ハナキリン 花麒麟

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Flora of Mikawa

トウダイクサ科 Euphorbiaceae トウダイグサ属

中国名 铁海棠 tie hai tang
英 名 Christ's thorn , Crown of thorns , Christ Plant , Kiss me quick
学 名 Euphorbia splendens Bojer ex Hook.

 synonym Euphorbia milii Des Moul. var. splendens (Bojer ex Hook.) Ursch et Leandri

ハナキリン杯状花序
ハナキリン杯状花序2
ハナキリンの花3
ハナキリンの蕾
ハナキリンの茎
ハナキリン
ハナキリンの葉
花 期 通年
高 さ 20~90㎝
生活型 多年草
生育場所 栽培種
分 布 外来種 マダガスカル原産
撮 影 西尾市  18.6.29
ハナキリンはトウダイクサ科トウダイグサ属のマダガスカル原産の刺のある多肉植物。マダガスカルには多くの類似種がある。以前ハナキリンと呼ばれてきた「crown of thorns」Euphorbia milii Des Moulinsの正確な正体は、1826 年に最初に発表されて以来長い間謎のままであった。この名前は園芸業界ではさまざまな栽培品種の群れのハナキリン複合体に適用されていた。最近の研究により以前にハナキリンとされたEuphorbia miliiという学名は切形の葉を持つ植物に限定される。栽培で最もよく知られている植物(ハナキリン)には、Euphorbia splendens Bojer ex Hooker という復元された名前が付けられている。
 ハナキリン(E. splendens)はマダガスカル原産。中部のイメリナ高原北西部でのみ自然に生息する(生け垣として栽培もされている)と結論付けている。 E. splendensは低木で、杯状花序苞葉が赤色、黄色、およびいくつかの中間色があり、葉が多肉質ではなく、楕円形または倒卵形、無毛または葉の裏面に様々な程度の毛があると特徴づけられている。英名はCrown of Thorns, Christ Thorn, Christ Plant, Christ's Thorn。中国名は虎刺梅。別名はユーフォルビア・スプレンデンス。ハナキリン複合体(E. milii)に含められていたが、独立種に分けられた。世界中で広く観賞用に栽培されている。
 低木、高さ2mまで、直立し、塊根は無い。茎は多肉質、刺があり、太さ1~1.5cm、5~6肋があり、無毛。樹皮は褐色~帯灰色。若い枝は直径約8mm以下、刺は螺旋状または不明瞭な列でつき、刺盾(spineshields)上でなく、単独または3本以上の集団でつき、長さ16~25mm、灰色~褐色、基部が扁平になり、広がる。葉はほぼ無柄~有柄、枝の先には集まってつき、葉が大きく、中間以下には短い葉(卵形)が疎~ときに集まってつく。葉身は多肉質ではなく、楕円形または倒卵形、長さ約1.5~5(6)cm×幅0.8~2cm、明るい緑色、基部は漸尖し、縁は全縁、先は鈍形、微突形、中脈以外は葉脈はほとんど見えず、無毛または葉の裏面に様々な程度の毛がある。杯状花序は上部の葉腋につき、杯状花序(cyathia)は長い花序柄を持つ突出した2出集散花序(dichasia)に多数存在する。分岐部の苞葉は長さ2mm、膜質で目立たない。杯状花序苞葉は対につき、花弁状、赤色、黄色、およびいくつかの中間色があり、まれに白色もあり、長さ1~2cm。杯状花序は無柄、苞葉の中にある。杯状総苞はカップ形。腺は4個、付属体はない。果実と種子は見られず、記載されている種子は長さ3~4mm、帯褐色。乳白色の樹液は中程度の毒性があり、皮膚や目に触れると刺激を引き起こし、摂取すると、激しい胃痛、喉や口の刺激、嘔吐を引き起こす。花期は主に春~夏、1年中咲く。
 2変種に分類されていれるが、一般的には知られていない。

