エンシュウムヨウラン 遠州無葉蘭

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Flora of Mikawa

ラン科 Orchidaceae ムヨウラン属

学 名 Lecanorchis suginoana (Tuyama) Seriz.

 synonym Lecanorchis kiusiana var. suginoana (Tuyama) T.Hashimoto

 synonym Lecanorchis japonica Bl. var. suginoana Tuyama
エンシュウムヨウランの花
エンシュウムヨウランの首
エンシュウムヨウランの首2
エンシュウムヨウランの黄色花
エンシュウムヨウラン
花 期 5月中旬~6月初旬
高 さ 15~30㎝
生活型 腐生植物
生育場所 林内
分 布 在来種 日本(愛知県、静岡県、東北地方)、台湾に分布
撮 影 北山湿地  06.6.10
ムヨウラン属の林内の日陰に生える腐生植物。愛知県内には多い。
 多年草。高さ15~30㎝。地下茎は長さ2~7㎝、木質で硬く、はじめ下向き、すぐに反転して屈曲しながらまばらに分枝し、地表近くまで伸びる。地中の植物体は地上の花に比べて非常に大きく、半径約50㎝の円状に腐葉土中に広がっている。茎は硬く、直立し、高さ15~30㎝、淡褐色、下部に3~6個の鱗片葉を互生する。鱗片葉は長さ5~10㎜、先は鈍形または鋭形。総状花序は長さ 2~10cm、ややまばらに花を3~7個つける。花は淡褐色(または鮮やかな黄色)、長さ約1.5㎝、筒状でほとんど開かないかまたは斜開する。苞は三角状卵形、長さ2~5㎜。萼片と花弁はほぼ同形、倒披針形、長さ13~18mm。萼の基部に小さな副萼があり、副萼の下が膨らむ。唇弁は倒披針形、長さ12~15㎜、淡色、左右の側裂片は丸みを帯び、中裂片はあまりカーブせず、唇弁の縁に鋸歯がほとんど無く、内側に黄色の肉質の毛があり(ウスキムヨウランより少なく、赤紫色を帯びない)、毛の突起物がほぼ上半分まで分枝し、枝毛状になる。ずい柱は先端部の左右両縁が尖ってやや突出し、3裂しない。花後は花茎まで黒くなり、翌年の花期まで残っている場合もある。花期は5月中旬~6月初旬。
 黄花品種はアルビノであり、キバナエンシュウムユウラン form. flava Seriz.という。
 ウスギムヨウラン Lecanorchis kiusiana は本州(静岡県以西)、四国、九州に分布し、エンシュウムヨウランによく似て、副萼の下が膨らむが、唇弁内側にある毛の先が赤紫色を帯びる。
 ムヨウラン Lecanorchis japonica は花を3~7個つけ、副萼の下が膨らまない。三河にも自生する。
 キイムヨウラン Lecanorchis hokurikuensis form. kiiense は花が鮮黄色。ホクリクムヨウランの黄花品種。