ハナミョウガ 花茗荷
Flora of Mikawa
ショウガ科 Zingiberaceae ハナミョウガ属
中国名 | 山姜 shan jiang |
学 名 | Alpinia japonica (Thunb.) Miq. |
花 期 | 6月 |
高 さ | 40~60㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 暖地の林内 |
分 布 | 在来種 本州(関東以西)、四国、九州、中国、台湾 |
撮 影 | 五井山 03.6.8 実 04.1.18 |
ハナミョウガ属
family Melanthiaceae - genus Alpinia根茎は匍匐性で太い。偽茎は多数、よく発達しているが、まれに欠く。葉は多数、まれに1~4枚。葉身は長円形または披針形。花序は頂生の円錐花序、総状花序、または穂状花序で、密または緩く、未熟なときは1~3枚のへら状の総苞片で覆われる。苞(ある場合)は基部まで開き、まれにフード状になり、それぞれが1個の花または 2~多数の花からなるさそり形花序=扇状集散花序(cincinnus)の基部につく(subtending)。小苞は基部まで開くか筒状で、まれにフード状になり、ときに欠く。萼は通常筒状で、ときに片側が裂ける。花冠の中央裂片は ±フード状になり、通常側裂片よりも幅が広い。側仮雄しべは小さいかまたは欠き、錐形または歯状、唇弁の基部につく。唇弁はしばしば目立ち(showy)、通常、花冠裂片より大きく、ときに不明瞭、縁は様々に分裂または全縁。花糸は有または無。葯隔はとさか状(crested)またはとさかが無い。子房は通常3室、胎座は中軸。柱頭は通常は十分に広がり、ときに棍棒形になり、まれに膝状になる。花柱の茎状突起(Stylodes)はしばしば巨大になる。蒴果は通常球形で、乾燥または肉質、非裂開または不規則に裂開する。種子は多数あり、しばしば角張り、仮種皮がある。[Flora of China]
多年草、常緑、根茎がある。根茎は匍匐性で、通常太い。根はひげ根、貯蔵根はない。葉の多いシュートは直立し、よく発達し、高さ1~4mになる。葉は、基部は一般に漸尖し、楔形または斜め、先は鋭形、尖鋭形、尾状または微尖形、縁は波打ち、全縁(A. mutica では鋸歯状)。花序は葉の多いシュートの頂部に付き、緩く(A. rafflesiana var. hirtiorでは密)、若いときは1~4個の鞘に覆われ、穂状、総状または円錐花序となる。苞は通常小さく、ときに大きく、冠弁を有し(calyptrate:フードのような外観をもつ)(A. oxymitra)または無く、色は多様で、白色、緑色、赤色、ピンク色、基部まで開き、稀に下部の1/3が融合し、ときに下部と上部の苞葉のみに限られ、単一の花または2~5個の花の苞葉を伴う。小苞は基部まで開き、筒状で、稀にフード状または無く、脱落性または宿存性。花は両性花で、白色、ピンク色、赤色、または黄色がかっている。子房は通常3室で、腋に胎座がある。花柱は細い。柱頭は通常よく広がり、杯形または漏斗形。上子房腺(epigynous glands)は2個で、平らである。萼は基部が筒状で、短く3裂し、片側で裂け、無毛または軟毛がある。花冠筒部は円筒形、萼片とほぼ同長またはそれより短い。花冠の背裂片は長円形または線状長円形で、ほとんどがフード付きで、側裂片はより小さい。側仮雄しべは小さい(A. javanica では長さ1.4㎝まで)か、または無く、白色または赤色。唇弁はしばしば目立ち(showy)、通常花冠裂片より大きく、時に目立たず、縁は様々に裂けまたは全縁になり、様々な色で凹面形、しばしば縁が内側に曲がり、ときに平らまたは垂れ下がり、縁は分岐脈のある花弁状領域に伸びる。雄しべ:花糸はよく発達する。葯は冠=とさか(crest)が有または無。果実は通常不規則に裂開すいる蒴果で、球形、卵形または狭楕円形(A. oxymitra では縦肋がある)で、成熟すると緑色、赤色、橙色、黄色または黒色(A. nigra)になる。種子は黒色で、しばしば角張る。[e-Flora of Thailand]
世界に約248種あり、熱帯および亜熱帯アジア(インド~日本)、オーストラリア、太平洋諸島に分布する。
ハナミョウガ属の主な種と園芸品種
1 Alpinia boninsimensis Makino シマクマタケラン 島熊竹蘭synonym Alpinia nakaiana Tuyama
小笠原固有種。林内の湿った場所や沢沿いに生える。