1-1 Euphorbia splendens var. andranovelonana J.-P.Castillon & J.-B.Castillon

1-2 Euphorbia splendens var. splendens
  synonym Euphorbia melanacantha Drake
  synonym Euphorbia platyacantha Drake in Bull. Mus. Hist. Nat. (Paris) 9: 45 (1903)
  synonym Euphorbia splendens var. betsileana Leandri

ハナキリン複合体(E. milii)

 Flolra of Chinaでは中国名は铁海棠 tie hai tang。Euphorbia splendens Bojer ex Hookerをsynonymとし、狭義のハナキリンである。
 低木、よじ登り、多数分枝し、高さ60~90㎝。茎は不明瞭な3~5角(かど)があり、密に刺がある。葉は互生、茎の先に束生する。托葉は刺になり、長さ1~1.3(~2)㎝。葉柄は無又はほぼ無。葉身は倒卵形~長楕円状倒披針形、長さ1.5~5㎝×幅0.8~1.8㎝、基部は漸尖、縁は全縁、先は円形。杯状花序(cyathia)は類頂生、2出集散花序、花序柄は長さ4~7㎝。杯状花序苞葉(cyathophyll)は2個、腎形状円形、長さ8~10㎜×幅12~14㎜、普通、明るい赤色(栽培種ではピンク色、白色、黄色)、先は円形。杯状体(杯状総苞 involucre)は鐘形、長さ3~4㎜×幅3.5~4㎜、裂片は5、披針形。腺は5個、腎円形、約長さ1㎜×幅2㎜、 黄赤色。雄花は多数、小苞は線形、先には軟毛がある。雌花は子房が平滑、無毛、普通、杯状体(杯状総苞)に包まれる。花柱は中間より下に合着する。柱頭は2裂。蒴果は3裂、卵形、約長さ3.5×幅4㎜、平滑で無毛。種子は卵状円柱形、約長さ2.5×幅2㎜、胚褐色、網状、カランクル(caruncle)は無い。花期、果期は通年[Flora of China]。
 低木、高さ1.5m、無毛、枝はまばら、長さ約5~20mmの尖った托葉刺がある。葉は互生し、早期に落葉し、上部の節にのみ存在し、倒卵形~へら形、長さ1.5~7(~12)cm、幅1~2(~4)cm、先は鈍形で小突起形、基部は楔形で沿下し、全縁、膜質、無毛。葉柄は不明瞭。杯状花序は腋生の集散花序につき、花序の枝と杯状総苞は無毛、小苞は帯赤色。腺は5個、卵形、肉質、付属体はない。蒴果は見られないが、まれに生成さる。ラミレス・ゴイエナによって栽培、登録された。マダガスカル原産。この栽培個体は、Flora Costaricensis では E. splendens として扱われていた。[Flora de Nicaragua]
 低木、直立し、多肉質、刺があり、円柱形で、樹皮は褐色~帯灰色。若い枝の直径は約8mm。とげは螺旋状または不明瞭な列をなし、刺盾(spineshields)上になく、単独または 3 本以上のグループでつき、長さ16~25mm、灰色~褐色。無毛。葉はほぼ無柄。葉身は倒卵状楕円形、約・長さ1.5~5cm×幅0.8~2cm、基部は細くなり、縁は全縁、先は鈍形で微突形、葉脈はほとんど見えない。杯状花序は長い花序柄を持つ突出した2出集散花序に数個つく。分岐部の苞は長さ2mm、膜質で、目立たない。杯状花序苞葉は対につき、赤色、黄色や白色など様々で、華やかな花弁状、長さ1~2cm。果実と種子は見当たらないが、種子は記載されており、長さ3~4mm、帯褐色[e-Flora of Thailand]。
 ハナキリン複合体(E. milii)は上記のようにEuphorbia splendens Bojer ex Hookerをsynonymとしていたが、類似種が多数あり、E. miliiの変種として多数が分類されてきた。最近の研究により、約10種が独立種とされ、Euphorbia splendens Bojer ex Hookerがハナキリンの学名として使われるようになった。
 ハナキリン複合体の他の種には以下の植物も含まれる。(1) Euphorbia betrokana Castillon & Castillon (= E. milii var.longifolia)、(2) Euphorbia bevilaniensis (= E. splendens var. bevilaniensis)、(3) Euphorbia hislopii Brown (= E. splendens var. hislopii)、(4) Euphorbia imperatae (Leandri ex Castillon & Castillon) Haev.& Hett.(= E. milii var. imperatae) 、(5) Euphorbia neobosseri Rauh (= E. milii var. bosseri)、(6) Euphorbia roseana (Marn.-Lap. ex Demoly) Castillon & Castillon (= E. milii var.roseana)、(7) Euphorbia splendens Bojer ex Hook.(= E. milii var. splendens)、(8) Euphorbia tananarivae (Leandri ex J.-P. Castillon & J.-B. Castillon) Haev.& Hett.(= E. splendens var. tananarivae) 、(9) Euphorbia tenuispina (Rauh & Razaf.) Castillon & Castillon (= E. milii var. tenuispina)、(10) Euphorbia vulcani (Leandri ex J.-P.Castillon & J.-B.Castillon) J.-P.Castillon(= E. milii var. vulcani)。

