グラジオラス・ヌーベルモーヴ

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Flora of Mikawa

アヤメ科 Iridaceae グラジオラス属

英 名 large brown Afrikander(Gladiolus grandis)
学 名 Gladiolus 'Nouvelle Mauve'
 synonym Gladiolus hybrid
グラジオラス・ヌーベルモーヴの花
グラジオラス・ヌーベルモーヴの花2
グラジオラス・ヌーベルモーヴの雌しべ
グラジオラス・ヌーベルモーヴの葉
グラジオラス・ヌーベルモーヴ
グラジオラス・ヌーベルモーヴ花序
グラジオラス・ヌーベルモーヴ花茎
花 期 2~5月
高 さ 30~80㎝
生活型 多年草
生育場所 園芸種
分 布 外来種  南アフリカ(ケープ州)原産
撮 影 安城デンパーク  25.4.16
グラジオラス・ヌーベルモーヴはアヤメ科グラジオラス属の春咲きのハイブリッド栽培種であり、スプリング・グラジオラスの1種。'Regina'レッジーナ(高さ約70cm、濃紫色に白い覆輪)に似ているが小型。
 スプリング・グラジオラスはグラジオラス・ナヌス(Gladiolus Nanus:4~5月咲きの矮性早咲き品種)、Colvillei-Ramosus-Insignisセット、ヘラルド・グラジオラス(Herald Gladioli)、グラジオラス・トゥベルゲニ(Gladiolus Tubergeni)を含んだ冬~春咲き種の総称である。ヘラルド・グラジオラスは早い夏咲きである。ミニチュア・グラジオラス(Miniatures Gladiolus)は夏咲きにも使われ、グラジオラス・ナヌスの名は現在では夏咲きを含めて広義に小型種に使われている。
 冬期生育型グラジオラスは冬が雨期で、夏が乾燥期となる南アフリカの南部のケープ州を中心に分布し、春咲きグラジオラスと呼ばれ、ケープ地方に150種以上あると言われている原種のグラジオラス。早咲きグラジオラスは、これらを元に交配して作られたケープハイブリッド・グラジオラス(Cape hybrids Gladiolus)とも言われる。今まで春咲きグラジオラスとして売られてきた品種に比べて、はるかに耐寒性と耐病性が強く、作りやすい点が特徴である。中でもGladiolus tristis L.(グラジオラス・トリスティス)は性質強健な原種で、古くから交配に使用されている。最近、多くの春咲き系統の交配親にされ、色が豊富な様々な新しいスプリング・グラジオラスが作り出されている。スプリング・グラジオラスは別名、春咲きグラジオラス、早咲きグラジオラスといい、秋に球根を植えて、春に花が咲く。tristis系の栽培品種は英名がGladiolus tristis hybrids, Night-Scented Gladiolaである。Gladiolus tristis以外の原種系のグラジオラスは多数ある。高さ20~30cmの矮性種も多い。葉の幅が夏咲種と同じ広い幅の剣形もあるが、棒状~糸状の細いものも多い。花は夏咲きの品種に比べ花が小さく、花数が少なく、花形は漏斗形、長~短筒形、鐘形、ラン形、スプーン形など様々、色も多彩で赤色、橙色、黄色、白色、青色、紫色、クリーム色、ピンク色、パステル調のやわらかな色彩もある。花期は冬~春であり、気温が低いときに花が咲くので、夏咲きの3倍くらいの長さで花が長く持つ。芳香をもつものも多い。
1 冬~春咲き原種
  Gladiolus abbreviatus アブレヴィアトゥス(冬~春咲き、赤色~オレンジ色)、Gladiolus angustus アングストゥス(4~6月咲き、クリーム色に赤色の班)、Gladiolus aureus アウレウス(冬~春咲き、黄色)、Gladiolus blommesteinii ブロムメステイニー(春咲き、淡藤ピンク色~淡い青藤色)、Gladiolus bullatus ブラートゥス(冬~春咲き、鐘形、青色~紫色)、Gladiolus cardinalis カルディナリス(5~6月咲き、赤色)、Gladiolus carneus カルネウス(5月咲き、淡ピンク色)、Gladiolus caryophyllaceus カリオフィラセウス(冬~春咲き、ピンク色、藤色、またはクリーム色)、Gladiolus ceresianus ケレシアヌス(春咲き、ラン状花)、Gladiolus debilis デビリス(春咲き、白色に赤色斑紋)、Gladiolus dubius ドゥビウス(4~5月咲き、ピンク色またはフクシア色)、Gladiolus ecklonii エックロニー(2~5月咲き、ピンク色~紫色~赤色で細かい斑点がある)、Gladiolus exilis エキシリス(冬~春咲き、淡青色~帯白色)、Gladiolus gracilisグラシリス(冬~春咲き、淡青色~灰色、まれにピンク色または鈍黄色)。