常緑多年草草、高さ0.6~1.5m。 全体に無毛。 葉は葉柄があり、基部の葉鞘は偽茎状に茎を抱く。葉身は披針形、長さ30~40㎝×幅6~7㎝、先は鋭形、縁は波打ち、全縁、無毛、表面に光沢があり、中脈は隆起し、溝があり、葉脈が目立つ。花序は頂生の長さ15~25㎝の円錐花序、花序軸の各枝は分枝し1~4個の花がつく。小集散花序の花序柄は単純または2出(2叉)の小花柄であり、小花柄は長さ約5~40㎜、花が1個ずつつく。花は白色。子房下位、緑色、楕円形。唇弁は基部が急に狭くなり爪状になり、先が凹形、中央の縦溝の縁が赤色になり、2本の縞模様になる。雄しべは中央に弧状に直立した花柱の茎状突起(Stylodes)の先につき、葯は長楕円形、下向きにつく。柱頭は葯の間から突き出し、小さな頭状。側仮雄しべは直立し、線状披針形で、鈍形。果実は数個つき、倒卵形~球形、赤色に熟す。花期は6~7月。果期は12月。
2 Alpinia conchigera Griff. カラリョウキョウ 唐良姜
アンダマン諸島、バングラデシュ、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、インドネシア(スマトラ)、タイ、ベトナム原産。POWOでは中国(雲南省)、インド、ラオスは分布域外。中国名は节鞭山姜 jie bian shan jiang。標高600~1100mの森林に生える。薬用に使われる。
偽茎は1.2~2m。葉舌は全縁、長さ約5㎜、綿毛があるか無毛。葉柄は長さ5~10㎜。葉身は披針形、長さ20~30㎝×幅1~10㎝、中脈に沿って下面と縁に毛がある以外は無毛。側脈は乾くと非常に目立ち、密集し、基部は鈍形、先は鋭形。円錐花序は長さ20~30㎝、通常1~2分岐のみ。二次枝は多数、長さ約1.5㎝。苞葉は長さ約5㎜。小苞は漏斗形、長さ3~4㎜、先は斜めの切形。小花柄は長さ3~5㎜。萼片は淡緑色、カップ形、長さ3~4㎜、先は3裂。花冠は白色または淡青緑色、外面に毛がある。花冠筒部は萼片と同長。花冠裂片は長さ5~7㎜、中央の裂片は先が円形。側仮雄しべは赤色で、四角形で、長さ約1.5㎜。唇弁は淡黄色またはピンク色で、赤色の条線があり、倒卵形、長さ約5㎜、凹面形、基部は紫色のカロスが花冠の喉部を覆う。花糸は淡黄色~ピンク色で、長さ約5㎜、細く、葯は長さ約2㎜。子房は梨形、無毛。蒴果は新鮮なときは球形、乾くと長円形で、直径8~10㎜。種子は3~5個、強い芳香がある。花期は5~7月。果期は9~12月。
3 Alpinia flabellata Ridley イリオモテクマタケラン 西表熊竹蘭
synonym Languas flabellata (Ridley) Merrillsynonym Alpinia iriomotensis Masam.
synonym Languas flabellata var. major (Ridl.) Merr.
日本(琉球諸島)、台湾(火韶島と蘭嶼)、フィリピン原産。中国名は扇唇山姜 shan chun shan jiang。別名はハダカゲットウ。低地の林内に生える。
偽茎は高さ3mまで。葉舌は卵形、全縁、長さ約1㎝、縁には微細な白色の毛がある。葉身は狭披針形、長さ30~40㎝×幅4~5㎝、無毛、縁は尖鋭形の先近くに小歯がある。円錐花序は長さ10~20㎝、花が密につき、枝は2~3本、長さ0.9~7㎝。苞は小さく、長さ約7㎜。小苞はない。小花柄は長さ2~3㎜、軟毛がある。萼は筒状で長さ約8㎜、鈍いうねがあり、無毛、先は3裂する。花冠筒部は長さ約1㎝、中裂片は長楕円形、約・長さ7㎜×幅3.5㎜、先は鉤状、微細な微突起があり、側裂片は倒卵状長円形、長さ約5㎜。側仮雄しべは唇弁の基部に2個つく。唇弁はほぼ扇形、長さ約1㎝、爪部は短く、拡大部はほぼ腎形、4裂する。花糸は線形で短く、無毛。葯は長円形で短く、葯隔の突起はない。蒴果は直径約6㎜、無毛。花期は6~7月。
4 Alpinia formosana K.Schum クマタケラン 熊竹蘭
synonym Alpinia kumatake Makino
synonym Alpinia satsumensis Gagnep
日本(九州南部~沖縄)、台湾原産。中国名は美山姜 mei shan jiang
偽茎は高さ1(~3.5)mまで。葉舌は長さ1㎝まで、外面には絨毛があり、先は鈍形。葉柄は無柄~長さ1㎝まで、葉身は披針形または長円状披針形、長さ50~70㎝×幅8~12㎝、両端は尖鋭形。円錐花序は狭く、長さ15~20㎝、花序軸は無毛またはまばらに絨毛があり、枝には2個または3個の花がつく。小苞は楕円形、長さ約1.5㎝、先は微尖頭。小花柄は長さ約3㎜。萼は長さ1.3~1.7㎝、片側が裂け、先には3歯があり、縁毛がある。花冠筒部は長さ約1㎝、無毛。花冠裂片は長円形、長さ約1.5㎝、先には縁毛がある。側仮雄しべは錐形、長さ2㎜未満。唇弁は白色、黄色を帯び、中央に赤色の縞模様があり、広卵形、長さ約3㎝、先は短く 2裂し、パリパリに縮れる。雄しべは長さ約2㎝、膝のように曲がる。子房はほぼ球形、白色の絹毛がある。蒴果は朱色、楕円形、しわがある。花期は7~8月。
