、中脈と側脈の基部に白色の軟毛が密にある。集散花序は通常、未発達の葉の茂った枝からなり、小枝の先端または上部の葉腋に数個の花がつく。花は大きく、長さ2.5~5cm。苞は赤色、披針形、小苞は3個、卵形、まばらに絨毛がある。萼筒には短毛があり、萼片は2個、長さ1~1.5cm、長円形、楕円形、または狭楕円形、花冠筒部の長さの1/3を占める。花冠は淡紫赤色、漏斗形、長さ3~4cm、外側に短毛があり、内側の喉部には絨毛がある。花冠の裂片は5個あり、わずかに2唇形になり、上唇は2裂、下唇は3 裂し、筒部の基部に浅い嚢がある。雄しべは4本、2強雄しべ。花糸は花冠筒部の中央に挿入される。花柱は花冠筒部と同長。柱頭は頭状。果実は長さ0.6~1.5cm、短い軟毛が生え、わずかに大きくなった2個の萼片が冠状に宿存する。花期は5~6月。果期は8~10月。[中国植物志]

4 Abelia parvifolia Hemsl. アベリア・パルビフォリア
  synonym Abelia macrotera var. parvifolia (Hemsl.) Landrein
  synonym Linnaea parvifolia (Hemsl.) Graebn.
 中国(陝西省、甘粛省、福建省、湖北省、四川省、貴州省、雲南省)原産。中国名は小叶六道木。標高240~2000mの林縁、道端、草地の斜面、岩場、谷間などに生育する。Flora of Chinaでは【Abelia uniflora 複合体】の一種とされている。
 落葉低木または小高木。高さ1~4m。枝は細く、枝分かれが多く、若い枝は赤褐色、硬毛と腺毛が散在する。葉はときに3枚輪生し、革質、卵形、狭卵形、または披針形、長さ1~2.5cm、先は鈍形~尖鋭形、基部は円形~広楔形。ほぼ全縁または2~3対の不明瞭な円鋸歯を持ち、縁は内巻き、上面は暗緑色、下面は緑白色、両面にまばらに粗毛が生え、中脈の基部は密に白色の毛があり、下面は絨毛状。葉柄は短い。1~2個の花をつけた集散花序が、上部の側枝の葉腋につく。萼筒には毛があり、2裂まれに3裂し、萼片は楕円形、倒卵形、または長円形、長さ5~7mm。花冠はピンク色~薄紫色、狭い鐘形、毛と腺毛で覆われ、基部に浅い袋がある。蕾の時は、花冠は5裂片に湾曲し、円鋸歯状の裂片は規則的またはわずかに不規則で、最上部の裂片は浅い袋に面している。雄しべは4本、2強雄しべ、1対は花冠筒の基部に、もう1対は中央部に挿入される。葯は長い円筒形、花糸にまばらに毛がある。花柱は細く、柱頭は花冠筒部の喉部に達する。果実は長さ約6mm、わずかに大きくなった2個の宿存する萼片に覆われる。花期は4~5月。果期は8~9月[中国植物志]。

5 Abelia schumannii (Graebn.) Rehder アベリア・シューマンニー
  synonym Linnaea schumannii Graebn.
  synonym Abelia tereticalyx (Graebn. & Buchw.) Rehder
  synonym Linnaea tereticalyx Graebn. & Buchw.