ハナキリン複合体から分けられた他種


(1) Euphorbia milii Des Moul. ユーフォルビア・ミリー
  synonym Euphorbia bojeri Hook.

  synonym Euphorbia bojeri var. mucronulata Ram.Goyena

  synonym Euphorbia milii var. breonii (Reider) Ursch & Leandri
  synonym Euphorbia milii f. lutea Leandri [花が黄色で小さい]
  synonym Euphorbia milii var. milii

  synonym Euphorbia splendens var. bojeri (Hook.) Costantin & Gallaud

 マダガスカル原産。中国名は铁海棠 tie hai tang。英名はcrown of thorns, Christ plant, Christ thorn。以前はユーフォルビア・ミリーはハナキリン(花麒麟)を含む複合体とされていた。現在では以前のEuphorbia milii var. miliiとf. lutea、Euphorbia bojeriが該当する。
 直立または這う。無毛で、枝分かれが多く、刺のある半多肉質の低木または亜低木、高さ60[30~150]cmまでになる。枝は円柱形または不明瞭な稜形で、太さ約1cm、帯灰色。茎葉は互生し、托葉があり、ほぼ無柄である。葉身は倒卵形~倒披針形、長さ1~6cmx幅0.5~2cm、先は鈍形、微突起、基部は細くなり、全縁、側脈は約 15対、上面は明るい緑色または暗緑色、下面はより淡い。托葉は刺でがあり、長さ1~2cm、別々の刺盾(spine-shields)から発生し、淡灰色。杯状花序は枝の先に腋生する花序柄のある集散花序につく。花序柄は長さ6.5cmまで。杯状花序は各集散花序に2~4(~8)個つき、それぞれに2枚の杯状花序苞葉(cyathophyllsまたはraylet-leaves)がある。杯状花序苞葉は横長の卵形(ovate-auborbicular=ovate-broader than long)、長さ4~8[10]mmx幅5~10mm、先は鈍形~円形、微突形、上面は緋色[濃赤色]、下面は帯ピンク色、または淡クリーム黄色[帯黄色]。腺は横長の卵形、丸く、ピンクがかったオレンジ色。果実は三葉虫形(trilobite)で、±円錐形、長さ3.5mm×幅4mm、±平滑、無毛、杯状花序内で熟す。花柱は基部で合着し、長さ約2mm、2分岐する。柱頭は太く、反り返る。種子は卵形、長さ2.5mm×幅2mm×厚さ1.75mm、疣状突起があり、褐灰色、種沈はない(Flora of Pakistan)。[]はEuphorbia bojeriとforma luteaから追加。
【Euphorbia bojeri】
 高さ約1.5mに達し、茂み状になる。茎は直立し、刺があり、枝分かれが多い。刺は硬く、真っ直ぐで、枝と直角につき、長さ15mmまで。葉は同じ株上で長円形と倒三角形の両方を持ち、微突形、上面は濃緑色、下面は淡緑色、長さ10~18mm×幅10~30mm、刺の長さの3倍以下。杯状花序苞葉(cyathophylls)は約・長さ8mm×幅10mm(幅が長さより長い)で、Des Moulins (1826) が記述した色の違いも見られる。
【 Euphoria milii forma lutea Rauh】