この種はAlpinia koshunensis Hayataをsynonymとし、Yang と Wang によって Alpinia intermedia と A. zerumbet の自然雑種であると認識されていたこともある (Chiu & Peng、Proc. Cross-Strait Symp. Florist. Diversity Conservation、183~197、1998)。POWOではAlpinia koshunensisとAlpinia formosanaを独立種と認めている。
品種) 'Pinstripe'
4-1 Alpinia formosana K.Schum. f. variegata (Makino) Kitam. フイリクマタケラン
5 Alpinia galanga (L.) Willd. ナンキョウ 南姜
synonym Alpinia galanga var. pyramidata (Blume) K.Schum. 毛红豆蔻 mao hong dou kou
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、雲南省)、台湾、インド、アッサム州、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア(ボルネオ、ジャワ、スマトラ)原産。中国名は红豆蔻 hong dou kou。標高100~1300mの森林、低木林、草原に生える。根茎は塊茎がある。偽茎は高さ約2m。葉舌はほぼ円形、長さ約5㎜。葉柄は長さ約6㎜。葉身は長円形または披針形、長さ25~35㎝×幅6~10㎝、無毛または下面に毛があり、基部は漸尖し、先は鋭形または尖鋭形。円錐花序は約・長さ20㎝×幅30㎝、花序軸は無毛または毛があり、枝は多数、長さ2~4㎝、花が3~6個つく。苞と小苞は宿存する。小苞は披針形、長さ5~8㎜。花は緑白色、芳香がある。萼は筒状、長さ6~10㎜、宿存する。花冠筒部は長さ6~10㎜、花冠裂片は長円形、長さ1.6~1.8㎝。側仮雄しべは紫色、錐形または線形、長さ2~10㎜。唇弁は白色で赤い線があり、倒卵状へら形、長さ約2㎝、先端は深く2裂する。花糸は長さ約1㎝。葯は長さ約7㎜。蒴果は乾くと褐色または赤色になり、長円形で中央がわずかに狭くなり、長さ1~1.5㎝×幅約7㎜、薄く、無毛。種子は3~6個。花期は5~8月。果期は9~11月。
6 Alpinia intermedia Gagnep. アオノクマタケラン 青野熊竹蘭
synonym Alpinia oblongifolia Hayata
synonym Alpinia takaminei Masam. イシガキクマタケラン
日本、中国、台湾、フィリピン原産。中国名は光叶山姜 guang ye shan jiang 。
偽茎は高さ約1m。葉舌は長さ5~6㎜、乾いた膜質、縁毛がある。葉柄は長さ2.5㎝以下。葉身は長円形又は披針形、長さ20~50㎝×幅5~12㎝、無毛、基部は漸尖形、先は尖鋭形。円錐花序は直立又は垂れ下がり、長さ10~15㎝×幅2~4㎝、無毛、枝は長さ0.8~1.3㎝、先に花が3~5個つく、小苞は長円形、長さ7~10㎜、脱落性。花は白色、無毛。萼は筒形、長さ3.5~4.5㎜、先は円鋸歯状。花冠筒部は萼より短く、花冠裂片は狭い。側仮雄しべはつの形。唇弁は卵形、長さ約1.8㎝、基部は漸尖形。先は鋭形、2裂。葯は卵形、わずかに毛がある。花期は6月。2n= 48。
品種) ''Sun Spice'
7 Alpinia japonica (Thunb.) Miq. ハナミョウガ 花茗荷
synonym Alpinia japonica var. kiushiana (Kitam.) H.Ohba ツクシハナミョウガ
日本(本州の関東以西、四国、九州)、中国、台湾原産。中国名は山姜 shan jiang 。ショウガ科特有の偽茎は高さ35~70㎝。葉舌は2裂し、長さ約2㎜、短毛がある。葉柄は長さ2㎝以下。葉身は披針形~倒披針形~狭長楕円形、長さ25~40㎝、幅4~7㎝、短毛があり、特に葉裏に多い。葉の基部は漸尖し、葉先は尖鋭形、微突起がある。総状花序は偽茎の先につき、長さ15~30㎝、花序軸には密に綿毛がある。総苞片は披針形、長さ約9㎝、花期には落ちやすい。小苞は非常に小さく、早落性。花は花序軸に普通2個対につき、しばしば退化した花をつける。花柄は長さ約2㎜。萼は棍棒形、長さ1~1.2㎝、短毛があり、先は3歯がある。花冠の筒部は長さ約1㎝、まばらに短毛がある。裂片は長楕円形、長さ約1㎝、外面は綿毛がある。中央の裂片はフード状。側仮雄しべは線形、長さ約5㎜。唇弁は白色、赤色のストライプがあり、卵形、幅約6㎜、縁は不規則切れ込み、先は2裂する。雄しべは1個、長さ1.2~1.4㎝。雌しべ1個、柱頭が葯の間から突き出る。子房は綿毛が密生する。蒴果はサーモンレッド(salmonred)(写真の果実は深紅色=クリムソンに近い)に熟し、球形~楕円形、直径1~1.5(2)㎝、短毛があり、宿存性の萼が先に残る。種子は白色の仮種皮に包まれ、長さ約5㎜、幅約3㎜、角が多数あり、ショウノウ様の臭いがある。2n=48。花期は6月。