 中国(甘粛省、雲南省)原産。深い谷間の山地林に生える。Flora of Chinaでは【Abelia uniflora 複合体】の一種とされている。
半常緑の直立性低木で、高さは1.5mになる。新芽は紫がかっており、密に毛があり、最大0.1mmの直立毛があり、短い柄のある腺毛と、少数の0.6mmの直立毛が点在する。樹皮は赤褐色で、最終的には剥がれる。葉は卵形から楕円形で、0.4~2.8cm、幅0.2~1.7cm、基部は丸みを帯び、先端は尖っていることが多い。裏面は灰緑色で、まばらに毛があるが、中脈の基部の下ではより密に毛がある。縁は繊毛があり、全縁またはわずかに腺状の鋸歯がある。葉柄は最大2mm。花はわずかに香りがあり、単生または時に大きな円錐花序を形成し、水平または垂れ下がる。花柄は密に毛があり、長さ2~3mm。萼片は2裂。萼片は卵形から長楕円形で、長さ5~10mm、幅4~5mm、繊毛縁を持ち、しばしば赤みを帯びる。花冠は長さ1.5~3cm、白色から赤紫色で、腺毛があり、喉部は髭状で、オレンジ色の斑点が濃く入る。筒部は口部に向かって急激に広がり、腹側に膨らむ。花冠裂片は等分卵形で、わずかに反り返る。雄しべの基部は綿毛状。種子は1個、長さ約8mm、扁平でうねがある。花期は6~8月。果期は10~12月。(Trees and Shrubs Online)。
 最近の研究では、A. graebneriana、A. engleriana、A. parvifoliaと名付けられた栽培植物は、いずれもアベリア・シューマンニ(Abelia schumannii)の一種である可能性が高いことが示唆されている。
品種) 'Bumble Bee', 'Vedrariensis'

6 Abelia uniflora R.Br アベリア・ユニフローラ
  synonym Abelia engleriana (Graebn.) Rehder
  synonym Abelia parvifolia Hemsley
 中国(陝西省、甘粛省、河南省、広西チワン族自治区、四川省、貴州省、雲南省)原産。中国名は蓪梗花 tong geng hua。標高520~1640mの丘陵斜面の溝、茂み、林床、または林縁に生える。タイプ標本は四川省で採集された。
 落葉低木で、高さ1~2m。若い枝は赤褐色で毛が生えるが、古い枝の樹皮は割れて剥がれる。葉は円状卵形、狭卵形、菱形、狭長円形、または披針形、長さ1.5~4cm×幅5~15mm、先は尖鋭形または長尖鋭形、基部は楔形または鈍形、縁はまばらに鋸歯があり、ときにほぼ全縁で縁毛があり、両面にまばらに毛があり、下面の脈には白色の長毛が密生する。葉柄は長さは2~4mm。花は短い側枝の腋に生じ、葉の茂った伸びない(unstretched)枝の集散花序を形成する。萼筒は細く、先が2裂する。萼片は楕円形、長さ約1cm、萼筒の長さと同長。花冠は赤色、狭い鐘形、5裂し、わずかに2唇形になり、上唇は3裂、下唇は2裂する。花冠裂片は筒部の基部で不等で、浅い袋部を有する。雄しべは4本、花冠筒部の中央に挿入される。葯は長い円筒形。花糸は白色。花柱は雄しべと同長。柱頭は頭状で、喉部よりわずかに突き出る。果実は長円形、2個の萼片が宿存する。花期は5~6月。果期は8~9月。
 本種の形態は、A. macrotera (Graebn. et Buchw.) Rehd. と A. parvifolia Hemsl の中間型である。これら3種は分布域が類似しており、中間型も多数見られるため、明確な区別は困難である。これは暫定的な記録であり、今後の研究を待つ。[中国植物志 Abelia engleriana]
【Abelia uniflora 複合体】Flora of Chinaの解説
  synonym Abelia engleriana (Graebner) Rehder
  synonym Abelia longituba Rehder
  synonym Abelia mairei H. Léveillé
  synonym Abelia myrtilloides Rehder
  synonym Abelia parvifolia Hemsley
  synonym Abelia schischkinii Golubkova
  synonym Abelia schumannii (Graebner) Rehder
  synonym Abelia tereticalyx (Graebner & Buchwald) Rehder
  synonym Abelia verticillata H. Léveillé
 中国(福建省、甘粛省、広西チワン族自治区、貴州省、河南省、湖北省、湖南省、陝西省、四川省、雲南省)に分布。中国名は蓪梗花 tong geng hua。標高200~2000mの茂み、森林に生える。ホロタイプは、ケンブリッジ大学植物標本館(CGE)に所蔵されている。本種は葉と萼片の形、子房の長さ、花冠の大きさに変異が見られる。過去には多くの種が別種と認識されていた。貴州省で採集された標本(Simmons et al. 288)は、Abelia chinensisからの遺伝子移入を示していることが確認されている。この現象と倍数性の可能性により、A. unifloraの種内分類は極めて信頼性が低い。