 亜低木、茎は刺があり、枝分かれが多く、背が低く、高さ30~50cm。枝は成長するにつれて強く斜生(plagiotropic)し、弓なりになり、樹皮は初め赤みがかり、後に灰色になり、直径0.5cm、平滑、多数の短葉と托葉刺がある。葉は枝と短枝 (brachyblasts)の先端に集まり、落葉性で、非常に短い葉柄がある。葉柄は長さ1mm。葉身: 頂葉は楕円形または長円形、長さ7~10mm×幅10~15mm、革質、先は鋭形、先端に小突起があり、上面は暗緑色、下面はより淡色、短枝の葉(brachyblast leaves)は類似しているがより小さく、より円形で、長さ10mm×幅10mm・以下、先はわずかに波形で、先端が小突起形。托葉刺は単純で、長さ1~1.5cm、細く、灰色で上部は赤褐色。花序はほぼ頂生、2出集散花序、長さ2~4cm、1~2回2股分岐し、2~4個の杯状花序を持ち、枝は粘着性があり、緑色または赤褐色。杯状花序苞葉は直立し、約・長さ10mm×幅7mm、上半部が広がり、横向きの楕円形、濃赤色または帯黄色で光沢がある。杯状花序は長さ約1mm。杯状花序の腺は5個、側面でほぼ接し、洋紅色。花柱は基部近くで3分岐し、各枝は先端近くで2分岐する。

(2) Euphorbia betrokana J.-P.Castillon & J.-B.Castillon ユーフォルビア・ベトロカナ

  synonym Euphorbia milii var. longifolia Rauh
 マダガスカル原産。マダガスカル中部の花崗岩の上に生える。種名は産地のマダガスカル南部の Anosy 地方にある丘陵都市Betrokaに由来する。ハナキリン複合体(E. milii)から分けられた種。
 枝は基部で太さ2cm以下、分岐する。葉は線形で長さ20cmx幅1cmまで、杯序花序苞葉は大きく、黄色。
 茂み状になり、基部から枝分かれして高さ約1mになり、枝は長さ80~100cm、ほぼ円柱形、太さ1.5~2cm、まれに再分枝し、最初は直立し、後に水平に曲がり、長さ0.5~3cmの多数の短芽を持ち、樹皮は灰色。托葉の刺は単刺、長さ1~1.5cm、基部はわずかに厚くなり、若いときは褐色、後に灰色~灰紫色になる。葉は枝の先端と短芽(brachyblasts)に密集し、主枝の葉は披針形、長さ10~20cm×幅0.8~1.5cm、非常に短い葉柄があり、先端には短い小突起があり、上面は無毛で、緑色~灰緑色、下面は淡緑色、無毛、主脈は強く隆起し、短芽の葉脈は長さ0.5~1cm×幅3~4mm。花序はほぼ頂生、単一または少数、共通の花序柄は長さ1~6 cm、太さ3~4mm、粘着性があり、赤みがかり、4~16(~32)個の杯状花序を持つ。杯状花序苞葉は長さ約7mm×幅8~9mm、開出し、先は円形、短い小突起があり、上面は黄色、下面は淡黄色。杯状花序は長さ3mm×幅2.5mm、わずかにつぼ形。杯状花序の腺は5個、横向きの舟形、黄色または橙黄色。雌花:子房は無毛、花柱は長さ2mm、下側の2/3は融合する。腺間の苞はくさび形で、上縁は密に歯状ふさ状へりを持つ。果実と種子は不明。
 ※ Euphorbia milii var. longifolia Rauh
 マダガスカルの中央地域の花崗岩の岩の上に生える。POWOではEuphorbia miliiのsynonym。
基部で枝分かれし、枝は太さ2cmまで。葉は線形、長さ20cm×幅1cm。杯状花序苞葉は大きく黄色。