品種) 'Extra Spicy'
7-1 Alpinia japonica (Thunb.) Miq. f. xanthocarpa Yamasiro et M.Maeda キミノハナミョウガ
果実が黄金色。8 Alpinia kawakamii Hayata カワカミゲットウ 川上月桃
synonym Alpinia shimadae Hayata var. kawakamii (Hayata) J.J.Yang et J.C.Wang
台湾原産。中国名は密毛山姜 mi mao shan jiang。南台湾の標高400~900mの山地に生える。偽茎は長さ1~2m。葉はほぼ無柄。葉鞘は毛があり、目立つ縦の条線がある。葉舌は2裂し、長さ約4㎜、裏面に毛がある。葉身は線状披針形、約・長さ45㎝×幅5.5㎝、上面は無毛、下面に密に毛があり、基部は漸尖し、先は尾状尖鋭形。総状花序は直立し、長さ12~15㎝、丈夫で、花が密につく。花序軸は絨毛がある。小苞は倒卵形、約・長さ1.2㎝×幅7㎜、裏面に毛があり、縁に繊毛がある。花柄は約1mm、絨毛がある。萼片は約1cm、片側に裂け、外面に密に毛があり、縁に繊毛がある。花冠は白色、花冠筒部は長さ約1㎝、無毛、花冠裂片は縁に縁毛があり、側裂片は楕円状披針形、約・長さ1.8㎝×幅7㎜、中裂片より狭い。側仮雄しべは非常に短い。唇弁は卵形、約・長さ2.2㎝×幅1.6㎝、先は凹形、白色で赤色を帯びる。雄しべは長さ約1.7㎝。花糸は長さ約7㎜。子房は卵形、直径約2.5㎜。種子は黒色、仮種皮は膜質。
9 Alpinia koshunensis Hayata アルピニア・コーシュンエンシス
台湾原産。中国名は恆春月桃。恒春半島の標高5~100mの陽光が降り注ぐ草原に生える。高さ2.0~3.0m。葉柄は長さ0~1.0㎝。葉身は長さ30~60㎝×幅8~20㎝、長円形~長円状披針形、先は尖鋭形~鈍形、基部は楔形、縁の絨毛を除いて両面とも無毛。葉舌は長さ1㎝、全縁または2裂し、厚い革質、外面には毛がある。花序は頂生の密穂花序(thyrse)、花序柄があり、無毛(無毛になる下部の節を除いて)で、長さ15~30㎝、斜上~直立し、下部の枝は長さ1.0~2.0㎝、花が1~3個つき、上部の枝は花が1個つく。苞は1~2個、脱落性。花は小花柄がある。小苞は白色で長さ1.0~1.5㎝、無毛、脱落性。萼片は筒状、緑白色、無毛、長さ1.5㎝、短く3裂し、片側で深く裂ける。花冠は緑白色、無毛、合弁花、3裂片に分かれ、背側の裂片は長円形、長さ4㎝×幅2㎝、側裂片は2個、基部は結合し長円形、長さ3㎝×幅1.2㎝。唇弁はクロムイエロー色で赤色の縞模様があり、回旋形、長さ3.5㎝×幅2.5㎝。仮雄しべは鈍形。雄しべ 1本。葯は長さ1㎝。花糸は長さ1.5㎝。柱頭は漏斗形、先には密に毛が生える。花柱は細く、長さ3㎝、無毛。花柱の基部横にある 2個の子房上腺(epigynous glands)は褐色、長さ0.2㎝。子房は緑色、軟毛がある。果実は蒴果、熟すと赤色になり、無毛、楕円形。種子は15~30個、角(かど)があり、仮種皮は白色、膜質。
10 Alpinia kusshakuensis Hayata クッシャクゲットウ 屈尺月桃
synonym Languas kusshakuensis (Hayata) Sasaki
台湾(台北市)原産。中国名は菱唇山姜 ling chun shan jiang。
偽茎は高さ2m以上。葉は無柄または短い葉柄がある。葉舌は2裂し、長さ約8㎜、裏面には絨毛がある。葉身は披針形、約・長さ50㎝×幅10㎝、縁の縁毛以外は無毛、基部は漸尖し、先は急な尖鋭形。穂状花序は長さ約15㎝、花は密い多数つき、密に絨毛がある。小苞は貝殻形、長さ2.5~3㎝、先には2~3歯がある。小花柄は非常に短いかまたは無い。萼片は長さ約2㎝、片側が中央で裂け、外面には粗毛があり、縁と先にはわずかに毛がある。花冠筒部は長さ約1㎝、花冠裂片は長さ3~5㎝、中央の裂片は幅約1.5㎝の倒卵形。側仮雄しべは長さ4~5㎜。唇弁は中心が黄赤色、縁は黄色、卵状菱形、長さ4~4.5㎝×幅約3㎝、喉部は粗毛があり、縁は不規則に裂ける小歯状、先は尾状、2裂しない。雄しべは長さ約4㎝、葯は線形、長さ約1.5㎝。子房は長さ約1㎝、密に絨毛がある。花柱は無毛。花期は5月。
この種は、Yang と Wangによって Alpinia shimadae と A. uraiensis の自然雑種と認識された。
11 Alpinia latilabris Ridley タチバナゲットウ 立花月桃
synonym Alpinia hookeriana Valeton
synonym Alpinia sericea Ridl.
synonym Languas hookeriana (Valeton) Merr.
synonym Languas sericea (Ridl.) Merr.
