ハッカ②  薄荷

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Flora of Mikawa

シソ科 Lamiaceae ハッカ属

中国名 薄荷 bo he
英 名 American corn mint , Canadian mint , Chinese mint , Japanese mint , Japanese corn mint , Japanese peppermint
学 名 Mentha canadensis L.
Mentha canadensis L. var. piperascens (Malinv. ex Holmes) H.Hara (狭義)
Mentha arvensis L. var. piperascens Malinv. ex Holmes
Mentha arvensis L. var. formosana Kitam.
ハッカ花序
ハッカ花
ハッカ苞
ハッカ萼
ハッカ萼
ハッカ果実
ハッカ茎
ハッカ
ハッカ分果
ハッカ萼
ハッカの葉表
ハッカの葉裏
花 期 8~10月
高 さ 30~60㎝
生活型 多年草
生育場所 草地、やや湿った場所
分 布 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム
撮 影 豊橋市  15.11.12
水辺に生えていたもの。全体に曲がった毛があり、葉柄が仮輪より短い。葉の幅が狭く、先が尖る。萼は長さ約3㎜。萼歯は長さ約1㎜、ほぼ正三角形、先が細く尖る。雄しべは花冠から突き出ないが、果実はよく結実する。ハッカの香りが強い。葉柄がやや短く、萼歯が正三角形であるが、先が鋭くやや細くなるため、ハッカと判断した。
 ハッカ Mentha canadensis (American corn mint , Japanese pepermint)は根茎があり、多年草。茎は直立し、高さ30~60(10~80)㎝、軟毛(又は短毛)があり、多数分枝する。葉柄は長さ2~10(5~25)㎜。葉身は卵状披針形~長楕円形(線形~披針形)、長さ3~5(7)㎝、幅0.8~3㎝(茎の先で小さくなる)、軟毛があり、基部は楔形~円形、先は(普通)鋭形、(円鋸歯縁~鋸歯縁)、(葉裏は脈が明瞭で、短毛がある)。輪散花序は葉(苞葉ではなく、蓋葉と、花序柄と花序の境に2個の小さな苞葉がつく場合があり、つかないこともある)に腋生し、球形、直径約1.8㎝、他段の離れた仮輪となる。花序柄は長さ0~3㎜。小花柄は細く、長さ約2.5㎜。萼は筒状鐘形、長さ約2.5(1.5~3)㎜、外面に軟毛があり、腺点があり、不明瞭な10脈がある。萼歯は狭三角状錐形、 先は尖鋭形、長さ約1㎜。花冠は帯紫色~ピンク色~白色、長さ約4(4~7)㎜、軟毛がある。上側の裂片は大きくて2裂し、下側の裂片3個はほぼ同形で、楕円形、鈍頭。雄しべは長さ約5㎜。分果は黄褐色、表面に小さい穴がある。2n=96。(Flora of China、()内はJepson eFlora)2n=96
●ヨウシュハッカ Mentha arvensis L. (field mint, corn mint ,wild mint)はヨーロッパ、アジアの中央~西部、インド、ネパールに分布する。ヨーロッパ原産で栽培していたものが北アメリカで野生化している。U.S.A.内ではMentha canadensisと同種として扱われ、Mentha canadensisを指す解説のものが多い。ヨーロッパ原産のものはvar. arvensisとして区別されていた。
 平地の湿った場所に生える。茎は高さ10~50㎝。葉は長さ2~4(8)㎝、葉柄は長さ3~8㎜、葉身はしわが無く、普通、卵形(~長楕円状披針形)、(鋭い)鋸歯縁、先は鋭形。花序は葉腋につき、苞はわずかか又は無い。萼は長さ1.5~2.5㎜、普通、無毛又は萼歯に縁毛がある。(萼は正3角形、短毛があり、萼歯は筒の1/3~1/4長)。花冠は長さ2.5~3.5㎜、白色~ピンク色~紫色。ときに完全雄性不稔になる。2n=72。
●ハッカとヨウシュハッカの特徴は次のとおり
  ハッカ(2n=96)
    ①葉が卵状披針形~長楕円形
      (北アメリカ産は線形~披針形)
    ②葉柄が長いものが多い、
     長さ2~10㎜(北アメリカ産5~25㎜) 
    ③萼歯は狭い三角形で、先が細くなる。
  ヨウシュハッカ(2n=72)
     ①葉が卵形
    ②葉柄がやや短い、長さ3~8㎜
    ③萼歯は正三角形で、先が細くなならない