(3) Euphorbia bevilaniensis Croizat ユーフォルビア・ベビラニエンシス

  synonym Euphorbia milii var. bevilaniensis (Croizat) Ursch & Leandri

 マダガスカル原産。マダガスカル南部のアノシ地区とアドロイ地区の間 の片麻岩上に生える。ハナキリン複合体(E. milii)から分けられた種。
 低木、高さ1.5~3mまで。枝は円柱形、蔓状に曲がる。シュートは直径約5mm。刺は真っすぐ、長さ1cm以下。葉は倒三角形、先は切形で、小突起形、基部は顕著なくさび形~漸尖形、ほぼ無柄または短い葉柄がある。杯状花序苞葉は赤色、腺は橙赤色。葯は濃黄色、杯状花序の杯は外側が緑色(GBIF)。

(4) Euphorbia hislopii N.E.Br. センリコウ 千里紅
  synonym Euphorbia milii var. hislopii (N.E.Br.) Ursch & Leandri
  synonym Euphorbia splendens var. hislopii (N.E.Br.) Leandri

  synonym Euphorbia splendens var. breonii Leandri ex J.-P.Castillon & J.-B.Castillon

  synonym Euphorbia splendens var. vulcani Leandri ex J.-P.Castillon & J.-B.Castillon

 原産地不明だが、マダガスカルか近隣の島々が原産である。英名はGiant Crown of Thorns。栽培のみで知られている。ハナキリン複合体(E. milii)から分けられた種。
 E. splendenti、Bojer は非常によく似ているが、茎の太さがほぼ2倍であること、葉が無柄で、基部が広楔形で漸尖形でなく、花序柄が短いことによって容易に区別できる。
 多肉質で刺のある茂みをつくり、高さ2mまで。幹または枝は(刺を除く)太さ2~2.5cm、8角(かど)があり、無毛、オリーブグリーン色またはグレーオリーブ色、角には粗い刺のある歯があり、刺は長さ0.5~1.5cm。葉は長い褐色、無柄、長さ5~9[12]cm、幅1.8~4cm、披針状長円形または狭楕円形、鈍形または鋭形、基部は広楔形、無毛、緑色。集散花序は枝の頂部に単生し、直立する。花序柄は長さ1~1.5cm、太さ2.3~2.5mm。鱗片状の苞は長さ2~3mm、ほぼ正方形または長円形、鈍形、膜質。花状花序苞葉は長さ5~6mm、幅0.8~1cm、幅が広く、横長の楕円形で、先は鈍い円形、微突があり、幅が広く、平滑、美しい赤色。杯状総苞は直径3.5~4mm、鐘形、無毛。腺は横長の楕円形、深紅色、5個ある。子房は短く、束生し、囲まれ、無毛。花柱は基部が自由、糸状、長さ2.5mm、赤褐色、先端が尖り、暗褐色(Kew Bull. 1913, p.304)。

(5) Euphorbia imperatae (Leandri ex J.-P.Castillon & J.-B.Castillon) Haev. & Hett. ユーフォルビア・インペラタエ

  synonym Euphorbia milii var. imperatae Ursch & Leandri ex J.-P.Castillon & J.-B.Castillon

  synonym Euphorbia splendens var. imperatae Leandri
 マダガスカル原産。マダガスカル東部の海岸林に生える。別名はマナテニア花キリン。ハナキリン複合体(E. milii)から分けられた種。
 小低木、高さ50cmまで。枝は細く、太さ5mm以下、刺は離れ、長さ1cm、基部が広がる。葉は卵形、長さ1~2cm、先が凹形。集散花序は小さく長さ2~3cm、2~4個の杯状花序がつく。杯状花序苞葉は黄色または帯赤色、ややピンクがかった色に退色する傾向がある。