ボルネオ、マラヤ、ミャンマー、ベトナム原産(インドシナ半島で栽培されている栽培種)。英名はupright shell ginger。ベトナムで胃薬として使われている。ゲットウに比べて草丈が高く、根元から分枝する数が多く、花序が直立する。ゲットウは円錐花序が垂れ下がる。
多年草、高さ平均1.8~2.4(~3)m、幅は同程度に広がる。根茎から不規則に、疎に、上向きに群生する。葉は常緑、長楕円形、螺旋状につき、単葉、全縁、長さ40~60㎝×幅12.5~15㎝、緑色、羽状脈をもつ。花序は和名のように、ほとんどが上向きの頂部の総状花序。花は古い成長部につき、暖地以外では花が見られないこともある。花は芳香があり、初め、蕾は白色で、先端がピンク色、貝殻のように見え、後に開くが、開ききらず、黄色の唇が見え、のど部に赤色の網目をもつ。果実は橙赤色の球形の蒴果、花期は夏。開花は5~6月。
12 Alpinia malaccensis (N. L. Burman) Roscoe アルピニア・マラッケンシス
中国(雲南省、広東省)、インド、アッサム、ブータン、バングラデシュ、カンボジア、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は毛瓣山姜 mao ban shan jiang。 観賞用として栽培される。偽茎は高さ約3m以上になる。葉舌は2裂し、長さ1㎝以下、わずかに綿毛がある。葉柄は長さ約2㎝、溝がある。葉身は長円形または披針形、長さ90㎝×幅15㎝・以下、下面に毛があり、基部は鋭形、先は尖鋭形。総状花序は直立し、長さ35㎝以下、花序軸は丈夫、密に黄色の毛がある。小苞は白色、広楕円形、長さ3.5~4㎝。小花柄は長さ約7㎜、密に黄色の毛がある。萼は鐘形、長さ約1.5㎝、密に絹毛がある。花冠は白色、絹毛がある。花冠筒部は長さ約1㎝、花冠裂片は長円形、長さ2.5~3㎝。側仮雄しべはない。唇弁は黄色で赤色の縞があり、卵形、長さ約3.5㎝、先は凹形。雄しべは長さ約2.4㎝。子房は絨毛がある。蒴果は黄色、球形、直径約2㎝、不規則に裂開する。花期4月。2n=48。
品種) 'Giant Pink Shell'
13 Alpinia mesanthera Hayata カッパンクマタケラン 角板熊竹蘭
synonym Languas mesanthera (Hayata) Sasaki台湾原産。中国名は疏花山姜 shu hua shan jiang
偽茎は1~2m。葉は無柄。葉舌は外面および縁に剛毛があり、先は円形。葉身は線状披針形、約・長さ60㎝×幅10㎝、縁に絨毛がある以外は無毛、基部は楔形、先は尖鋭形。総状花序は直立し、長さ約27㎝、緩い。花序柄は粗毛がある。小苞は約・長さ2.2㎝×幅1.7㎝、片側が裂け、無毛、先は2または3裂する。小花柄は花軸に対して直角につく。萼は円筒形、長さ約2㎝、片側が裂け、基部は外面に短い粗毛があり、先は3裂し、縁毛がある。花冠筒部は円筒形、長さ約1.3㎝、外面は無毛。中央裂片は倒卵形、約・長さ3㎝×幅2.5㎝、先は凹形または2裂し、縁毛がある。側裂片は長円形~へら形、中央裂片より狭い。側仮雄しべは疣があり、粗毛がある。唇弁は円形、直径約3㎝、縁は小歯があり、先は2裂する。花糸は長さ約1㎝。葯は倒矢じり形、長さ約1㎝。子房は長円形、長さ約1.3㎝、密に絨毛がある。花期は7月。
YListではシンチクハナミョウガ(A. shimadae)とゲットウ(A. zerumbet)の交雑種としている。
14 Alpinia nigra (Gaertn.) B.L.Burtt チクリンカ 竹林花
synonym Alpinia bilamellata Makino
中国(雲南省南部)、インド、アッサム、アンダマン諸島、ニコバル諸島、スリランカ、ネパール、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、タイ原産。中国名は黑果山姜 hei guo shan jiang。標高900~1100mの森林に生える。薬用に使われる。ドミニカ共和国、ジャマイカ、カザン列島、小笠原諸島などに帰化している。古くは小笠原の固有種とされ、絶滅危惧種に指定されていたこともある。花がピンク色。