 落葉低木、高さ4mまでになる。枝には毛があり、ときに無毛。葉は、形や大きさに非常に変異が多く、卵形、円形、または披針形、長さ1~8cm×幅0.5~3.5cm、下面は中脈と側脈の基部に白色の毛が密生し、上面はまばらに毛があり、基部は楔形、縁はほぼ全縁またはわずかに鋸歯があり、先は鈍形~尖鋭形。花は1個で腋生し、ときにわずかに円錐花序となる。萼片は2個、長円形~楕円形、長さ10~15mm、花冠筒部の長さの約1/3の長さ。花冠は白色~紫がかったピンク色で、2唇形、長さ25~50mm、花冠筒部の基部が凸月形、5裂し、外側に毛があり、唇弁の内側には絨毛がある。上唇は2裂し、下唇は3裂し、髭があり、橙色の網目模様がある。雄しべは4本で2強雄しべ。花糸は花冠筒部に部分的に付着する。子房は軟毛があり、基部に4個の卵形~披針形の苞がある。花柱は花冠筒部とほぼ同長。柱頭は頭状。痩果は長さ6~15mm、軟毛があり、頂部にわずかに大きくなった2個の宿存する萼片がある。花期は4~6月。果期は8~10月。
1 葉は短く尖り、萼片の先端は丸みを帯びる。  A. uniflora
1' 葉は長く尖り、先端は非対称で、萼片の先端は鋭形である。  A. macrotera
品種) 'Vedrariensis'(Abelia engleriana) , 'Bumblebee' , 'Saxon Gold' (PBR)(Abelia parvifolia)

7 Abelia x grandiflora (Rovelli ex Andre) Rehder ハナツクバネウツギ 花衝羽空木
 A. uniflora とA. chinensis の栽培交雑種。英名はglossy abelia 。中国名は大花糯米条 da hua nuo mi tiao。別名はハナゾノツクバネウツギ、アベリア。アメリカ大陸、アフリカ、ヨーロッパでは広く栽培されているが、中国ではあまり栽培されていない。
 半常緑低木、、高さ1~1.5m。枝は毛がある。葉はときに旺盛な新芽に輪生する(3~4輪生)。葉身は上面は光沢のある緑色、ときに銅色を帯び、卵形、長さ4.5cmまで、下面の葉脈は無毛または毛の房があり、基部は楔形、縁は離れた鋸歯があり、歯は不等、先は鋭形。花は一重で腋生、円錐花序につく。花序柄は長さ2~4mm。苞は子房の基部に4個つく。萼片は2~5枚と変化し、帯赤色、しばしば部分的に合着し、披針形、先は鋭形。花冠は白色、ときにピンク色を帯び、漏斗形~わずかに2唇形、基部は半月形(gibbous)、長さ約20mm、わずかに芳香があり、下唇弁には長い毛があり、毛深い髭状。雄しべは花冠筒部とほぼ同長。花糸は花冠に部分的に付着し、通常は内側に挿入されるが、ときにわずかに突出し、無毛。子房は長さ2~8mm、細く、微毛がある。花柱はわずかに突出し、長さ17~18mm、無毛。柱頭は頭状。痩果は長さ8~10mm、細く、まばらに毛があるかまたは無毛で、先端に萼片が宿存する。花期は6~10月。果期は9~11月。
品種) 'Abelops' (PBR) , Auderose = 'Minaud' (PBR) , 'Aurea' , Bella Donna = 'Wevo1'(PBR) ,Brilliantina™ , 'Brockhill Allgold' , Bronze Anniversary = 'Rikal' , 'Canyon Creek' , Confetti = 'Conti'(PBR)(v) , 'Compacta' , Confetti® コンフェッティ , 'Conti' (PBR) , 'Copper Glow' , Daydream = 'Abelops' (PBR) (v) , 'Edward Goucher'モモイロアベリア , 'Francis Mason' (v) , Gold Dust = 'Goldenglossy' , Golden Panache = 'Minpan' , 'Gold Spot' (v) , 'Gold Strike' , 'Hopleys' (PBR) (v) ,''Kaleidoscope'(PBR)(v) , Keyfly' (PBR) , 'Keylib' , Lady Liberty = 'Keylib' , 'Lady Summerdream' , 'Lake Maggiore' , 'Lemon Lime' , 'Little Gem' , 'Little Richard' , Lucky Lots = 'Wevo2'(v) , Magic Daydream = 'Opstal103' , 'Mardi Gras' (v) , 'Mindu01' (PBR) , 'Minduo2' ,Petite Garden = 'Minedward' (PBR) , 'Minpan' , Miss Lemon™ , Mystic Daydream = 'Opstal40' , 'Opstal40' , 'Opstal103' , 'Panache' (v) , Pastel Charm = 'Minduo2' , Pleasant Surprise' , 'Plum Surprise' , Poco Loco™ , 'Prostrate White' , 'Radiance' (v) , 'Raspberry Profusion'(PBR) , 'Rose Creek' , 'Semperflorens' , 'Sherwoodii' , 'Short and Sweet' , 'Silver Panache' , 'Sparkling Silver' (v) , 'Sunshine , Sunny Anniversary(PBR) , Sunny Charms = 'Mindu01' (PBR) , 'Sunrise'(v) , 'Tanya' , 'Variegata' , 'Wevo1' (PBR) , 'Wevo2,