(6) Euphorbia neobosseri Rauh ユーフォルビア・ネオボッセリ

  synonym Euphorbia milii var. bosseri Rauh
  synonym Euphorbia sakarahaensis Rauh
 マダガスカル原産。トゥリアラ州のサカラハ(Sakaraha)近郊に分布する。ハナキリン複合体(E. milii)から分けられた種。
 塊根をもつ多肉植物、高さ50cm以下。塊根は紡錘形、長さ5cm以下。茎は塊根から生じ、枝が分岐し、枝は長さ50cmまで、鋭く、細い刺が多数ある。葉は対生し、革質、倒披針形、全縁。花序は杯状花序苞葉が淡ピンク色~赤褐色~黄色(primrose yellow)。杯状花序であり、中央の1個の雌花の周りを5個の雄花が取り囲む、杯形の杯状総苞に下部を囲まれる。

(7) Euphorbia roseana (Marn.-Lap. ex Demoly) J.-P.Castillon & J.-B.Castillon ユーフォルビア・ロゼアナ

  synonym Euphorbia milii var. roseana Marn.-Lap. ex Demoly
 マダガスカル南部中央部のゾンビツィ森林(Zombitsy forest)の日陰の地域に生息する。ハナキリン複合体(E. milii)から分けられた種。中国名は袖珍白虎刺 xiu zhen bai hu ci。Euphorbia fanjahiraensis は似た色の杯状花序があるが、はるかに大きくて直立し、Isalo 山脈全体の片麻岩の露出した場所に生育する。
 落葉性の多肉植物。比較的小型で、茂みになり、傾伏し、マウンドを作り、枝分かれが多く、高さ30~100cmまで成長し、枝は直立し、刺がある。葉は主に新芽に現れ、長さ9cm×幅2.5cm・まで、倒披針形~披針形、明るい緑色。花序は2出集散花序。杯状花序苞葉(cyathophylls)は花弁状、小さく、縁はしばしば反り返って重なり合わず、淡黄色~赤色、そして様々なピンク色になる。花期は主に春~夏、一年中咲く。

(8) Euphorbia splendens Bojer ex Hook. ハナキリン 花麒麟 再掲

 synonym Euphorbia milii Des Moul. var. splendens (Bojer ex Hook.) Ursch et Leandri

(9) Euphorbia tananarivae (Leandri ex J.-P.Castillon & J.-B.Castillon) Haev. & Hett. ユーフォルビア・タナナリバエ

  synonym Euphorbia splendens var. tananarivae Leandri ex J.-P.Castillon & J.-B.Castillon