偽茎は高さ1.5~3m。葉は無柄またはほぼ無柄。葉舌は円形、長さ4~6㎜、無毛。葉身は披針形または楕円状披針形、長さ25~40㎝×幅6~8㎝、無毛、基部と先は鋭形。円錐花序は直立し、高さ30㎝まで、枝は広がり、長さ2~8cm、花序軸と枝には綿毛があり、通常は緩く、離れたさそり形花序(cincinni)がある。苞は卵形。小苞は漏斗形、綿毛があり、宿存する。小花柄は長さ3~5㎜。萼片は筒状、長さ1.2~1.5㎝、片側が長さの約2/3で裂け、外側に毛がある。花冠筒部は長さ約1㎝。花冠裂片は長円形、長さ約1.2㎝、外側に毛があり、中裂片は側裂片より幅が広く、先は僧帽形(cucullate)。側仮雄しべは錐形。唇弁は倒卵形、長さ約1.5㎝、基部には爪部があり、先は2裂する。雄しべは長さ約1.5㎝。花糸は線形、長さ約1㎝。葯は曲がる。子房には密に毛がある。蒴果は乾燥すると黒色になり、球形、直径1.2~1.5㎝、まばらに毛があり、不規則に裂開し、先に花が残る。小花柄は長さ5~10㎜。種子は直径 5~6㎜。花期は7~8月。
15 Alpinia officinarum Hance コウリョウキョウ 高良姜
中国(広東省、広西チワン族自治区、海南省)、カンボジア、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は高良姜 gao liang jiang。薬用に使われる。
根茎は細長く、円柱形。偽茎は高さ40~110㎝。葉は無柄。葉舌は披針形、全縁、長さ2~3(~5)㎝、膜質。葉身は線形、長さ20~30㎝×幅1.2~2.5㎝、無毛、基部は漸尖し、先は尾状。総状花序は直立し、長さ6~10㎝。花序軸には綿毛がある。小苞は非常に小さく、長さ1㎝以下。小花柄は長さ1~2㎜。萼片は長さ8~10㎝、微軟毛があり、先に3歯がある。花冠筒部は萼片よりわずかに短く、花冠裂片は長円形、長さ約1.5㎝、中裂片はフード状。唇弁は白色で、赤色の条線があり、長さ約2㎝の卵形。花糸は長さ約1㎝。葯は長さ約6㎜。子房には綿毛がある。蒴果は赤色、球形、直径約1㎝。花期は4~9月。果期は5~11月。2n=48。
品種) 'Mcghiejcg' (PBR) , 'Variegata' (v)
16 Alpinia oxyphylla Miq. ヤクチ 益智
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、雲南省)原産。中国名は益智 yi zhi。野生植物と栽培植物の両方が薬として使用される。
偽茎は高さ1~3m。葉舌は帯褐色、2裂、長さ1~2㎝、まれにこれより長く、膜質、まばらに微軟毛がある。葉柄は短い。葉身は披針形、長さ25~35㎝×幅3~6㎝、基部はほぼ円形、縁は粗毛があり、無毛になり、先は漸尖形で尾状。総状花序は花芽の中では帽子形の総苞に包まれ、開花時に総苞は落葉する。花序軸にはごく短い微軟毛がある。小花柄は長さ1~2㎜。萼は筒状で長さ約1.2㎝、片側が中央で裂け、外面に軟毛があり、先に歯がある。花冠筒部は長さ8~10㎜、花冠裂片は長円形、長さ約1.8㎝、中裂片は白色、側裂片より幅が広く、外側にまばらに微軟毛がある。側仮雄しべは錐形、長さ約2㎜。唇弁は白色で赤色の縞模様があり、倒卵形で、長さ約2㎝、先端の縁はパリパリに縮れる。花糸は長さ約1.2㎝、葯は長さ約7㎜。子房は綿毛が密にある。蒴果は新鮮なときは球形、乾くと紡錘形になり、長さ1.5~2㎝×幅約1㎝、隆起した維管束縞があり、軟毛があり、先には萼片が宿存する。種子は不規則な偏球形、仮種皮は帯褐色。花期は3~5月。果期は4~9月。2n=48。
17 Alpinia pricei Hayata プライスゲットウ
台湾原産。中国名は短穗山姜 duan sui shan jiang。
偽茎は高さ約1m。葉舌は長円形、長さ約5㎜、縁は繊毛、先は鈍形。葉柄は長さ約1㎝。葉身は線状披針形、長さ約30㎝×幅2~3㎝、無毛または裏側に毛があり、基部は細くなり、先は尖鋭形。総状花序は長さ約10㎝、花序軸には毛がある。小花柄は長さ約2㎜、粗毛がある。萼は鐘形、長さ約1㎝、片側に裂け、外側に毛がある。花冠筒部は鐘形、長さ約6㎜、内側に毛があり、外側は無毛、先は幅約4㎜、中裂片は倒卵形、約・長さ2㎝×幅1㎝、縁には縁毛がある。側裂片は中裂片より狭い。側仮雄しべはない。唇弁は倒卵形、約・長さ2㎝×幅2㎝、基部は楔形、縁は中央より上で狭くなり、円鋸歯があり、先は短く2裂する。花糸は扁平になり、長さ約1.2㎝、無毛。葯は長さ約7㎜。子房は球形、直径約1.5㎜、絨毛がある。花期は3月。
18 Alpinia purpurata (Vieill.) K.Schum. アカボゲットウ 赤穂月桃
