ゴンズイ 権萃

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Flora of Mikawa

ミツバウツギ科 Staphyleaceae ミツバウツギ属

別 名 ゴゼノキ
中国名 野鸦椿 ye ya chun
学 名 Staphylea japonica (Thunb.) Mabb.
 synonym Euscaphis japonica (Thunb.) Kanitz
ゴンズイの花
ゴンズイの果実
ゴンズイの裂開した果実
ゴンズイの葉の鋸歯
ゴンズイの若い幹
ゴンズイ
ゴンズイ複葉
ゴンズイ小葉表
ゴンズイ小葉裏
花 期 4~6月
高 さ (2~)3~6(~8)m
生活型 落葉小高木
生育場所 山の谷間、開いた林内
分 布 在来種  本州(関東地方以西)、四国、九州、朝鮮、中国、ベトナム
撮 影 三ヶ根山  11.7.15 果実 04.9.23
和名の由来はもろくて材木にならないため、役に立たない魚のゴンズイの名をつけたといわれている。学名はゴンズイ属(Euscaphis)からミツバウツギ属(Staphylea)に変更された。
 落葉小高木または低木、高さ(2~)3~6(~8)m。樹皮は灰褐色(黒褐色)、縦に縞模様がある。小枝と芽は暗紫色。枝は無毛になる。葉は対生し、奇数羽状複葉、葉軸が淡緑色、長さ(8~)12~32㎝。托葉は線形、直軟毛があり、基部は広く、先は先細。小葉は5~9個(2~4対)、まれに3~11個(1~5対)、砕くと不快な臭いがある。小葉柄は長さ1~2㎜、無毛になる。小葉の葉身は楕円形から長円状卵形、またはときに、長円状披針形、まれに卵形、長さ4~6(~9)㎝×幅2~3(~4)㎝、紙質、脈に沿って無毛または直軟毛があり、上面は緑色、下面は淡色、主脈は上面で凹み、下面で明瞭、側脈は8~11対、両面で明瞭、基部は広くさび形~円形、縁はまばらに小鋸歯があり、歯に腺があり、先は尖鋭形。花序は頂生の円錐花序、長さ21㎝以下。花は小さく、黄白色(黄緑色)、直径は4~5㎜。小花柄は長さ約2mm。萼片は5個、楕円形、長さ約2㎜、基部は統合し、縁に縁毛があり、先は鈍形。花弁は5個、黄緑色、倒卵形、萼片よりわずかに長い。雄しべは5本、花弁より短い。葯は楕円形。子房は卵形、心皮は3個、分離または基部がわずかに合着。袋果は長さ1~2㎝、1~3室。果皮は柔らかい革質、赤褐色で不規則な肋がある。種子は1~2個、光沢がある黒色、ほぼ球形、直径約5㎜。仮種皮は肉質。花期は4~6月。果期は8~11月。

ゴンズイ属(ミツバウツギ属に統合された)

  family Staphyleaceae - genus Euscaphis

 落葉性の小高木または低木。冬芽は2個の芽鱗を持つ。葉は奇数羽状複葉、対生する。托葉は早落性。小葉は類革質、小葉柄があり、縁は小鋸歯がある。花は両性、頂生の円錐花序につく。萼片は5裂、宿存性、覆瓦状。雄しべは5本、花盤の縁につく。花糸は基部で拡大する。花盤は環状、縁は波打つ。子房は上位。花柱は分離、わずかに基部で統合する。柱頭は頭状。袋果は1~3室、萼片が宿存する。種子は1室あたり1または2個、 薄い白色の革質の仮種皮に包まれる。子葉は円形。
 世界に1種だけあり、東アジアに分布する。

ゴンズイ属の主な種と園芸品種

1 Euscaphis japonica (Thunb.) Kanitz ゴンズイ 権萃
  synonym Staphylea japonica (Thunb.) Mabb.
  synonym Euscaphis saponica Pax
  synonym Sambucus japonica Thunb.
  synonym Euscaphis tonkinensis Gagnep.
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国、ベトナム原産。中国名は野鸦椿 ye ya chun。別名ゴゼノキ。山の谷間、開いた林に生える。
 落葉小高木または低木、高さ(2~)3~6(~8)m。樹皮は灰褐色(黒褐色)、縦に縞模様がある。小枝と芽は暗紫色。枝は無毛になる。葉は対生し、奇数羽状複葉、葉軸が淡緑色、長さ(8~)12~32㎝。托葉は線形、直軟毛があり、基部は広く、先は先細。小葉は5~9個(2~4対)、まれに3~11個(1~5対)、砕くと不快な臭いがある。小葉柄は長さ1~2㎜、無毛になる。小葉の葉身は楕円形から長円状卵形、またはときに、長円状披針形、まれに卵形、長さ4~6(~9)㎝×幅2~3(~4)㎝、紙質、脈に沿って無毛または直軟毛があり、上面は緑色、下面は淡色、主脈は上面で凹み、下面で明瞭、側脈は8~11対、両面で明瞭、基部は広くさび形~円形、縁はまばらに小鋸歯があり、歯に腺があり、先は尖鋭形。花序は頂生の円錐花序、長さ21㎝以下。花は小さく、黄白色(黄緑色)、直径は4~5㎜。小花柄は長さ約2mm。萼片は5個、楕円形、長さ約2㎜、基部は統合し、縁に縁毛があり、先は鈍形。花弁は5個、黄緑色、倒卵形、萼片よりわずかに長い。雄しべは5本、花弁より短い。葯は楕円形。子房は卵形、心皮は3個、分離または基部がわずかに合着。袋果は長さ1~2㎝、1~3室。果皮は柔らかい革質、赤褐色で不規則な肋がある。種子は1~2個、光沢がある黒色、ほぼ球形、直径約5㎜。仮種皮は肉質。花期は4~6月。果期は8~11月。
1-1 Euscaphis japonica (Thunb.) Kanitz f. eburnea T.Yamanaka  シロゴンズイ 
  synonym Staphylea japonica f. eburnea (T.Yamanaka) H.Ohashi
1-2 Staphylea japonica (Thunb.) Mabb. f. lanata (Masam.) H.Ohashi  タネガシマゴンズイ
  synonym Euscaphis japonica (Thunb.) Kanitz var. lanata Masam.
  synonym Staphylea japonica f. lanata (Masam.) H.Ohashi
  synonym Euscaphis japonica (Thunb.) Kanitz f. lanata (Masam.) K.Iwats. et H.Ohba

参考

1) Flora of China
 Euscaphis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=112434
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Euscaphis japonica f. lanata (Masam.) K.Iwats. & H.Ohba
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:1014289-1
 Staphylea
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:36585-1
3) World Flora Online
 Euscaphis
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000014316
4) World Checklist of Vascular Plants (WCSP)
 Euscaphis
https://wcvp.science.kew.org/