 マダガスカル中央部に分布。中国名は黄苞铁海棠。生け垣植物として栽培のみで知られる。ハナキリン複合体(E. milii)から分けられた種。
 E. 亜属 Euphorbia 節 Goniostema に属し、低木状でまれに分岐する習性、太い茎と直径約1cm杯状花序苞葉で E. hislopii に類似するが、次の特徴で区別される。: 花序の杯状花序の数は最大16個 ( E. hislopii では最大64個)、杯状花序苞葉は黄色 ( E. hislopiiでは赤色)、托葉の刺は基部が拡大していないか、たはわずかに拡大しているだけ ( E. hislopii では拡大し、側部が扁平になる)、葉の基部裏側に毛が生える ( E. hislopii では葉の裏側は無毛)。この種は E. splendens Bojer ex Hook にも類似している。葉は似ているが、基部の裏面に毛があり(E. splendens では毛がないこともある)、托葉の刺は基部が太くならない。茎は太く直径3cmにもなり(E. splendens では直径1~1.5cmのみ)異なる。
 亜低木、草本植物、基部で分枝するが、ほとんど再分枝せず、直径約1~2m、高さ約70cmになる。枝は半直立~広がり、太さ3cmまで、樹皮は灰色、上部に少数の短枝(brachyblasts)が有または無。葉は枝先または少数の短枝にのみ生える。葉は落葉性、非常に短い葉柄がある。葉柄は長さ2mm。葉身は楕円状倒卵形、基部は葉柄に向かって次第に細くなり、先鈍形ではない。枝先の葉は長さ3~6(~10)cm×幅2~3(~4)cm。短枝の葉は長さ1~2cm×幅0.8~1.5cm、上面は無毛、緑色、下面は淡緑色、基部近くと主脈の上に小さな白色の毛があり、先は円形、短い小突起がある。托葉の刺は長さ1~1.5cm、基部は大きくならないかまたはわずかに大きくなり、ときに基部半分に2次刺がある。花序はほぼ頂生、各枝に1~2個つき、2出集散花序、長さ4~6cm、2~4回2叉分岐し、4~16個の杯状花序を持つ。枝は粘着性があり、赤褐色(栽培種ではより淡色)で、花序の苞は鱗片状で非常に小さく、早落性。杯状花序苞葉は約・長さ10mm×幅10mm、上部は広がり、横長の楕円形、先は丸く、小突起があり、無毛、淡黄色~暗黄色、ときに縁は赤みがかる。杯状花序は直径3mm、両性、杯状花序と杯状花序苞葉は直立し、杯状花序は約・長さ3mm×幅4mm。杯状花序の腺は帯緑色~汚黄色。腺間の苞は長さ1mm×幅1mm。雄花は小花柄が長さ2~3mm。花糸は長さ1~2 mm。雌花は直立し、心皮は3個。子房は長さ1mm×幅1.5mm、無毛。花柱は長さ1~2mm、合着する。果実と種子は不明。

(10) Euphorbia tenuispina (Rauh & Razaf.) J.-P.Castillon & J.-B.Castillon イモハナキリン 芋花麒麟

  synonym CEuphorbia milii var. tenuispina Rauh & Razaf.

  synonym Euphorbia milii var. tulearensis Ursch & Leandri ユーフォルビア・トゥレアレンシス

 マダガスカル南部 (イホシとイサロ周辺の山岳地帯)~マダガスカル南西部 (トゥリアラ)に分布。中国名は细刺铁海棠。茎の基部に大きな塊根をもつ。別名はユーフォルビア・テヌイスピナ。塊根の無いハナキリンと混同されている。ハナキリン複合体(E. milii)から分けられた種。
 非常に細い棘があり、基部は塊根があり、太く球根状になる。synonymとされるトゥレアレンシスは超小型で塊根があり、葉縁が縮れ、細い棘は長さ1cm以下、杯状花序苞葉が鮮やかな赤色。
 塊根をもつ低木状の多肉植物で、直立すると高さ1m、下垂すると長さ1.8mになる。枝は4角(かど)があり、太さ5~10(~15)mm、オリーブグリーン色、まだらまたは斑入りで、角に沿って暗色になる。角には1~2.5(~3)cm間隔で、非常に浅い~目立つ歯がある。刺は帯黒色、刺盾(spine-shields)は細く刺の上部で長さ3~6mmで、下の花芽のすぐ上までまたは花芽に触れるまで沿下する。刺は長さ2~12(~15) mm、小刺は長さ2~6mm。葉は卵形、約・長さ6cm×幅2cm、明るい緑色。集散花序は単生、1叉、ほぼ無柄。苞はほぼ方形で長さ1.5mm。雄花:小苞はへら形、歯がある。杯状花序苞葉(cyathophylls)はときに黄色になる。雄しべは長さ4mm。杯状花序は長さ2~3mm×幅4.5~6mm。杯状総苞は漏斗形。腺は横長の長方形、約・長さ1mm×幅2.5mm、 隣接し、黄褐色。裂片は横長の楕円形、約・長さ1mm×幅1.5mm。蒴果は長さ2mmの小花柄があり、突き出ており、鈍く3裂し、約・長さ3.5mm×幅5.5mm。雌花:花柱は長さ1.8mm、基部で合着し、先端は厚くなり、しわがある。種子はほぼ球形で、直径2mm、褐色、疣状突起がある。[Plants Of the World Online Portal - FTEA]