インドネシア(マルク)、パプアニューギニア(ビスマルク諸島)、ニューカレドニア、ソロモン諸島、バヌアツ原産。英名は red ginger , red ginger lily。別名はレッドジンジャー。多年草、高さ0.8~2.5(~7)m。 葉は狭楕円形、長さ20~50(~80)㎝×幅3.5~15㎝、先は鋭形、基部はくさび形、無毛。葉舌は長さ5~8㎜。 花序は直立した穂状花序状の密錐花序(thyrsus)、長さ8~25(~90)㎝×幅3.5~8㎝。各苞に花が1~5個の扇状集散花序(cincinnus)がつく。苞は倒卵形、長さ3~5㎝、先は鈍形~鋭形、無毛~微軟毛があり、赤色。小苞は筒状、長さ20~40㎜。花柄は長さ1~2㎜。 萼は長さ10~20㎜。花冠は長さ30~50㎜、無毛、白色。唇弁は長さ55㎜以下、白色。側部の仮雄しべは花弁状。蒴果はほぼ球形、直径30㎜以下。種子は赤色、仮種皮は無い。花期は6~10月。
品種) 'Double Red' , 'Hot Pink' , 'Pink'='Pink Cone'ピンクジンジャー , 'Purest White' , 'Rosea'
19 Alpinia sessiliflora Kitam. アリサンゲットウ
synonym Alpinia pricei Hayata var. sessiliflora (Kitam.) J.J.Yang et J.C.Wang
台湾原産。中国名は大头山姜 da tou shan jiang。標高1300~2000mの山岳地帯に生える。偽茎は長さ1~2m。葉は葉柄があり、葉舌は長円形、裏面は毛がある。葉身は線状披針形、約・長さ80㎝×幅11㎝、上面は無毛、下面は脈に沿ってまばらに絨毛がある以外は無毛、基部は漸尖し、縁は粗毛があり、先は鋭形または尖鋭形。穂状花序は直立し、暗赤色または紫赤色で、約・長さ9㎝×幅6㎝、花が密につく。花序軸は密に絨毛があり、基部には花序の基部につく2つの仏炎苞状の苞がある。小苞は長さ約3.2㎝、宿存する。小花柄はない。萼は円筒形、約・長さ1.5㎝ ×幅8㎜、基部は裏面がビロード状。花冠筒部は長さ約1.4㎝、無毛。花冠裂片は倒卵形、長さ1.8~2.2㎝。側仮雄しべはない。唇弁は亜球形で、約・長さ2㎝×幅2㎝、基部は狭まり、縁はパリパリに縮れている。花糸は長さ約7㎜。葯は長さ約8㎜。子房は球形、直径1㎝未満、密に絨毛がある。蒴果は暗赤色、紡錘状球形で、約・長さ1.5㎝×幅1㎝、基部には宿存する小苞があり、先には宿存するがある。花期は1月。
20 Alpinia shimadae Hayata シンチクハナミョウガ 新竹花茗荷
synonym lpinia dolichocephala Hayata
台湾原産。中国名は密穗山姜 mi sui shan jiang。標高400~800mの森林、山岳地帯に生える。
偽茎は高さ1~2m。葉はほぼ無柄または短い葉柄がある。葉舌は長円形、縁に粗毛がある。葉身は線状披針形、縁の粗毛以外は無毛。穂状花序は円筒形、長さ12~15cm、花が密につく。花序軸には絹毛糸状絨毛がある。小苞は倒卵形、長さ約1.5㎝、早落する。萼はほぼ円筒形、長さ約1.8㎝、片側が裂け、外側に粗毛があり、先には3歯がある。花冠筒部は長さ約8㎜、花冠裂片は長さ約1.5㎝、縁には縁毛があり、中裂片はほぼ円形、側裂片は中裂片より狭い。唇弁は卵状菱形、約・長さ1.6㎝×幅1.6㎝、基部に2個の硬点(callosities)があり、縁は不規則に裂ける。葯は長さ約8㎜、先端は2裂sうる。子房は長さ約3.5㎜の円筒形、密に絨毛がある。蒴果は球形、直径約1.3㎝、ときにわずかにうねがあり、粗毛があり、基部には宿存する小苞はなく、先には宿存する萼がある。花期は5月。果期は7月。
21 Alpinia tonrokuensis Hayata トンロクゲットウ 屯鹿月桃
synonym Languas tonrokuensis (Hayata) Sasaki
台湾原産。中国名は台北山姜 tai bei shan jiang。台北市で確認された。
偽茎は高さ2~3m。葉はほぼ無柄。葉舌は2裂、長さ約8㎜、裏面には絨毛がある。葉身は披針形、約・長さ55㎝×幅10㎝、縁に粗毛がある以外は無毛、基部は鋭形、先は線状の尾状、長さ約2㎝。穂状花序は直立し、長さ20~25㎝、花が密につき、黄色の絨毛が密にある。小苞はピンク色、貝殻形、約・長さ3㎝×幅3㎝、先はほぼ円形。萼はピンク色、倒円錐状円筒形、長さ約2㎝、片側が中央まで裂ける。花冠筒部は長さ約1㎝、花冠裂片は倒卵形で4~5cm、基部は漸尖する。側仮雄しべは非常に小さい。唇弁は中心が黄赤色、縁は黄色、広卵状菱形、長さ3~4㎝×幅2.5㎝、基部には密に粗毛があり、先はほぼ尖頭形で、短く2裂する。雄しべは直立または反り返る。葯は線形、長さ約1.5㎝。葯隔は2裂し、幅約6㎜、粗毛がある。子房は密に綿毛がある。柱頭は漏斗形。花期は5月。 この種は、Yang と Wangによって Alpinia uraiensis と A. zerumbet の自然雑種であると認められた。