参考

1) 学名インデックス YList
 Caprifoliaceae(スイカズラ科)
http://ylist.info/ylist_simple_search.php?any_field=%E3%83%84%E3%82%AF%E3%83%90%E3%83%8D%E3%82%A6%E3%83%84%E3%82%AE&capital=0&family_order=2&family_disp_type=1&family_header=0&spec_order=0&list_type=0&search=%E6%A4%9C%E7%B4%A2
2) Flora of China
 LINNAEACEAE
http://flora.huh.harvard.edu/china/mss/volume19/Flora_of_China_Volume_19_Linnaeaceae.pdf
 Abelia
http://flora.huh.harvard.edu/china/PDF/PDF19/Abelia.pdf
 Diabelia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=317598
3) Plants of the World Online(POWO)
 Abelia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30049036-2
 Diabelia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:77105077-1
4) Biodiversity Heritage Library(BHL)
Nakai, T. 1922. Trees and Shrubs Indigenous in Japan Proper. Vol. 1. 511 pp., Tokyo. つくばねうつぎ属 p448
https://www.biodiversitylibrary.org/page/43642629#page/463/mode/1up
5) Biodiversity Heritage Library(BHL)
 Flora of Japan(1953), Abelia p836
https://www.biodiversitylibrary.org/item/95083#page/868/mode/1up
6) 国立国会図書館デジタルコレクション 大日本植物誌  Nakai, T. & Koidzumi, G. 1927. Trees and Shrubs Indigenous in Japan Proper
 第四属つくばねうつぎ属 p616ー628
https://dl.ndl.go.jp/pid/1224919/1/337
7) 植物学雑誌 Bot. Mag. Tokyo 1927年 41巻 48 号 501-522
 799) Abelia eurviflora NAKAI,p503-504
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/41/488/41_488_501/_pdf/-char/ja
8) Journ,Jap.Bot.Vol.35 No.5 159-160(1960)
 ロッコウキバナコックバネ(槍山庫三) On Abelia serrata var. viridiramea Makino
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/35/5/35_35_5_4516/_pdf/-char/ja
9) Journ,Jap.Bot.Vol.35 No.5 159-160(1960)
 Abelia schumannii (Graebn.) Rehd.
https://www.treesandshrubsonline.org/articles/abelia/abelia-schumannii/
10) Discussion of the taxon
 Abelia chinensis var. aschersoniana (Graebn.) Landrein
https://www.plantarium.ru/lang/en/page/topic/id/96540.html
11) Journal of Systematics and Evolution 58(6) 1–16,(2019)
Plastome phylogenomic insights into the Sino‐Japanese biogeography of Diabelia (Caprifoliaceae)
https://www.researchgate.net/publication/338170848_Plastome_phylogenomic_insights_into_the_Sino-Japanese_biogeography_of_Diabelia_Caprifoliaceae