(11) Euphorbia vulcani (Leandri ex J.-P.Castillon & J.-B.Castillon) J.-P.Castillon ユーフォルビア・ブルカニ

  synonym Euphorbia splendens var. vulcani Leandri ex J.-P.Castillon & J.-B.Castillon

 マダガスカル南部の中央部 (ベタフォとアンバトフィナンドラハナの間)に分布。Euphorbia tananarivaeに似るが花序が長く約20cmある(Euphorbia tananarivaeは花序が長さ5~10cm)。ハナキリン複合体(E. milii)から分けられた種。
 枝は太さ2cm(刺を含めず)。葉は青緑色で大きく、長さ20cm×幅5cmまで。刺は長さ約1cm、10列に並ぶ。花序は長く、長さ約20cm、4回分岐する。
【品種等】
 ハナキリン複合体の園芸品種とされていたものであり、ほとんどがハナキリン(E. splendens)の園芸品種と考えられる。
品種) '1201Zeu' (PBR) , '1202af' (PBR) , '1203he' (PBR) , '1204eu' (PBR) ,Aalbaumle' , 'Achilles' ,' Adonus' (PBR) , 'Almiros' (PBR) , 'Antafikiensis'(杯状花序苞葉が黄白色、杯状花序が緑色。葉は暗緑色) , 'Ares' , Athena' (PBR) , 'Atlas' (PBR) , 'Aureovariegata' , 'Beauty Star' , 'Breon' , 'Brushfire' , Butterfly' , 'Copper Red' , 'Denise' , 'Dinni' (PBR) , 'Dione' , 'E0951' (PBR) , E1081' (PBR) , 'Eos' (PBR) ,'Finiki' (PBR) , 'Fl 1' (PBR) , 'Fl 2' (PBR) , 'Golden Gem'(花はstrawberry-red、葉は斑入り) , 'Giant Christ Thorn'(大基督虎刺梅) , 'Hebe' (PBR), 'Hera' , 'Hermes' (PBR) , 'Hektor (PBR) , 'Hjor045' , 'Hjortapol' (PBR) , 'Hjor048' (PBR) , 'Jason' (PBR) , 'Jupiter' (PBR) ,'Karola' , 'Kastoria' , 'Keysii'(大麒麟花) , 'Killini' , 'Koenigers' , 'Kristoni' , 'Kronos' , 'Lemon Drops', 'Lena' , 'Lutea'(小黄花虎刺梅) , 'Maia' , 'Manee Jintana'(马尼金塔纳虎刺梅) , 'Miliiana Rosso' , 'Millionaire' , 'Milos' , 'Milene' , 'Miliiana Rosata' , 'Minerva' (PBR) , 'Pallas' , 'Pallas Athene ', 'Pandora' (PBR) , 'Pearl' ,'Pink Floyd' , 'Pos 05' (PBR) , Rb 0105' , 'Rhea' (PBR) ,'Rheia' , 'Rosalie' , 'Rosy' , 'Ruby', 'Saturnus' (PBR) ,'Solon' (PBR) , 'Sunshine' , 'Thai Hybrid' , 'Thira' , 'Twincoral' , 'Variegata'(v)[花叶铁海棠] , 'Vemidas' (PBR) , 'Venus' (PBR) , 'Vesta'(PBR) , 八福神 , はなこ , なな , ムーンキッス