22 Alpinia uraiensis Hayata タイリンゲットウ 大輪月桃
台湾原産。中国名は大花山姜 da hua shan jiang
全体に大形、葉も長く、葉に葉柄がほとんど無く、葉舌が長さ1㎝以上あり長い。花序は直立、花柄は短い。
偽茎は高さ2~4m。葉は無柄、葉舌は長円状三角形、長さ1~1.5㎝×幅約 6㎜、外側に粗毛があり、先は鈍形。葉身は線状披針形、長さ約1m×幅約13 ㎝、無毛、基部と先は尖鋭形。総状花序は直立、花のつく部分は長さ約25㎝、密に花がつく。花序軸には密に剛毛状の綿毛があり、多数の溝がある。苞は先が赤紫色、線形長さ約2.5㎝×幅4~5㎜、無毛。小苞は円形、長さ約5.5㎝、外側の基部に剛毛がある以外は無毛。花柄は長さ約3㎜、中程度に丈夫、密に毛がある。咢は白色に近く、鐘状円筒形、長さ約3.5㎝×幅2㎝、片側で深く割れ、外側にはまばらに粗毛があり、先は細かい6歯がある。花冠筒部は長さ約1.3㎝、外側にまばらに粗毛があるか、又は類無毛。.中裂片は倒卵状長円形、約長さ3.5㎝×幅2.8㎝。側仮雄しべは線形、長さ約2㎜。唇弁は黄色で、中央が帯赤色、放射状の縞.が上部の中間部分にあり、縁で消え、長円状三角形、約長さ5㎝×幅4㎝、先は2裂。裂片は長さ6~7㎜、小さないぼがあり、基部に密に絨毛がある。花糸は長さ約1㎝。葯は長さ約1.8㎝。子房は球形。花柱は先が円蓋状。蒴果は淡緋色、球形、直径約2.5㎝、密に毛がある。花期は4~5月。
23 Alpinia zerumbet (Pers.) B.L.Burtt et R.M.Sm. ゲットウ 月桃
synonym Alpinia speciosa (J.C.Wendl.) K.Schum. var. longiramosa Gagnep.
synonym Alpinia speciosa (J.C.Wendl.) K.Schum.synonym Alpinia schumanniana Valeton
中国、台湾、インド、スリランカ、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン原産。中国名は艳山姜 yan shan jiang。 英名はshell ginger。
偽茎は高さ2~3m。葉舌は長さ5~10㎜、外側に毛がある。葉柄は長さ1~1.5㎝。葉身は披針形、長さ30~60㎝×幅5~10 ㎝、縁に毛がある以外は無毛、基部は漸尖形、先は尖鋭形で螺旋形の微突形。円錐花序は垂れ下がり、長さ30㎝以下、若いときには2個の長い鞘に包まれ、花序軸は紫赤色、ビロード状。枝はごく短く、花が1又は 2(又は3)個つく。小苞は花芽を包み、白色、先がピンク色、楕円形、長さ3~3.5㎝、無毛。 花柄は長さ1~2㎝。咢は白色、類鐘形、長さ約2㎝、片側で割れ、先に歯がある。花冠筒部は萼より短い。花冠裂片はミルキーホワイトで先がピンク色、長円形、長さ約3㎜。中裂片は側裂片より大きい。側仮雄しべは錐形、長さ約2㎜。唇弁は黄色で、紫赤色の縞があり、広卵状へら形、長さ4~6㎝、先はパリパリする。雄しべは長さ約2.5㎝。子房は黄金色、粗毛がある。蒴果は朱色、球形、直径約2㎝、うねがあり、先に宿存する咢をもつ。種子は角(かど)がある。花期は4~6月。果期は7~10月。2n=48。
品種) 'Variegata' (v) , 'Yu Hwa Ginger'
24 ハイブリッド
(1) Alpinia x ilanensis S.C.Liu et J.C.Wang ギランハナミョウガ 宜蘭花茗荷
台湾原産。中国名は宜蘭月桃。 ハナミョウガ(A. japonica)とプライスゲットウ(A. pricei)の自然交雑種。
(5) Alpinia x okinawensis Tawada クマタケゲットウ 熊竹月桃
栽培種。クマタケラン(A. formosana)とタイリンゲットウ(A. uraiensis)との交雑種。
参考
1) Flora of North AmericaAlpinia
Alpinia
ショウガ科植物ゲットウ、タイリンゲットウの有効利用に関する研究
Alpinia
チクリンカ
Alpinia purpurata (Vieill.) K.Schum.
前田正之 : 新品種キミノハナミョウガ
船越英伸 : 絶滅危惧1A類チクリンカ(ショウガ科)の正体
Alpinia
The Identity of Alpinia koshunensis Hayata (Zingiberaceae)