Gladiolus guthriei グスリエイ(冬咲き、白色に赤色縞班)、Gladiolus hirsutus ヒルストゥス(4~5月咲き、ピンク色~藤色)、Gladiolus huttonii フットニー(冬~春咲き、橙赤色)、Gladiolus involutus インボルトゥス(2~3月咲き、白色)、Gladiolus italicus イタリクス(4~5月咲き、紫色)、Gladiolus kamiesbergensis カミエスベルゲンシス(春咲き、斑点のある淡青ライラック色)、Gladiolus liliaceus リリアセウス(2~6月咲き、淡黄色、ピンク色、紫色)、Gladiolus longicollis ロンギコリス(春~初夏咲き、クリーム色)、Gladiolus meliusculus メリウスクルス(冬~春、矮性、橙色)、Gladiolus meridionalis メリディオナリス(1月頃、ピンク色~クリーム色)、Gladiolus miniatus ミニアトゥス(春咲き、サーモンオレンジ色)、Gladiolus orchidiflorus オーキッディフロールス(冬~春咲き、ラン状花、灰緑色~鈍紫色)、Gladiolus oppositiflorus オポシティフロールス(サーモン色咲き、5~6月)、Gladiolus permeabilis ペルメアビリス(晩冬~春、白緑色がかったクリーム色、鈍青灰色、鈍紫色、黄褐色)。Gladiolus priorii プリオリー(秋~冬咲き、橙色)、Gladiolus pritzelii プリッツェリー(春咲き、黄色、鐘形)、Gladiolus rogersii ロゲルシー(1~5月咲き、青色~紫色、鐘形)、Gladiolus saccatus サッカトゥス(冬~春咲き、赤色、スプーン形)、Gladiolus scullyi スカリィ(3月咲き、淡黄色)、Gladiolus trichomenifolius トリコネミフォリウス(キトリヌス)(冬~早春咲き、クリーム色~黄色)、Gladiolus tristis トリスティス(3~4月咲き、白色~淡黄色)、Gladiolus uysiae ウイシアエ(ウイジアエ)(2~4月咲き、ラン状花)、Gladiolus venustus ヴェヌストゥス(2~4月咲き、黄色と紫色)、Gladiolus violaceolineatus ヴィオラケオリネアトゥス(早春花、淡青色、3稜形葉)、Gladiolus virescens ヴィレスケンス(早春咲き、帯黄色またはピンク色、ラン状花)、Gladiolus virgatus ヴィルガトゥス(4月咲き、ピンク色)、Gladiolus watermeyeri ワテルメイエリ(冬~春咲き、栗色の目立つ縞がある緑がかったクリーム色~白色)、Gladiolus watsonius ワトソニウス(冬~早春、橙赤色~緋色)
2 ハイブリッド品種
2-1 Gladiolus × colvillii Sweet [Gladiolus Colvillei] グラジオラス・コルビリー
古くからあるG. cardinalisとG. tristisの交配種であり、Gladiolus Nanusの1種。夏咲きグラジオラスの交配親にもなっている。花期は4~5月。
品種) 'Albus'(花は白色、葯が淡ピンク色) , 'The Bride'(純白)
2-2 Gladiolus Tubergeni グラジオラス・トゥベルゲニ
 G. tristis ×[G. × Herald]、春咲き。
品種) ‘Bibi’, 'Charm'チャーム(ピンク色、下部に白班) , 'Charming Beauty'チャーミングビューティー, 'Charming Henry'チャーミングヘンリー , 'Charming Lady'
2-3 Gladiolus tristis hybrids  Night-Scented Gladiola
 green hybridsともいわれる。茎は高さ60cm以上になり、株立ちする。花期は4~5月。耐寒、最低気温3.8℃。花はアイボリーグリーンでかすかな赤褐色の斑紋がある。夜にスイートアーモンドの香りを放つ。葉は非常に繊細でイグサ状。
2-4 Gladiolus carinatus × tristis
 淡い紫色の点描と縞模様が入った美しい白い花を咲かせる。
2-5 Gladiolus huttonii × tristis
 花期は4~5月。全体は G.tristisに似る。高さ60cm。花はやや2唇形、フード状の背花被片を除き、先が鋭形。上側の花被片は地色が黄色~薄黄色、先が赤色で中心部に向かって薄くなる。上側のフード状の背花被片は前向きに突き出し、側花被片は大きく、広がる。下側の花被片は上側の花被片より小さく、ほぼ黄色~薄黄色で先だけが赤色。
2-6 Gladiolus meliusculus × tristis
 花期は春。矮性のG. meliusculusの形質をもち、パステルカラーの花が中程度の長さの花茎につく。
2-7 Gladiolus tristis × rogersii
 花期は春。花は薄ピンク色、花被片の縁が紫色になり、細かい斑点がある。
2-8 Gladiolus rogersii × carneusu
 花期は春。花はやや開いた鐘形、薄ピンク色、下側花被片の中央に横向きの赤色の幅広の帯状の斑紋と、小さい菱形の斑紋がある。
2-9 Gladiolus rogersii × debilis
 花はやや開いた鐘形、薄ピンク色、下側花被片の中央に横向きの紫色の帯状の斑紋と、細かい斑点がある。
2-10 Gladiolus alatus × rogersii
 花はやや開いた鐘形、ピンク色、下側花被片の中央に横向きの紫色の帯状の斑紋があり、その下部は淡色になり、細かい斑点がある。
2-11 Gladiolus citrinus(trichomenifolius) × rogersii
 花期は冬~春。花は開いた鐘形、薄紫色、中心部は紫褐色。下側花被片の中央が黄色くなる。
2-12 Gladiolus exilis × Gladiolus priorii
 花は2唇形、濃ピンク色、花被片の先は尖る。上側の花被片はフード形、左右の側花被片は左右に開き、先端は小突起形、捻じれる。下側の3花被片は幅が狭く、側花被片は下部が白色になり、濃ピンク色の斑点が目立つ。
2-13 Gladiolus tristis × (gracilis × priorii)
 グラシリス × プリオリーがクリーム色の花を咲かせる丈夫なグラジオラス・トリスティスと交配された。その結果生まれた品種はグラジオラス・トリスティスの大きさと基本的な色を持つが、濃いマゼンタ色の線、点、脈が見られる。
2-14 その他ハイブリッド
品種) 'Addie'アディー(高さ60~80cm、赤色、披針形の白班) , 'Ankennamesen'アンケナメーセン , 'Black Spot'ブラックスポット , 'Bonsoir'ボンジュール(高さ約60cm), 'Bonsoir'ボンソワール , 'Cape Rouge'ケープルージュ, 'Cat's eye'キャッツアイ(高さ約60cm、芳香がある) , 'Charming Beauty'チャーミングビューティー(Gladiolus Tubergeni) , 'Cleopatra'クレオパトラ , 'Concerto'コンチェルト, 'Daruka'ダルーカー , 'Dancing Girl'ダンシングガール(高さ20~30cm、小輪), 'Devitoria'デビトリア , 'Galaxian'ギャラクシアン(上部が暗赤色、下部が白色) , 'Hatshepsut' ハトシェプスト , 'Pluto'プルートゥ , 'Proxyon'プロキシオン , 'Fontainebleau'フォンティーヌブロー(高さ約60cm), 'Isis' イシス , 'Jupiter'ジュピター , 'Sirius'シリウス , 'Mars'マーズ , 'Mona Lisa'(高さ約40cm), 'Moonlight'ムーンライト, 'Nefertiti'ネフェルティティ , 'Neferulah'ネフェルーラー, 'Neptune'ネプチューン , 'Nouvelle Mauve'ヌーベルモーヴ(高さ20~30cm), 'Nefertari'ネフェルタリ , 'Tristis Pink'トリスティス ピンク , 'Red Star'レッドスター , 'Regina'レッジーナ(高さ約70cm、濃紫色に白い覆輪) , 'Ryo'リョウ , 'Saturn'サターン , 'Sessions'セッション, 'Southern Cross'サザンクロス(高さ50~60cm、芳香がある), 'Sister'シスター(高さ約20cm), 'Jun'ジュン , 'Sheshetty'シェシェティ , 'Titan'タイタン , 'Uranus'ウラヌス(ユラナス) , 'Venus'ヴィーナス , 'Vintage 'ヴィンテージ(高さ50~60cm)

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